顔面神経麻痺(ハント症候群)
ハント症候群でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 突然、顔の片側が動かなくなった
- 耳の周りや顔に痛みを伴う発疹や水ぶくれがある
- 食事中に口から食べ物や飲み物がこぼれてしまう
- 目が完全に閉じられず、乾燥感や異物感がある
- 耳鳴りや難聴、めまいを感じる
- 味覚が変わった、または味を感じにくくなった
ハント症候群(ラムゼイ・ハント症候群)は、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされる顔面神経麻痺を主症状とする疾患です。突然の顔の麻痺に加え、耳周辺の痛みや発疹、聴覚障害などの症状が現れることが特徴的です。
この記事では、ハント症候群の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのようにハント症候群の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学の視点からのハント症候群の原因とメカニズム
ハント症候群とは
西洋医学では、ハント症候群は「水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって引き起こされる顔面神経麻痺を主症状とする疾患」と定義されています。子どもの頃に水ぼうそうの原因となるウイルスが、成人後に再び活性化することで発症します。顔面神経麻痺の中ではベル麻痺に次いで多く、全体の約20%を占めます。
主な原因
- 水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化:子どもの頃に水ぼうそうに感染した際のウイルスが、神経節に潜伏していたものが再び活性化します。
- 免疫力の低下:過労、ストレス、加齢などによる免疫力の低下がウイルスの再活性化を引き起こします。
- 膝状神経節の炎症:再活性化したウイルスが顔面神経の膝状神経節で増殖し、炎症を起こします。
- 神経の腫れと圧迫:炎症により顔面神経が腫れ、神経管内で神経が圧迫されて麻痺が生じます。
ハント症候群が発生するメカニズム
ハント症候群は以下のようなメカニズムで発生します:
- 水痘帯状疱疹ウイルスが、免疫力の低下をきっかけに神経節で再活性化します。
- ウイルスが膝状神経節(顔面神経の途中にある神経節)に感染し、炎症を引き起こします。
- 炎症により神経や周囲の組織が腫れ、顔面神経が通る狭い管(顔面神経管)の中で神経が圧迫されます。
- 神経の圧迫により、顔面の筋肉を動かす信号が正常に伝わらなくなり、顔面麻痺が生じます。
- 同時に、聴神経や前庭神経など近くにある神経にも影響が及び、耳鳴りや難聴、めまいといった症状が現れることもあります。
主な症状
- 顔面麻痺:顔の片側が動かなくなり、口角が下がる、まばたきができない、額にしわが寄らないなどの症状が現れます。
- 耳の痛みと発疹:耳の周囲や外耳道、時には口腔内にも水疱性の発疹が現れ、強い痛みを伴います。
- 聴覚障害:耳鳴りや難聴が生じることがあります。
- めまい・ふらつき:前庭神経への影響により、めまいやふらつきが現れることがあります。
- 味覚障害:舌の前方2/3の味覚を司る鼓索神経にも影響が及ぶと、味覚障害が生じます。
- 流涙・ドライアイ:涙の分泌を調節する神経にも影響が及ぶと、過剰な涙の分泌や逆にドライアイの症状が現れることがあります。
西洋医学的なアプローチでは、抗ウイルス薬とステロイド薬の併用が主な治療法となります。発症から72時間以内の早期治療が重要とされており、適切な治療により多くの場合、症状の改善が期待できます。ただし、ベル麻痺に比べると治りにくく、後遺症が残りやすいとされています。
東洋医学の視点からのハント症候群の原因とメカニズム
東洋医学でのハント症候群の捉え方
東洋医学では、ハント症候群を「風邪が経絡に侵入したことによる気血の流れの乱れ」や「肝の働きの異常による風邪の侵入」と捉えます。特に「風熱」が顔面の経絡(けいらく)に侵入し、気血の流れを妨げることで顔面の筋肉が正常に動かなくなると考えられています。また、腎の精気(じんせいき)の不足や脾胃の機能低下による気血両虚の状態も関与しているとされています。
関連する経絡
ハント症候群に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい):鼻から口、頬にかけて走る経絡で、顔面の表情筋の機能に関わります。
- 足の少陽胆経(しょうようたんけい):耳の周囲から側頭部にかけて走る経絡で、耳の症状に関連します。
- 手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい):耳の後ろから頬にかけて走る経絡で、顔面の麻痺や耳の症状に関わります。
