ばね指(弾発指)
ばね指(弾発指)でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 指を曲げると引っかかり、ばねのように弾みながら伸びる
- 朝起きた時や長時間の使用後に指が固まって動かしにくい
- 指の付け根に痛みや腫れ、しこりのような膨らみがある
- 親指や中指、薬指などを曲げ伸ばしする時に痛みを感じる
- 指の動きが悪く、ボタンを留めたり、小さいものをつまんだりする動作が困難
- 症状が進行すると、指が曲がったまま伸ばせなくなることがある
ばね指(弾発指)は、指を曲げ伸ばしする際に「カクッ」と引っかかりを感じ、ばねのように弾みながら伸びる症状です。正式には腱鞘炎の一種で、指を動かす腱が通る腱鞘(けんしょう)という管が狭くなったり、腱に炎症や肥厚が起こったりすることで発症します。
この記事では、ばね指の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのようにばね指の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学的視点でのばね指の原因とメカニズム
ばね指とは
西洋医学では、ばね指(弾発指)は「狭窄性腱鞘炎」と呼ばれる疾患の一つです。指を動かす屈筋腱とその腱を覆う腱鞘(けんしょう)という管状の組織との間に摩擦が生じ、腱や腱鞘に炎症や肥厚が起こる状態です。その結果、指を曲げ伸ばしする際に引っかかりや弾みを感じるようになります。
主な原因
- 反復動作:指を繰り返し使う作業(家事、園芸、楽器演奏、スマートフォンの操作など)が腱や腱鞘に負担をかけます。
- 強い握力を要する動作:重いものを持ち上げたり、強く握る動作を繰り返すことで腱に負担がかかります。
- 加齢:40〜60代の方に多く見られ、加齢による組織の変化も影響しています。
- 関連疾患:糖尿病、関節リウマチ、痛風などの疾患がある方は発症リスクが高くなります。
- ホルモンの影響:妊娠中や更年期の女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化が影響している可能性があります。
- 手首の使いすぎ:手首を酷使すると、腱の緊張が指にまで影響し、ばね指の原因になることがあります。
ばね指が発生するメカニズム
ばね指は以下のようなメカニズムで発生します:
- 指を曲げ伸ばしする際、屈筋腱は指の関節を越えて滑らかに動きます。この腱は腱鞘という管の中を通っています。
- 腱鞘の一部(A1プーリーと呼ばれる部分)は特に狭く、腱の通り道が制限されています。
- 繰り返しの使用や負担により、腱に炎症が起き、腫れや肥厚が生じます。
- 肥厚した腱がA1プーリーを通過する際に引っかかりを生じ、強い力で押し込むと「パチン」と音を立てて急に通過します。
- この引っかかりと急な解放が「ばね指」という症状の正体です。
- 症状が進行すると、指が完全に曲がったまま自力で伸ばせなくなったり、逆に伸びたまま曲げられなくなったりすることもあります。
好発する指と症状の特徴
ばね指は特定の指に好発する傾向があります:
- 親指:最も多く発症します。母指CM関節症などと合併することもあります。
- 中指・薬指:次に多い発症部位です。パソコン作業や楽器演奏などの影響を受けやすい指です。
- 人差し指・小指:比較的発症頻度は低いですが、特定の作業によっては発症することがあります。
症状の特徴としては以下のようなものがあります:
- 朝の症状:特に朝起きた時に症状が強く出ることが多く、使っているうちに和らぐこともあります。
- 痛みの部位:指の付け根(手のひら側)に痛みを感じ、小さなしこりのような膨らみを触れることがあります。
- 進行性:放置すると徐々に症状が悪化し、最終的には指が固定されてしまうことがあります。
- 両手発症:片方の手だけでなく、両手に症状が出ることもあります。また、一度治っても再発することも少なくありません。
西洋医学的なアプローチでは、安静、固定、消炎鎮痛剤の服用、ステロイド注射、理学療法などの保存的治療が主に行われ、症状が改善しない場合は手術が検討されます。しかし、これらは対症療法が中心であり、根本的な原因に対するアプローチが不足していることも少なくありません。
東洋医学的視点でのばね指の原因とメカニズム
東洋医学でのばね指の捉え方
東洋医学では、ばね指を「弾筋」「弾弓指」などと呼び、「気血の滞り」や「湿痰」による病態と捉えます。指は多くの経絡(けいらく)が通る部位であり、これらの経絡の流れが滞ることで症状が現れると考えられています。特に手の陽明大腸経、手の太陰肺経、手の少陰心経などの経絡の流れが重要とされています。
関連する経絡
ばね指に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい):人差し指から肩、首を通り顔へ至る経絡で、特に親指と人差し指のばね指に関連します。
- 手の太陰肺経(たいいんはいけい):親指から腕、胸部へ続く経絡で、親指のばね指に関与することが多いです。
- 手の少陰心経(しょういんしんけい):小指から腕、胸部へ続く経絡で、小指や薬指のばね指と関連します。
- 手の厥陰心包経(けついんしんぽうけい):中指から腕、胸部へ続く経絡で、中指のばね指に関連します。
