股関節の痛み(変形性股関節症)

 

股関節の痛み(変形性股関節症)でお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 歩き始めや長時間歩いたときに股関節に痛みがある
  • 階段の上り下りがつらく、特に下りで痛みが強くなる
  • 足を開いたり、内側に入れたりする動作で痛みがある
  • 椅子から立ち上がるときや座るときに痛みがある
  • 股関節の動きが制限され、靴下や靴を履くときに困難を感じる
  • 天気が悪くなると股関節の痛みや違和感が強くなる

股関節の痛み、特に変形性股関節症は、中高年の方に多く見られる症状です。徐々に進行する関節の変形によって、日常生活の様々な場面で痛みや不便さを感じるようになります。

この記事では、股関節の痛み(変形性股関節症)の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、当院での治療アプローチや自宅でできるケア方法についてご紹介します。適切な対処と継続的なケアによって、症状の改善や進行の抑制が期待できますので、ぜひ参考にしてください。

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西洋医学的視点での股関節の痛み(変形性股関節症)の原因とメカニズム

変形性股関節症の定義

西洋医学では、変形性股関節症は「股関節の軟骨が徐々に摩耗・変性し、関節の機能が低下する慢性的な退行性疾患」と定義されています。この疾患は主に中高年の方に多く見られますが、先天的な要因や若年期の股関節疾患が原因で若い人にも発症することがあります。

主な原因

  • 一次性(原発性)変形性股関節症:加齢による自然な軟骨の摩耗が主な原因で、特に明確な発症要因がないもの。
  • 二次性変形性股関節症:以下のような特定の要因によって発症するもの。
    • 先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)
    • 大腿骨頭壊死症
    • 関節リウマチなどの炎症性疾患
    • 外傷(股関節の骨折や脱臼)
  • リスク要因
    • 肥満(関節への負担増加)
    • 過度の運動や労働(関節への繰り返しの負荷)
    • 遺伝的要因
    • 女性(特に出産経験者)

変形性股関節症が発生するメカニズム

変形性股関節症は以下のようなメカニズムで発生・進行します:

  1. 関節軟骨の摩耗:股関節の球状の大腿骨頭と臼蓋(さかずき)という窪みの間にある軟骨が徐々に摩耗します。
  2. 軟骨下骨の硬化:軟骨の下にある骨が硬くなり、衝撃吸収能力が低下します。
  3. 骨棘(こつきょく)の形成:関節の縁に骨の突起(骨棘)が形成され、可動域が制限されます。
  4. 滑膜の炎症:関節内の滑膜に炎症が起こり、痛みや腫れの原因になります。
  5. 筋力低下:痛みにより動きが制限されることで、股関節周囲の筋肉が萎縮し、さらに関節の不安定性が増します。

症状の進行

変形性股関節症の症状は一般的に以下のように進行します:

  • 初期:活動開始時や長時間の活動後に痛みを感じる(スタートアップ痛)。休息により症状は軽減。
  • 中期:日常的な動作でも痛みを感じるようになり、関節の可動域が徐々に制限される。歩行時に跛行(はこう)が見られることも。
  • 後期:安静時でも痛みを感じ、関節の変形が進行。著しい可動域制限と筋力低下により、日常生活に大きな支障をきたす。

西洋医学的な診断・治療

西洋医学では、問診、身体診察、X線検査、MRI検査などによって変形性股関節症を診断します。治療には以下のようなアプローチがあります:

  • 薬物療法:消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射など
  • 理学療法:ストレッチング、筋力トレーニング
  • 生活指導:体重管理、適切な運動、日常生活での注意点
  • 補助具の使用:杖や装具の使用
  • 手術療法:症状が進行し、保存的治療で改善がみられない場合に検討(人工股関節置換術など)

西洋医学的なアプローチは、症状の緩和と進行抑制を目指しますが、薬物療法には副作用のリスクがあり、手術は侵襲性が高いという課題があります。

東洋医学的視点での股関節の痛み(変形性股関節症)の原因とメカニズム

東洋医学での股関節痛の捉え方

東洋医学では、股関節の痛みは「痺証(ひしょう)」または「痹証(ひしょう)」の一つとして捉えられます。痺証とは、風・寒・湿・熱などの邪気が体内に侵入し、気や血の流れを阻害することで、筋肉や関節に痛み・しびれ・麻痺などを引き起こす状態を指します。特に股関節は「環跳(かんちょう)」というツボが位置する重要な部位で、下半身の気血の流れに大きく関わる場所と考えられています。