- 督脈(とくみゃく):背骨の中心を通る重要な経絡で、全身の陽の気を統括し、顔面の機能にも関わります。
- 足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい):後頭部から背中にかけて走る経絡で、全身の気の流れに影響します。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、ハント症候群を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 風熱証(ふうねつしょう)
特徴:外部の風邪と熱が顔面の経絡に侵入した状態です。
症状:急な発症、顔面の麻痺、発疹や水疱が赤く熱感がある、口が乾く、舌が赤い、脈が浮いて速い。
改善方法:風熱を取り除き、経絡の流れを回復させる治療が効果的です。
2. 肝陽上亢(かんようじょうこう)
特徴:肝の陽が過剰に上昇し、風を生じさせた状態です。
症状:顔面麻痺、めまい、耳鳴り、イライラする、頭痛、顔が赤い、不眠、舌が赤く、脈が弦で速い。
改善方法:肝陽を鎮め、肝風を抑える治療が効果的です。
3. 気血両虚(きけつりょうきょ)
特徴:長期的な疲労やストレスにより、気と血が不足した状態です。
症状:顔面麻痺が長引く、疲れやすい、顔色が悪い、めまい、動悸、舌が淡く、脈が細い。
改善方法:気血を補い、全身の活力を高める治療が効果的です。
4. 痰熱蒙竅(たんねつもうきょう)
特徴:体内の痰と熱が経絡を塞いだ状態です。
症状:顔面麻痺、頭が重い、めまい、耳鳴り、胸が苦しい、食欲不振、舌に厚い苔がある、脈が滑りやすい。
改善方法:痰を取り除き、熱を冷ます治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、ハント症候群は以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):気の流れを調整し、筋肉や腱の機能を司ります。肝の機能障害は風を生じさせ、顔面麻痺の原因となります。
- 脾(ひ):気血を生成し、筋肉に栄養を送る役割があります。脾の機能低下は気血不足を招き、顔面の筋肉の弱化につながります。
- 腎(じん):全身の精気の源で、耳の機能にも深く関わります。腎の精気不足は耳の症状や全身の免疫力低下に関連します。
- 肺(はい):気を全身に巡らせる役割があり、皮膚の防御機能にも関わります。肺の機能低下は外邪の侵入を容易にします。
- 心(しん):血を循環させ、精神活動を司ります。心の機能異常はストレスや不安を招き、免疫力低下につながります。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化もハント症候群の発症や症状に影響すると考えます:
- 春:肝の活動が活発になる季節で、肝陽上亢や肝風内動が起こりやすくなります。
- 冬から春への変わり目:気候の急激な変化により、風邪が侵入しやすくなります。
- 寒冷な環境:寒さにより気血の流れが滞りやすくなり、風寒が侵入しやすくなります。
- 湿度の高い環境:湿邪が体内に蓄積し、痰湿の形成を促進することがあります。
- ストレスの多い環境:精神的なストレスは肝の機能を乱し、肝陽上亢や肝風内動を引き起こします。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | ハント症候群(ラムゼイ・ハント症候群) | 口眼喎斜(こうがんわいしゃ)、歪風(わいふう) |
原因の捉え方 | 水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化による顔面神経の炎症と圧迫 | 風邪の侵入による経絡の気血の流れの乱れ、肝陽上亢や気血両虚 |
診断方法 | 臨床症状、柳原法による顔面運動機能評価、誘発筋電図検査(ENoG)、MRI、聴力検査 | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル)、ステロイド薬、必要に応じて顔面神経減荷術 | 鍼灸治療、漢方薬、体質や証に合わせた養生法 |
治療の焦点 | ウイルスの増殖抑制、炎症の軽減、神経圧迫の解除 | 経絡の通りを回復、気血のバランス改善、体質の調整 |
治療開始のタイミング | 発症から72時間以内の早期治療が重要 | 急性期から回復期まで段階に応じた治療 |
予後の見方 | 発症後3〜6ヶ月で評価、ベル麻痺より回復率が低い | 証と体質に基づく個別的な回復過程の評価 |
後遺症への対応 | リハビリテーション、ボツリヌス毒素注射、形成外科的手術 | 継続的な鍼灸治療、体質改善、経絡の活性化 |
西洋医学と東洋医学はそれぞれ異なる視点からハント症候群にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。
