狭心症・心筋梗塞
狭心症・心筋梗塞でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 胸が締め付けられるような痛みや圧迫感がある
- 運動や階段の昇降で胸痛や息切れが生じる
- 左肩や左腕、あごに痛みが放散することがある
- 冷たい空気を吸い込んだときに胸が痛くなる
- ストレスを感じると胸の不快感が強くなる
- 心臓病の家族歴があり、将来が不安である
狭心症と心筋梗塞は、心臓の冠動脈に問題が生じることで起こる疾患です。狭心症は冠動脈の狭窄により一時的に心筋への血流が減少する状態であり、心筋梗塞は冠動脈が完全に閉塞して心筋が壊死してしまう、より深刻な状態です。
この記事では、狭心症・心筋梗塞の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、これらの症状に対して鍼灸治療がどのようにアプローチできるのかをご紹介します。また、症状の緩和や予防に役立つ生活習慣の改善点やセルフケア方法についても詳しくお伝えします。
西洋医学の視点から
狭心症とは
狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈が狭くなることで、一時的に心筋への血流が不足し、胸痛などの症状が現れる状態です。通常、症状は数分間続いた後に自然に治まりますが、これは心筋への酸素供給が一時的に減少しているものの、心筋の永続的な損傷(壊死)には至っていないことを意味します。
心筋梗塞とは
心筋梗塞は、冠動脈が完全に閉塞して血流が途絶え、心筋の一部が壊死してしまう状態です。これは緊急の医療処置を必要とする深刻な状態であり、適切な治療が遅れると命に関わる可能性があります。
主な原因
- 動脈硬化:冠動脈の内壁にコレステロールなどの脂質が蓄積して動脈の内腔が狭くなる病態です。
- 冠攣縮(れんしゅく):冠動脈が一時的に痙攣して狭くなる状態です。
- 血栓形成:血液が固まり、血栓(血の塊)が形成されて血管を塞ぐことがあります。
- 高血圧:血管への負担が増加し、動脈硬化のリスクを高めます。
- 糖尿病:血管の損傷を促進し、動脈硬化のリスクを高めます。
- 喫煙:血管内皮の機能を損ない、動脈硬化を促進します。
- 肥満・運動不足:代謝異常を引き起こし、心血管系の健康を損ないます。
- ストレス:血圧の上昇や血管の収縮をもたらすことがあります。
- 家族歴:遺伝的要因も狭心症・心筋梗塞のリスクに影響します。
症状が発生するメカニズム
狭心症と心筋梗塞は以下のようなメカニズムで発生します:
- 冠動脈の狭窄や閉塞により、心筋への血流(酸素や栄養素の供給)が減少します。
- 心筋が必要とする酸素と実際に供給される酸素との間に不均衡が生じます。
- 狭心症では、この不均衡は一時的であり、安静にすることで症状は軽減します。
- 心筋梗塞では、血流の途絶が長時間続くことで心筋細胞が死滅(壊死)し、永久的なダメージが生じます。
- 心筋の壊死部分は、治癒過程で線維組織に置き換わり、心臓のポンプ機能が低下することがあります。
典型的な症状と特徴
狭心症の特徴:
- 胸の中央部に圧迫感、締め付け感、重苦しさ、灼熱感などを感じる
- 症状は通常数分間(2〜15分程度)続いた後に治まる
- 運動、寒冷、食後、ストレスなどの特定の状況で誘発されやすい
- 安静にすると症状が緩和することが多い
- 症状が左肩、左腕、あご、背中に放散することがある
心筋梗塞の特徴:
- 強い胸痛が30分以上持続し、安静にしても軽減しない
- 冷や汗、吐き気、嘔吐を伴うことが多い
- 呼吸困難感、極度の疲労感、めまい、失神を伴うことがある
- 女性、高齢者、糖尿病患者では典型的な胸痛がなく、「胸部不快感」「息切れ」「疲労感」などの非定型的な症状で現れることがある
- 特に早朝(午前中)に発症することが多い
西洋医学的なアプローチでは、薬物療法(抗血小板薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬など)、カテーテル治療(PCI)、冠動脈バイパス手術(CABG)などの治療法が用いられます。また、生活習慣の改善も重要な治療の柱となります。
東洋医学の視点から
東洋医学での狭心症・心筋梗塞の捉え方
東洋医学では、狭心症や心筋梗塞などの胸痛を「胸痺(きょうひ)」「心痛」「真心痛」などと表現し、「気血の滞り」「瘀血(おけつ)」「陰陽のアンバランス」などによって引き起こされる状態と考えます。東洋医学の基本的な考えでは、体内の気と血の流れが滞ることで様々な症状が現れ、胸部の痛みや不快感もその一つと捉えます。
関連する経絡
狭心症・心筋梗塞に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 心経(しんけい):心臓の機能と直接関連する経絡で、心の活動や血液循環を司ります。
- 心包経(しんぽうけい):心臓を保護する役割を持ち、ストレスや感情の調節に関わります。
- 肝経(かんけい):気の流れを調整し、ストレスや感情の影響を受けやすい経絡です。
- 脾経(ひけい):気血を生成し、全身に運ぶ役割がある経絡です。
- 腎経(じんけい):先天の気(元気)を蓄え、心臓を含む全身の機能をサポートします。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、狭心症・心筋梗塞の症状を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 気滞(きたい)
特徴:ストレスや感情の変化により気の流れが滞った状態です。
症状:胸の締め付け感、ストレスにより症状が悪化する、ため息が多い、感情の変化で胸部不快感が変動する。
改善方法:気の流れを促す「疏肝理気(そかんりき)」の治療が効果的です。
2. 血瘀(けつお)
特徴:血液の循環が滞り、瘀血(おけつ:血液の滞り)が生じた状態です。
症状:刺すような鋭い胸痛、夜間に悪化する傾向、暗紫色の舌、細くて渋滞のある脈。
改善方法:血の流れを改善する「活血化瘀(かっけつかお)」の治療が効果的です。
3. 心腎陽虚(しんじんようきょ)
特徴:心臓と腎臓の陽気(温めるエネルギー)が不足した状態です。
症状:胸痛と共に冷えや疲労感が強い、動悸、息切れ、特に冷えると症状が悪化する、腰や膝の冷え。
改善方法:陽気を補う「温陽益気(おんようえっき)」の治療が効果的です。
4. 気陰両虚(きいんりょうきょ)