関連する経絡

股関節の痛みに特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 足の太陽膀胱経(あしのたいようぼうこうけい):背中から臀部、下肢の後面を通る経絡で、股関節の後方部分に関連します。
  • 足の陽明胃経(あしのようめいいけい):胸から腹部、下肢の前面を通る経絡で、股関節の前方部分に関連します。
  • 足の少陽胆経(あしのしょうようたんけい):頭部から体側、下肢の外側を通る経絡で、股関節の外側部分と強く関連します。
  • 足の太陰脾経(あしのたいいんひけい):腹部から下肢の内側を通る経絡で、股関節の内側に関連します。
  • 足の厥陰肝経(あしのけついんかんけい):生殖器から下腹部、下肢の内側を通る経絡で、股関節の前内側に関連します。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、股関節の痛みを以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 風寒湿痺(ふうかんしつひ)

特徴:外部からの冷えや湿気が関節に侵入することで発生します。
症状:関節の痛みは移動性があり、冷えると悪化します。関節が重だるく、冷たく感じることが多いです。天候が変わると痛みが強くなります。
改善方法:体を温め、湿気を取り除く治療が効果的です。

2. 湿熱痺(しつねつひ)

特徴:湿気と熱が合わさって起こるタイプです。
症状:関節の腫れ、熱感、痛みがあり、時に赤みを伴います。夏や蒸し暑い時期に症状が悪化します。
改善方法:湿熱を除去し、清熱利湿の治療が効果的です。

3. 気滞血瘀(きたいけつお)

特徴:気の流れが滞り、血の循環が悪くなって起こるタイプです。
症状:鋭い刺すような痛みがあり、特定の場所に固定されています。夜間や休息時にも痛みが続くことがあります。
改善方法:気の流れを促進し、瘀血を除去する活血化瘀の治療が効果的です。

4. 肝腎虚弱(かんじんきょじゃく)

特徴:加齢や慢性疾患により、肝臓と腎臓の機能が低下している状態です。
症状:慢性的な関節痛、腰膝酸軟(腰や膝の痛みやだるさ)、疲れやすさ、めまい、耳鳴りなどを伴います。
改善方法:肝腎を補う補肝腎の治療が効果的です。

5. 気血両虚(きけつりょうきょ)

特徴:気と血の両方が不足している状態です。
症状:痛みは鈍く、動作すると悪化します。疲労感、顔色不良、めまい、動悸などを伴うことがあります。
改善方法:気血を補う補気養血の治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、股関節の痛みは以下の臓腑の機能と関連していると考えられます:

  • 腎(じん):骨や関節の健康を司る臓器で、特に加齢に伴う関節の問題に深く関わります。腎の精気が不足すると、骨や関節の栄養が滞り、変形性股関節症のようなリスクが高まります。
  • 肝(かん):筋肉や腱の健康を担当し、体内の気の流れをスムーズにする働きがあります。肝の機能が低下すると、筋肉の緊張や血流の悪化が起こり、関節痛を悪化させることがあります。
  • 脾(ひ):体内の水分代謝を担当し、湿気の除去に重要な役割を果たします。脾の機能が低下すると、体内に湿が溜まり、関節の痛みや腫れの原因になることがあります。
  • 胆(たん):筋肉や腱の機能に関わり、特に股関節の外側部分に関連します。胆経の流れが滞ると、股関節外側の痛みや可動域制限を引き起こすことがあります。

季節と環境の影響

東洋医学では、季節や環境の変化も股関節の痛みに影響すると考えます:

  • 梅雨や雨の多い季節:湿気が増加し、湿邪が体内に侵入しやすくなります。関節の重だるさや痛みが悪化することがあります。
  • :寒邪が体内に侵入しやすく、関節の痛みや冷えが強くなる傾向があります。特に風寒湿痺の症状が悪化しやすい季節です。
  • 天候の変化:気圧の変化や急な温度変化は、関節内の圧力バランスに影響を与え、痛みを誘発することがあります。
  • 住環境:湿気の多い住環境や冷えた環境は、関節痛のリスクを高めます。

東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
疾患の捉え方 変形性股関節症として、関節軟骨の変性・摩耗による器質的な変化を重視 痺証(痹証)として、風寒湿熱などの邪気による気血の流れの異常と捉える
原因の捉え方 加齢、過度の使用、遺伝的要因、先天的形態異常、外傷、肥満などの物理的・生理的要因 外邪(風寒湿熱)の侵入、気血の滞り、肝腎の虚弱など、気・血・陰陽バランスの乱れ
診断方法 問診、理学的検査、X線、MRI、CTなどの画像診断、血液検査 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診など
治療アプローチ 消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射、理学療法、手術療法(人工関節置換術など) 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法
治療の焦点 痛みの緩和、炎症の抑制、関節機能の維持・改善、必要に応じた関節置換 邪気の排除、気血の流れの改善、経絡の調整、体全体のバランス回復
副作用の考慮 薬物療法による胃腸障害や腎機能障害のリスク、手術に伴う合併症 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い
個人差の考慮 画像所見や症状の程度に基づく標準的な治療プロトコル 体質や証、環境要因、季節を考慮した個別的な治療
予防の考え方 体重管理、適切な運動、関節への過度な負担を避ける 養生法による体質改善、季節に合わせた生活習慣の調整

