胸郭出口症候群

 

胸郭出口症候群でお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 腕や手がしびれたり、痛みを感じることがある
  • 指先が冷たくなったり、白っぽく変色することがある
  • 長時間のデスクワークや肩より上での作業で症状が悪化する
  • 肩や首のこり、痛みが慢性的に続いている
  • 腕を上げると手の脈が弱くなったり消えたりする感覚がある
  • ものを握る力が弱くなった気がする

胸郭出口症候群とは、首から肩、腕にかけて通る神経や血管が、胸郭(胸の出口部分)で圧迫されることで起こる症状の総称です。デスクワークの多い現代人に増えている症状であり、日常生活や仕事に支障をきたすことも少なくありません。

この記事では、胸郭出口症候群の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように胸郭出口症候群の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。

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西洋医学的視点での胸郭出口症候群の原因とメカニズム

胸郭出口症候群とは

西洋医学では、胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome:TOS)は「腕神経叢や鎖骨下動静脈などが、鎖骨と第一肋骨の間の狭い空間(胸郭出口)で圧迫されることによって生じる症状群」と定義されています。主に神経が圧迫される「神経性TOS」、動脈が圧迫される「動脈性TOS」、静脈が圧迫される「静脈性TOS」の3つのタイプに分類されます。

主な原因

  • 姿勢の問題:猫背や巻き肩、前かがみの姿勢、長時間のデスクワークなどによる不良姿勢が、胸郭出口部の狭窄を引き起こします。
  • 筋肉の緊張と不均衡:特に斜角筋(首の横)や小胸筋(胸の下部)の過緊張や短縮が、神経や血管を圧迫する原因となります。
  • 解剖学的要因:頸肋(首の骨の余分な骨)や肋鎖症候群(鎖骨と第一肋骨の間の靭帯の異常)など、先天的な要因も関係します。
  • 外傷:交通事故などによる鞭打ち症や、肩の脱臼・骨折の既往がある方はリスクが高まります。
  • 職業的要因:腕を頭より高く上げる作業(美容師、塗装工、電気工事など)や、重い荷物を運ぶ作業が多い職業ではリスクが高まります。
  • その他の要因:肥満、妊娠、むくみなどによる組織の圧迫も原因となることがあります。

胸郭出口症候群が発生するメカニズム

胸郭出口症候群は以下のようなメカニズムで発生します:

  1. 猫背や前かがみの姿勢、デスクワークなどにより、頭が前に出る姿勢(前方頭位)が続くと、首の筋肉(特に斜角筋)が緊張・短縮します。
  2. 同時に、肩が前に巻き込まれる姿勢(巻き肩)により、小胸筋が緊張・短縮します。
  3. これらの筋肉の緊張により、鎖骨と第一肋骨の間(斜角筋三角)や、小胸筋の下(肋鎖間隙)などの空間が狭くなります。
  4. これらの狭くなった空間を通過する腕神経叢(首から腕に向かう神経の束)や鎖骨下動静脈が圧迫されます。
  5. 神経が圧迫されると、腕や手のしびれ、痛み、筋力低下などの神経症状が出現します(神経性TOS)。
  6. 動脈が圧迫されると、冷感や蒼白、脈の減弱などの循環障害が起こります(動脈性TOS)。
  7. 静脈が圧迫されると、腕の腫れや青みがかった変色が起こります(静脈性TOS)。

主な症状

タイプによって症状は異なりますが、主な症状には以下のようなものがあります:

  • 神経性TOS(最も一般的)
    • 腕、前腕、手、指のしびれや痛み(特に薬指と小指)
    • 握力の低下や細かい作業が困難になる
    • 腕や手の疲れやすさ
    • 首や肩のこり、痛み
  • 動脈性TOS(比較的まれ)
    • 手や指の蒼白化や冷感
    • 腕を使うと痛みや疲労が増す
    • 脈の弱まりや消失
  • 静脈性TOS(最も稀)
    • 腕や手の腫れ
    • 皮膚の青紫色への変色
    • 腕の重だるさや痛み

西洋医学的なアプローチでは、姿勢の改善、筋力トレーニング、ストレッチなどの理学療法が中心となります。重症例では外科的治療が検討されることもありますが、多くの場合は保存的治療で改善が見られます。

東洋医学的視点での胸郭出口症候群の原因とメカニズム

東洋医学での胸郭出口症候群の捉え方

東洋医学では、胸郭出口症候群を「気滞血瘀(きたいけつお)」や「経絡(けいらく)の滞り」によって引き起こされる状態と捉えます。特に、「心包経(しんぽうけい)」「肺経(はいけい)」「手の太陰肺経(てのたいいんはいけい)」「手の少陰心経(てのしょういんしんけい)」などの経絡が肩から腕にかけて通過する部分での気血の流れの滞りが主な原因と考えられています。

関連する経絡

胸郭出口症候群に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 手の太陰肺経(てのたいいんはいけい):胸部から腕の内側を通り、親指側に至る経絡で、肺と関連しています。この経絡の滞りは上肢の内側のしびれや痛みに関連します。
  • 手の少陰心経(てのしょういんしんけい):脇の下から腕の内側を通り、小指側に至る経絡で、心臓と関連しています。この経絡の滞りは上肢内側の痛みやしびれ、特に小指側の症状に関連します。
  • 手の厥陰心包経(てのけついんしんぽうけい):胸部から腕の内側中央を通り、中指に至る経絡で、心包(心臓を保護する機能)と関連しています。この経絡の滞りは胸部や上肢の痛み、しびれに関連します。
  • 手の少陽三焦経(てのしょうようさんしょうけい):肩から腕の外側を通り、薬指に至る経絡で、体内の水分代謝と関連しています。この経絡の滞りは肩や腕の外側の痛みやしびれに関連します。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、胸郭出口症候群を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 気滞(きたい)

