バセドウ病
バセドウ病でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 動悸や息切れが頻繁に起こり、不安を感じることがある
- 汗をかきやすく、暑さに異常に弱くなった
- 食べているのに体重が減少している
- 手の震えがあり、細かい作業がしづらい
- イライラしやすく、感情の起伏が激しくなった
- 目の違和感(乾燥・痛み・突出感)がある
バセドウ病は甲状腺の機能が過剰になる自己免疫疾患で、様々な体の不調を引き起こします。日本では推定患者数が10万人あたり約120人、女性に多く見られる病気です。20〜30代の発症が多いですが、どの年代でも起こりえます。
この記事では、バセドウ病の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、症状を改善するための方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのようにバセドウ病の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学的視点でのバセドウ病の原因とメカニズム
バセドウ病とは
西洋医学では、バセドウ病(Graves’ disease)は「甲状腺を過剰に刺激する自己抗体によって引き起こされる自己免疫性疾患」と定義されています。自己免疫疾患とは、本来外敵から体を守るはずの免疫システムが誤って自分自身の組織を攻撃してしまう病気です。
主な原因
- 自己免疫反応:TSH受容体抗体(TRAb)という自己抗体が甲状腺を過剰に刺激し、甲状腺ホルモンの産生が増加します。
- 遺伝的素因:特定のHLA(ヒト白血球抗原)を持つ人は発症リスクが高まるとされています。バセドウ病の患者さんの近親者にも甲状腺疾患が見られることが多いです。
- 環境要因:感染、ストレス、喫煙、放射線被曝、ヨード摂取量の急激な変化などが引き金となることがあります。
- 女性ホルモンの影響:女性に多い病気であることから、女性ホルモンとの関連が示唆されています。特に、妊娠や出産後に発症することもあります。
- 精神的ストレス:強いストレスを感じた後に発症したり、症状が悪化したりすることがあります。
バセドウ病が発生するメカニズム
バセドウ病は以下のようなメカニズムで発生します:
- 何らかの要因(遺伝的素因+環境要因)により、免疫システムに異常が生じます。
- TSH受容体抗体(TRAb)という自己抗体が産生されます。この抗体は本来、脳下垂体から分泌されるTSH(甲状腺刺激ホルモン)と似た働きをします。
- TRAbが甲状腺のTSH受容体に結合し、甲状腺を過剰に刺激します。
- 甲状腺が過剰に刺激されることで、甲状腺ホルモン(T3・T4)の産生が増加します。
- 甲状腺ホルモンは全身の代謝を活発にする作用があるため、心拍数増加、体温上昇、発汗、神経過敏などの様々な症状が現れます。
主な症状
- 全身症状:体重減少(食欲亢進にもかかわらず)、暑さに弱い、多汗、疲れやすさ
- 循環器症状:動悸、頻脈(脈が速くなる)、不整脈、高血圧(特に収縮期血圧)
- 神経・筋肉症状:手の震え(細かい振戦)、筋力低下、筋肉の萎縮、反射亢進
- 精神症状:イライラ、落ち着きのなさ、不安感、情緒不安定、集中力低下、不眠
- 消化器症状:食欲亢進、頻回の排便(下痢傾向)
- 眼症状:眼球突出、複視(物が二重に見える)、充血、まぶたの腫れ、眼の乾燥や痛み
- 皮膚症状:皮膚の薄さ、発汗増加、脱毛、爪の変化(爪甲剥離)
- 生殖器症状:月経不順、月経量減少、不妊、性欲低下
- 甲状腺の腫大:首の前面の甲状腺部分が腫れる(びまん性甲状腺腫)
西洋医学的なアプローチでは、抗甲状腺薬による薬物療法、放射性ヨード療法、手術療法などがバセドウ病の治療として用いられます。これらは甲状腺の機能を抑え、症状を改善することを目的としています。しかし、自己免疫反応の根本的な原因に対するアプローチには限界があるとされています。
東洋医学的視点でのバセドウ病の原因とメカニズム
東洋医学でのバセドウ病の捉え方
東洋医学では、バセドウ病は「頸癭(けいえい)」「気管瘤(きかんりゅう)」「瘿気(えいき)」などと呼ばれ、主に「陰虚火旺」(陰の不足により内部に熱が生じる状態)や「肝火上炎」(肝の熱が上へ昇る状態)によって引き起こされると考えられています。
関連する経絡
バセドウ病に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 足の少陽胆経(しょうようたんけい):頭部から頸部、体側を通る経絡で、甲状腺周辺の調整に重要です。
