不眠症(睡眠障害)

 

不眠症(睡眠障害)でお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • なかなか寝付けず、布団に入ってから1時間以上眠れない日が続いている
  • 夜中に何度も目が覚めてしまい、再び眠りにつくのが難しい
  • 朝早く目が覚めてしまい、十分な睡眠時間が確保できない
  • 眠りが浅く、ぐっすり眠った感じがなく疲れが取れない
  • 日中の眠気や集中力低下で仕事や日常生活に支障をきたしている
  • 睡眠薬を飲んでも効果が薄くなってきた、または依存が心配である

不眠症(睡眠障害)は、現代社会で非常に多くの方が悩まされている症状です。日本人の5人に1人が何らかの睡眠の問題を抱えているとも言われています。良質な睡眠は心身の健康の基盤であり、睡眠の質が低下すると、日常生活のあらゆる面に影響を及ぼします。

この記事では、不眠症の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように睡眠の質を向上させるのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。

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西洋医学的視点での不眠症の原因とメカニズム

不眠症の定義

西洋医学では、不眠症は「十分な睡眠の機会があるにもかかわらず、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、または熟睡感の欠如などの症状があり、それによって日中の機能に支障をきたす状態」と定義されています。単に睡眠時間が短いだけでなく、睡眠の質や日中への影響も重要な判断基準となります。

主な原因

  • 精神的ストレス:仕事や人間関係、将来への不安など、様々なストレスが自律神経のバランスを崩し、不眠を引き起こします。
  • 生活習慣の乱れ:不規則な生活リズム、就寝直前のスマートフォン使用、カフェインやアルコールの摂取、運動不足などが睡眠の質を低下させます。
  • 環境要因:騒音、光、温度、湿度など、睡眠環境の問題が快適な睡眠を妨げることがあります。
  • 加齢による変化:年齢を重ねるにつれて、熟睡感をもたらす深い眠りの時間が自然と減少し、眠りが浅くなりやすくなります。
  • 精神疾患:うつ病、不安障害、パニック障害などの精神疾患は不眠を伴うことが多いです。
  • 身体疾患:慢性的な痛み、呼吸器疾患、内分泌疾患、神経疾患など、様々な身体疾患が睡眠を妨げる要因となります。
  • 薬剤の影響:一部の薬剤(気管支拡張薬、ステロイド、一部の降圧剤など)が副作用として不眠を引き起こすことがあります。

睡眠のメカニズムと不眠が発生する仕組み

正常な睡眠は、主に以下の要素によって調整されています:

  1. 体内時計(概日リズム):約24時間周期で動く体内時計が、睡眠と覚醒のリズムを制御しています。
  2. 睡眠圧:起きている時間が長くなるほど蓄積される睡眠への欲求(ホメオスタシス的睡眠調節)です。
  3. 神経伝達物質:セロトニン、メラトニン、GABA、オレキシンなどの神経伝達物質が睡眠と覚醒を調整しています。

不眠症は、これらの調整メカニズムが何らかの原因で乱れることで発生します:

  • 覚醒亢進(ハイパーアラウザル):ストレスなどにより交感神経が優位になり、脳や身体が過度に活性化した状態になることで、入眠困難や中途覚醒が起きます。
  • 体内時計の乱れ:不規則な生活や光環境の変化により、体内時計が乱れることで、適切なタイミングで眠気が生じなくなります。
  • 神経伝達物質のバランス異常:ストレスや疾患により、睡眠を促進する神経伝達物質(GABA、メラトニンなど)の分泌が減少したり、覚醒を促進する物質(コルチゾールなど)が増加したりします。
  • 条件付け:「眠れない」という不安や寝床での不快な体験が条件付けられ、寝床に入るだけで緊張や不安が生じる状態(認知的覚醒)になることがあります。

西洋医学的なアプローチでは、原因となる疾患や問題の治療、睡眠衛生の改善、認知行動療法、必要に応じた薬物療法などが行われます。ただし、長期的な睡眠薬の使用は依存性や副作用のリスクがあるため、根本的な原因に対処することが重要です。