特徴:精神的ストレスや姿勢不良により気の流れが滞った状態です。
症状:肩こり、首の張り感、胸の圧迫感、ため息が多い、精神的ストレスで症状が悪化する。
改善方法:気の流れを改善する疏肝理気(そかんりき)の治療が効果的です。

2. 血瘀(けつお)

特徴:長期間の姿勢不良や過労により血液の循環が滞った状態です。
症状:刺すような痛み、しびれ、痛みが一定の場所に固定している、夜間に症状が悪化する。
改善方法:血液の循環を促進する活血化瘀(かっけつかお)の治療が効果的です。

3. 痰湿(たんしつ)

特徴:体内の水分代謝が悪く、湿気や痰が溜まった状態です。
症状:むくみを伴う重だるさ、湿度の高い日や雨の日に症状が悪化する、頭がぼんやりする。
改善方法:水分代謝を改善する化痰利湿(かたんりしつ)の治療が効果的です。

4. 気血両虚(きけつりょうきょ)

特徴:長期の疲労や加齢により気と血が不足した状態です。
症状:疲れやすい、力が入りにくい、顔色が悪い、症状が長引く傾向がある。
改善方法:気血を補う補気養血(ほきようけつ)の治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、胸郭出口症候群は以下の臓腑の機能と関連しています:

  • 肝(かん):気の流れを調整する役割があり、ストレスなどにより肝の機能が低下すると、気の流れが滞り、筋肉の緊張や痛みを引き起こします。特に斜角筋など首の筋肉の緊張に関連します。
  • 心(しん):血脈を統括し、血液循環を司ります。心の機能が低下すると、上肢の血行不良が起こりやすくなります。特に薬指や小指のしびれに関連します。
  • 肺(はい):気を全身に巡らせる役割があり、肺の機能が低下すると、特に上肢の気の流れが滞り、痛みやしびれを引き起こします。
  • 脾(ひ):水湿を運化する役割があり、脾の機能が低下すると水湿が停滞し、筋肉のむくみや重だるさを引き起こします。
  • 腎(じん):骨を司り、筋肉や腱に栄養を与える役割があります。腎の機能が低下すると、筋力低下や慢性的な疲労感を引き起こします。

環境因子の影響

東洋医学では、環境因子も胸郭出口症候群の症状に影響を与えると考えます:

  • 寒冷:寒さは筋肉を緊張させ、血行を悪化させるため、症状を悪化させることがあります。特に冬季や冷房の効いた環境で注意が必要です。
  • 湿気:高湿度の環境は水湿の停滞を助長し、むくみや重だるさを悪化させることがあります。梅雨時期や雨の日には注意が必要です。
  • ストレス:精神的ストレスは肝の機能に影響し、気の流れを滞らせるため、症状を悪化させることがあります。
  • 過労:過度の疲労は気血を消耗させ、症状の長期化や悪化を招きます。
  • 不適切な姿勢:長時間の同じ姿勢や不良姿勢は、経絡の流れを妨げ、気血の滞りを引き起こします。

東洋医学では、このように体質や環境、生活習慣などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
病名・呼称 胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome) 気滞血瘀(きたいけつお)、経絡の滞り
原因の捉え方 神経や血管が解剖学的に狭い空間(胸郭出口)で圧迫される状態 気血の滞り、経絡(特に肺経、心経、心包経)の流れの障害
分類方法 圧迫される構造物による分類(神経性、動脈性、静脈性) 証による分類(気滞、血瘀、痰湿、気血両虚など)
診断方法 神経伝導検査、血管エコー、MRI、X線、誘発テスト(Adson、Wright、Roos testなど) 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診
治療アプローチ 姿勢矯正、筋力トレーニング、ストレッチ、重症例では外科的治療(第一肋骨切除など) 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、養生指導など
治療の焦点 圧迫の緩和、筋肉バランスの回復、神経・血管機能の改善 気血の流れの改善、経絡の通りを回復、体全体のバランスを整える
症状緩和の方法 消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、神経ブロック注射など 特定のツボへの刺激、証に合わせた漢方薬、ツボ押し
予防方法 姿勢改善、エルゴノミクス(人間工学)に基づいた環境調整、適切な運動 気血の流れを良くする養生法、体質に合わせた生活習慣の調整
全身への視点 局所的な問題として捉える傾向がある 全身のバランスや内臓機能との関連性を重視する

西洋医学と東洋医学はそれぞれ異なる視点から胸郭出口症候群にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

胸郭出口症候群を放置するリスク

胸郭出口症候群は「単なる肩こりや痺れ」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、症状の悪化や合併症を引き起こす可能性があります。

身体的リスク

  • 神経障害の進行:神経が長期間圧迫されると、神経線維が損傷し、恒久的な神経障害を引き起こす可能性があります。これにより、手や腕の筋力低下、感覚障害、細かい作業が困難になるなどの症状が悪化・固定化することがあります。
  • 筋萎縮:長期間の神経圧迫により、手や前腕の筋肉が萎縮し、握力低下や運動機能の低下が進行することがあります。特に手の小指側の筋肉(小指球筋など)の萎縮が見られることがあります。
  • 血栓形成:特に静脈性TOSでは、血流の停滞により血栓が形成されるリスクがあります。これが肺に飛ぶと肺塞栓症という命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。
  • 動脈瘤:動脈性TOSでは、長期間の圧迫により動脈壁が弱くなり、動脈瘤(血管の一部が風船のように膨らむ状態)を形成することがあります。これが破裂すると大量出血を引き起こす可能性があります。
  • レイノー現象:血行不良が長期間続くことで、寒冷刺激などに対して手指が白く変色し、痛みを伴うレイノー現象が発生するリスクが高まります。

