顔面神経麻痺(ベル麻痺)

 

顔面神経麻痺(ベル麻痺)でお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 顔の片側がゆがんで、思うように表情が作れない
  • 片方の目を完全に閉じることができず、乾燥感や異物感がある
  • 食事中に食べ物や飲み物が口からこぼれてしまう
  • 顔の違和感や痛み、耳の後ろの痛みがある
  • 突然の発症に不安を感じ、人前に出るのが億劫になっている
  • 治療を受けているが、なかなか症状が改善しない

顔面神経麻痺(ベル麻痺)は、顔の表情を作る神経(顔面神経)の機能が一時的に障害されることで起こる症状です。朝起きたら突然顔の片側が動かなくなったり、口が曲がったりと、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、精神的なストレスも大きい症状です。

この記事では、顔面神経麻痺の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、当院での治療アプローチや自宅でできるケア方法についてご紹介します。適切な治療と早期対応により、多くの場合は症状が改善しますので、一緒に回復への道のりを歩んでいきましょう。

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西洋医学的視点での顔面神経麻痺の原因とメカニズム

顔面神経麻痺の定義

西洋医学では、顔面神経麻痺は「顔面神経(第七脳神経)の機能障害によって生じる顔面筋の筋力低下または麻痺」と定義されています。特に原因不明の急性片側性顔面神経麻痺は「ベル麻痺」と呼ばれ、最も一般的な形態です。

主な原因

  • ウイルス感染:単純ヘルペスウイルス(HSV-1)や帯状疱疹ウイルス(VZV)などのウイルス感染が最も有力な原因と考えられています。
  • 免疫反応:ウイルス感染に対する免疫反応により、顔面神経の炎症や腫れが生じることがあります。
  • 血管の圧迫:顔面神経周囲の血管の腫れや拡張による神経の圧迫が原因となる場合があります。
  • 寒冷刺激:寒い環境での急激な温度変化や冷たい風にさらされることが引き金となることがあります。
  • 外傷:頭部外傷や顔面の怪我、手術による顔面神経の損傷が原因になることもあります。
  • その他の疾患:糖尿病、高血圧、自己免疫疾患などの基礎疾患も発症リスクを高める要因となります。

顔面神経麻痺が発生するメカニズム

顔面神経麻痺は以下のメカニズムで発生します:

  1. 顔面神経は脳幹から出て、側頭骨内の細い管(顔面神経管)を通って顔面に向かいます。
  2. ウイルス感染や免疫反応により神経が炎症を起こすと、その部分が腫れます。
  3. 顔面神経管は非常に狭いため、わずかな腫れでも神経が圧迫されます。
  4. 圧迫された神経は栄養や酸素の供給が妨げられ、機能障害を起こします。
  5. その結果、顔面筋への神経伝達が阻害され、表情筋の動きが制限されます。

主な症状

  • 表情筋の麻痺:額にしわを寄せられない、まゆ毛を上げられない、口角が下がるなど
  • 目の症状:まばたきができない、目を完全に閉じられない(兎眼)、涙のコントロールが難しい
  • 口の症状:口角からの水分や食べ物の漏れ、口笛が吹けない、うがいが難しい
  • 味覚障害:舌の前方2/3の味覚が鈍くなる、または変化する
  • 聴覚過敏:音が通常より大きく感じる(アブミ骨筋の麻痺による)
  • 耳や顔の痛み・違和感:特に発症初期に耳の後ろや顔面に痛みを感じることがある

西洋医学的な治療法としては、ステロイド薬や抗ウイルス薬の投与、理学療法などが行われますが、発症から治療開始までの期間が短いほど回復の可能性は高くなります。

東洋医学的視点での顔面神経麻痺の原因とメカニズム

東洋医学での顔面神経麻痺の捉え方

東洋医学では、顔面神経麻痺は主に「口眼歪斜(こうがんわいしゃ)」と呼ばれ、「風邪」(邪風)が顔面の経絡(けいらく)に侵入することで発症すると考えられています。これは外部からの冷気や風が体内に入り込み、気血の流れを妨げることで生じるとされています。