西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なる視点から股関節の痛みにアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

股関節の痛み(変形性股関節症)を放置するリスク

股関節の痛み、特に変形性股関節症は「年だから仕方ない」と諦めてしまう方も多いですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。

身体的リスク

  • 病態の進行:適切な治療を受けないと、関節の変形がさらに進行し、痛みや機能障害が悪化します。
  • 筋力低下:痛みを避けるために動かさないでいると、股関節周囲の筋肉が萎縮し、さらに関節の安定性が失われます。
  • 歩行障害:跛行(はこう)が進み、正常な歩行パターンが崩れることで、他の関節(特に膝や腰椎)に過度の負担がかかります。
  • 二次的な関節障害:異常な歩行パターンにより、膝関節や足関節、反対側の股関節など他の関節にも変形が生じることがあります。
  • 転倒リスクの増加:関節の不安定性や筋力低下により、転倒の危険性が高まります。
  • 骨折リスク:特に高齢者では、転倒による大腿骨頸部骨折のリスクが高まります。

生活の質への影響

  • 日常生活動作の制限:階段の上り下り、靴下の着脱、入浴、トイレの使用などの基本的な動作が困難になります。
  • 活動範囲の狭小化:痛みにより外出が減り、社会活動や趣味の活動が制限されます。
  • 睡眠障害:夜間痛により睡眠の質が低下し、慢性的な疲労感を引き起こします。
  • 依存性の増加:自立した生活が難しくなり、介助や介護が必要になる可能性が高まります。

精神的・社会的リスク

  • 慢性痛によるストレス:長期間の痛みはストレスを増加させ、心理的な負担となります。
  • うつ症状:痛みの慢性化と活動制限により、抑うつ状態になるリスクが高まります。
  • 社会的孤立:外出の減少により、社会的交流が減り、孤立感が強まる可能性があります。
  • 家族関係への影響:家族に介助を依頼する機会が増え、家族関係に負担がかかることがあります。
  • 自己肯定感の低下:できていたことができなくなることで、自信や自己評価が下がることがあります。

早期対処の重要性

股関節の痛みは、早期に適切な対処を行うことで、症状の緩和や進行の抑制が期待できます。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 痛みの軽減と生活の質の向上
  • 関節機能の維持と筋力の保持
  • 関節の変形進行を遅らせる可能性
  • 他の関節への二次的な影響を最小限に抑える
  • 転倒や骨折などの合併症リスクの低減
  • 将来的な手術の必要性を減らす可能性

股関節の痛みを感じたら、「年のせいだから」と諦めずに、早めに専門家に相談することをおすすめします。当院では、痛みの程度や進行状況に関わらず、適切な治療とアドバイスを提供しています。

当院の股関節痛施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで股関節の痛みの改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、痛みの緩和と機能回復をサポートします。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った鍼灸治療:股関節から離れた部位のツボも活用することで、痛みの少ない施術が可能です。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 経絡調整:股関節に関わる経絡(特に胆経、膀胱経)の流れを整え、気血の巡りを改善します。
  • 整体:股関節周囲の緊張した筋肉をゆるめ、可動域の改善を促します。
  • 自律神経調整:自律神経のバランスを整えることで、痛みの感受性を低下させ、全身の循環を改善します。

施術の流れ

  1. 問診:股関節の痛みの性質、発症状況、日常生活での困りごとなどを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 検査:関節の可動域や筋力、痛みの部位と性質を確認します。
  4. 鍼灸治療:体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

股関節痛に効果的なツボ

当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

股関節痛に効果的なツボ

  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、下肢の痛みを和らげる効果があります。
  • 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にあるツボで、胆経の流れを整え、股関節外側の痛みに効果的です。
  • 太渓(たいけい):足首の内側にあるツボで、腎の機能を高め、骨や関節の問題に効果があります。
  • 太衝(たいしょう):足の甲にあるツボで、肝の機能を調整し、筋肉の緊張を緩和します。
  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の間にあるツボで、全身の痛みを和らげる効果があります。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。

