むち打ち症
むち打ち症でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 交通事故後、首や肩の痛みが続いている
- 首を動かすと痛みが強くなり、日常生活に支障が出ている
- 頭痛やめまい、吐き気などの症状がある
- 腕や手のしびれや痛みを感じることがある
- 集中力の低下や記憶力の減退を感じる
- 病院での治療を受けても症状がなかなか改善しない
むち打ち症は、交通事故などで首が急に前後に揺さぶられることで起こる症状の総称です。軽症と思われがちですが、適切な治療を受けないまま放置すると、長期間にわたって痛みや不快感が続くことがあります。
この記事では、むち打ち症の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのようにむち打ち症の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学的視点でのむち打ち症の原因とメカニズム
むち打ち症とは
西洋医学では、むち打ち症は「頸部捻挫」や「外傷性頸部症候群」とも呼ばれ、交通事故などの衝撃で首が急に前後に振られることで、頸椎周囲の筋肉、靭帯、神経などの軟部組織が損傷を受けた状態を指します。医学的には「WAD(Whiplash-Associated Disorders:むち打ち関連障害)」という用語も使われています。
主な原因
- 交通事故:最も多い原因で、特に追突事故では車の急停止により首が急激に前後に振られます。
- スポーツ外傷:コンタクトスポーツや転倒を伴うスポーツでの急激な動きでも発生します。
- 転倒や落下:高所からの落下や階段での転倒などでも首に衝撃が加わることがあります。
- 遊園地のアトラクション:急発進や急停止を伴うアトラクションでも稀に発生することがあります。
むち打ち症が発生するメカニズム
むち打ち症は以下のようなメカニズムで発生します:
- 衝撃により体が前方に押し出されると、頭部は慣性の法則によりいったん後方に倒れます(後屈)。
- その後、首の筋肉や靭帯が伸ばされた反動で、頭部は前方に振られます(前屈)。
- この急激な前後運動により、首の筋肉、靭帯、神経根、椎間板などに微細な損傷が生じます。
- 特に頸椎の自然なカーブ(前弯)が一時的に反転することで、普段は経験しない方向への力が加わります。
- 損傷した組織は炎症を起こし、痛みや筋肉の緊張を引き起こします。また、神経が刺激されることで、頭痛やめまいなどの多様な症状につながります。
むち打ち症の主な症状
- 頸部痛:首の痛みは最も一般的な症状で、特に動かしたときに悪化することが多いです。
- 頭痛:後頭部から始まり、前頭部に広がる頭痛がよく見られます。
- 肩こり・背部痛:首から肩、背中にかけての広範囲の痛みやこりが生じることがあります。
- めまい・ふらつき:頸部の損傷が内耳や脳への血流に影響を与え、めまいを引き起こすことがあります。
- 上肢のしびれ・痛み:神経根の圧迫や刺激により、腕や手にしびれや痛みが放散することがあります。
- 集中力低下・記憶障害:脳への血流変化や持続的な痛みによるストレスで認知機能に影響が出ることがあります。
- 吐き気・嘔吐:重症例では自律神経系の乱れにより、吐き気や嘔吐が現れることもあります。
- 視覚・聴覚の問題:目の疲れやかすみ、耳鳴りなどの症状を伴うこともあります。
西洋医学的な治療アプローチ
西洋医学では、むち打ち症に対して以下のような治療アプローチが一般的です:
- 初期の安静:症状が強い最初の24〜48時間は、首に負担をかけないよう安静にします。ただし、長期間の固定は避けます。
- 薬物療法:消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を用いて、痛みや炎症を抑えます。
- 物理療法:温熱療法、電気療法、超音波療法などで血流を改善し、痛みを和らげます。
- 運動療法:症状が落ち着いてきたら、頸部の可動域を回復させる運動を徐々に行います。
- 頸椎カラー:症状が強い場合、一時的に頸椎カラーを使用することがありますが、長期使用は筋力低下を招くためできるだけ早期に外します。
西洋医学的な治療は症状の緩和に効果がありますが、特に慢性化したむち打ち症では、より総合的なアプローチが必要とされています。次に東洋医学での見方をご紹介します。
東洋医学的視点でのむち打ち症の原因とメカニズム
東洋医学でのむち打ち症の捉え方