生活への影響

  • 日常生活の制限:症状の悪化により、料理、掃除、入浴、着替えなどの日常動作に支障をきたすことがあります。
  • 仕事への影響:パソコン作業、重いものを持つ作業、細かい手作業など、職業上必要な動作が困難になることがあります。最悪の場合、職業変更を余儀なくされることもあります。
  • 趣味やスポーツの制限:腕を使うスポーツ(テニス、ゴルフ、水泳など)や、楽器演奏、手芸などの趣味活動が制限されることがあります。
  • 睡眠障害:夜間の痛みやしびれにより、良質な睡眠が妨げられ、慢性的な疲労感や集中力低下につながることがあります。

心理的・社会的影響

  • 慢性痛による精神的ストレス:長期間の痛みやしびれは、不安やイライラ、抑うつ症状などの精神的ストレスを引き起こすことがあります。
  • 自己肯定感の低下:日常生活や仕事の制限により、自信や自己肯定感が低下することがあります。
  • 社会的孤立:症状により外出や社会活動が制限され、社会的孤立感を感じることがあります。
  • 経済的影響:仕事の制限や治療費により、経済的な負担が増加することがあります。

早期対処の重要性

胸郭出口症候群は、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 症状が軽いうちに治療を開始することで、より効果的に改善が期待できます
  • 神経や血管の恒久的な損傷を防ぐことができます
  • 筋萎縮などの二次的な問題の発生を予防できます
  • 治療期間が短縮される可能性があります
  • 外科的治療の必要性を減らすことができます
  • 日常生活や仕事への影響を最小限に抑えることができます

腕や手のしびれ、痛み、冷感などの症状が現れたら、「単なる疲れ」と放置せず、専門家に相談することをおすすめします。当院では、胸郭出口症候群の早期発見・早期治療を重視しています。

当院の胸郭出口症候群施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで胸郭出口症候群の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、神経や血管の圧迫を解放し、症状の緩和を促進します。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った鍼灸治療:症状のある部位から離れたツボにも施術を行うことで、全身のバランスを整えます。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 整体:首や肩、胸郭周辺の筋肉の緊張を緩め、神経や血管の圧迫を解放します。特に斜角筋や小胸筋などの緊張に注目した施術を行います。
  • 経絡調整:腕へ通じる経絡(特に肺経、心経、心包経)の流れを整え、気血の巡りを改善します。
  • 姿勢指導:日常生活や仕事中の正しい姿勢について、個別にアドバイスを行います。

施術の流れ

  1. 問診:症状や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 整体:首や肩、胸郭周辺の筋肉の緊張を緩める施術を行います。
  4. 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

胸郭出口症候群に効果的なツボ

当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根にあるツボで、全身の気の流れを改善し、肩こりや腕の痛みに効果があります。
  • 内関(ないかん):手首の内側、手のひらから指3本分上にあるツボで、胸部や肩の痛み、しびれを和らげます。
  • 外関(がいかん):前腕の外側、手首から指3本分上にあるツボで、肩こりや腕の外側のしびれに効果があります。
  • 列欠(れっけつ):手首の外側のくぼみにあるツボで、腕や首、肩の痛みに効果があります。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
  • 太衝(たいしょう):足の甲の親指と人差し指の付け根の間にあるツボで、肝の気の巡りを改善し、筋肉の緊張を和らげます。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。当院では、症状の原因となっている部位だけでなく、遠隔部位のツボも使用することで、副作用の少ない効果的な治療を目指しています。

胸郭出口症候群に関するよくある質問(FAQ)

Q: 胸郭出口症候群は完全に治りますか?

胸郭出口症候群の改善度合いは、症状の程度や期間、原因、体質などによって個人差があります。多くの場合、適切な治療と生活習慣の改善により、症状は大幅に軽減することが可能です。

特に、症状が出始めて間もない場合や、姿勢不良などが主な原因の場合は、改善の見込みが高いといえます。ただし、長期間放置されたケースや、構造的な異常(頸肋など)が原因の場合は、完全な回復までに時間がかかることもあります。

当院では、症状の改善だけでなく、再発予防のための姿勢改善や生活習慣のアドバイスも行っています。根気よく治療と自己ケアを続けることで、多くの方が日常生活に支障のないレベルまで改善されています。

Q: 胸郭出口症候群の治療は何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 軽度の症状:週1回の頻度で4〜6週間程度
  • 中程度の症状:週1〜2回の頻度で8〜12週間程度
  • 重度の症状:週2回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていく

初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。また、症状が改善した後も、定期的なメンテナンス(月1回程度)を受けることで、再発予防につながります。

Q: デスクワークが多いのですが、職場でできる対策はありますか?