- 手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい):薬指から腕、耳へ続く経絡で、薬指のばね指と関連します。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、ばね指を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 気滞血瘀(きたいけつお)
特徴:気の流れが滞り、血液の循環が悪くなった状態です。
症状:指の付け根に鋭い痛みがあり、腫れや熱感を伴うことがあります。痛みは夜間や疲労時に悪化する傾向があります。
原因:過度の使用、外傷、ストレスなどにより気血の流れが滞ることで発生します。
改善方法:気の流れを促進し、血の循環を改善する治療が効果的です。
2. 湿痰阻絡(しつたんそらく)
特徴:体内の水分代謝が悪く、湿や痰が経絡に滞った状態です。
症状:指の動きが重く鈍い感じがあり、しこりを伴いやすく、湿度の高い環境で悪化します。
原因:過度の湿気への曝露、不適切な食生活(脂っこい食事や冷たい食べ物の過剰摂取など)が関連します。
改善方法:湿痰を取り除き、水分代謝を改善する治療が効果的です。
3. 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
特徴:肝臓と腎臓の陰が不足した状態で、多くは慢性的なばね指や高齢者に見られます。
症状:痛みは軽いが動きの制限が強く、夜間に症状が悪化し、疲れやすさや腰膝の弱さを伴うことがあります。
原因:加齢、過労、慢性疾患などにより肝腎の陰が消耗することで発生します。
改善方法:肝腎の陰を補う滋養強壮の治療が効果的です。
4. 寒湿侵襲(かんしつしんしゅう)
特徴:寒気と湿気が経絡に侵入した状態です。
症状:冷えると痛みが増し、温めると和らぐ傾向があります。湿った冷たい環境で悪化します。
原因:寒冷や湿気への長時間の曝露、冷たい水での作業などが関連します。
改善方法:温めて寒湿を取り除く治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、ばね指は以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):筋や腱を支配し、「肝は筋を主る」と言われます。肝の機能低下は筋腱の柔軟性を損ない、ばね指の要因となります。
- 脾(ひ):水湿の代謝を担当し、「脾は四肢を主る」と言われます。脾の機能低下は水湿停滞を引き起こし、腱鞘の腫れや炎症につながります。
- 腎(じん):骨を支配し、筋腱の強度に関わります。腎の機能低下は加齢とともに進み、筋腱の弾力性低下をもたらします。
- 肺(はい):手の太陰肺経を通じて皮膚や粘膜に影響し、特に親指のばね指と関連します。
- 心(しん):手の少陰心経を通じて小指に影響し、血液循環を支配するため、腱の栄養状態に関わります。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化もばね指の症状に影響すると考えます:
- 梅雨や湿度の高い時期:湿気が体内に入り込み、「湿邪」としてばね指の症状を悪化させることがあります。特に湿痰阻絡タイプの方は注意が必要です。
- 冬や寒い時期:寒さにより筋腱が硬くなりやすく、痛みやこわばりが増すことがあります。特に寒湿侵襲タイプの方は症状が悪化しやすいです。
- 気温の急変:急激な気温の変化は経絡の流れを乱し、症状を誘発したり悪化させたりすることがあります。
- 過度の冷房環境:長時間冷房の効いた環境にいると、体内に寒湿が侵入しやすくなります。
- ストレスの多い環境:精神的緊張が続くと気の流れが滞り、筋肉の緊張を招いてばね指の症状を悪化させることがあります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | ばね指、弾発指、狭窄性腱鞘炎 | 弾筋、弾弓指、筋腱滞塞 |
原因の捉え方 | 腱鞘の狭窄、腱の肥厚、炎症による機械的な引っかかり | 気血の滞り、湿痰阻絡、経絡の不調、五臓(特に肝、脾、腎)の機能低下 |
診断方法 | 症状の確認、指の曲げ伸ばしテスト、超音波検査、MRIなど | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 安静、固定、消炎鎮痛剤、ステロイド注射、手術 | 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 局所的な炎症の抑制、腱の通過障害の解消 | 気血の流れの改善、経絡の通りを回復、体全体のバランスを整える |
治療の利点 | 急性期の症状緩和が早い、重症例での外科的解決法がある | 副作用が少ない、再発予防効果がある、体質改善による根本治療 |
治療の限界 | ステロイド注射の繰り返しによる副作用、手術による合併症リスク | 重症例での即効性に欠ける場合がある、医師による評価が必要 |
予防方法 | 負担のかかる動作の回避、適切な休息、人間工学に基づいた道具の使用 | 気血の流れを良くする養生法、体質に合わせた食養生、経絡ストレッチ |