ハント症候群を放置するリスク
ハント症候群は早期に適切な治療を受けることが非常に重要です。発症後72時間以内に治療を開始することで回復の可能性が高まりますが、放置すると様々な問題が生じる可能性があります。
身体的リスク
- 顔面麻痺の永続化:適切な治療を受けないと、顔面麻痺が完全に回復せず、永続的な障害として残る可能性が高まります。
- 病的共同運動:回復過程で神経の再生が適切に行われないと、口を動かすと目が閉じるなど、意図しない顔面筋の共同運動が生じることがあります。
- 顔面拘縮:顔面の筋肉が硬くなり、表情が作りにくくなる症状が現れることがあります。
- ワニの涙現象:唾液腺を刺激する神経と涙腺を刺激する神経が誤って連結し、食事の際に涙が出る現象が起こることがあります。
- 角膜障害:まばたきができないことで目が乾燥し、角膜に傷がついたり炎症を起こしたりすることがあります。
- 永続的な聴覚障害:内耳への影響が大きい場合、難聴や耳鳴りが永続的に残ることがあります。
精神的・社会的リスク
- 自己肯定感の低下:顔の表情が作れないことによる対人関係の困難さから、自己肯定感が低下することがあります。
- 社会的孤立:外見の変化や身体機能の制限から、社会活動を避けるようになり、孤立感が強まることがあります。
- うつや不安の増加:症状の長期化や将来への不安から、抑うつ状態や不安障害を発症するリスクが高まります。
- コミュニケーション障害:表情による感情表現が難しくなり、対人コミュニケーションに支障が生じることがあります。
- 仕事や日常生活への影響:症状により仕事のパフォーマンスが低下したり、日常生活の質が低下したりすることがあります。
早期対処の重要性
ハント症候群は、早期に適切な対処を行うことで回復の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 発症から72時間以内に治療を開始することで、完全回復の確率が大幅に高まります。
- 抗ウイルス薬の早期投与により、ウイルスの増殖を抑え、神経へのダメージを最小限に抑えることができます。
- ステロイド薬の早期投与により、神経の炎症を抑え、麻痺の進行を防ぐことができます。
- 早期から適切なケアを行うことで、角膜障害などの合併症を予防できます。
- 早期からリハビリテーションを始めることで、後遺症のリスクを減らすことができます。
顔面麻痺や耳の痛み、発疹などの症状が現れたら、「様子を見よう」と放置せず、すぐに専門医に相談することが大切です。当院では、ハント症候群の早期発見・早期治療を重視しています。
当院のハント症候群施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチでハント症候群の症状緩和と回復促進を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、顔面神経の機能回復と全身のバランス調整を促進します。
施術の特徴
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない施術:患部から離れた手足のツボを使うことで、身体に負担をかけずに効果的な治療を行います。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 整体:首や肩の緊張を緩める施術で、顔面への血流を改善し、神経の回復を促進します。
- 経絡調整:顔面に関わる経絡の流れを整え、気血の巡りを改善します。
- 西洋医学的治療との連携:必要に応じて医療機関と連携し、鍼灸治療と西洋医学的治療を併用することでより効果的な回復を目指します。
施術の流れ
- 問診:症状の経過や西洋医学的治療の状況、生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:首や肩の筋肉の緊張を緩め、顔面への血流を改善します。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
ハント症候群に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、顔面の血行を促進し、麻痺の改善に効果があります。
- 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボで、風邪を除去し、経絡の流れを改善します。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、免疫力を高める効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足首の内側から指4本分上にあるツボで、血の巡りを良くし、全身の調和を促進します。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