デスクワークが多い方にとって、職場での姿勢管理と環境整備は非常に重要です。以下のような対策がおすすめです:

  • ワークステーションの調整
    • モニターの高さは目線かやや下になるように調整
    • キーボードは肘が約90度になる高さに設置
    • 椅子の高さは足が床にしっかりつく高さに調整
    • 背もたれは腰椎をサポートする位置に調整
  • 定期的な休憩と姿勢変更
    • 50分作業したら10分休憩する「50-10ルール」を実践
    • 1時間に1回は立ち上がり、簡単なストレッチを行う
    • 可能であれば、スタンディングデスクを導入し、座位と立位を交互に行う
  • 簡単なオフィスストレッチ
    • 肩を回す(前回し10回、後ろ回し10回)
    • 首を前後左右にゆっくり倒す(各方向5秒キープ)
    • 胸を開くストレッチ(両手を後ろで組み、胸を前に押し出す)
    • 手首のストレッチ(手のひらを前に向け、もう片方の手で指を後ろに引く)
  • 正しい姿勢の維持
    • 背筋を伸ばし、肩の力を抜いた状態を意識
    • あごを引き、頭が前に出ないようにする
    • 腰は椅子の奥までしっかり掛ける
    • 定期的に姿勢を確認する習慣をつける

当院では、個々の職場環境や作業内容に合わせた具体的なアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。

Q: どのような症状であれば手術が必要になりますか?

胸郭出口症候群の大多数のケースでは、保存的治療(鍼灸、整体、理学療法、生活習慣の改善など)で症状が改善します。しかし、以下のような場合には手術が検討されることがあります:

  • 保存的治療で改善が見られない場合:3〜6ヶ月間の適切な保存的治療を行っても症状の改善が見られない場合
  • 重度の神経症状がある場合:筋力の著しい低下や筋萎縮が進行している場合
  • 血管の重篤な障害がある場合:血栓形成、動脈瘤、虚血性変化など、血管に重大な問題が生じている場合
  • 解剖学的異常がある場合:頸肋(首の骨の余分な骨)などの先天的な骨の異常が明確な原因となっている場合

当院では、まず保存的治療を十分に行い、症状の改善を目指します。万が一、症状が改善しない場合や悪化する場合には、整形外科専門医への紹介も含めて、最適な治療方針をご提案いたします。手術が必要かどうかは、症状の程度や検査結果、生活への影響などを総合的に判断して決定されます。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日は、激しい運動や重い物の持ち上げを避け、身体を休めてください
  • 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
  • 肩や首を冷やさないように注意し、必要に応じて保温してください
  • 長時間同じ姿勢を続けないよう、定期的に姿勢を変えたり、ストレッチをしましょう
  • 指導された自宅でのエクササイズやストレッチを継続的に行いましょう
  • 施術後は入浴可能ですが、長時間の熱い湯船や、サウナの使用は避けてください

また、稀に施術後に一時的な違和感や軽い痛みを感じることがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる「好転反応」の一種で、通常は24〜48時間以内に収まります。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。

胸郭出口症候群改善のための自宅でのセルフケア

胸郭出口症候群の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。

ストレッチと簡単なエクササイズ

  • 斜角筋ストレッチ:片方の手を同じ側の鎖骨の上に置き、頭を反対側に傾けながら軽く下に引っ張ります。10〜15秒キープし、左右交互に3回ずつ行います。
  • 胸の筋肉(小胸筋)ストレッチ:ドアの枠や壁の角に立ち、腕を90度に曲げて肘から先を壁につけます。そこから体を前に傾けて、胸の前面を伸ばします。15〜20秒キープし、左右3回ずつ行います。
  • 肩甲骨の運動:両腕を体の横に下げた状態から、肩甲骨を寄せるように肘を後ろに引きます。5秒キープし、10回繰り返します。
  • 首のあご引き運動:まっすぐ前を向いた状態から、あごを引くようにして首を後ろに引きます。10秒キープし、10回繰り返します。
  • 腕の振り子運動:軽く前かがみになり、痛みのある腕を自然に前後に振ります。1分間継続し、1日3回行います。

姿勢の改善

  • 正しい座り姿勢
    • 背筋を伸ばし、肩の力を抜く
    • あごを引き、頭が前に出ないようにする
    • 肩が内側に巻き込まないよう、胸を軽く開く
    • 腰は椅子の奥までしっかり掛ける
    • 足は床にしっかりつける
  • デスク環境の整備
    • モニターは目線かやや下になるよう調整
    • キーボードは肘が約90度になる高さに
    • マウスは肘を開かずに操作できる位置に
    • 必要に応じて腰クッションや足台を使用
  • スマートフォンの使用
    • スマホを目の高さに持ち上げて使用
    • 長時間の使用を避け、定期的に休憩
    • 両手で持ち、肘を体に近づけて支える
  • 姿勢チェック習慣:1時間に1回は自分の姿勢を確認し、必要に応じて修正する習慣をつけましょう。

生活習慣の改善

  • 定期的な休憩:長時間同じ姿勢を続けないよう、50分作業したら10分休憩する「50-10ルール」を実践しましょう。
  • 適度な運動:ウォーキングや水泳など、全身運動を週に2〜3回、30分程度行うと、血行が促進され症状の改善に役立ちます。
  • 保温:特に肩や首、腕の冷えに注意し、必要に応じてカイロや温かい服装で保温しましょう。
  • 睡眠環境
    • 首や肩に負担がかからない高さの枕を選ぶ
    • 横向きで寝る場合は、肩が沈み込まないよう注意
    • うつ伏せ寝は首や肩に負担がかかるため避ける
  • 水分摂取:十分な水分を摂ることで、筋肉の柔軟性を保ち、疲労物質の排出を促進します。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根の骨と骨の間のくぼみにあるツボです。肩こりや腕の痛みに効果があります。
  • 内関(ないかん):手首の内側、手のひらから指3本分上にあるツボです。胸部や肩の痛み、しびれを和らげます。
  • 外関(がいかん):前腕の外側、手首から指3本分上にあるツボです。肩こりや腕の外側のしびれに効果があります。
  • 列欠(れっけつ):手首の外側のくぼみにあるツボです。腕や肩のこりや痛みに効果があります。