特徴:気と陰の両方が不足した状態で、特に長期の病後や高齢者に多く見られます。
症状:胸部の不快感、疲労感、動悸、微熱、頬の紅潮、寝汗、乾いた口、少量の暗い尿。
改善方法:気と陰を同時に補う「益気養陰(えっきようりん)」の治療が効果的です。
5. 痰湿(たんしつ)
特徴:体内に痰や湿気が蓄積し、気血の流れを妨げている状態です。
症状:胸部の重苦しさ、むくみ、痰の絡んだ咳、肥満傾向、舌に白い厚い苔。
改善方法:痰湿を取り除く「化痰利湿(けたんりしつ)」の治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、狭心症・心筋梗塞は主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 心(しん):血液循環を司り、「神明(精神活動)」を収める役割があります。心の機能が弱まると、血行不良や胸痛が生じます。
- 肝(かん):気の流れを調整し、血を蓄える働きがあります。肝の機能異常はストレスによる症状悪化に関連します。
- 脾(ひ):気血を生成する役割があり、その機能低下は気血不足による症状に関連します。
- 腎(じん):先天の精を蓄え、心を潤す役割があります。腎の機能低下は特に高齢者の心臓症状に関連します。
- 肺(はい):気を司り、全身に気を巡らせます。肺の機能異常は息切れや胸部不快感に関連します。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化も狭心症・心筋梗塞の症状に影響すると考えます:
- 冬:寒さにより血管が収縮し、特に心腎陽虚タイプの方は症状が悪化しやすい季節です。
- 春:肝の気が上昇する時期で、気滞タイプの方は感情の変化による症状悪化に注意が必要です。
- 季節の変わり目:気候の急激な変化は体の適応能力を低下させ、症状を悪化させることがあります。
- 湿度の高い環境:湿気は体内に痰湿を生じさせやすく、痰湿タイプの方は症状が悪化することがあります。
- 過度に乾燥した環境:乾燥は陰を消耗させ、気陰両虚タイプの方に影響を与えることがあります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病態の捉え方 | 冠動脈の狭窄や閉塞による心筋への血流不足 | 気血の滞り、瘀血、陰陽のアンバランス |
診断方法 | 心電図、心エコー、冠動脈造影、血液検査など | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断 |
治療アプローチ | 薬物療法、カテーテル治療(PCI)、冠動脈バイパス手術(CABG) | 鍼灸治療、漢方薬、体質に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 冠動脈の狭窄解除、血栓予防、症状の緩和 | 気血の流れの改善、体質改善、全身バランスの調整 |
緊急時の対応 | 救急医療、早期再灌流療法(特に心筋梗塞の場合) | 急性期は西洋医学的治療を優先し、回復期からの補助療法として活用 |
予防的アプローチ | リスク因子の管理(血圧・コレステロール・血糖値の管理、禁煙など) | 体質改善、気血の巡りの促進、ストレス管理、食養生 |
副作用/リスク | 薬物療法の副作用、侵襲的処置のリスク | 一般的に副作用のリスクは低いが、適切な診断と施術が必要 |
個別化治療 | 疾患の種類や重症度に基づく標準的治療 | 個人の体質や証に基づいた完全オーダーメイドの治療 |
西洋医学と東洋医学は異なるアプローチを持ちますが、互いに補完し合うことで、より効果的な治療が可能になります。特に狭心症の慢性期や心筋梗塞後のリハビリ期においては、両方のアプローチを組み合わせることで、症状管理と再発予防に役立ちます。
注意:心筋梗塞の急性期や不安定狭心症など、緊急性の高い状態では、まず西洋医学的な救急医療を受けることが最優先です。鍼灸治療は西洋医学的治療との併用や、回復期からの取り組みとして検討することをお勧めします。
狭心症・心筋梗塞を放置するリスク
狭心症や心筋梗塞の症状を感じた場合、「一時的なものだろう」「忙しいから後で考える」と放置してしまうことは大変危険です。適切な検査や治療を受けないまま放置すると、以下のようなリスクがあります。
身体的リスク
- 狭心症から心筋梗塞へ:狭心症を放置すると、冠動脈の状態が悪化し、完全閉塞による心筋梗塞を引き起こすリスクが高まります。
- 心筋梗塞の重症化:心筋梗塞の初期症状を放置すると、より広範囲の心筋壊死が進行し、生命に関わる危険性が高まります。
- 心不全:繰り返す狭心症や心筋梗塞により、心臓のポンプ機能が低下し、心不全に至るリスクがあります。
- 不整脈:心筋の損傷は不整脈を引き起こし、中には致命的な不整脈に発展するリスクもあります。
- 突然死:重篤な心筋梗塞や致命的不整脈による突然死のリスクがあります。
- その他の合併症:心臓破裂、心室中隔穿孔、僧帽弁機能不全など、致命的な合併症を引き起こす可能性があります。
生活への影響
- 生活の質の低下:繰り返す胸痛や息切れにより、日常活動が制限され、生活の質が低下します。
- 運動能力の低下:運動時の症状により、活動量が減少し、筋力低下や体力低下を招きます。
- 社会的影響:仕事や社会活動への参加が制限され、人間関係や収入に影響が出ることもあります。
- 精神的負担:症状への不安や将来への恐れが、うつや不安障害につながることがあります。
- 家族への負担:患者の状態悪化により、家族の介護負担や精神的・経済的負担が増加します。
早期対処の重要性
狭心症や心筋梗塞の兆候がある場合、早期に医療機関を受診することで以下のようなメリットがあります:
- 重篤な合併症の予防:早期治療により、心筋梗塞への進行や広範囲の心筋壊死を防ぐことができます。
- 予後の改善:特に心筋梗塞では、発症から治療開始までの時間が短いほど、予後が良好です(「時間は心筋なり」と言われます)。
- より低侵襲な治療の選択肢:早期段階では、より低侵襲な治療選択肢が可能な場合があります。
- リスク因子の早期管理:高血圧や高コレステロールなどのリスク因子を早期に管理することで、病気の進行を遅らせることができます。
- 生活の質の維持:適切な治療により、症状を軽減し、日常生活の質を維持することができます。
受診すべき症状
以下のような症状を感じたら、速やかに医療機関を受診してください:
- 胸の中央部に圧迫感、締め付け感、重苦しさ、痛みがある
- 症状が左腕、首、あご、背中に放散する
- 同時に息切れ、冷や汗、めまい、吐き気を伴う
- 特に30分以上続く強い胸痛がある場合は救急車を呼ぶ
- 以前に狭心症と診断された方で、症状の頻度や強さが増している
- 安静時にも症状が現れるようになった
緊急時の対応:心筋梗塞が疑われる強い胸痛が30分以上続く場合や、呼吸困難、意識障害などの重篤な症状がある場合は、迷わず救急車(119番)を呼んでください。
当院の狭心症・心筋梗塞施術方法
注意:当院の鍼灸治療は、医師による診断・治療を受けた上で、補完的な療法として受けることをお勧めします。心筋梗塞の急性期や不安定狭心症など緊急を要する場合は、まず病院での治療を優先してください。
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで、狭心症の症状緩和や心筋梗塞後のリハビリ期のサポートを行います。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を提供し、全身のバランスを整えながら心臓の健康をサポートします。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:身体に負担の少ない施術で、血行改善と自律神経のバランスを整えます。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 自律神経の調整:自律神経のバランスを整えることで、心臓血管系の機能改善を促します。
- 血行促進:全身の血流を改善し、心臓への負担を軽減します。
- ストレス管理:ストレスによる心臓への負担を軽減するアプローチを行います。
施術の流れ
- 問診:症状の詳細、既往歴、現在受けている治療、使用中の薬剤などをお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- 整体:必要に応じて、身体のバランスを整える優しい整体施術を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
狭心症・心筋梗塞に効果的なツボ
当院では手足のツボを主に用いて、お一人おひとりの症状や体質に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 内関(ないかん):手首の内側、手のひら側から指3本分上にあるツボで、心臓の症状や精神的な緊張の緩和に効果があります。
- 郄門(げきもん):手の甲側、小指と薬指の間の筋肉の延長線上にあるツボで、心臓の血流改善に関連します。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、消化機能や免疫力の向上に役立ちます。
- 三陰交(さんいんこう):足首の内側、くるぶしから指4本分上にあるツボで、血流改善や全身のバランスを整えます。
- 太渓(たいけい):足首の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎の機能を高め、心臓をサポートします。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
鍼灸治療が期待できる効果
- 血行促進:鍼灸治療により全身の血流が改善し、心臓への血液供給も促進されます。
- 自律神経の調整:交感神経と副交感神経のバランスを整え、心臓の過度な負担を軽減します。
- 内因性オピオイド系の活性化:体内の痛みを抑える物質の分泌が促され、胸痛などの症状緩和につながります。
- 抗炎症作用:慢性炎症を軽減することで、動脈硬化の進行を抑制する可能性があります。
- ストレス軽減:鍼治療によるリラクゼーション効果で、ストレスホルモンの分泌が抑制されます。
- 気血の流れの改善:東洋医学的に気血の流れを改善することで、心臓の機能を支えます。
医療機関との連携:当院では、主治医の治療方針を尊重し、西洋医学的治療と並行して補完的に鍼灸治療を行います。治療前に必ず医師の診断を受け、現在の治療状況をお知らせください。また、施術後の変化については、担当医師にも報告されることをお勧めします。
狭心症・心筋梗塞に関するよくある質問(FAQ)
はい、医師の診断と承認があれば受けることができます。ただし、急性期や不安定な状態ではなく、症状が安定している慢性期や回復期に受けることをお勧めします。
特に以下のような場合は鍼灸治療が補完療法として有用な場合があります:
- 安定型狭心症で症状が軽度から中等度の場合
- 心筋梗塞後のリハビリ期で医師の許可がある場合
- 薬物療法を受けているが、症状がまだ完全にコントロールされていない場合
当院では初回のカウンセリングで詳しくお話を伺い、医療機関での治療状況を確認した上で、安全かつ効果的な施術プランをご提案します。また、現在服用中のお薬があれば、必ずお知らせください。
効果の現れ方には個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 軽度の症状:週1回の頻度で4〜6週間
- 中程度の症状:週2回の頻度で4〜6週間、その後週1回に減らす
- 慢性的な症状:まず集中的に治療(週2回を3〜4週間)した後、状態に応じて週1回または隔週に調整
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた治療計画をご提案いたします。多くの方が3〜5回程度の施術で自覚症状の改善を感じ始めますが、根本的な改善を目指す場合は、より長期的な取り組みが必要になることもあります。
症状の変化を定期的に評価し、必要に応じて治療計画を調整していきます。また、症状が安定した後も、予防や健康維持のために月1回程度の定期的なメンテナンスをお勧めすることがあります。
抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合でも、適切な注意のもとで鍼治療を受けることは可能です。ただし、以下のような特別な配慮が必要になります:
- より細い鍼を使用し、刺激を弱めに調整します
- 出血しやすい部位の施術を避けます
- 抜鍼後は通常より長めに圧迫して止血します
- 施術後の内出血や出血がないか注意深く観察します
初回の問診時に、服用しているお薬について詳しくお聞きし、安全に施術できるよう配慮いたします。主治医に鍼治療を受けることについて事前に相談されることもお勧めします。