関連する経絡

顔面神経麻痺に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい):顔面の側面から口角にかけて走行する経絡で、表情筋の動きに影響します。
  • 足の陽明胃経(ようめいいけい):顔面の中心部から頬にかけて走行し、頬や口の周りの筋肉をつかさどります。
  • 手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい):耳の周囲から目の外側に走行し、顔面の側部の機能に関わります。
  • 足の少陽胆経(しょうようたんけい):顔面の側面から額にかけて走行し、顔面の表情に影響します。
  • 督脈(とくみゃく):頭部の中心線を通り、全身の陽の気を調整する重要な経絡です。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、顔面神経麻痺を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 風寒(ふうかん)

特徴:寒冷な風にさらされることで発症する最も一般的なタイプです。
症状:顔面の麻痺、頭痛、首の凝り、寒がり、無汗、白っぽい舌苔。
改善方法:温めて風寒を追い出す温経散風の治療が効果的です。

2. 風熱(ふうねつ)

特徴:暑い季節や熱性の体質の方に現れやすいタイプです。
症状:顔面の麻痺に加え、顔の熱感、口の渇き、イライラ、便秘、赤みを帯びた舌。
改善方法:熱を冷まし風を散らす清熱解表の治療が効果的です。

3. 風痰(ふうたん)

特徴:体内の痰湿と風邪が合わさって起こるタイプです。
症状:顔面の麻痺、頭重感、めまい、胸の詰まり感、多痰、厚い舌苔。
改善方法:痰を除去し風を散らす祛風化痰の治療が効果的です。

4. 気滞血瘀(きたいけつお)

特徴:気の流れが滞り、血の循環が悪くなって起こるタイプです。
症状:顔面の麻痺、刺すような痛み、顔色が暗い、舌に瘀血(うっ血)の兆候。
改善方法:気の流れを促し、血の滞りを取り除く活血化瘀の治療が効果的です。

5. 肝腎虚弱(かんじんきょじゃく)

特徴:肝臓と腎臓の機能が低下し、長期間のストレスや疲労から起こるタイプです。
症状:慢性的な顔面麻痺、疲れやすさ、腰や膝の弱さ、めまい、耳鳴り。
改善方法:肝腎を補う補肝腎の治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、顔面神経麻痺は以下の臓腑と関連しています:

  • 肝(かん):筋肉や腱の動きをコントロールし、気の流れを調整します。肝の機能が低下すると表情筋の動きに影響を与えます。
  • 脾(ひ):筋肉を養う栄養(気血)を生成します。脾の機能低下は筋力の弱化につながります。
  • 腎(じん):骨や髄を支配し、生命エネルギーの根源です。腎の弱りは長期的な回復に影響します。
  • 肺(はい):衛気を全身に巡らせ、外邪から体を守ります。肺の機能低下は外邪の侵入を容易にします。
  • 胃・大腸:陽明経の関連臓器として、顔面の栄養供給に関わっています。

季節と環境の影響

東洋医学では、季節や環境の変化も顔面神経麻痺の発症に大きく影響すると考えます:

  • 冬から春:寒い季節から暖かい季節への変わり目は風邪が侵入しやすく、特に風寒タイプの麻痺が発生しやすくなります。
  • :暑さによる発汗後の冷房や扇風機の風に当たることで、風熱タイプの麻痺が生じやすくなります。
  • 湿度の高い環境:高湿度の環境は風痰タイプの麻痺を誘発しやすくします。
  • ストレスの多い環境:長期的なストレスや過労は肝腎の機能を弱め、麻痺の発症リスクを高めます。