東洋医学では、むち打ち症を「頸項部外傷性気滞血瘀証」と捉えています。これは外傷によって首の部分の気血の流れが滞り、瘀血(おけつ:血液の停滞)が生じた状態を指します。また、外傷により経絡(けいらく:体内を気や血が流れる道筋)が損傷し、気血の流れが阻害されることで様々な症状が出ると考えられています。
関連する経絡
むち打ち症に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい):頭部から脊柱、下肢の後側を通る経絡で、首や背中の痛みに関連します。
- 手の太陽小腸経(たいようしょうちょうけい):耳の後ろから肩、腕の外側を通る経絡で、首や肩の痛みに関連します。
- 手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい):指から肩、首、顔に至る経絡で、肩こりや首の痛みに関連します。
- 督脈(とくみゃく):背骨の中心を通る重要な経絡で、全身の陽の気を統括し、脊柱の健康に深く関わります。
- 胆経(たんけい):頭部から体側を通り下肢に至る経絡で、頭痛やめまいと関連します。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、むち打ち症を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 気滞血瘀(きたいけつお)
特徴:外傷直後に多く見られる証で、気血の流れが滞り、瘀血(血液の停滞)が生じた状態です。
症状:首や肩の激しい痛み、特定の部位に固定した痛み、動かすと痛みが増す、触ると圧痛がある。
改善方法:行気活血(気の流れを促し、血の巡りを良くする)の治療が効果的です。
2. 肝腎不足(かんじんふそく)
特徴:長期化したむち打ち症でよく見られる証で、肝と腎の機能が低下した状態です。
症状:慢性的な首や肩の痛み、疲れやすい、めまい、耳鳴り、記憶力低下、腰痛を伴うことが多い。
改善方法:補肝腎(肝と腎の機能を高める)の治療が効果的です。
3. 風寒湿痹(ふうかんしつひ)
特徴:外邪(風・寒・湿)が経絡に侵入し、気血の流れを阻害した状態です。
症状:気候や温度の変化で悪化する痛み、冷えると症状が強くなる、首や肩が重だるい、湿度の高い日に症状が悪化する。
改善方法:祛風散寒除湿(風を追い払い、寒を散らし、湿を取り除く)の治療が効果的です。
4. 脾胃虚弱(ひいきょじゃく)
特徴:長期的な痛みやストレスにより脾胃の機能が低下した状態です。
症状:慢性的な痛みに加え、疲労感、食欲不振、消化不良、下痢や便秘などの消化器症状を伴う。
改善方法:健脾和胃(脾胃の機能を高める)の治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、むち打ち症は以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):血を蔵し、筋や腱を支配します。肝の機能低下は筋肉の緊張や痛みに関連します。
- 腎(じん):骨や髄を支配し、頸椎の健康に深く関わります。慢性的なむち打ち症では腎の機能低下が見られることがあります。
- 脾(ひ):気血を生成し、筋肉を養います。脾の機能低下は疲労感や筋力低下につながります。
- 心(しん):血を統括し、精神活動を司ります。持続的な痛みは心に影響を与え、不安やイライラなどの精神症状を引き起こすことがあります。
- 肺(はい):気を主り、全身に気を巡らせます。肺の機能低下は気の巡りの悪化につながります。
むち打ち症の進行と変化
東洋医学では、むち打ち症の経過を以下のように捉えています:
- 急性期(受傷直後〜2週間):気滞血瘀が主体で、激しい痛みや腫れなどの炎症反応が見られます。
- 亜急性期(2週間〜3ヶ月):気滞血瘀に加え、風寒湿痹の要素が加わることがあります。痛みは軽減しますが、動作時の痛みや気候による症状の変化が見られます。
- 慢性期(3ヶ月以上):気血両虚や肝腎不足の状態に変化することが多く、持続的な痛みだけでなく、全身的な症状(疲労感、めまい、記憶力低下など)が現れやすくなります。
東洋医学では、これらの「証」に基づいて、鍼灸治療や漢方薬による治療を行います。気血の流れを改善し、経絡の機能を回復させることで、むち打ち症の症状を緩和し、自然治癒力を高めることを目指します。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | むち打ち症、頸部捻挫、外傷性頸部症候群、WAD(Whiplash-Associated Disorders) | 頸項部外傷性気滞血瘀証 |