- 手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい):耳の後ろから首、胸を通る経絡で、体内の水分代謝や熱の調整に関わります。
- 足の厥陰肝経(けついんかんけい):肝の機能と関連し、体内のエネルギーの流れを調整します。
- 手の太陰肺経(たいいんはいけい):肺と関連し、気の巡りを整え、熱を冷ます作用があります。
- 任脈(にんみゃく):体の前面を通る重要な経絡で、陰の気を司り、甲状腺の位置にも通じています。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、バセドウ病を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 肝火上炎(かんかじょうえん)
特徴:ストレスやイライラにより肝の熱が上に昇った状態です。
症状:イライラ、怒りっぽさ、顔面紅潮、目の充血、頭痛、めまい、不眠、口苦、耳鳴り。
改善方法:肝の熱を鎮め、気の流れを改善する治療が効果的です。
2. 心腎不交(しんじんふこう)
特徴:心(火)と腎(水)のバランスが崩れた状態です。
症状:動悸、不安感、不眠、盗汗(寝汗)、ほてり、手足のほてり、腰膝酸軟(腰や膝の疲れやだるさ)。
改善方法:心を鎮め、腎を補う治療が効果的です。
3. 脾胃虚弱(ひいきょじゃく)
特徴:消化吸収機能が低下した状態です。
症状:食欲はあるが体重減少、疲れやすさ、下痢または軟便、腹部膨満感、手足の冷え。
改善方法:脾胃の機能を補う治療が効果的です。
4. 陰虚火旺(いんきょかおう)
特徴:体内の陰液(水分・栄養)が不足し、相対的に熱が亢進した状態です。
症状:のぼせ、ほてり、多汗、口渇、微熱、頬の紅潮、手掌足底熱感(手のひらや足の裏のほてり)、るいそう(痩せる)。
改善方法:陰を補い、熱を冷ます治療が効果的です。
5. 気陰両虚(きいんりょうきょ)
特徴:気と陰の両方が不足した状態です。
症状:疲労感、倦怠感、息切れ、動悸、発汗、のぼせ、口渇、声のかすれ。
改善方法:気と陰の両方を補う治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、バセドウ病は主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):気の巡りを調節する役割があり、気の滞りにより熱が生じると甲状腺に影響を与えます。ストレスにより肝の機能が低下すると、甲状腺疾患のリスクが高まります。
- 心(しん):精神活動を司り、過剰な興奮やストレスは心火を亢進させ、甲状腺の機能異常に関連します。
- 脾(ひ):消化・吸収を担当し、栄養素の変換に関わります。脾の機能低下は体内の水湿を生じさせ、甲状腺に影響を与えることがあります。
- 肺(はい):呼吸を司り、体内の気を全身に巡らせます。肺の機能不全は気の循環不良を招き、甲状腺機能に影響することがあります。
- 腎(じん):体内の水分代謝と先天の精を蓄える役割があります。腎の陰が不足すると、熱症状が現れやすくなります。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化もバセドウ病の症状に影響すると考えます:
- 春:肝の気が上昇する季節で、肝火上炎の症状が悪化しやすい時期です。
- 夏:暑さにより陰液が消耗しやすく、陰虚火旺の症状が強くなりやすい時期です。
- 長期的なストレス環境:精神的緊張が続くと肝気鬱結から肝火上炎に発展しやすくなります。
- 不規則な生活習慣:過労、睡眠不足、不規則な食事などは脾胃の機能を低下させ、気陰両虚を招きやすくなります。
- 過度な冷房・暖房環境:極端な温度環境は体の陰陽バランスを崩し、症状を悪化させる可能性があります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | バセドウ病、グレーブス病 | 頸癭(けいえい)、気管瘤(きかんりゅう)、瘿気(えいき) |
原因の捉え方 | 自己免疫反応によるTSH受容体抗体の産生、遺伝的素因、環境要因 | 陰虚火旺、肝火上炎、心腎不交、脾胃虚弱など五臓のバランス異常 |