東洋医学的視点での不眠症の原因とメカニズム

東洋医学での不眠症の捉え方

東洋医学では、不眠症を「心神不寧(しんしんふねい)」と表現し、魂や精神(神)が安定していない状態と捉えます。正常な状態では、昼間は陽気が優位になり活動的になり、夜は陰気が優位になり休息に向かいますが、この陰陽のバランスが崩れることで不眠が生じると考えられています。

また、「心は神を蔵す」と言われるように、心(心臓)は精神活動を司る臓器とされ、心の機能が乱れると不眠につながるとされています。これに肝や脾、腎などの臓腑の機能失調が加わることで、様々なタイプの不眠症が現れます。

関連する経絡

不眠症に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 心経(しんけい):精神活動を司り、不安や興奮による不眠に関連します。
  • 肝経(かんけい):ストレスによる気の流れの停滞(肝気鬱結)が生じると、イライラや不眠を引き起こします。
  • 腎経(じんけい):生命力の源である腎の精気が不足すると、熟睡できない、何度も目が覚めるなどの症状につながります。
  • 脾経(ひけい):消化機能や水分代謝を司る脾の機能が低下すると、思考の巡りが止まらない、頭が冴えて眠れないなどの症状が現れます。
  • 胆経(たんけい):決断力を司る胆の機能が低下すると、恐怖や不安が増し、夜中に目が覚めやすくなります。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、不眠症を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 心火上炎(しんかじょうえん)

特徴:心の熱(火)が上に炎上し、精神が興奮状態になる証です。
症状:入眠困難、多夢、胸の熱感や動悸、口内炎や口内乾燥、舌の先が赤く、舌苔が黄色い。
原因:過度のストレス、怒りや興奮、辛い食べ物の過剰摂取、環境の暑さなど。
改善方法:心を鎮め、熱を冷ます食材(キュウリ、トマト、はと麦、緑茶など)や、清心潜陽の鍼灸治療が効果的です。

2. 肝気鬱結(かんきうっけつ)

特徴:ストレスにより肝の気の流れが滞った状態です。
症状:入眠困難、気分の浮き沈み、イライラ、ため息が多い、胸脇の張り、頭痛、めまい。
原因:精神的ストレス、抑圧された感情、不規則な生活。
改善方法:肝の気の流れを改善する食材(ミント、レモン、パクチーなど香味野菜)や、疏肝解鬱の鍼灸治療が効果的です。

3. 心脾両虚(しんぴりょうきょ)

特徴:心と脾の機能が共に低下し、気血が不足した状態です。
症状:入眠は可能だが眠りが浅い、多夢、不安、動悸、疲れやすい、食欲不振、顔色が悪い。
原因:過労、長期的な心配事や思い悩み、食生活の乱れ、病後の回復期。
改善方法:心と脾を補う食材(小豆、山芋、鶏肉、デーツなど)や、健脾養心の鍼灸治療が効果的です。

4. 腎陰虚(じんいんきょ)

特徴:腎の陰が不足し、相対的に陽が亢進した状態です。
症状:熟睡できない、夜間の多尿、のぼせや寝汗、耳鳴り、腰膝の冷えや痛み、性機能低下。
原因:加齢、過度の性生活、長期的な病気、過労。
改善方法:腎陰を補う食材(豆腐、黒ゴマ、クコの実など)や、滋陰降火の鍼灸治療が効果的です。

5. 胆虚痰擾(たんきょたんじょう)

特徴:胆の機能低下と痰の停滞により、精神不安が生じた状態です。
症状:寝つきは良いが夜中に恐怖感で目覚める、胸の圧迫感、めまい、吐き気、不安や恐怖感が強い。
原因:強いストレスや恐怖体験、不規則な食生活、脂っこい食事の過剰摂取。
改善方法:痰を取り除き胆を補う食材(大根、セロリ、昆布など)や、化痰安神の鍼灸治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、不眠症は主に以下の臓腑の機能と関連しています:

  • 心(しん):精神活動や意識を司り、「心は神を蔵す」と言われるように、精神の安定と直接関わっています。心の機能が乱れると、不安や興奮による不眠を引き起こします。
  • 肝(かん):気の巡りを調整し、ストレスや感情のバランスに関与します。肝の機能が低下すると、気の流れが滞り、イライラや不眠を引き起こします。
  • 脾(ひ):消化と栄養の吸収を担当し、思考や記憶にも関わります。脾の機能が低下すると、気血が不足し、眠りが浅くなったり、思考が止まらず眠れなくなったりします。
  • 腎(じん):生命エネルギーの源である精気を蓄え、成長や老化に関わります。腎の精気が不足すると、特に高齢者に多い中途覚醒や早朝覚醒などの不眠が現れます。
  • 胆(たん):決断力を司り、恐怖や不安の感情と関連します。胆の機能が低下すると、夜中に恐怖感で目が覚めるなどの症状が現れます。

季節と環境の影響

東洋医学では、季節や環境の変化も不眠症の症状に影響すると考えます:

  • :肝の気が上昇する時期で、肝気鬱結による不眠(イライラや思考の巡りによる不眠)が悪化しやすい季節です。
  • :暑さにより心火が亢進しやすく、心火上炎による不眠(興奮や動悸による不眠)が増加する時期です。
  • 長夏(季節の変わり目):湿気が多く脾の負担が増すため、脾虚による不眠(思考が巡って眠れないなど)が生じやすくなります。
  • :乾燥による肺の機能低下が、腎との関連で腎陰虚を招き、早朝覚醒などの症状を悪化させることがあります。
  • :腎の季節とされ、腎の精気が不足している方は、特にこの時期に不眠が悪化することがあります。

東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。特に「気・血・水」のバランスを整え、五臓六腑の機能を調整することで、根本的な体質改善を目指します。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
原因の捉え方 神経伝達物質のバランス異常、脳の覚醒亢進、体内時計の乱れなど生理学的・神経科学的要因 五臓(特に心、肝、脾、腎)のバランスの乱れ、気・血・水の流れの停滞や不足
診断方法 睡眠日誌、睡眠ポリグラフ検査、血液検査、精神状態の評価など 四診(望診・聞診・問診・切診)による体質や証の判断
治療アプローチ 睡眠薬、睡眠衛生指導、認知行動療法、原因疾患の治療 鍼灸治療、漢方薬、体質改善、養生法
治療の焦点 睡眠の量と質の直接的な改善、原因となる疾患の治療 体質改善による根本治療、陰陽バランスの調整
副作用の考慮 睡眠薬には依存性、日中の眠気、ふらつき、認知機能低下などの副作用のリスクがある 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い
個人差の考慮 不眠のタイプ(入眠障害、中途覚醒など)に応じた標準的な治療 体質や証に基づいた個別的な治療アプローチ
予防の考え方 睡眠衛生の改善、ストレス管理、適切な運動と食事 体質に合わせた養生法、未病の段階からの予防

西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチで不眠症に対処しますが、どちらも長所があります。西洋医学は直接的で即効性のある治療法を提供し、東洋医学は個人の体質に合わせた根本的な改善を目指します。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

不眠症を放置するリスク

「眠れないのは仕方ない」「忙しいから少ない睡眠時間で頑張ろう」と不眠を放置してしまう方も多いですが、長期間にわたって適切な対処をしないまま放置すると、様々な健康上の問題が生じる可能性があります。