原因の捉え方 | 頸椎周囲の筋肉、靭帯、神経などの軟部組織の損傷 | 外傷による気滞血瘀、経絡の損傷、五臓六腑の機能低下 |
診断方法 | X線、MRI、CT、神経学的検査、可動域検査 | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、物理療法、運動療法、頸椎カラー | 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 炎症の抑制、痛みの緩和、可動域の回復 | 気血の流れの改善、経絡の通りを回復、体全体のバランスを整える |
急性期の対応 | 安静、頸椎カラー、薬物療法による炎症・痛みの抑制 | 行気活血の治療で瘀血を取り除き、気血の流れを促進 |
慢性期の対応 | 運動療法、認知行動療法、時に抗うつ薬や抗不安薬を使用 | 証に合わせた治療(肝腎不足には補肝腎、脾胃虚弱には健脾和胃など) |
予後の見方 | 多くは3〜6ヶ月で回復するが、約20%は慢性化する。心理社会的要因の影響も大きい。 | 証に合わせた適切な治療により、気血の流れが改善すれば治癒が期待できる。慢性化した場合も根本的な体質改善が可能。 |
西洋医学と東洋医学では、むち打ち症の捉え方や治療アプローチが異なりますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。特に慢性化したむち打ち症では、東洋医学の「証」に基づいた体質改善が効果的なケースが多く見られます。
むち打ち症を放置するリスク
むち打ち症は「時間が経てば自然に治る」と思われがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題を引き起こす可能性があります。
身体的リスク
- 慢性的な頸部痛:適切な治療を受けないと、急性期の痛みが治まった後も慢性的な頸部痛が残ることがあります。
- 可動域の制限:筋肉の緊張や線維化により、首の動きが制限され、日常生活に支障をきたすことがあります。
- 頭痛の慢性化:頭痛(特に緊張型頭痛)が慢性化し、日常的に頭痛に悩まされるようになることがあります。
- 神経障害の進行:神経根の圧迫や刺激が続くと、腕や手のしびれ、痛み、感覚異常などの神経症状が悪化することがあります。
- 椎間板の変性:頸椎の不安定性により、椎間板の変性が進行するリスクがあります。
- 頸椎の不安定性:靭帯の損傷が治癒せず、頸椎の不安定性が持続することがあります。
- 平衡感覚の問題:持続的なめまいやふらつきにより、転倒リスクが高まることがあります。
精神的・社会的リスク
- 慢性疼痛症候群:持続的な痛みにより、痛みに対する過敏性が高まり、慢性疼痛症候群に発展するリスクがあります。
- うつや不安:痛みが長期間続くことで、うつ症状や不安障害を発症するリスクが高まります。
- 睡眠障害:痛みや不快感により、睡眠の質が低下し、慢性的な疲労感や集中力低下につながります。
- 生活の質の低下:仕事や家事、趣味などの日常活動が制限され、生活の質が低下します。
- 社会的孤立:痛みや症状により外出が減り、社会的な活動が制限されることで孤立感を感じることがあります。
- 自己肯定感の低下:身体機能の低下や社会的役割の変化により、自己肯定感が低下することがあります。
早期対処の重要性
むち打ち症は、早期に適切な対処を行うことで、慢性化を防ぎ、早期回復を促すことができます。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 急性期の痛みや炎症を効果的に抑えることで、慢性化のリスクを減らせます
- 筋肉の緊張や拘縮を予防し、頸椎の正常な機能を早期に回復させることができます
- 二次的な問題(うつや不安、睡眠障害など)を予防できます
- 早期に日常生活や仕事に復帰できる可能性が高まります
- 治療期間の短縮や医療費の削減につながります
交通事故などでむち打ちの症状がある場合は、「様子を見よう」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。当院では、急性期から慢性期までのむち打ち症に対応し、東洋医学と西洋医学の両面からアプローチする総合的な治療を提供しています。