診断方法 | 血液検査(甲状腺ホルモン値、抗体検査)、甲状腺エコー、放射性ヨード摂取率検査など | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 抗甲状腺薬、放射性ヨード療法、甲状腺摘出術 | 鍼灸治療、漢方薬、体質や証に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 甲状腺ホルモンの過剰産生を抑制し、正常値に調整する | 体全体の陰陽バランスを整え、五臓の機能を調和させる |
副作用の考慮 | 薬物療法による肝機能障害、無顆粒球症、放射性ヨード療法による甲状腺機能低下症など | 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い |
個人差の考慮 | 甲状腺ホルモン値に基づいた標準的な治療 | 体質や証に基づいた個別的な治療 |
治療の視点 | 病気(バセドウ病)そのものを治療対象とする | 患者の全体的な状態(心身のバランス)を改善する |
西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチでバセドウ病に対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。西洋医学による診断・治療は必須ですが、東洋医学的アプローチを併用することで、症状の緩和や生活の質の向上、薬の副作用の軽減などが期待できます。
バセドウ病を放置するリスク
バセドウ病は「様子を見れば良くなる」という病気ではなく、適切な治療を受けないと様々な合併症を引き起こす可能性があります。早期発見・早期治療が非常に重要です。
身体的リスク
- 心血管系合併症:頻脈、不整脈(特に心房細動)、うっ血性心不全、高血圧などのリスクが高まります。長期間放置すると、心筋症や弁膜症を引き起こすこともあります。
- バセドウ眼症:眼球突出、まぶたの腫れ、複視(物が二重に見える)、視力低下などの症状が進行します。重症化すると角膜潰瘍や視神経症を引き起こし、永続的な視力障害につながる可能性があります。
- 骨粗鬆症:甲状腺ホルモンの過剰は骨代謝を促進し、骨密度の低下を招きます。これにより骨折のリスクが高まります。
- 筋力低下・筋萎縮:長期間の甲状腺機能亢進は筋肉の異化作用を促進し、筋力低下や筋萎縮を引き起こします。
- 甲状腺クリーゼ:バセドウ病が極度に悪化した状態で、高熱、頻脈、不整脈、意識障害などが現れ、命に関わる緊急事態です。手術、感染症、ストレスなどをきっかけに発症することがあります。
- 生殖への影響:女性では月経不順や無月経、不妊症のリスクが高まります。男性では性欲減退や精子の質の低下が起こることがあります。
精神的・社会的リスク
- 精神症状の悪化:未治療のバセドウ病では、不安、イライラ、情緒不安定などの精神症状が進行し、日常生活に支障をきたすことがあります。
- うつ症状や不安障害:甲状腺機能亢進に伴う神経・精神症状として、うつ症状や不安障害が発症・悪化することがあります。
- 認知機能への影響:集中力低下、記憶力減退、思考力の低下などが現れることがあります。
- 社会生活への影響:疲れやすさ、体力低下、精神症状により、仕事や学業、家庭生活に支障をきたすことがあります。
- 外見の変化に伴う心理的ストレス:眼球突出や首の腫れなどの外見の変化により、自己イメージの低下や社会的孤立を感じることがあります。
早期対処の重要性
バセドウ病は、早期に適切な対処を行うことで、合併症のリスクを減らし、生活の質を維持することができます。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 合併症(特に心血管系合併症やバセドウ眼症)の発症・進行を防ぐことができる
- 治療期間が短縮される可能性がある
- 甲状腺機能のコントロールが容易になる
- 日常生活や仕事への影響を最小限に抑えられる
- 生活の質を維持・向上させることができる
バセドウ病の症状に気づいたら、「様子を見よう」とせず、早めに専門医(内分泌内科・甲状腺専門医)に相談することが大切です。また、すでに西洋医学的な治療を受けている方も、症状の緩和や体質改善のために、東洋医学的なアプローチを併用することで、より総合的な健康管理が可能になります。
当院のバセドウ病施術方法
当院では、バセドウ病に対して東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで症状の緩和と体質改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、心身のバランスを整えていきます。
【重要なお知らせ】