はい、鍼灸治療は西洋医学的治療と併用することができます。むしろ、両方を組み合わせることで相乗効果が期待できる場合も多いです。
鍼灸治療は以下のような点で西洋医学的治療を補完します:
- 薬物療法の副作用軽減(例:筋肉痛、倦怠感などの症状緩和)
- ストレス軽減と自律神経のバランス調整
- 全身の血行促進による心臓への負担軽減
- 心臓リハビリテーションの補助療法としての役割
西洋医学的治療(特に薬物療法)を受けている場合は、鍼灸治療によって薬の効果が変化する可能性もあるため、治療の変化や体調の変化があれば、必ず担当医師にご報告ください。当院では医療機関との連携を大切にし、あなたの総合的な健康をサポートします。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は激しい運動や過度の飲酒を避け、ゆったりと過ごしましょう
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
- 冷たい飲食物や冷たい環境を避け、体を冷やさないようにしましょう
- 規則正しい食事と十分な睡眠を心がけましょう
- 処方されているお薬は医師の指示通りに継続して服用しましょう
まれに施術後、一時的に症状が強くなったり、だるさを感じたりすることがあります。これは体が調整されていく過程で起こる「好転反応」と呼ばれるもので、通常は1〜2日で改善します。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。
また、施術後に胸痛が強くなる、息苦しさが増す、めまいや意識障害がある、などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
狭心症・心筋梗塞改善のための自宅でのセルフケア
狭心症や心筋梗塞の方が自宅で行えるセルフケアは、病気の管理や再発予防において非常に重要です。医師の指導のもと、以下のような取り組みを日常生活に取り入れることをお勧めします。
生活習慣の改善
- 禁煙:喫煙は冠動脈疾患の最大のリスク因子の一つです。禁煙することで心臓病のリスクを大幅に減少させることができます。
- 適度な運動:医師の許可を得た上で、ウォーキングなどの有酸素運動を定期的に行いましょう。一般的には、週に5日、30分程度の軽い有酸素運動が推奨されます。
- 適正体重の維持:過体重や肥満は心臓に負担をかけます。バランスの取れた食事と定期的な運動で、適正体重を維持しましょう。
- 健康的な食生活:塩分・糖分・飽和脂肪の摂取を控え、野菜、果物、全粒穀物、低脂肪のタンパク質を多く含む食事を心がけましょう。
- ストレス管理:ストレスは心臓に悪影響を与えます。瞑想、深呼吸、ヨガなどのリラクゼーション法を取り入れましょう。
- 十分な睡眠:質の良い睡眠は心臓の健康に重要です。規則正しい睡眠パターンを維持しましょう。
- 適量の飲酒:過度の飲酒は避け、飲む場合は適量(日本酒なら1合程度)にとどめましょう。
食事の工夫
- 地中海式食事法:オリーブオイル、魚、野菜、果物、全粒穀物を中心とした食事は心臓の健康に良いとされています。
- 塩分制限:1日の塩分摂取量を6g未満に抑えましょう。調味料を控えめにし、加工食品や外食を減らすことが効果的です。
- 良質な脂質の選択:飽和脂肪(肉の脂身、バター)を減らし、不飽和脂肪(オリーブオイル、アボカド、ナッツ類)を適量摂りましょう。
- 食物繊維の摂取:野菜、果物、全粒穀物、豆類などの食物繊維は、コレステロール値を下げる効果があります。
- 魚の摂取:青魚(サバ、サンマ、イワシなど)に含まれるオメガ3脂肪酸は、心臓の健康に良いとされています。
- 糖分の制限:砂糖や精製炭水化物の摂取を控え、血糖値の急激な上昇を避けましょう。
ストレス管理と心のケア
- 腹式呼吸:1日数回、ゆっくりと深い腹式呼吸を行うことで、自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減できます。
- 瞑想:10〜20分程度の瞑想を取り入れることで、ストレスホルモンの分泌を抑え、心の安定につながります。
- 趣味や社会活動:楽しみを持つことは精神的な健康に重要です。自分に合った趣味や社会活動を見つけましょう。
- ポジティブ思考:ネガティブな思考パターンに気づき、より前向きな考え方を心がけましょう。
- 十分な休息:疲れを感じたら無理をせず、適切に休息を取ることも大切です。
自己管理と医療との連携
- 服薬管理:医師から処方された薬は指示通りに正確に服用し、勝手に中断しないようにしましょう。
- 症状の記録:胸痛や不快感などの症状があった場合は、いつ、どのような状況で起こったかを記録しておきましょう。
- 定期的な健康チェック:血圧、体重、血糖値などを定期的に測定し、変化を把握しましょう。
- 定期受診:医師の指示に従って定期的に受診し、検査や薬の調整を行いましょう。
- 緊急時の対応を知る:狭心症発作や心筋梗塞の症状が現れた場合の対応方法を家族も含めて理解しておきましょう。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも補助的なケアとして効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 内関(ないかん):手首の内側、手のひら側から指3本分上にあるツボです。心臓の症状や不安感の緩和に効果があります。
- 労宮(ろうきゅう):手のひらの中央にあるツボです。手を軽く握ったときに中指の先が当たる場所にあります。緊張やストレスの緩和に効果的です。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を巡らせ、体力回復や消化機能向上に役立ちます。
- 合谷(ごうこく):手の甲側の親指と人差し指の骨が交わる部分にあるツボです。血行促進や痛みの緩和に効果があります。
注意:これらのセルフケアは医師による治療の代わりになるものではありません。必ず医師の指導のもとで行い、気になる症状がある場合は医療機関を受診してください。また、妊娠中の方は特定のツボ押しを避ける必要があるため、専門家に相談してください。
狭心症・心筋梗塞のまとめと施術のご案内
主要ポイントの要約
狭心症と心筋梗塞は、心臓の冠動脈に問題が生じることで起こる疾患です。狭心症は一時的な血流不足による症状で、心筋梗塞はより深刻な冠動脈の完全閉塞による心筋の壊死を伴います。