注意すべき動作や活動

  • 避けるべき動作
    • 頭上での長時間の作業
    • 重い荷物を持つ(特に腕を伸ばした状態で)
    • 肩より高い位置での長時間の作業
    • 長時間の同じ姿勢(特に前かがみや首を前に出す姿勢)
  • 注意が必要な活動
    • バッグの持ち方(片方の肩に掛けず、両肩で重さを分散する)
    • スマートフォンの使用方法(目の高さに持ち上げる)
    • 長時間の運転(正しい姿勢と定期的な休憩が重要)
    • スポーツ活動(特に腕を頭上に上げるスポーツは注意)

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、胸郭出口症候群の症状を和らげることができます。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。

胸郭出口症候群のまとめと施術のご案内

胸郭出口症候群の要約

胸郭出口症候群は、鎖骨と第一肋骨の間の狭い空間(胸郭出口)で、神経や血管が圧迫されることで起こる症状の総称です。現代社会のデスクワークやスマートフォンの普及により、不良姿勢が増加し、この症状に悩む方が増えています。

主な症状は、腕や手のしびれ、痛み、冷感、筋力低下などで、特に首や肩の不快感を伴うことが多いです。西洋医学では解剖学的な圧迫に注目し、東洋医学では気血の流れや経絡の滞りという観点からアプローチします。

胸郭出口症候群は放置すると症状が悪化し、日常生活や仕事に大きな支障をきたすことがありますが、早期の適切な治療と生活習慣の改善により、多くの場合症状は改善します。

当院のアプローチの特徴

当院では、胸郭出口症候群に対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 手足のツボを使った鍼灸治療と、体質に合わせた施術
  • 首や肩、胸郭周辺の筋肉バランスを整える整体
  • 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術
  • 日常生活での姿勢改善や職場環境の整備に関する具体的なアドバイス

多くの患者様から「腕や手のしびれが減った」「肩こりが軽減した」「仕事に支障なく取り組めるようになった」「スマホを長時間使っても痛みが出なくなった」といったお声をいただいております。胸郭出口症候群でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

胸郭出口症候群の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。

【住所】

567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)

【お電話】

072-622ー0134

【受付時間】

月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

胸郭出口症候群は現代社会のデスクワークやスマートフォン使用の増加に伴い増えている症状です。適切な施術と生活習慣の改善により、症状の緩和と根本的な改善が可能です。当院では、あなたの胸郭出口症候群の根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 

恥骨の痛みでお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 妊娠中や産後に恥骨部分に痛みが出るようになった
  • 歩くときや階段の昇降時に恥骨が痛む
  • 起き上がりや寝返りをするときに恥骨周辺が痛む
  • 足を大きく開いたり、片足立ちをすると恥骨が痛む
  • スポーツ中や運動後に恥骨周辺に痛みを感じる
  • 恥骨から太ももの内側にかけて痛みやしびれがある

恥骨の痛みは、恥骨結合部やその周辺の筋肉、靭帯に炎症や負担がかかることで発生する症状です。特に妊娠中や産後の女性に多く見られますが、スポーツ選手や日常生活での姿勢の問題により男性にも起こることがあります。

この記事では、恥骨の痛みの原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように恥骨の痛みを緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。

西洋医学の視点から恥骨の痛みの原因とメカニズム

恥骨の痛みとは

西洋医学では、恥骨の痛みは「恥骨結合部の機能不全や炎症によって引き起こされる痛み」と定義されています。恥骨結合は左右の恥骨をつなぐ軟骨性の関節で、通常は非常に動きの少ない関節ですが、妊娠中のホルモンの影響や外傷により不安定になることがあります。

主な原因

  • 妊娠・出産関連:妊娠中に分泌されるリラキシンなどのホルモンにより靭帯が緩み、恥骨結合部が不安定になります。また、胎児の成長により骨盤への負荷が増加します。
  • スポーツ外傷:サッカー、ランニング、体操など、恥骨周辺に強い負荷がかかるスポーツで発生することがあります。
  • 筋肉の不均衡:腹筋、背筋、骨盤底筋群のバランスが崩れることで、恥骨結合部に過度な負担がかかります。
  • 姿勢の問題:骨盤の前傾や後傾、左右の歪みにより恥骨部分への負荷が増加します。
  • 外傷:転倒や交通事故などによる骨盤周辺への直接的な外力により損傷することがあります。
  • 感染症:稀に恥骨結合部の感染症(恥骨結合炎)により痛みが生じることがあります。

恥骨の痛みが発生するメカニズム

恥骨の痛みは以下のようなメカニズムで発生します:

  1. 妊娠中のホルモンの影響や外力により、恥骨結合部の軟骨や靭帯に炎症や微細損傷が生じます
  2. 恥骨結合部の不安定性により、周辺の筋肉(腹直筋、内転筋群、骨盤底筋)が過度に緊張します
  3. 筋肉の緊張により血流が悪化し、痛みを感じる侵害受容器が刺激されます
  4. 疼痛により動作を避けるようになると、さらに筋力低下や関節の可動域制限が生じ、症状が悪化する悪循環に陥ります
  5. 慢性化すると、中枢神経系での痛みの処理が変化し、軽微な刺激でも強い痛みを感じるようになることがあります