当院のむち打ち症施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチでむち打ち症の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、痛みの緩和だけでなく、体全体のバランスを整えていきます。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:痛みの少ない施術で、首や肩の負担を最小限に抑えながら効果的に治療します。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 症状や回復段階に合わせた施術:急性期、亜急性期、慢性期それぞれの段階に適した施術方法を選択します。
- 全身的なバランス調整:症状のある部位だけでなく、全身の気血のバランスを整え、自然治癒力を高めます。
- 自律神経の調整:痛みや不安による自律神経の乱れを整え、心身のリラックスを促します。
施術の流れ
- 問診:症状や事故の状況、既往歴、生活習慣などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:筋肉の緊張を和らげ、体のバランスを整える優しい整体施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
むち打ち症に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、痛みの緩和に効果があります。
- 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボで、首や肩のこりに効果的です。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
- 崑崙(こんろん):外くるぶしの後ろにあるツボで、首や背中の痛みに効果があります。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
症状の段階別アプローチ
- 急性期(受傷後〜2週間):痛みと炎症の緩和を優先し、行気活血(気と血の流れを促進)の治療を行います。過度な刺激は避け、優しい施術を心がけます。
- 亜急性期(2週間〜3ヶ月):筋肉の緊張を緩め、動きの回復を促す施術を行います。症状に応じて、温熱刺激や整体施術を組み合わせます。
- 慢性期(3ヶ月以上):証に基づいた体質改善を重視します。肝腎不足には補肝腎、脾胃虚弱には健脾和胃などの治療を行い、長期的な症状改善を目指します。
当院の施術は痛みを伴わない優しいものですので、初めての方や痛みに敏感な方でも安心して受けていただけます。また、施術前の詳細な説明と同意を大切にしており、不安や疑問にもしっかりとお答えします。
むち打ち症に関するよくある質問(FAQ)
事故直後は、まず医療機関で適切な診断を受けることが重要です。レントゲンやCTなどの検査で骨折や脱臼などの重篤な状態がないことを確認した後、できるだけ早く鍼灸・整体の治療を始めることをお勧めします。
早期の施術は、血行を促進し、筋肉の緊張を緩和することで、炎症を抑え、慢性化を防ぐ効果があります。当院では急性期のむち打ち症に対しても、刺激の強さを調整した優しい施術を行っていますので、安心してご相談ください。
ただし、頸椎の骨折や脱臼、脊髄損傷などの重篤な損傷がある場合は、まずその治療を優先する必要があります。必ず医師の診断を受けた上で、当院の施術を検討してください。
症状の程度や受傷からの期間、体質などによって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 急性期(事故後〜2週間):週2〜3回の頻度で通院することで、早期の痛み緩和と慢性化予防の効果が期待できます。
- 亜急性期(2週間〜3ヶ月):週1〜2回の頻度で、症状の改善に合わせて徐々に間隔を広げていきます。
- 慢性期(3ヶ月以上):週1回から始めて、症状の改善に合わせて2週間に1回、月1回と間隔を広げていきます。
初回のカウンセリングで、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて計画を調整していくことが一般的です。また、自宅でのセルフケアも重要ですので、施術と併せて取り組むことで、より効果的な改善が期待できます。