身体的リスク

  • 免疫機能の低下:質の良い睡眠は免疫系の調整に重要な役割を果たしています。不眠が続くと免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
  • 心血管疾患リスクの増加:不眠は高血圧や動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクを高めます。
  • 代謝異常:睡眠不足はインスリン抵抗性を高め、2型糖尿病や肥満のリスクを増加させます。
  • ホルモンバランスの乱れ:成長ホルモンや性ホルモンなど、体の修復や調整に関わる重要なホルモンの分泌が乱れます。
  • 消化器系の問題:慢性的な不眠は胃炎や過敏性腸症候群などの消化器系の問題を引き起こしたり悪化させたりすることがあります。
  • 慢性疼痛:睡眠不足は痛みの閾値を下げ、慢性的な痛みを悪化させる可能性があります。

精神的リスク

  • うつ病や不安障害のリスク増加:不眠とうつ病は双方向的な関係にあり、不眠が続くとうつ病や不安障害を発症するリスクが高まります。
  • 認知機能の低下:集中力、記憶力、判断力などの認知機能が低下し、仕事や学業のパフォーマンスに影響します。
  • 感情調節の困難:睡眠不足はイライラや怒りっぽさを増加させ、些細なことでも感情的になりやすくなります。
  • ストレス耐性の低下:通常なら対処できるストレスに対しても、睡眠不足状態では過剰に反応してしまいます。
  • 依存症のリスク:睡眠薬やアルコールに頼って睡眠を得ようとすることで、依存症に発展するリスクがあります。

日常生活への影響

  • 事故リスクの増加:睡眠不足による集中力や判断力の低下は、交通事故や仕事中の事故のリスクを高めます。
  • 仕事や学業のパフォーマンス低下:創造性、問題解決能力、作業効率などが低下し、成果や評価に影響します。
  • 人間関係の悪化:イライラや感情の起伏が激しくなることで、家族や職場での人間関係に問題が生じる可能性があります。
  • 生活の質の低下:常に疲労感を抱えることで、趣味や社交活動を楽しむ余裕がなくなり、全体的な生活の質が低下します。

早期対処の重要性

不眠症は、早期に適切な対処を行うことで改善しやすい症状です。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 慢性化する前に対処することで、比較的短期間で改善できる可能性が高まります
  • 睡眠薬に頼らない自然な睡眠のパターンを取り戻せます
  • 上記のような健康リスクを未然に防げます
  • 睡眠の質が改善することで、日中のパフォーマンスや生活の質が向上します
  • 体質改善により、ストレスへの耐性が高まり、将来的な不眠の再発を防ぐことができます

不眠の症状を感じたら、「忙しいから仕方ない」「年齢のせいだ」と諦めずに、早めに専門家に相談することをおすすめします。適切な対処により、良質な睡眠を取り戻し、心身ともに健康的な生活を送ることができます。

当院の不眠症施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで不眠症の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、自然な眠りを取り戻すお手伝いをします。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った優しい鍼灸治療:多くの場合、着替える必要もなく、初めての方でも安心して受けられる施術です。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断法を用いて、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 自律神経調整に重点:不眠の多くは自律神経の乱れから生じるため、自律神経のバランスを整える施術を重視します。
  • 睡眠の質を高める経絡調整:質の良い睡眠に関わる経絡(心経、肝経、腎経など)を中心に施術し、入眠しやすく、深い眠りにつながるようサポートします。
  • 日常生活アドバイス:施術効果を高めるための生活習慣や食事のアドバイスも提供します。

施術の流れ

  1. 問診:睡眠パターン、生活習慣、ストレス要因などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 整体施術:必要に応じて、自律神経の調整を促す優しい整体施術を行います。
  4. 鍼灸治療:あなたの体質や証に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

不眠症に効果的なツボ

当院では例えば以下のツボを用いて、お一人おひとりの症状や体質に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 神門(しんもん):手首の内側にあるツボで、心を落ち着かせ、不眠や不安を緩和します。不眠症の代表的なツボです。
  • 太衝(たいしょう):足の甲の親指と人差し指の付け根の間にあるツボで、肝の気の流れを改善し、イライラによる不眠に効果的です。
  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、全身の気血を調整し、リラックス効果があります。
  • 内関(ないかん):手首の内側から指3本分腕を上がったところにあるツボで、自律神経を整え、不安や動悸による不眠に効果的です。