主な症状

  • 恥骨部の痛み:恥骨結合部を中心とした局所的な痛みで、触ると痛みが増すことがあります。
  • 放散痛:恥骨から太ももの内側、下腹部、腰部への痛みの放散が見られることがあります。
  • 歩行時痛:歩く際、特に足を前に出すときや階段昇降時に痛みが強くなります。
  • 起立・座位での痛み:立ち上がりや座るときに痛みが生じることがあります。
  • 寝返り時の痛み:夜間の寝返りや起き上がり時に強い痛みを感じることがあります。
  • 筋力低下:痛みにより活動量が減少し、骨盤周辺の筋力が低下することがあります。

西洋医学的なアプローチでは、安静、物理療法、運動療法、場合によっては薬物療法が用いられますが、根本的な改善には筋力強化と姿勢改善が重要とされています。

東洋医学の視点から恥骨の痛みの原因とメカニズム

東洋医学での恥骨の痛みの捉え方

東洋医学では、恥骨の痛みを「気血の滞り」や「経絡の不調」により起こる状態と捉えます。恥骨周辺は生殖器に関わる重要な部位であり、腎や肝の機能と密接に関連すると考えられています。特に妊娠・出産期は腎の精気が大きく消耗するため、この時期の恥骨の痛みは腎虚との関連が深いとされています。

関連する経絡

恥骨の痛みに特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 任脈(にんみゃく):身体の前面中央を通る経絡で、恥骨から生殖器、下腹部の機能に関わります。
  • 足の厥陰肝経(けついんかんけい):恥骨周辺を通り、生殖器機能や筋腱の働きに関連します。
  • 足の少陰腎経(しょういんじんけい):腎の機能を担う経絡で、骨や髄、生殖機能に関わります。
  • 足の太陰脾経(たいいんひけい):下腹部から恥骨周辺を通り、筋肉の働きや水分代謝に関連します。
  • 衝脈(しょうみゃく):下腹部の奇経八脈の一つで、生殖機能や血の巡りに関わります。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、恥骨の痛みを以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 腎虚(じんきょ)

特徴:妊娠・出産、加齢、過労により腎の精気が不足した状態です。
症状:恥骨周辺の鈍い痛み、腰痛、足腰のだるさ、頻尿、むくみ、疲れやすい、冷え症。
改善方法:腎を補う食材(黒ゴマ、クルミ、山芋など)や補腎の漢方薬、温める鍼灸治療が効果的です。

2. 肝鬱気滞(かんうつきたい)

特徴:ストレスや感情の抑制により肝の気の流れが滞った状態です。
症状:恥骨周辺の刺すような痛み、痛みの場所が移動する、イライラ、ため息、生理不順、胸の張り。
改善方法:肝の気の流れを改善する食材(柑橘類、香味野菜など)や疏肝解鬱の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。

3. 血瘀(けつお)

特徴:血液の循環が悪くなり、血の滞りが生じた状態です。
症状:恥骨周辺の固定した刺すような痛み、夜間に痛みが増す、皮膚の色が暗い、生理時の血塊。
改善方法:血の流れを改善する食材(山査子、紅花茶など)や活血化瘀の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。

4. 寒湿(かんしつ)

特徴:冷えと湿気が体内に侵入し、気血の流れを妨げている状態です。
症状:恥骨周辺の重だるい痛み、冷えると痛みが悪化、むくみ、下痢しやすい、関節の重い感じ。
改善方法:体を温め湿気を取り除く食材(生姜、シナモン、ハトムギなど)や温経散寒の漢方薬、温灸治療が効果的です。

5. 脾虚(ひきょ)

特徴:消化機能の低下により気血の生成が不足した状態です。
症状:恥骨周辺の鈍い痛み、疲れやすい、食欲不振、下痢しやすい、顔色が悪い、手足のむくみ。
改善方法:脾胃を補う食材(山芋、カボチャ、小豆など)や補気健脾の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、恥骨の痛みは主に以下の臓腑の機能と関連しています:

  • 腎(じん):生殖機能や骨・髄を支配し、恥骨周辺の骨格や筋肉の健康に重要な役割を果たします。
  • 肝(かん):筋腱を支配し、気の流れを調整します。肝の機能低下は筋肉の緊張や痛みを引き起こします。
  • 脾(ひ):筋肉を支配し、水分代謝に関わります。脾の機能低下は筋力低下やむくみを引き起こします。
  • 心(しん):血液循環を支配し、恥骨周辺の血流に影響します。

季節と環境の影響

東洋医学では、季節や環境の変化も恥骨の痛みに影響すると考えます:

  • :寒さにより腎の機能が低下しやすく、恥骨周辺の痛みが悪化しやすい季節です。
  • 梅雨時期:湿気により脾の機能が低下し、むくみや重だるい痛みが増すことがあります。
  • :肝の気が上昇する時期で、ストレスによる肝鬱気滞の症状が悪化しやすくなります。
  • 冷房の効いた環境:長時間の冷えにより寒湿が体内に侵入し、痛みが増すことがあります。

東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
原因の捉え方 恥骨結合部の機能不全、ホルモンの影響、筋肉の不均衡、外傷 気血の滞り、腎や肝の機能低下、経絡の不調
診断方法 X線検査、MRI、CT、理学的検査、触診 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診
治療アプローチ 安静、物理療法、運動療法、薬物療法、場合によっては手術 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法
治療の焦点 炎症の抑制、筋力強化、構造的安定性の回復 気血の流れの改善、腎肝の機能強化、体全体のバランス調整
妊娠期への対応 薬物療法に制限があり、主に物理療法や運動療法が中心 妊娠期に安全な鍼灸治療や食養生で対応可能
予防の考え方 筋力強化、姿勢改善、適切な体重管理 体質に合わせた養生法、腎肝の機能強化、未病の段階からの対応
再発予防 継続的な運動療法、生活習慣の改善 体質改善による根本的な再発予防、季節に合わせた養生