東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
病名・呼称 顔面神経麻痺、ベル麻痺(原因不明の急性片側性顔面神経麻痺) 口眼歪斜(こうがんわいしゃ)、風邪侵顔(ふうじゃしんがん)
原因の捉え方 ウイルス感染(特にヘルペスウイルス)、自己免疫反応、顔面神経の炎症と圧迫 風邪(邪風)の侵入、気血の滞り、経絡の障害、五臓(特に肝腎)の機能低下
診断方法 神経学的検査、筋電図検査、画像検査(MRIなど)、ウイルス抗体検査 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診
治療アプローチ ステロイド薬、抗ウイルス薬、理学療法、場合によっては手術療法 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法
治療の焦点 神経の炎症を抑え、二次的な合併症を予防し、機能回復を促進 邪気を排除し、気血の流れを改善、経絡の通りを回復、体全体のバランスを整える
副作用の考慮 ステロイド薬の長期使用による免疫抑制、消化器症状などの副作用リスク 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い
個人差の考慮 症状の程度や検査結果に基づく標準的な治療プロトコル 体質や証、環境要因を考慮した個別的な治療
予後の予測 発症から治療開始までの期間、麻痺の程度、年齢などによる統計的予測 体質の強さ、邪気の程度、気血の状態などによる個別的な予測

西洋医学と東洋医学はそれぞれ異なる視点から顔面神経麻痺にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

顔面神経麻痺を放置するリスク

顔面神経麻痺は「自然に治る」と思って放置してしまう方もいらっしゃいますが、適切な治療を受けずに放置することで、様々なリスクが生じる可能性があります。

身体的リスク

  • 後遺症の固定化:適切な治療を受けずに放置すると、麻痺症状が長期化し、完全回復が難しくなる可能性があります。
  • 眼の合併症:まぶたが完全に閉じられない状態(兎眼)が続くと、角膜乾燥や角膜炎、視力低下などの眼の合併症を引き起こす恐れがあります。
  • 筋肉の萎縮:長期間使用されない顔面筋は萎縮し、顔の非対称性がより顕著になる可能性があります。
  • 共同運動(病的共同運動):神経が不適切に再生した場合、意図しない顔面筋の動きが生じることがあります(例:笑うときに目が閉じる、まばたきするときに口角が動くなど)。
  • 痙攣や拘縮:顔面筋の一部に痙攣が生じたり、筋肉が硬くなる拘縮が起こったりする可能性があります。
  • 口腔内の問題:食べ物が頬の内側に溜まりやすくなり、口内炎や虫歯のリスクが高まることがあります。

精神的・社会的リスク

  • 自己イメージの低下:顔の変化によって自分の見た目に自信を失い、自己イメージが低下する可能性があります。
  • 社会的孤立:見た目の変化に対する不安から、人との交流を避けるようになり、社会的孤立を招くことがあります。
  • うつ症状:長期化する症状に対するストレスから、抑うつ状態やうつ病を発症するリスクがあります。
  • コミュニケーション障害:表情による感情表現が難しくなり、対人コミュニケーションに支障をきたすことがあります。
  • 仕事や生活への影響:症状によっては仕事のパフォーマンスに影響を与え、生活の質の低下を招く可能性があります。

早期対処の重要性

顔面神経麻痺は、早期に適切な治療を開始することで回復の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 神経の炎症や圧迫を早期に軽減できる
  • 後遺症のリスクを最小限に抑えられる
  • 完全回復の可能性が高まる
  • 治療期間の短縮が期待できる
  • 二次的な合併症を予防できる

顔面神経麻痺の症状が現れたら、「様子を見よう」と放置せず、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。当院では発症後できるだけ早い段階からの治療を推奨しています。

当院の顔面神経麻痺施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで顔面神経麻痺の改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、神経機能の回復と表情筋の再活性化を促進します。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った鍼灸治療:顔面から離れた部位のツボを使うことで、痛みの少ない施術を実現します。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 経絡調整:顔面に関わる経絡(特に陽明経、少陽経)の流れを整え、顔面の気血の巡りを改善します。
  • 段階的アプローチ:急性期と回復期で異なる施術方法を用い、症状の経過に合わせた最適な治療を行います。

施術の流れ

  1. 問診:発症の状況、症状の進行、既往歴などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・顔色の観察などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 鍼灸治療:体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  4. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

顔面神経麻痺に効果的なツボ

当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、顔面部の症状全般に効果があります。
  • 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボで、陽の気を活性化し、顔面神経の機能を高めます。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、免疫力を高める効果があります。
  • 陽陵泉(ようりょうせん):ふくらはぎの外側にあるツボで、少陽胆経の流れを促進します。

顔面周辺のツボ(局所治療)