バセドウ病は医師による診断と治療が必要な疾患です。当院の鍼灸・整体は、西洋医学的治療の補完として、症状の緩和や体質改善を目的としています。必ず医師の診断を受け、処方された薬を正しく服用しながら、当院の施術を併用していただくことをお勧めします。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:痛みが少なく、初めての方でも安心して受けられる優しい施術です。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 自律神経調整:交感神経の過剰な緊張を緩和し、副交感神経の働きを高めることで、心身のバランスを整えます。
- ホルモンバランスの調整:内分泌系の調和を促し、甲状腺を含むホルモンバランスの改善を目指します。
- 免疫機能の調整:過剰な免疫反応を鎮め、正常な免疫バランスへの回復を促します。
施術の流れ
- 問診:症状や生活習慣、既往歴、服用中の薬などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:必要に応じて、自律神経の調整を促す優しい整体施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
バセドウ病に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 内関(ないかん):手首の内側から指3本分上にあるツボで、自律神経を整え、不安やイライラを鎮める効果があります。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎を補い、熱症状を鎮める効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、肝・脾・腎の3つの経絡が交わる重要なツボです。陰を補う効果があります。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、脾胃の機能を高め、全身の気を補う効果があります。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
期待できる効果
- 自律神経の安定:イライラや不安感、動悸などの症状が緩和されます。
- 免疫バランスの調整:過剰な自己免疫反応が緩和され、甲状腺への負担が軽減されます。
- 代謝の正常化:過剰な代謝が落ち着き、体重減少や多汗などの症状が改善されます。
- 睡眠の質の向上:自律神経の安定により、睡眠の質が向上します。
- 薬の副作用の軽減:西洋医学的な薬物療法の副作用を軽減する効果が期待できます。
- 体質改善:根本的な体質改善により、再発予防や長期的な健康維持につながります。
東洋医学的なアプローチは、西洋医学的な治療と併用することで、より総合的な健康管理が可能になります。当院の施術は、医師による治療の効果を高め、生活の質を向上させることを目的としています。
バセドウ病に関するよくある質問(FAQ)
はい、鍼灸治療は抗甲状腺薬などの西洋医学的な治療と併用することができます。むしろ、相乗効果が期待できる場合が多いです。
鍼灸治療は、薬物療法で十分にコントロールできない症状(動悸、不安感、疲労感など)の緩和や、薬の副作用の軽減に役立つことがあります。また、自律神経のバランスを整えることで、体全体の調和を促進します。
ただし、必ず主治医に鍼灸治療を受けていることをお伝えください。また、初回カウンセリング時に、服用中のお薬について詳しくお聞かせいただくことで、より適切な施術プランをご提案できます。
症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 急性期や症状が強い時期:週1〜2回の頻度で1〜2ヶ月程度
- 症状が落ち着いてきた時期:週1回または2週間に1回の頻度で2〜3ヶ月程度
- 安定期・メンテナンス期:月1〜2回の頻度で継続
初回のカウンセリングの前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。
バセドウ病は自己免疫疾患であり、根本的な体質改善には一定の期間が必要です。短期間で症状が緩和されても、再発予防のために定期的なメンテナンスをお勧めします。
バセドウ眼症に対しても、鍼灸治療が症状の緩和に役立つことがあります。特に、以下のような効果が期待できます:
- 眼の周囲の血流改善
- 炎症反応の緩和
- 自律神経の調整による眼の不快感の軽減
- 免疫反応の調整