西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチで恥骨の痛みに対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

恥骨の痛みを放置するリスク

恥骨の痛みは「一時的なもの」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。

身体的リスク

  • 慢性疼痛への移行:急性の痛みが慢性化し、日常的に痛みを感じる状態になるリスクがあります。
  • 歩行障害:痛みにより正常な歩行が困難になり、跛行(びっこ)や歩行速度の低下が生じます。
  • 筋力低下:痛みを避けるために活動量が減ると、骨盤周辺の筋力が著しく低下します。
  • 姿勢の悪化:痛みをかばう姿勢を続けることで、骨盤の歪みや脊柱の変形が進行する可能性があります。
  • 他部位への影響:恥骨の痛みをかばうことで、腰痛、股関節痛、膝痛などの二次的な症状が出現することがあります。
  • 関節拘縮:長期間の痛みにより股関節や仙腸関節の可動域が制限される可能性があります。
  • 妊娠・出産への影響:女性の場合、将来の妊娠・出産時に症状が悪化するリスクがあります。

精神的・社会的リスク

  • 生活の質の低下:痛みにより日常生活動作が制限され、生活の質が大幅に低下します。
  • 睡眠障害:寝返りや起き上がり時の痛みにより、良質な睡眠がとれなくなります。
  • 不安とストレス:「いつまで痛みが続くのか」という不安や、活動制限によるストレスが増加します。
  • 社会活動への影響:仕事や家事、育児への影響により、社会的役割を果たすことが困難になることがあります。
  • 自己効力感の低下:「何をしても良くならない」という無力感から、自己肯定感が低下することがあります。
  • 人間関係への影響:痛みによるイライラや活動制限により、家族や友人との関係に支障をきたすことがあります。

早期対処の重要性

恥骨の痛みは、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 炎症が慢性化する前に改善できる
  • 筋力低下や関節拘縮を予防できる
  • 代償的な姿勢変化による二次的症状を予防できる
  • 日常生活への影響を最小限に抑えられる
  • 治療期間を短縮できる可能性がある
  • 将来の妊娠・出産時のリスクを軽減できる

恥骨周辺の痛みや違和感を感じたら、「そのうち良くなる」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。

当院の恥骨の痛み施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで恥骨の痛みの根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、痛みの軽減と機能回復を促進します。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った鍼灸治療:身体に負担の少ない施術で、初めての方でも安心して受けられます。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 妊娠期にも安全な施術:妊娠中の恥骨の痛みにも対応できる安全な鍼灸治療を提供します。
  • 骨盤調整:骨盤の歪みや不安定性を改善する優しい整体施術を行います。
  • 全身調整:恥骨の痛みの原因となる全身のバランスを整え、根本的な改善を目指します。

施術の流れ

  1. 問診:恥骨の痛みの症状や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 整体施術:必要に応じて、骨盤や全身のバランスを整える優しい整体施術を行います。
  4. 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

恥骨の痛みに効果的なツボ

当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、婦人科系の症状全般に効果があります。
  • 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎の機能を高め、骨盤周辺の痛みを改善します。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、全身の気の流れを調整します。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。

恥骨の痛みに関するよくある質問(FAQ)

Q: 恥骨の痛みの改善には何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や期間、体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 急性期(発症から1ヶ月以内):週2回の頻度で1〜2ヶ月
  • 慢性期(発症から3ヶ月以上):週1〜2回の頻度で2〜3ヶ月
  • 妊娠中の症状:週1回の頻度で症状の改善まで継続

初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。継続的な施術により、根本的な体質改善を目指します。

Q: 妊娠中でも施術を受けることができますか?

はい、妊娠中でも安全に施術を受けることができます。当院では、妊娠期の恥骨の痛みに対して以下のような安全な施術を行っています:

  • 妊娠期に禁忌とされるツボを避けた安全な鍼灸治療
  • うつ伏せにならない、側臥位での優しい施術
  • お腹に負担をかけない骨盤調整
  • 妊娠期の体質変化に合わせた個別的なアプローチ

妊娠中の恥骨の痛みは、胎児の成長とともに悪化することが多いため、早期の対処が重要です。施術前には必ず現在の妊娠週数や体調についてお聞きし、最も安全で効果的な施術を提供いたします。

Q: 恥骨の痛みと腰痛は関係がありますか?

はい、恥骨の痛みと腰痛には密接な関係があります。以下のような関連性があります:

  • 骨盤帯痛症候群:恥骨の痛みは骨盤帯痛症候群の一部として、腰痛や仙腸関節痛と同時に現れることがあります
  • 代償的な動作:恥骨の痛みをかばうような歩き方や姿勢により、腰部に負担がかかり腰痛が発生します
  • 筋肉の連鎖:恥骨周辺の筋肉と腰部の筋肉は機能的に関連しており、一方の問題が他方に影響します
  • 骨盤の不安定性:恥骨結合部の不安定性は、腰椎や仙腸関節にも影響を与えます

当院では、恥骨の痛みと腰痛を関連する症状として捉え、骨盤全体のバランスを整える施術を行います。単独の症状を治療するのではなく、全身のバランスを考慮した根本的な改善を目指します。

Q: 恥骨の痛みがある時に避けるべき動作はありますか?