西洋医学では、動脈硬化や血栓形成などの物理的な要因に焦点を当て、薬物療法やカテーテル治療などで対処します。一方、東洋医学では「気血の滞り」や「瘀血」などの概念で捉え、鍼灸治療や漢方薬で全身のバランスを整えるアプローチを取ります。
狭心症や心筋梗塞の兆候がある場合は、早期に医療機関を受診することが極めて重要です。特に、30分以上続く強い胸痛がある場合は心筋梗塞の可能性があり、救急車を呼ぶべき緊急事態です。
これらの疾患の管理と予防には、医療機関での適切な治療に加えて、生活習慣の改善(禁煙、適切な食事、運動、ストレス管理など)が非常に重要です。鍼灸治療は、西洋医学的治療と併用することで、症状の緩和や全身状態の改善に貢献できる補完療法として位置づけられます。
当院のアプローチの特徴
当院では、狭心症や心筋梗塞後の方に対して、以下のような特徴あるアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を統合した総合的な視点
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない施術
- 自律神経のバランスを整え、心臓への負担を軽減するアプローチ
- 医療機関との連携を重視し、補完療法としての役割を明確にした施術
- 生活習慣の改善や自宅でのセルフケアに関する具体的なアドバイス
当院の施術は医師の治療を補完し、心臓の健康を多角的に支えることを目指しています。すでに医療機関で治療を受けている方は、その内容や服用中のお薬についてお知らせいただくことで、より安全で効果的な施術を提供することができます。
ご予約・お問い合わせ
狭心症や心筋梗塞でお悩みの方、予防のために鍼灸治療に興味をお持ちの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、お一人おひとりに合った施術プランをご提案いたします。
【住所】
567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)
【お電話】
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【受付時間】
月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土 10:00~13:30
日曜・祝日 休み
心臓の健康は人生の質に大きく関わります。当院では心臓の不調に対する東洋医学的アプローチで、あなたの健康と快適な毎日をサポートします。お気軽にご相談ください。
施術料
恥骨の痛みでお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 妊娠中や産後に恥骨部分に痛みが出るようになった
- 歩くときや階段の昇降時に恥骨が痛む
- 起き上がりや寝返りをするときに恥骨周辺が痛む
- 足を大きく開いたり、片足立ちをすると恥骨が痛む
- スポーツ中や運動後に恥骨周辺に痛みを感じる
- 恥骨から太ももの内側にかけて痛みやしびれがある
恥骨の痛みは、恥骨結合部やその周辺の筋肉、靭帯に炎症や負担がかかることで発生する症状です。特に妊娠中や産後の女性に多く見られますが、スポーツ選手や日常生活での姿勢の問題により男性にも起こることがあります。
この記事では、恥骨の痛みの原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように恥骨の痛みを緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学の視点から恥骨の痛みの原因とメカニズム
恥骨の痛みとは
西洋医学では、恥骨の痛みは「恥骨結合部の機能不全や炎症によって引き起こされる痛み」と定義されています。恥骨結合は左右の恥骨をつなぐ軟骨性の関節で、通常は非常に動きの少ない関節ですが、妊娠中のホルモンの影響や外傷により不安定になることがあります。
主な原因
- 妊娠・出産関連:妊娠中に分泌されるリラキシンなどのホルモンにより靭帯が緩み、恥骨結合部が不安定になります。また、胎児の成長により骨盤への負荷が増加します。
- スポーツ外傷:サッカー、ランニング、体操など、恥骨周辺に強い負荷がかかるスポーツで発生することがあります。
- 筋肉の不均衡:腹筋、背筋、骨盤底筋群のバランスが崩れることで、恥骨結合部に過度な負担がかかります。
- 姿勢の問題:骨盤の前傾や後傾、左右の歪みにより恥骨部分への負荷が増加します。
- 外傷:転倒や交通事故などによる骨盤周辺への直接的な外力により損傷することがあります。
- 感染症:稀に恥骨結合部の感染症(恥骨結合炎)により痛みが生じることがあります。
恥骨の痛みが発生するメカニズム
恥骨の痛みは以下のようなメカニズムで発生します:
- 妊娠中のホルモンの影響や外力により、恥骨結合部の軟骨や靭帯に炎症や微細損傷が生じます
- 恥骨結合部の不安定性により、周辺の筋肉(腹直筋、内転筋群、骨盤底筋)が過度に緊張します
- 筋肉の緊張により血流が悪化し、痛みを感じる侵害受容器が刺激されます
- 疼痛により動作を避けるようになると、さらに筋力低下や関節の可動域制限が生じ、症状が悪化する悪循環に陥ります
- 慢性化すると、中枢神経系での痛みの処理が変化し、軽微な刺激でも強い痛みを感じるようになることがあります
主な症状
- 恥骨部の痛み:恥骨結合部を中心とした局所的な痛みで、触ると痛みが増すことがあります。
- 放散痛:恥骨から太ももの内側、下腹部、腰部への痛みの放散が見られることがあります。
- 歩行時痛:歩く際、特に足を前に出すときや階段昇降時に痛みが強くなります。
- 起立・座位での痛み:立ち上がりや座るときに痛みが生じることがあります。
- 寝返り時の痛み:夜間の寝返りや起き上がり時に強い痛みを感じることがあります。
- 筋力低下:痛みにより活動量が減少し、骨盤周辺の筋力が低下することがあります。
西洋医学的なアプローチでは、安静、物理療法、運動療法、場合によっては薬物療法が用いられますが、根本的な改善には筋力強化と姿勢改善が重要とされています。
東洋医学の視点から恥骨の痛みの原因とメカニズム
東洋医学での恥骨の痛みの捉え方
東洋医学では、恥骨の痛みを「気血の滞り」や「経絡の不調」により起こる状態と捉えます。恥骨周辺は生殖器に関わる重要な部位であり、腎や肝の機能と密接に関連すると考えられています。特に妊娠・出産期は腎の精気が大きく消耗するため、この時期の恥骨の痛みは腎虚との関連が深いとされています。