はい、事故から数ヶ月や数年経過していても、鍼灸・整体治療による改善が期待できます。慢性化したむち打ち症は、筋肉の緊張や拘縮、頸椎のアライメント異常、自律神経の乱れなどが複合的に関与しており、これらに対して東洋医学的アプローチが有効なケースが多くあります。
特に、慢性期のむち打ち症では東洋医学の「証」による体質改善が重要です。肝腎不足や脾胃虚弱などの状態を改善することで、根本的な体質改善が期待できます。当院では、長期間症状が続いている方に対しても、体質や状態に合わせた施術を行い、多くの方が改善を実感されています。
ただし、慢性化した症状の場合は、急性期と比べて治療期間が長くなることが一般的です。焦らず継続的に取り組むことが大切です。
はい、むち打ち症と自律神経の乱れには密接な関係があります。むち打ち症では以下のようなメカニズムで自律神経に影響を与えることがあります:
- 頸部の損傷により、交感神経節(首の部分にある自律神経の重要な部分)が刺激され、自律神経のバランスが乱れることがあります。
- 持続的な痛みやストレスが、自律神経系に影響を与え、交感神経優位の状態を引き起こします。
- 頸椎の損傷によって、脳への血流が変化し、自律神経中枢に影響を与えることがあります。
これらの結果、めまい、吐き気、発汗異常、動悸、不安感、睡眠障害などの自律神経症状が現れることがあります。当院の施術では、首や肩の痛みの緩和とともに、自律神経のバランスを整えることも重視しています。鍼灸治療は自律神経の調整に効果的であることが研究でも示されており、むち打ち症の様々な症状の改善に役立ちます。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を促進し、老廃物の排出を助けます。
- 安静と休息:施術当日は激しい運動や重労働を避け、体を休める時間を作りましょう。
- 温めること:首や肩を冷やさないよう注意し、入浴などで適度に温めると効果的です。
- 姿勢への意識:日常生活での姿勢に気を配り、首に負担をかけないようにしましょう。
- アドバイスされたセルフケア:施術時に指導された自宅でのケア(ストレッチやツボ押しなど)を継続しましょう。
また、稀に施術後に一時的な好転反応(症状が一時的に強くなったり、だるさを感じたりすること)が現れることがありますが、これは治癒過程の一部であり、通常は1〜2日で収まります。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。
むち打ち症改善のための自宅でのセルフケア
むち打ち症の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と回復を促進できます。
温熱ケア
- 入浴:38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分浸かり、全身の血行を促進します。特に肩や首が温まるようにしましょう。
- 蒸しタオル:タオルを温かい水で濡らして軽く絞り、電子レンジで30〜40秒温めたものを首や肩に当てます。10分程度、温かさが続く間、当てておきましょう。
- カイロや湯たんぽ:低温やけどに注意しながら、首や肩周りを温めます。直接肌に当てず、タオルなどを間に挟むようにしましょう。
優しいストレッチ
以下のストレッチは、痛みのない範囲で、ゆっくりと行ってください。痛みが強い場合や急性期の場合は、医師や専門家に相談した上で行いましょう。
- 首の回旋:座った状態で、ゆっくりと顎を左右に動かし、左右を見るような動作を行います。無理のない範囲で3〜5回ずつ行いましょう。
- 首の前後屈:座った状態で、ゆっくりと顎を引いて上を向き、次に顎を引いて下を向くような動作を行います。無理のない範囲で3〜5回行いましょう。
- 肩の上下運動:肩をゆっくりと上げ、そのまま3秒間保持した後、ゆっくりと下ろします。これを5〜10回繰り返します。
- 肩甲骨の寄せる運動:両腕を脇に付け、肩甲骨を後ろに寄せるようにします。そのまま3秒間保持した後、元に戻します。これを5〜10回繰り返します。
姿勢の改善
- デスクワーク時の姿勢:モニターの高さは目線と同じか少し下にし、キーボードは肘が90度に曲がる高さに調整します。椅子はしっかりと腰を支えるものを選びましょう。
- スマートフォンの使用:スマホを見るときは、目線の高さまで持ち上げ、首を下に曲げないようにします。長時間の使用は避け、定期的に休憩を取りましょう。
- 睡眠時の姿勢:横向きで寝る場合は、首と肩がまっすぐになるよう、適切な高さの枕を使用します。うつ伏せ寝は避けましょう。