恥骨の痛みがある時は、以下のような動作を避けることで症状の悪化を防ぐことができます:

  • 片足立ちになる動作:階段昇降、ズボンの着脱、靴下の着脱など
  • 足を大きく開く動作:跨ぐ、あぐらをかく、足を組むなど
  • 重いものを持ち上げる動作:腹圧がかかり恥骨への負担が増します
  • 急激な方向転換:スポーツや歩行時の急な方向転換
  • 長時間の同一姿勢:長時間の立位や座位

これらの動作を行う際は、両足に均等に体重をかける、手すりを使用する、膝を曲げて物を持ち上げるなどの工夫をしましょう。当院では、日常生活での注意点について詳しくアドバイスいたします。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日は激しい運動や長時間の歩行を避ける
  • 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させる
  • 恥骨周辺を冷やさないよう注意し、必要に応じて温める
  • 指導された姿勢や動作の注意点を守る
  • 十分な睡眠と休息を取る

また、稀に施術後に一時的に症状が変化することがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる好転反応の一種です。通常は24〜48時間以内に収まりますが、気になる症状がある場合は院長にご相談ください。

恥骨の痛み改善のための自宅でのセルフケア

恥骨の痛みの改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。

姿勢の意識

  • 立位姿勢:両足に均等に体重をかけ、骨盤を正しい位置に保ちます。反り腰や猫背にならないよう注意しましょう。
  • 座位姿勢:深く腰掛け、背もたれを利用して腰椎の自然なカーブを保ちます。足は床にしっかりとつけましょう。
  • 歩行姿勢:小幅で歩き、急激な方向転換を避けます。階段は一段ずつゆっくりと昇降しましょう。
  • 寝る姿勢:横向きで寝る際は膝の間にクッションを挟み、仰向けの場合は膝の下にクッションを置くと楽になります。

簡単ストレッチ

  • 骨盤傾斜運動:仰向けに寝て膝を立て、腰を床に押し付けるように骨盤を後傾させます。5秒間キープを10回繰り返します。
  • 内転筋ストレッチ:座った状態で足裏を合わせ、膝を軽く床に近づけます。無理をせず、痛みの出ない範囲で行いましょう。
  • 股関節屈筋ストレッチ:片膝を床につき、もう一方の足を前に出してゆっくりと体重をかけます。左右30秒ずつ行います。
  • 膝抱えストレッチ:仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せます。30秒間キープし、左右交互に行います。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。婦人科系の症状全般に効果があります。
  • 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボです。腎の機能を高め、骨盤周辺の痛みを和らげます。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根にあるツボです。全身の気の流れを良くし、痛みの緩和に効果があります。

温熱療法

  • 湯船にゆっくり浸かる:38〜40度のぬるめのお湯に15〜20分浸かることで、骨盤周辺の血流を改善します。
  • 湯たんぽ・カイロの使用:腰やお腹に湯たんぽやカイロを当てて温めることで、筋肉の緊張を和らげます。
  • 足湯:足首まで温かいお湯に浸けることで、下半身の血行を促進します。
  • 蒸しタオル:温かい蒸しタオルを恥骨周辺(直接ではなく下着の上から)に当てて温めます。

生活習慣の改善

  • 食事の改善:抗炎症作用のある食材(青魚、緑黄色野菜、ナッツ類など)を積極的に摂り、糖質や揚げ物、甘い物は控えめにしましょう。
  • 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を促進し、老廃物の排出を促します。
  • 規則正しい睡眠:7〜8時間の質の良い睡眠を心がけ、体の回復を促進します。
  • ストレス管理:深呼吸、瞑想、軽い運動などでストレスを軽減し、筋肉の緊張を和らげます。
  • 適度な運動:水中ウォーキングやヨガなど、関節に負担の少ない運動を無理のない範囲で行います。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、恥骨の痛みの改善と再発防止につながります。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。

恥骨の痛みのまとめと施術のご案内

恥骨の痛みの要約

恥骨の痛みは、恥骨結合部やその周辺の筋肉、靭帯に炎症や負担がかかることで発生する症状です。特に妊娠中や産後の女性に多く見られますが、スポーツ選手や日常的な姿勢の問題により男性にも起こることがあります。

西洋医学では恥骨結合部の機能不全や筋肉の不均衡に着目し、東洋医学では気血の滞りや腎肝の機能低下と捉えて治療にあたります。どちらのアプローチも長所があり、当院ではこれらを組み合わせた総合的な治療を提供しています。

恥骨の痛みは早期に適切な対処を行うことで、多くの場合改善が期待できます。しかし、治療だけでなく、日常生活での姿勢改善、適切な動作方法、セルフケアなども重要です。当院では、施術と生活指導の両面からサポートし、根本的な改善と再発防止を目指しています。

当院のアプローチの特徴

当院では、恥骨の痛みに対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 妊娠期にも安全な手足のツボを使った鍼灸治療
  • 骨盤の調整と全身のバランスを整える優しい整体
  • 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術

多くの患者様から「恥骨の痛みが軽減した」「歩くのが楽になった」「寝返りが痛くなくなった」「妊娠中も安心して治療を受けられた」といったお声をいただいております。恥骨の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

恥骨の痛みの症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。

【住所】

567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)

【お電話】

072-622ー0134

【受付時間】

月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

恥骨の痛みは適切なケアで必ず改善できます。当院では、あなたの恥骨の痛みの根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 6600円(税込)
初診料 1100円(税込)

(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。

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