頭部・体幹部のツボ(局所治療)

  • 百会(ひゃくえ):頭頂部の真ん中にあるツボで、精神を安定させ、リラックス効果があります。
  • 印堂(いんどう):眉間の真ん中にあるツボで、心を落ち着かせ、頭の緊張をほぐします。
  • 安眠(あんみん):耳の後ろ側にあるツボで、その名の通り安眠効果があります。

これらはあくまで代表的なツボの例です。実際の施術では、お一人おひとりの体質や症状のタイプに合わせて、最適なツボを選択していきます。例えば、「心火上炎」が原因の不眠には心経のツボを中心に、「肝気鬱結」が原因の不眠には肝経のツボを中心に施術するなど、東洋医学的な証に応じたアプローチを行います。

不眠症に関するよくある質問(FAQ)

Q: 不眠症の改善には何回くらい通えばいいですか?

不眠症の改善に必要な施術回数は、症状の重さや持続期間、体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 軽度の不眠(最近始まったもの):週1回の頻度で3〜4週間程度
  • 中程度の不眠(数ヶ月続いているもの):週1〜2回の頻度で1〜2ヶ月程度
  • 重度の不眠(慢性化したもの):週2回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていく

初回の施術後、多くの方は「久しぶりにぐっすり眠れた」という即効性を感じることがありますが、長期的な改善のためには継続的な施術が重要です。体質改善を通じて根本からの改善を目指しますので、ある程度の期間が必要になります。個々の状態に合わせた通院計画をご提案いたします。

Q: 睡眠薬を服用していますが、鍼灸治療と併用できますか?

はい、睡眠薬と鍼灸治療は併用することができます。むしろ、相乗効果が期待できる場合もあります。

鍼灸治療を継続することで、徐々に自然な睡眠が得られるようになり、長期的には医師と相談しながら睡眠薬の減量や中止を目指すことも可能です。しかし、睡眠薬を自己判断で急に中止すると離脱症状が現れることがあるため、必ず医師の指導のもとで行ってください。

当院での施術を受ける際は、服用中のお薬についてお知らせいただければ、それを考慮した施術を行います。また、施術の効果によって睡眠の質が向上した場合は、主治医にその旨をお伝えいただき、薬の調整について相談されることをおすすめします。

Q: 施術当日の夜から効果はありますか?

多くの患者様が施術当日の夜から「いつもより眠りが深くなった」「寝付きが良くなった」といった効果を実感されています。鍼灸治療は自律神経を整え、リラックス効果をもたらすため、即効性を感じやすい治療法です。

ただし、個人差があり、効果の現れ方やタイミングは人によって異なります。長年不眠に悩まされてきた方や、ストレスが強い状態の方は、数回の施術を重ねることで徐々に効果が現れることもあります。

また、施術後はリラックスした状態になりますので、可能であれば激しい運動や興奮するような活動を避け、ゆったりと過ごすことで、より効果を感じやすくなります。夜になったら照明を暗めにするなど、睡眠環境も整えていただくとより効果的です。

Q: どのような不眠のタイプに効果がありますか?

鍼灸治療は様々なタイプの不眠症に効果を発揮します:

  • 入眠困難型(寝付きが悪い):特に肝気鬱結や心火上炎によるもので、頭が冴えてなかなか眠れないタイプには効果的です。
  • 中途覚醒型(夜中に何度も目が覚める):主に腎陰虚や胆虚痰擾によるもので、中途覚醒が繰り返されるタイプにも効果を発揮します。
  • 早朝覚醒型(朝早く目が覚めてしまう):心脾両虚や腎陽虚によるもので、必要な睡眠時間が確保できずに早く目覚めてしまうタイプにも対応できます。
  • 熟眠障害(眠りが浅い):質の良い深い睡眠が得られないタイプにも、自律神経の調整によって改善が期待できます。