西洋医学と東洋医学はそれぞれ異なる視点からばね指にアプローチしますが、どちらも長所があります。西洋医学は症状の緩和や機械的問題の解決に優れ、東洋医学は体質改善や再発予防に強みがあります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。症状の程度や進行状況によっては、整形外科と連携しながら治療を進めることもあります。
ばね指を放置するリスク
ばね指は「単なる指の引っかかり」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題につながる可能性があります。
身体的リスク
- 症状の重症化:初期は指の引っかかりのみでも、放置すると痛みが強くなり、最終的には指が完全に曲がったまま(屈曲拘縮)または伸びたまま(伸展拘縮)固定される可能性があります。
- 手の機能低下:特に親指や人差し指、中指のばね指は把持動作や細かい作業に大きな支障をきたします。
- 他の指への波及:一本の指のばね指を放置すると、他の指に負担がかかり、複数の指にばね指が発症することがあります。
- 腱の損傷:長期間の摩擦により、腱そのものが損傷し、断裂するリスクもあります。
- 手首や腕への負担増加:指の動きを制限することで、手首や腕に過度の負担がかかり、腱鞘炎などの別の障害を引き起こす可能性があります。
- 肘や肩への影響:長期間の不自然な動作は、上肢全体の使い方に影響し、肘や肩の問題を引き起こすこともあります。
生活への影響
- 日常生活の制限:ボタンを留める、靴ひもを結ぶ、鍵を回す、調理をするなどの基本的な動作が困難になります。
- 仕事への影響:特にデスクワーク、手作業、楽器演奏、理美容師など、手先を使う職業では大きな支障が生じます。
- 睡眠障害:夜間の痛みにより、睡眠の質が低下することがあります。
- 趣味や運動の制限:ガーデニング、手芸、ゴルフなど、手を使う趣味や運動が楽しめなくなる可能性があります。
- 心理的ストレス:日常的な不便さや痛みにより、イライラや気分の落ち込みを招くことがあります。
早期対処の重要性
ばね指は、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 炎症や腫れが強くなる前に治療できるため、回復が早い
- 保存的治療(非外科的治療)での改善率が高い
- 拘縮などの合併症のリスクを減らせる
- 他の指への波及を防止できる
- 日常生活や仕事への影響を最小限に抑えられる
- 治療期間が短縮される可能性が高い
指に引っかかりを感じたり、指の付け根に痛みやしこりを感じたりした場合は、「様子を見よう」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。当院では、ばね指の早期発見・早期治療を重視しており、症状が軽いうちからのケアで、より高い改善効果を目指しています。
当院のばね指施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチでばね指の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、腱の滑りを改善し、炎症を抑え、再発を防止します。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:痛みが少なく、患部から離れた部位のツボも用いて全身のバランスを整えます。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 整体:緊張した筋肉や固くなった腱を緩める技術を用いて、指や手の動きを改善します。
- 経絡調整:手の経絡(特に陽明大腸経、太陰肺経など)の流れを整え、気血の巡りを改善します。
- 日常生活指導:ばね指の原因となる動作や習慣について、個別にアドバイスを行います。
施術の流れ
- 問診:症状の経過や日常の使い方、既往歴などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:指、手、腕の筋肉の緊張を緩め、関節の動きを改善します。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
ばね指に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、全身の気の流れを調整し、痛みを和らげる効果があります。
- 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボで、手や腕の痛み、こわばりを改善します。
- 内関(ないかん):手首から指3本分上の腕の内側にあるツボで、腱の緊張を和らげ、気血の流れを促進します。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、慢性症状の改善に役立ちます。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、肝腎の機能を高め、全身の気血の流れを調整します。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
ばね指に関するよくある質問(FAQ)