ハント症候群に関するよくある質問(FAQ)
ハント症候群とベル麻痺はどちらも顔面神経麻痺を引き起こしますが、主な違いは以下の点にあります:
- 原因:ハント症候群は水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こりますが、ベル麻痺は単純ヘルペスウイルスとの関連が示唆されています。
- 症状:ハント症候群では顔面麻痺に加えて、耳の痛みや発疹、聴覚障害、めまいなどの症状が現れますが、ベル麻痺ではこれらの症状は通常見られません。
- 予後:ハント症候群はベル麻痺に比べて回復率が低く、後遺症が残りやすいとされています。ベル麻痺の完全回復率は約70-80%ですが、ハント症候群では50-60%程度とされています。
- 治療:ハント症候群では抗ウイルス薬とステロイド薬の併用が標準治療ですが、ベル麻痺ではステロイド薬単独でも効果が期待できます。
当院では、顔面神経麻痺の種類を正確に見極め、それぞれに適した最適な治療方針を立てています。
症状の程度や発症からの期間、体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 急性期(発症〜2週間):週2〜3回の頻度で、炎症の軽減と神経機能の保護を目指します。
- 回復初期(2週間〜1ヶ月):週1〜2回の頻度で、神経の再生を促進します。
- 回復中期(1〜3ヶ月):週1回程度の頻度で、機能の回復を促進します。
- 回復後期(3ヶ月以降):2週間に1回程度の頻度で、後遺症の予防と残存する症状の改善を目指します。
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。西洋医学的治療と並行して鍼灸治療を受けることで、回復を促進する効果が期待できます。
はい、発症から時間が経過していても治療効果は期待できます。確かに西洋医学的には発症から72時間以内の治療開始が最も効果的とされていますが、それ以降でも適切な治療により症状の改善が可能です。
特に東洋医学的アプローチでは、急性期を過ぎた後の回復期においても、以下のような効果が期待できます:
- 顔面の血流改善と気の流れの調整による神経の回復促進
- 筋肉の緊張緩和と拘縮の予防
- 病的共同運動などの後遺症の軽減
- 全身の免疫力向上によるウイルスの再活性化防止
当院では、発症からの期間に関わらず、現在の症状に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。諦めずに、まずはご相談ください。
ハント症候群の後遺症(病的共同運動、顔面拘縮、ワニの涙現象など)が残ってしまった場合でも、症状の改善は可能です。後遺症の種類や程度によって改善の度合いには個人差がありますが、適切な治療とケアにより症状を軽減することができます。
当院では、後遺症に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 病的共同運動の改善:筋肉の過剰な収縮を抑え、正常な動きを促す経絡調整と特定のツボへの刺激
- 顔面拘縮の緩和:硬くなった筋肉や筋膜を緩める整体と血流改善のための鍼灸治療
- 感覚異常の改善:感覚神経の回復を促進する特定のツボへの刺激
- バランスのとれた筋肉の再教育:顔面筋のバランスを整えるための指導とエクササイズ
後遺症の治療では根気強く継続することが大切です。当院では一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの治療計画を立て、長期的なサポートを行っています。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は過度の運動や飲酒を控え、十分な休息をとりましょう
- 顔面を冷やさないよう注意し、寒い季節は特にマスクやマフラーで保温しましょう
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
- 目の乾燥を防ぐため、人工涙液の使用や夜間の目の保護(アイマスクなど)を継続しましょう
- 指導されたセルフケアやマッサージを毎日継続しましょう
- 過度のストレスを避け、十分な睡眠をとるよう心がけましょう
また、稀に施術後に一時的な違和感や痠れ感を感じることがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる「好転反応」の一種で、通常は24〜48時間以内に収まります。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。
ハント症候群改善のための自宅でのセルフケア
ハント症候群の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と回復促進につながります。