  • 地倉(ちそう):口角の外側にあるツボで、口角の下垂を改善します。
  • 頬車(きょうしゃ):頬骨の下にあるツボで、頬の筋肉の動きを促進します。
  • 翳風(えいふう):耳の後ろのくぼみにあるツボで、顔面神経の流れを改善します。
  • 陽白(ようはく):眉の中央の上にあるツボで、眉の上げ下げの機能改善に効果的です。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。また、治療の段階に応じて、使用するツボも変化していきます。

顔面神経麻痺に関するよくある質問(FAQ)

Q: 顔面神経麻痺の完全回復にはどのくらいの期間がかかりますか?

個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 軽度の麻痺:2〜4週間で回復することが多い
  • 中程度の麻痺:1〜3ヶ月かかることが多い
  • 重度の麻痺:3〜6ヶ月、時には1年以上かかることもある

回復の速度は、発症から治療開始までの期間、症状の重症度、年齢、基礎疾患の有無などの要因によって大きく異なります。当院では、発症後できるだけ早い段階での治療開始をおすすめしています。また、鍼灸治療は神経の再生を促進し、回復期間を短縮する可能性があります。

Q: 顔面神経麻痺の治療は何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 急性期(発症から2週間程度):週2〜3回
  • 回復期(2週間〜2ヶ月):週1〜2回
  • 安定期(2ヶ月以降):週1回または2週に1回

初回の施術後に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。早期から集中的に治療を行うことで、後遺症のリスクを減らし、回復を早める効果が期待できます。

Q: 病院での治療と鍼灸治療は併用できますか?

はい、病院での西洋医学的治療(ステロイド薬、抗ウイルス薬など)と鍼灸治療は併用することができます。むしろ、相乗効果が期待できる場合も多いです。

西洋医学的治療は神経の炎症を抑えることに重点を置き、鍼灸治療は気血の流れを改善し、神経機能の回復を促進します。両方のアプローチを組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。

現在、病院で治療を受けている方は、服用中の薬や受けている治療についてスタッフにお伝えください。当院では病院での治療と連携しながら、最適な鍼灸治療を提供いたします。

Q: 顔面神経麻痺は再発することがありますか?

はい、顔面神経麻痺は再発する可能性があります。統計的には、ベル麻痺の再発率は約7〜10%程度と報告されています。

再発のリスク要因には以下のようなものがあります:

  • 糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある場合
  • 家族に顔面神経麻痺の既往がある場合
  • 過度のストレスや疲労状態が続いている場合
  • 急激な温度変化や冷えに繰り返しさらされる場合

当院では、再発予防のために体質改善や生活習慣の見直しなどのアドバイスも行っています。一度回復した後も、定期的なメンテナンス治療を受けることで、再発リスクを低減できる可能性があります。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 顔面を冷やさないよう、マスクや首元の防寒対策をする
  • 強い風や冷気にさらされないようにする
  • 適度な休息をとり、過労を避ける
  • 水分をしっかり摂る(特に白湯がおすすめです)
  • アルコールの過剰摂取を控える
  • 目が完全に閉じない場合は、人工涙液や目の保護用テープの使用を継続する

また、自宅での顔面マッサージや表情筋のトレーニングについて指導がある場合は、その方法に従って継続していただくことが重要です。症状の変化や気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

顔面神経麻痺改善のための自宅でのセルフケア

顔面神経麻痺の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、回復をサポートし、後遺症のリスクを減らすことができます。

顔面のケア

  • 温タオル療法:清潔なタオルを温め、顔の麻痺側に5分程度当てます。血行促進と筋肉の緊張緩和に効果的です。1日2〜3回行うとよいでしょう。
  • 顔面マッサージ:清潔な手で、優しく顔をマッサージします。額、目の周り、頬、口の周りの順に、麻痺側から健側へ向かって軽く圧をかけながら行います。
  • 目のケア:目が完全に閉じない場合は、人工涙液を使用して乾燥を防ぎ、就寝時は眼帯や保護テープを使用します。
  • 口腔ケア:食後は麻痺側の頬の内側に食べ物が残りやすいため、しっかり洗浄します。また、うがいをする際は注意が必要です。