特にストレスや緊張による不眠、更年期障害に伴う不眠、加齢による睡眠の質の低下などには高い効果を発揮します。ただし、睡眠時無呼吸症候群など、特定の睡眠障害がある場合は、専門医による治療と併用することをおすすめします。

Q: 施術後に注意することはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日の激しい運動や長時間の入浴(特に熱い湯)は避けてください
  • アルコールの過剰摂取は控えてください(少量なら問題ありませんが、アルコールは睡眠の質を低下させます)
  • カフェインの摂取は午後以降は控えてください
  • 就寝前2時間はスマートフォンやパソコンなどの強い光を発する機器の使用を控えてください
  • 可能であれば施術後はリラックスしてお過ごしください
  • 寝る前に簡単なストレッチやリラクゼーション呼吸法を行うとより効果的です

また、体質によっては施術後に「好転反応」として、一時的に眠気が強まったり、逆に少し興奮状態になったりすることがあります。これは体が治癒に向かうプロセスの一つで、心配はいりません。気になる症状がある場合はご連絡ください。

不眠症改善のための自宅でのセルフケア

不眠症の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、睡眠の質を向上させ、体質改善につながります。

睡眠環境の整備

  • 寝室の環境:静かで暗く、涼しい環境(理想は室温18〜23℃、湿度50〜60%)を整えましょう。必要に応じてアイマスクや耳栓を使用することも検討してください。
  • 寝具の見直し:自分の体型や好みに合った寝具を選びましょう。特に枕は首や肩の負担に大きく影響するため、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
  • 電子機器:寝室にはテレビやパソコンを置かず、特に就寝前2時間はスマートフォンやタブレットの使用を控えましょう。ブルーライトは睡眠ホルモンのメラトニン分泌を抑制します。
  • 寝室の使い方:寝室は睡眠と安らぎのための空間に限定し、仕事や勉強などのストレスを伴う活動は別の場所で行いましょう。

睡眠習慣の改善

  • 規則正しい就寝・起床時間:休日も含めて毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで体内時計を整えましょう。
  • 適切な昼寝:昼寝をする場合は、15〜30分程度の短時間に抑え、午後3時以降の昼寝は避けましょう。
  • 起床後の光浴:朝起きたら太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットし、夜の睡眠に備えましょう。
  • 眠れないときの対処:20〜30分経っても眠れない場合は、一旦ベッドから出て、照明を暗めにした状態でリラックスできる活動(読書など)をし、眠くなってから再度ベッドに戻りましょう。

食生活と飲み物

  • カフェイン:コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート、エナジードリンクなどのカフェインを含む飲食物は、午後以降の摂取を控えましょう。カフェインの半減期は5〜7時間と長いため、夕方に飲んだコーヒーも就寝時には影響が残っています。
  • アルコール:アルコールには入眠を促進する効果がありますが、睡眠の質を低下させ、中途覚醒の原因となります。就寝前の飲酒は控えましょう。
  • 夕食:就寝の2〜3時間前までに済ませ、特に脂っこく消化の悪い食事や辛い刺激物は控えましょう。
  • 睡眠を促す食品:トリプトファンを多く含む食品(バナナ、牛乳、チーズ、鶏肉、玄米など)や、マグネシウムを含む食品(ナッツ類、緑黄色野菜など)は、セロトニンやメラトニンの生成を助け、睡眠の質を高めます。
  • 水分摂取:就寝直前の大量の水分摂取は夜間頻尿の原因となるため控えましょう。夕食後から就寝までの水分は少量に抑えると良いでしょう。

運動とリラクゼーション

  • 適度な運動:ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を1日30分程度行うことで、深い睡眠を促進します。ただし、就寝の3時間以内の激しい運動は避けましょう。
  • ストレッチ:就寝前の軽いストレッチは筋肉の緊張をほぐし、リラックス効果があります。特に肩や首、腰のストレッチがおすすめです。
  • リラクゼーション呼吸法:腹式呼吸や4-7-8呼吸法(4秒間で吸い、7秒間息を止め、8秒間かけて吐く)などのリラクゼーション呼吸法で、自律神経を整えましょう。
  • 入浴:就寝の1〜2時間前の入浴(38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分つかる)は、体温調節を助け、深い睡眠につながります。