関連する経絡
恥骨の痛みに特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 任脈(にんみゃく):身体の前面中央を通る経絡で、恥骨から生殖器、下腹部の機能に関わります。
- 足の厥陰肝経(けついんかんけい):恥骨周辺を通り、生殖器機能や筋腱の働きに関連します。
- 足の少陰腎経(しょういんじんけい):腎の機能を担う経絡で、骨や髄、生殖機能に関わります。
- 足の太陰脾経(たいいんひけい):下腹部から恥骨周辺を通り、筋肉の働きや水分代謝に関連します。
- 衝脈(しょうみゃく):下腹部の奇経八脈の一つで、生殖機能や血の巡りに関わります。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、恥骨の痛みを以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 腎虚(じんきょ)
特徴:妊娠・出産、加齢、過労により腎の精気が不足した状態です。
症状:恥骨周辺の鈍い痛み、腰痛、足腰のだるさ、頻尿、むくみ、疲れやすい、冷え症。
改善方法:腎を補う食材(黒ゴマ、クルミ、山芋など)や補腎の漢方薬、温める鍼灸治療が効果的です。
2. 肝鬱気滞(かんうつきたい)
特徴:ストレスや感情の抑制により肝の気の流れが滞った状態です。
症状:恥骨周辺の刺すような痛み、痛みの場所が移動する、イライラ、ため息、生理不順、胸の張り。
改善方法:肝の気の流れを改善する食材(柑橘類、香味野菜など)や疏肝解鬱の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。
3. 血瘀(けつお)
特徴:血液の循環が悪くなり、血の滞りが生じた状態です。
症状:恥骨周辺の固定した刺すような痛み、夜間に痛みが増す、皮膚の色が暗い、生理時の血塊。
改善方法:血の流れを改善する食材(山査子、紅花茶など)や活血化瘀の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。
4. 寒湿(かんしつ)
特徴:冷えと湿気が体内に侵入し、気血の流れを妨げている状態です。
症状:恥骨周辺の重だるい痛み、冷えると痛みが悪化、むくみ、下痢しやすい、関節の重い感じ。
改善方法:体を温め湿気を取り除く食材(生姜、シナモン、ハトムギなど)や温経散寒の漢方薬、温灸治療が効果的です。
5. 脾虚(ひきょ)
特徴:消化機能の低下により気血の生成が不足した状態です。
症状:恥骨周辺の鈍い痛み、疲れやすい、食欲不振、下痢しやすい、顔色が悪い、手足のむくみ。
改善方法:脾胃を補う食材(山芋、カボチャ、小豆など)や補気健脾の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、恥骨の痛みは主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 腎(じん):生殖機能や骨・髄を支配し、恥骨周辺の骨格や筋肉の健康に重要な役割を果たします。
- 肝(かん):筋腱を支配し、気の流れを調整します。肝の機能低下は筋肉の緊張や痛みを引き起こします。
- 脾(ひ):筋肉を支配し、水分代謝に関わります。脾の機能低下は筋力低下やむくみを引き起こします。
- 心(しん):血液循環を支配し、恥骨周辺の血流に影響します。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化も恥骨の痛みに影響すると考えます:
- 冬:寒さにより腎の機能が低下しやすく、恥骨周辺の痛みが悪化しやすい季節です。
- 梅雨時期:湿気により脾の機能が低下し、むくみや重だるい痛みが増すことがあります。
- 春:肝の気が上昇する時期で、ストレスによる肝鬱気滞の症状が悪化しやすくなります。
- 冷房の効いた環境:長時間の冷えにより寒湿が体内に侵入し、痛みが増すことがあります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
原因の捉え方 | 恥骨結合部の機能不全、ホルモンの影響、筋肉の不均衡、外傷 | 気血の滞り、腎や肝の機能低下、経絡の不調 |
診断方法 | X線検査、MRI、CT、理学的検査、触診 | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 安静、物理療法、運動療法、薬物療法、場合によっては手術 | 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 炎症の抑制、筋力強化、構造的安定性の回復 | 気血の流れの改善、腎肝の機能強化、体全体のバランス調整 |
妊娠期への対応 | 薬物療法に制限があり、主に物理療法や運動療法が中心 | 妊娠期に安全な鍼灸治療や食養生で対応可能 |
予防の考え方 | 筋力強化、姿勢改善、適切な体重管理 | 体質に合わせた養生法、腎肝の機能強化、未病の段階からの対応 |
再発予防 | 継続的な運動療法、生活習慣の改善 | 体質改善による根本的な再発予防、季節に合わせた養生 |
西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチで恥骨の痛みに対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。
恥骨の痛みを放置するリスク
恥骨の痛みは「一時的なもの」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。
身体的リスク
- 慢性疼痛への移行:急性の痛みが慢性化し、日常的に痛みを感じる状態になるリスクがあります。
- 歩行障害:痛みにより正常な歩行が困難になり、跛行(びっこ)や歩行速度の低下が生じます。
- 筋力低下:痛みを避けるために活動量が減ると、骨盤周辺の筋力が著しく低下します。
- 姿勢の悪化:痛みをかばう姿勢を続けることで、骨盤の歪みや脊柱の変形が進行する可能性があります。
- 他部位への影響:恥骨の痛みをかばうことで、腰痛、股関節痛、膝痛などの二次的な症状が出現することがあります。
- 関節拘縮:長期間の痛みにより股関節や仙腸関節の可動域が制限される可能性があります。