表情筋トレーニング

以下のトレーニングを1日2〜3回、各5〜10回ずつ行います。鏡を見ながら行うことで、より効果的です:

  • 額のトレーニング:眉を上げる動作を意識して行います。健側の動きを観察しながら、麻痺側も同じように動かそうとします。
  • 目のトレーニング:ゆっくりと目を閉じて、数秒間そのままキープします。その後、ゆっくりと目を開きます。
  • 頬のトレーニング:頬をふくらませて5秒間キープした後、ゆっくりと息を吐きます。次に頬をすぼめる動作を行います。
  • 口のトレーニング:「イ・ウ・エ・オ」の口の形を意識してゆっくりと作ります。また、口笛を吹く動作や、口角を横に引く「イー」の形も効果的です。

注意点:トレーニングは無理のない範囲で行い、痛みを感じる場合はすぐに中止してください。また、健側の筋肉が過度に動かないよう、健側を指で軽く押さえながら行うことも効果的です。

生活習慣の見直し

  • 保温対策:特に麻痺側の顔と首を冷やさないよう、マスクやスカーフを使用しましょう。冷たい風に直接当たることを避けてください。
  • バランスの良い食事:神経の修復をサポートするためのビタミンB群、抗酸化作用のあるビタミンC・E、タンパク質を十分に摂取しましょう。
  • 十分な水分摂取:1日2リットル程度の水分(特に白湯やハーブティー)を摂ることで、体内の循環を促進します。
  • 適度な運動:ウォーキングなどの軽い全身運動は血行を促進し、回復をサポートします。
  • ストレス管理:ストレスは免疫機能に影響を与えるため、リラクゼーション法や十分な休息を心がけましょう。
  • 睡眠の質の向上:神経の修復は睡眠中に促進されるため、質の高い睡眠を確保することが重要です。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボです。顔面部の症状全般に効果があります。
  • 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボです。顔面神経の機能を高める効果があります。
  • 翳風(えいふう):耳の後ろのくぼみにあるツボです。顔面神経の流れを改善する効果があります。
  • 地倉(ちそう)・頬車(きょうしゃ):口角の外側と頬骨の下にあるツボで、口角の動きを改善します。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、顔面神経麻痺からの回復を促進することができます。ただし、無理は禁物です。痛みや不快感を感じる場合は、すぐに中止し、スタッフにご相談ください。

顔面神経麻痺のまとめと施術のご案内

顔面神経麻痺の要約

顔面神経麻痺(ベル麻痺)は、顔の表情を作る神経(顔面神経)の機能が一時的に障害され、顔の片側または両側の筋肉が動かなくなる症状です。西洋医学ではウイルス感染や自己免疫反応による神経の炎症・圧迫が原因とされ、東洋医学では風邪(邪風)の侵入による気血の滞りと捉えられています。

主な症状は、顔の片側の動きにくさ、目を閉じられない、口角の下垂、味覚障害などで、精神的・社会的影響も大きい疾患です。放置すると後遺症のリスクが高まるため、早期の適切な治療が重要です。

多くの場合、適切な治療と時間によって回復しますが、回復の程度や期間には個人差があります。西洋医学的治療と東洋医学的治療を組み合わせることで、より効果的な回復が期待できます。

当院のアプローチの特徴

当院では、顔面神経麻痺に対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 手足のツボを使った優しい鍼灸治療と、体質に合わせた施術
  • 急性期と回復期で異なるアプローチを用いた段階的な治療
  • 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術

多くの患者様から「表情が戻ってきた」「目が閉じられるようになった」「口角が上がるようになった」といったお声をいただいております。顔面神経麻痺でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

顔面神経麻痺の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。発症後はできるだけ早期の治療開始が望ましいため、お早めのご相談をおすすめします。

【住所】

567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)

【お電話】

072-622ー0134

【受付時間】

月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

顔面神経麻痺は突然の発症による不安や日常生活への支障が大きい症状ですが、適切なケアと治療で改善が期待できます。当院では、あなたの顔面神経麻痺の回復をサポートし、笑顔を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)

(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。

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