ストレス管理

  • マインドフルネス瞑想:1日10〜15分間のマインドフルネス瞑想は、ストレスを軽減し、睡眠の質を向上させます。就寝前に実践すると特に効果的です。
  • 心配事の整理:就寝前に翌日のタスクリストを作成したり、心配事をノートに書き出したりすることで、頭の中をすっきりさせましょう。
  • リラックスタイム:就寝前の1時間は「ウインドダウンタイム」として、照明を落とし、リラックスできる活動(読書、軽いストレッチ、音楽鑑賞など)に時間を使いましょう。
  • 過度な期待を持たない:「今日こそはぐっすり眠らなければ」という強い思いが逆にプレッシャーとなり、入眠を妨げることがあります。「眠れなくても大丈夫」というリラックスした気持ちで臨むことで、逆説的に眠りやすくなることがあります。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 神門(しんもん):手首の小指側にあるしわの上のくぼみにあるツボです。心を落ち着かせ、不眠や不安を緩和します。
  • 内関(ないかん):手首の内側から指3本分腕を上がったところにあるツボです。不安や動悸を鎮め、リラックス効果があります。
  • 百会(ひゃくえ):頭頂部の真ん中にあるツボです。精神を安定させ、頭の中をすっきりさせる効果があります。
  • 安眠(あんみん):耳の後ろ、乳様突起という骨のでっぱりの下にあるくぼみのツボです。その名の通り安眠効果があります。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、自然な睡眠リズムを取り戻すことができます。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。一つ一つの取り組みは小さくても、継続することで大きな変化をもたらします。

不眠症のまとめと施術のご案内

不眠症の要約

不眠症は単なる睡眠不足ではなく、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡感の欠如などの症状があり、日中の機能に影響を及ぼす状態です。西洋医学では自律神経の乱れや神経伝達物質のバランス異常など生理学的な要因から説明され、東洋医学では五臓(特に心、肝、脾、腎)のバランスの乱れとして捉えられます。

不眠症を放置すると、免疫機能の低下、心血管疾患リスクの増加、代謝異常などの身体的リスクや、うつ病や不安障害のリスク増加、認知機能の低下などの精神的リスクがあります。また、事故リスクの増加や仕事・学業のパフォーマンス低下など、日常生活全般に大きな影響を及ぼします。

不眠症の改善には、適切な施術による自律神経の調整や体質改善と並行して、睡眠環境の整備、規則正しい生活リズム、適切な食生活と運動、ストレス管理などの総合的なアプローチが重要です。一時的な対症療法ではなく、根本的な改善を目指すことが、長期的な良質な睡眠につながります。

当院のアプローチの特徴

当院では、不眠症に対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状のタイプに合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 手足のツボを使った優しい鍼灸治療と、リラックス効果の高い施術
  • 自律神経のバランスを整え、自然な睡眠を促進するアプローチ
  • 薬に頼らない根本的な体質改善と、睡眠薬からの卒業を目指したサポート
  • 生活習慣や食事のアドバイスを含めた総合的なケア

多くの患者様から「久しぶりにぐっすり眠れた」「朝までぐっすり眠れるようになった」「睡眠薬の量が減らせた」「目覚めがすっきりするようになった」といったお声をいただいております。不眠症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

不眠症でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、あなたの体質や睡眠の状態に合わせた最適な施術プランをご提案いたします。

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水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

良質な睡眠は健康の基盤です。不眠でお悩みの方は、「仕方ない」と諦めずに、ぜひ当院の鍼灸治療をお試しください。自然な眠りを取り戻し、心身ともに充実した毎日を過ごせるよう、全力でサポートいたします。

施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)

(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。

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