- 妊娠・出産への影響:女性の場合、将来の妊娠・出産時に症状が悪化するリスクがあります。
精神的・社会的リスク
- 生活の質の低下:痛みにより日常生活動作が制限され、生活の質が大幅に低下します。
- 睡眠障害:寝返りや起き上がり時の痛みにより、良質な睡眠がとれなくなります。
- 不安とストレス:「いつまで痛みが続くのか」という不安や、活動制限によるストレスが増加します。
- 社会活動への影響:仕事や家事、育児への影響により、社会的役割を果たすことが困難になることがあります。
- 自己効力感の低下:「何をしても良くならない」という無力感から、自己肯定感が低下することがあります。
- 人間関係への影響:痛みによるイライラや活動制限により、家族や友人との関係に支障をきたすことがあります。
早期対処の重要性
恥骨の痛みは、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 炎症が慢性化する前に改善できる
- 筋力低下や関節拘縮を予防できる
- 代償的な姿勢変化による二次的症状を予防できる
- 日常生活への影響を最小限に抑えられる
- 治療期間を短縮できる可能性がある
- 将来の妊娠・出産時のリスクを軽減できる
恥骨周辺の痛みや違和感を感じたら、「そのうち良くなる」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。
当院の恥骨の痛み施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで恥骨の痛みの根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、痛みの軽減と機能回復を促進します。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:身体に負担の少ない施術で、初めての方でも安心して受けられます。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 妊娠期にも安全な施術:妊娠中の恥骨の痛みにも対応できる安全な鍼灸治療を提供します。
- 骨盤調整:骨盤の歪みや不安定性を改善する優しい整体施術を行います。
- 全身調整:恥骨の痛みの原因となる全身のバランスを整え、根本的な改善を目指します。
施術の流れ
- 問診:恥骨の痛みの症状や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:必要に応じて、骨盤や全身のバランスを整える優しい整体施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
恥骨の痛みに効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、婦人科系の症状全般に効果があります。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎の機能を高め、骨盤周辺の痛みを改善します。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、全身の気の流れを調整します。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
恥骨の痛みに関するよくある質問(FAQ)
症状の程度や期間、体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 急性期(発症から1ヶ月以内):週2回の頻度で1〜2ヶ月
- 慢性期(発症から3ヶ月以上):週1〜2回の頻度で2〜3ヶ月
- 妊娠中の症状:週1回の頻度で症状の改善まで継続
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。継続的な施術により、根本的な体質改善を目指します。
はい、妊娠中でも安全に施術を受けることができます。当院では、妊娠期の恥骨の痛みに対して以下のような安全な施術を行っています:
- 妊娠期に禁忌とされるツボを避けた安全な鍼灸治療
- うつ伏せにならない、側臥位での優しい施術
- お腹に負担をかけない骨盤調整
- 妊娠期の体質変化に合わせた個別的なアプローチ
妊娠中の恥骨の痛みは、胎児の成長とともに悪化することが多いため、早期の対処が重要です。施術前には必ず現在の妊娠週数や体調についてお聞きし、最も安全で効果的な施術を提供いたします。
はい、恥骨の痛みと腰痛には密接な関係があります。以下のような関連性があります:
- 骨盤帯痛症候群:恥骨の痛みは骨盤帯痛症候群の一部として、腰痛や仙腸関節痛と同時に現れることがあります
- 代償的な動作:恥骨の痛みをかばうような歩き方や姿勢により、腰部に負担がかかり腰痛が発生します
- 筋肉の連鎖:恥骨周辺の筋肉と腰部の筋肉は機能的に関連しており、一方の問題が他方に影響します
- 骨盤の不安定性:恥骨結合部の不安定性は、腰椎や仙腸関節にも影響を与えます
当院では、恥骨の痛みと腰痛を関連する症状として捉え、骨盤全体のバランスを整える施術を行います。単独の症状を治療するのではなく、全身のバランスを考慮した根本的な改善を目指します。
恥骨の痛みがある時は、以下のような動作を避けることで症状の悪化を防ぐことができます:
- 片足立ちになる動作:階段昇降、ズボンの着脱、靴下の着脱など
- 足を大きく開く動作:跨ぐ、あぐらをかく、足を組むなど
- 重いものを持ち上げる動作:腹圧がかかり恥骨への負担が増します
- 急激な方向転換:スポーツや歩行時の急な方向転換
- 長時間の同一姿勢:長時間の立位や座位
これらの動作を行う際は、両足に均等に体重をかける、手すりを使用する、膝を曲げて物を持ち上げるなどの工夫をしましょう。当院では、日常生活での注意点について詳しくアドバイスいたします。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は激しい運動や長時間の歩行を避ける
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させる
- 恥骨周辺を冷やさないよう注意し、必要に応じて温める
- 指導された姿勢や動作の注意点を守る
- 十分な睡眠と休息を取る
また、稀に施術後に一時的に症状が変化することがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる好転反応の一種です。通常は24〜48時間以内に収まりますが、気になる症状がある場合は院長にご相談ください。