顔面筋のケアとリハビリテーション
- 顔面マッサージ:耳の前から頬、口の周り、あごにかけて優しく円を描くようにマッサージしましょう。1日2〜3回、各5分程度行います。
- 表情筋のトレーニング:鏡を見ながら、ゆっくりと笑う、眉を上げる、目を閉じるなどの動作を行います。無理せず、できる範囲で行いましょう。
- 口周りのエクササイズ:口を「イ」「ウ」「オ」の形にする、頬を膨らませる、口笛を吹くなどの動作を行います。
- 目のケア:まばたきがうまくできない場合は、1日数回、人工涙液で目を潤し、乾燥から守りましょう。夜間は目の保護用のアイパッチやマスクの使用が効果的です。
温熱療法
- 蒸しタオル:清潔なタオルを温めて(熱すぎないように注意)、顔の麻痺している側に5〜10分間当てます。これにより血行が促進され、筋肉の緊張が緩和されます。
- 入浴:38〜40度のぬるめのお湯に15〜20分間浸かり、全身の血行を促進します。発症直後の急性期には熱すぎるお湯は避けましょう。
- 保温:特に寒い季節は、顔や首の保温に気を配りましょう。マスクやマフラーを活用し、冷えから顔面神経を守ります。
免疫力を高める生活習慣
- 十分な睡眠:質の良い睡眠は免疫力を高め、神経の回復を促進します。7〜8時間の睡眠を心がけましょう。
- バランスの良い食事:ビタミンB群やビタミンCが豊富な食品、抗酸化物質を含む野菜や果物を積極的に摂取しましょう。また、神経の修復に必要なタンパク質も重要です。
- 適度な運動:ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で適度な運動を行い、血行を促進しましょう。
- ストレス管理:深呼吸、瞑想、趣味の時間など、ストレスを軽減する方法を見つけ、実践しましょう。
- 十分な水分摂取:水分をこまめに摂り、体内の循環を良好に保ちましょう。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根にあるツボです。顔面の気の流れを改善します。
- 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボです。風邪を除去する効果があります。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を補う効果があります。
- 太陽(たいよう):こめかみにあるツボです。頭痛やめまいの緩和に効果があります。
日常生活での注意点
- 過労を避ける:過度の疲労は免疫力を低下させ、回復を遅らせることがあります。適度な休息を取りましょう。
- 冷えを防ぐ:冷たい風や冷房の直接的な当たりを避け、顔や首の保温に気を配りましょう。
- 食事のサポート:口から食べ物がこぼれる場合は、小さく切った食べ物を少量ずつ摂り、ゆっくり咀嚼しましょう。
- 歯のケア:麻痺側に食べ物が残りやすいため、食後の丁寧な歯磨きが大切です。
- 日常動作の工夫:麻痺側の目が閉じにくい場合は、洗顔時に手で目を押さえるなど、工夫をしましょう。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、ハント症候群の回復を促進することができます。無理なく続けられるものから始めて、徐々に習慣化していきましょう。
ハント症候群のまとめと施術のご案内
ハント症候群の要約
ハント症候群(ラムゼイ・ハント症候群)は、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされる顔面神経麻痺を主症状とする疾患です。顔面麻痺に加えて、耳周辺の発疹や痛み、聴覚障害、めまいなどの症状が特徴的です。
ハント症候群は発症から72時間以内の早期治療が非常に重要で、適切な治療によって回復の可能性が高まります。しかし、ベル麻痺に比べると治りにくく、後遺症が残りやすいとされています。
当院では、東洋医学と西洋医学の両方の知見を活かしたアプローチで、ハント症候群の症状緩和と回復促進をサポートします。顔面の筋肉機能の回復だけでなく、全身のバランスを整え、免疫力を高めることで根本的な改善を目指します。
当院のアプローチの特徴
当院では、ハント症候群に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療
- 経絡の流れを整え、顔面への血流を改善する施術
- 自宅でできるセルフケアの具体的な指導と定期的なフォローアップ
多くの患者様から「顔の動きが改善した」「痛みが和らいだ」「日常生活がしやすくなった」といったお声をいただいております。ハント症候群でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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