ただし、バセドウ眼症の重症度や状態によって効果には個人差があります。また、眼症状が強い場合は、必ず眼科医の診察も受けるようにしてください。当院では、眼科医による治療と並行して、補完的なアプローチとして鍼灸治療を提供しています。
鍼灸治療は特に以下のようなバセドウ病の症状に効果を発揮することが多いです:
- 動悸やイライラなどの自律神経症状
- 不安感や情緒不安定などの精神症状
- 疲労感や倦怠感
- 不眠や睡眠の質の低下
- 多汗や体温調節の乱れ
- 筋力低下や筋肉の疲れ
特に自律神経の調整が鍵となる症状には効果的です。ただし、個人差があり、体質や症状の程度によって改善のスピードや効果は異なります。また、鍼灸治療は甲状腺ホルモンの数値を直接変化させるものではなく、身体全体のバランスを整えることで症状の緩和や体質改善を目指すものです。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日の激しい運動や長時間の入浴(サウナなど)は避ける
- アルコールの過剰摂取を控える
- 十分な水分を摂る
- 可能であれば施術後は休息をとる
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 過度なストレスや疲労を避ける
また、稀に施術後に「好転反応」として、一時的に症状が強くなったり、だるさを感じたりすることがあります。これは体が調整されていく過程で起こる現象で、通常2〜3日で収まります。気になる場合は院長にご連絡ください。
バセドウ病改善のための自宅でのセルフケア
バセドウ病の改善には、医師による治療と当院の施術に加えて、日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と体質改善につながります。
食事療法
- ヨードの摂取量に注意:海藻類(昆布、わかめ、ひじきなど)やヨード添加塩は控えめにしましょう。ただし、完全に避ける必要はなく、医師の指導に従ってください。
- 抗酸化物質を豊富に含む食品:ブルーベリー、ざくろ、緑茶、ダークチョコレートなどに含まれる抗酸化物質は、炎症を抑える効果があります。
- 良質なタンパク質:魚、鶏肉、豆腐、卵などの良質なタンパク質は、筋肉量の維持や体力回復に役立ちます。
- カルシウム・ビタミンDを含む食品:低脂肪乳製品、小魚、豆腐、緑黄色野菜などを摂ることで、骨粗鬆症の予防につながります。
- 食物繊維:全粒穀物、野菜、果物などの食物繊維は、腸内環境を整え、免疫システムのバランスを保つのに役立ちます。
- 控えたい食品:カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)、アルコール、精製糖、加工食品は刺激となり症状を悪化させる可能性があるため、控えめにしましょう。
適切な運動
- 軽めの有酸素運動:ウォーキング、水泳、ヨガなどの軽めの運動は、ストレス解消や自律神経の調整に役立ちます。ただし、過度な運動は避けましょう。
- 筋力トレーニング:軽いウェイトや自重を使った筋力トレーニングは、筋肉量の維持に効果的です。ただし、重いウェイトの使用は控えましょう。
- リラクゼーション系の運動:ヨガ、太極拳、気功などのリラクゼーション効果のある運動は、心身の緊張を緩和し、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
- 運動の注意点:体調に合わせて運動量を調整し、疲労感や動悸などの症状が強くなる場合は中断しましょう。医師の指導を受けながら、適切な運動を取り入れることが大切です。
ストレス管理
- 呼吸法:腹式呼吸やゆっくりとした深呼吸は、自律神経のバランスを整え、不安やイライラを軽減します。1日に数回、5分程度の呼吸法を取り入れましょう。
- メディテーション:瞑想やマインドフルネスの実践は、ストレスホルモンの分泌を抑え、心の安定をもたらします。
- 趣味や楽しみの時間:音楽鑑賞、読書、ガーデニングなど、自分が楽しめる活動に定期的に取り組むことで、精神的な余裕を作りましょう。
- 十分な休息と睡眠:質の良い睡眠は、ホルモンバランスの調整や免疫機能の維持に不可欠です。規則正しい就寝・起床時間を心がけましょう。
- サポートを求める:家族や友人、同じ病気を持つ方々との交流、また必要に応じて心理カウンセリングを受けることで、精神的なサポートを得ましょう。
環境調整
- 温度管理:バセドウ病では体温調節が難しくなるため、室温を適切に管理し、多層的な衣服を着用して体温調節をしやすくしましょう。