恥骨の痛み改善のための自宅でのセルフケア
恥骨の痛みの改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。
姿勢の意識
- 立位姿勢:両足に均等に体重をかけ、骨盤を正しい位置に保ちます。反り腰や猫背にならないよう注意しましょう。
- 座位姿勢:深く腰掛け、背もたれを利用して腰椎の自然なカーブを保ちます。足は床にしっかりとつけましょう。
- 歩行姿勢:小幅で歩き、急激な方向転換を避けます。階段は一段ずつゆっくりと昇降しましょう。
- 寝る姿勢:横向きで寝る際は膝の間にクッションを挟み、仰向けの場合は膝の下にクッションを置くと楽になります。
簡単ストレッチ
- 骨盤傾斜運動:仰向けに寝て膝を立て、腰を床に押し付けるように骨盤を後傾させます。5秒間キープを10回繰り返します。
- 内転筋ストレッチ:座った状態で足裏を合わせ、膝を軽く床に近づけます。無理をせず、痛みの出ない範囲で行いましょう。
- 股関節屈筋ストレッチ:片膝を床につき、もう一方の足を前に出してゆっくりと体重をかけます。左右30秒ずつ行います。
- 膝抱えストレッチ:仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せます。30秒間キープし、左右交互に行います。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。婦人科系の症状全般に効果があります。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボです。腎の機能を高め、骨盤周辺の痛みを和らげます。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根にあるツボです。全身の気の流れを良くし、痛みの緩和に効果があります。
温熱療法
- 湯船にゆっくり浸かる:38〜40度のぬるめのお湯に15〜20分浸かることで、骨盤周辺の血流を改善します。
- 湯たんぽ・カイロの使用:腰やお腹に湯たんぽやカイロを当てて温めることで、筋肉の緊張を和らげます。
- 足湯:足首まで温かいお湯に浸けることで、下半身の血行を促進します。
- 蒸しタオル:温かい蒸しタオルを恥骨周辺(直接ではなく下着の上から)に当てて温めます。
生活習慣の改善
- 食事の改善:抗炎症作用のある食材(青魚、緑黄色野菜、ナッツ類など)を積極的に摂り、糖質や揚げ物、甘い物は控えめにしましょう。
- 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を促進し、老廃物の排出を促します。
- 規則正しい睡眠:7〜8時間の質の良い睡眠を心がけ、体の回復を促進します。
- ストレス管理:深呼吸、瞑想、軽い運動などでストレスを軽減し、筋肉の緊張を和らげます。
- 適度な運動:水中ウォーキングやヨガなど、関節に負担の少ない運動を無理のない範囲で行います。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、恥骨の痛みの改善と再発防止につながります。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。
恥骨の痛みのまとめと施術のご案内
恥骨の痛みの要約
恥骨の痛みは、恥骨結合部やその周辺の筋肉、靭帯に炎症や負担がかかることで発生する症状です。特に妊娠中や産後の女性に多く見られますが、スポーツ選手や日常的な姿勢の問題により男性にも起こることがあります。
西洋医学では恥骨結合部の機能不全や筋肉の不均衡に着目し、東洋医学では気血の滞りや腎肝の機能低下と捉えて治療にあたります。どちらのアプローチも長所があり、当院ではこれらを組み合わせた総合的な治療を提供しています。
恥骨の痛みは早期に適切な対処を行うことで、多くの場合改善が期待できます。しかし、治療だけでなく、日常生活での姿勢改善、適切な動作方法、セルフケアなども重要です。当院では、施術と生活指導の両面からサポートし、根本的な改善と再発防止を目指しています。
当院のアプローチの特徴
当院では、恥骨の痛みに対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 妊娠期にも安全な手足のツボを使った鍼灸治療
- 骨盤の調整と全身のバランスを整える優しい整体
- 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術
多くの患者様から「恥骨の痛みが軽減した」「歩くのが楽になった」「寝返りが痛くなくなった」「妊娠中も安心して治療を受けられた」といったお声をいただいております。恥骨の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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恥骨の痛みの症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。
【住所】
567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
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月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土 10:00~13:30
日曜・祝日 休み
恥骨の痛みは適切なケアで必ず改善できます。当院では、あなたの恥骨の痛みの根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
施術料 6600円(税込)
初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。
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電話で予約:
072-622-0134
円(税込)初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。
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