ばね指の改善度合いは、症状の程度や期間、年齢、生活習慣などによって個人差があります。多くの場合、適切な治療と生活習慣の改善により、症状は大幅に軽減または完全に改善することが可能です。
初期から中等度の症状であれば、保存的治療(鍼灸、整体、自己ケアなど)で改善することが多いです。ただし、長期間放置されたケースや、腱の肥厚が著しい場合は、完全な回復に時間がかかることもあります。
重要なのは、症状が現れたら早めに対処し、適切な治療と自己ケアを継続することです。当院では、症状の改善だけでなく、再発予防のための生活習慣や使い方のアドバイスも行っています。
症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 軽度の症状:週1回の頻度で2〜4週間程度
- 中程度の症状:週1〜2回の頻度で4〜8週間程度
- 重度の症状:週2回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていく
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。また、症状が改善した後も、定期的なメンテナンス(月1回程度)を受けることで、再発予防につながります。
はい、鍼灸治療と整形外科の治療は併用することができます。実際、両方のアプローチを組み合わせることで、より効果的な治療が期待できる場合もあります。
整形外科では主に固定やステロイド注射などで症状を抑え、鍼灸治療では気血の流れを改善し、体質を整えることで、再発予防や根本的な改善を目指します。
当院では、必要に応じて整形外科の受診をおすすめすることもあります。特に重症のばね指や、長期間改善が見られない場合は、総合的な医療アプローチが有効な場合があります。
手をよく使うお仕事をされている方にとって、完全に仕事を休むことは難しいケースが多いですね。当院では、できるだけ仕事を続けながらも症状を改善できるよう、以下のようなアプローチを取っています:
- 仕事の合間のケア:短時間でできるストレッチや自己マッサージをお教えします
- 作業方法の調整:手への負担を減らす作業姿勢や道具の使い方をアドバイスします
- 保護具の活用:仕事中の負担を軽減するサポーターなどをご紹介します
- 休憩のとり方:短時間でも効果的な休憩の取り方をお伝えします
- 集中的なケア:休日や仕事後の施術で集中的に症状を改善します
完全な休息が最も効果的ですが、現実的には難しい場合も多いです。当院では、お仕事の状況をふまえた上で、現実的な改善方法をご提案いたします。症状の程度によっては、短期間でも負担を減らす期間を設けることで、長期的には仕事への影響を最小限に抑えられることもあります。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は、患部に過度の負担をかける作業(力仕事や細かい手作業など)をできるだけ控えましょう
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
- 冷たい水での作業や、冷気にさらす状況は避けましょう
- 指導されたストレッチやセルフケアを継続的に行いましょう
- 症状が悪化するような反復動作は意識的に減らすよう心がけましょう
また、稀に施術後に一時的に症状が強く感じられることがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる「好転反応」の一種で、通常は24〜48時間以内に収まります。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。
ばね指改善のための自宅でのセルフケア
ばね指の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。
指のストレッチと運動
- 指の屈伸運動:指をゆっくりと開いて閉じる動作を10回×3セット、1日3回行います。痛みを感じない範囲で行うことが重要です。
- 手首の回旋:手首を時計回り、反時計回りにゆっくりと回す運動を各10回、1日3回行います。これは手首の柔軟性を高め、指の腱への負担を減らします。
- 指のストレッチ:健康な方の手で、ばね指の指を優しく伸ばす方向に引っ張り、10秒間保持する動作を5回、1日2〜3回行います。
- 手のひらのばし:両手を合わせて祈るようなポーズをとり、手首を下げていくことで、指や手のひらが伸びるのを感じるストレッチを行います。10秒間保持を5回、1日2〜3回行います。
温冷療法
- 温める:入浴時やお風呂上がりに、指や手を温めることで血行を促進し、腱の滑りを改善します。蒸しタオルを指の付け根に当てる方法も効果的です(3〜5分程度)。
- 冷やす:痛みや腫れが強い急性期には、氷嚢などで短時間(10〜15分程度)冷やすと炎症を抑える効果があります。ただし、冷やしすぎは血行を悪くするので注意が必要です。
- 交互浴:温冷交互浴(温水と冷水に交互に手を入れる)は、血行促進と腫れの軽減の両方の効果が期待できます。温水30秒→冷水15秒を3〜5セット行います。
セルフマッサージ
- 指の付け根のマッサージ:反対の手の親指で、症状のある指の付け根(手のひら側)を円を描くようにやさしくマッサージします。強い痛みを感じない程度の圧で、1分間ほど行います。