- 紫外線対策:バセドウ眼症がある場合は、サングラスの着用や帽子などで紫外線から目を保護しましょう。
- 仕事環境の調整:可能であれば、過度なストレスを避け、定期的な休憩を取れる環境を整えましょう。必要に応じて、勤務時間や業務内容の調整について相談することも検討してください。
- デジタルデトックス:就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトの影響を減らしましょう。ストレス軽減のために、SNSなどの情報過多からも適度に距離を置くことが有効です。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 内関(ないかん):手首の内側から指3本分上にあるツボです。不安や動悸の緩和に効果があります。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボです。腎を補い、のぼせやほてりを鎮める効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。陰を補い、ホルモンバランスを整える効果があります。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を補い、消化機能を高める効果があります。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、バセドウ病の症状の緩和と体質改善につながります。ただし、セルフケアはあくまで医師による治療の補完として行い、薬の服用を勝手に中止したり、医師の指示に反したりしないようにしましょう。体調の変化があった場合は、必ず主治医に相談してください。
バセドウ病のまとめと施術のご案内
バセドウ病の要約
バセドウ病は、甲状腺を過剰に刺激する自己抗体(TSH受容体抗体)によって引き起こされる自己免疫疾患です。甲状腺ホルモンの過剰分泌により、動悸、多汗、体重減少、イライラ、眼症状など様々な症状が現れます。
西洋医学では、抗甲状腺薬による薬物療法、放射性ヨード療法、甲状腺摘出術などによる治療が行われます。一方、東洋医学では、「陰虚火旺」「肝火上炎」などの状態として捉え、体全体の陰陽バランスを整えるアプローチを行います。
バセドウ病は放置すると、心血管系合併症、バセドウ眼症、骨粗鬆症、甲状腺クリーゼなどの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
当院のアプローチの特徴
当院では、バセドウ病に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った鍼灸治療と、体質に合わせた施術
- 自律神経の調整によるイライラや不安、動悸などの症状の緩和
- 免疫バランスの調整による自己免疫反応の緩和
- 日常生活でのセルフケア方法の指導
当院の施術は、医師による西洋医学的治療と併用していただくことで、より高い効果を発揮します。症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善を目指し、生活の質の向上をサポートします。多くの患者様から「不安やイライラが落ち着いた」「動悸が減った」「睡眠の質が良くなった」「薬の副作用が軽減した」などのお声をいただいております。
【重要なお知らせ】
バセドウ病の治療には、必ず内分泌内科や甲状腺専門医による定期的な診察と検査が必要です。当院の施術は西洋医学的治療を補完するものであり、代替するものではありません。医師の治療と並行して当院の施術を受けていただくことをお勧めします。
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バセドウ病の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。
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日曜・祝日 休み
バセドウ病は適切な管理と治療で症状をコントロールし、健やかな日常生活を取り戻すことができます。当院では、あなたのバセドウ病の症状緩和と体質改善をサポートし、生活の質の向上のお手伝いをいたします。
施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
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