- 運転時の姿勢:シートを適切な位置に調整し、ヘッドレストは頭の中心に当たるよう高さを調整します。長時間の運転は避け、定期的に休憩を取りましょう。
リラクゼーション法
- 深呼吸:座った状態で、鼻からゆっくりと息を吸い、口からゆっくりと息を吐きます。これを5〜10回繰り返しましょう。肩や首の力を抜くことを意識します。
- 漸進的筋弛緩法:全身の筋肉を順番に緊張させた後、ゆっくりと弛緩させていきます。特に首や肩の筋肉をリラックスさせることを意識しましょう。
- マインドフルネス瞑想:静かな場所で座り、呼吸に意識を集中させます。雑念が浮かんでも、判断せずに呼吸に意識を戻します。10〜15分程度行いましょう。
生活習慣の改善
- 規則正しい睡眠:十分な睡眠時間を確保し、毎日同じ時間に就寝・起床することで、体のリズムを整えましょう。
- バランスの良い食事:抗炎症作用のある食品(青魚、オリーブオイル、ナッツ類、緑黄色野菜など)を積極的に摂りましょう。
- 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を促進し、老廃物の排出を助けます。
- ストレス管理:過度のストレスは症状を悪化させる可能性があります。趣味や軽い運動など、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根の骨が交わるあたりにあるツボです。全身の痛みを和らげる効果があります。
- 外関(がいかん):手首の外側から指3本分上にあるツボです。首や肩の痛みを和らげる効果があります。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側、すねの骨の外側にあるツボです。全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
- 崑崙(こんろん):外くるぶしの後ろ側のくぼみにあるツボです。首や背中の痛みを和らげる効果があります。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、むち打ち症の回復を促進できます。ただし、急性期や症状が強い場合は、無理のない範囲で行い、痛みが増す場合は中止して専門家に相談してください。
むち打ち症のまとめと施術のご案内
むち打ち症の要約
むち打ち症は、交通事故などの衝撃により、首が急に前後に振られることで発生する症状の総称です。首や肩の痛み、頭痛、めまい、上肢のしびれなど、様々な症状を引き起こし、適切な治療を受けないと慢性化するリスクがあります。
西洋医学では頸部の軟部組織の損傷と捉え、東洋医学では気滞血瘀や経絡の損傷と捉えます。どちらのアプローチも長所があり、当院では両方の知見を活かした総合的な治療を提供しています。
むち打ち症の回復には、適切な施術と併せて、日常生活での姿勢改善、ストレッチ、温熱ケアなどのセルフケアも重要です。当院では、一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術と、効果的なセルフケア法の指導を行い、むち打ち症の根本改善を目指します。
当院のアプローチの特徴
当院では、むち打ち症に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 手足のツボを使った痛みの少ない鍼灸治療
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 症状の段階(急性期・亜急性期・慢性期)に合わせた適切な施術
- 自律神経のバランスを整え、全身の調和を促進する施術
- 効果的なセルフケア法の指導と継続的なサポート
多くの患者様から「痛みが和らいだ」「首の動きが改善した」「頭痛やめまいが減った」「睡眠の質が向上した」といったお声をいただいております。むち打ち症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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むち打ち症は適切な治療を受けることで、必ず改善できます。当院では、あなたのむち打ち症の根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
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