- 手のひらのマッサージ:反対の親指で手のひら全体をマッサージし、特に親指の付け根から手首にかけての筋肉(母指球筋)をほぐします。
- 前腕のマッサージ:手首から肘にかけての筋肉を反対の手でつかむようにマッサージし、筋肉の緊張を和らげます。
- 指の間のマッサージ:反対の手の指を使って、指と指の間の筋肉(骨間筋)をやさしくほぐします。
生活習慣の工夫
- 適切な休息:同じ動作を長時間続けず、定期的に休憩を取り、指や手首をリラックスさせましょう。
- 道具の工夫:握りやすいペンや調理器具など、手に負担のかからない道具を選びましょう。太めのグリップやクッション性のあるものがおすすめです。
- 姿勢の改善:デスクワークなどでは、手首が自然な位置になるよう、机や椅子の高さを調整しましょう。
- 保護具の活用:症状がある間は、必要に応じてサポーターやスプリントを使用し、指や手首を保護しましょう。特に夜間のサポーターは効果的です。
- 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を良くし、腱の滑りを改善します。
栄養と食事
- 抗炎症作用のある食品:オメガ3脂肪酸を含む青魚、ウコン(ターメリック)、生姜、緑茶などには抗炎症作用があり、炎症の緩和に役立ちます。
- コラーゲンを含む食品:鶏皮、豚足、魚の皮などに含まれるコラーゲンは、腱や靭帯の健康維持に役立ちます。
- ビタミンCを含む食品:柑橘類、キウイ、パプリカなどに含まれるビタミンCは、コラーゲンの形成を助けます。
- ビタミンD・カルシウム:乳製品、小魚、干ししいたけなどに含まれるビタミンDとカルシウムは、全身の筋骨格系の健康に寄与します。
- 控えたい食品:加工食品、精製糖、トランス脂肪酸を多く含む食品は炎症を悪化させる可能性があるため、摂取を控えめにしましょう。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりのくぼみにあるツボです。全身の気の流れを良くし、手の痛みを和らげます。
- 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボです。手の痛みやこわばりに効果があります。
- 労宮(ろうきゅう):手のひらの中央、指を軽く曲げたときにできるくぼみにあるツボです。手の痛みや熱感を鎮めます。
- 曲池(きょくち):肘を軽く曲げたときにできる外側のしわの端にあるツボです。腕の痛みや腱鞘炎に効果があります。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、ばね指の改善と再発防止につながります。痛みを感じる場合は無理をせず、ご自身の状態に合わせた方法と強さで行ってください。
ばね指のまとめと施術のご案内
ばね指の要約
ばね指(弾発指)は、指を曲げ伸ばしする際に「カクッ」と引っかかりを感じ、ばねのように弾みながら伸びる症状です。西洋医学では腱鞘炎の一種とされ、腱と腱鞘の間の機械的な問題が原因とされています。一方、東洋医学では気血の滞りや湿痰による経絡の障害と捉えられています。
ばね指は、繰り返しの使用、強い力での把持、加齢、関連疾患などが原因で発症し、放置すると指の動きが制限され、日常生活や仕事に大きな支障をきたすことがあります。早期に適切な対処を行うことで、手術などの侵襲的な治療を避け、保存的な方法での改善が期待できます。
治療においては、西洋医学と東洋医学それぞれのアプローチが有効であり、当院ではその両方の知見を取り入れた総合的な施術を提供しています。また、日常生活での使い方の工夫やセルフケアも重要な改善と予防の要素となります。
当院のアプローチの特徴
当院では、ばね指に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った鍼灸治療と、患部の状態に合わせた整体
- 原因となる動作や環境に関する具体的なアドバイス
- 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術
多くの患者様から「指の引っかかりが減った」「朝のこわばりが軽減した」「指を使う作業が楽になった」「手術を勧められたが、保存的な治療で改善した」といったお声をいただいております。ばね指でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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ばね指の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。
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日曜・祝日 休み
ばね指は日常生活で意外と多く見られる症状ですが、適切なケアで必ず改善できます。当院では、あなたのばね指の根本改善をサポートし、健やかな指の動きを取り戻すお手伝いをいたします。
施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。
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