期待できる効果

  • 痛みの緩和:鍼灸治療によって体内の鎮痛物質(エンドルフィンなど)が分泌され、痛みが和らぎます。
  • 血行の改善:気血の流れが良くなることで、栄養や酸素の供給が増加し、組織の回復を促進します。
  • 炎症の軽減:鍼灸治療には抗炎症作用があり、関節内の炎症を抑える効果が期待できます。
  • 筋肉の緊張緩和:過度に緊張した筋肉がリラックスし、関節への負担が軽減します。
  • 可動域の改善:関節の動きが滑らかになり、日常生活での動作が楽になります。
  • 自然治癒力の向上:体全体のバランスを整えることで、自己回復力が高まります。

当院の施術は、短期的な痛みの緩和だけでなく、長期的な症状の改善と再発予防を目指しています。症状の改善には個人差がありますが、多くの方が数回の施術で変化を実感されています。

股関節の痛み(変形性股関節症)に関するよくある質問(FAQ)

Q: 股関節の痛みの改善には何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 軽度の痛み:週1回の頻度で4〜6回程度
  • 中程度の痛み:週1〜2回の頻度で8〜12回程度
  • 重度の痛み・慢性化した症状:週2回から始めて、徐々に間隔を広げながら3ヶ月程度

初回の施術後に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。また、症状が改善した後も、定期的なメンテナンス(月1回程度)をおすすめすることがあります。

Q: 変形性股関節症は完全に治りますか?

変形性股関節症は関節軟骨の変性や摩耗が原因であるため、一度進行した変形を完全に元に戻すことは難しいのが現状です。しかし、適切な治療と生活習慣の改善によって、以下のような変化が期待できます:

  • 痛みの大幅な軽減や消失
  • 日常生活動作の改善
  • 関節機能の維持や部分的な回復
  • 進行の抑制や遅延

当院の施術は、症状の改善と生活の質の向上を目指しています。関節に負担をかけない動作の指導や、自宅でのセルフケア方法もお伝えすることで、長期的な症状管理をサポートします。

Q: 病院での治療と鍼灸治療は併用できますか?

はい、病院での西洋医学的治療と当院の鍼灸治療は併用することができます。むしろ、相乗効果が期待できる場合も多いです。

病院での治療(消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射、リハビリテーションなど)は症状の直接的な緩和に効果がある一方、鍼灸治療は体全体のバランスを整え、自然治癒力を高める効果が期待できます。両方のアプローチを組み合わせることで、より効果的な症状管理が可能になることがあります。

ただし、服用している薬や受けている治療については、初診時に必ずお知らせください。適切な施術計画を立てる上で重要な情報となります。

Q: 股関節の手術を勧められていますが、鍼灸治療で手術を回避できますか?

股関節の変形が高度に進行しており、日常生活に著しい支障がある場合、医師から手術(人工股関節置換術など)を勧められることがあります。このような状況下では、鍼灸治療だけで手術を完全に回避できるとは言い切れません。

ただし、以下のようなケースでは鍼灸治療が有益な選択肢となる可能性があります:

  • 手術までの待機期間中の痛みや不快感の緩和
  • 手術が必要なほど症状が進行していない初期〜中期の変形性股関節症
  • 何らかの理由で手術が困難な方の症状管理
  • 術後のリハビリテーションのサポート

当院では、医師の診断を尊重した上で、最適な治療選択をサポートします。鍼灸治療を試してみて症状が改善し、手術を延期または回避できた例もありますが、症状や状況によって個人差が大きいため、一度ご相談ください。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日の激しい運動や長時間の歩行は避ける
  • 股関節を冷やさないよう注意する(特に冬場は温かい服装を心がける)
  • 水分をしっかり摂取する(特に白湯がおすすめ)
  • アルコールの過剰摂取を控える
  • 指導された自宅でのストレッチやエクササイズを継続する
  • 長時間同じ姿勢を続けず、適度に休憩をとる

また、施術後に一時的に症状が変化することがあります。痛みが移動したり、軽い筋肉痛のような感覚が出ることもありますが、これは体が反応している過程で生じる「好転反応」の場合もあります。気になる変化がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。

股関節の痛み改善のための自宅でのセルフケア

股関節の痛みの改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と関節機能の維持を促進できます。

適切なストレッチと筋力トレーニング

以下のエクササイズを1日2回、各5〜10回ずつ行うことをおすすめします。痛みを感じる場合は無理をせず、できる範囲で行ってください。

  • 股関節の内旋・外旋ストレッチ:椅子に座り、膝を90度に曲げた状態で、膝を内側、外側にゆっくりと動かします。可動域を徐々に広げていきましょう。
  • 股関節の屈曲ストレッチ:仰向けに寝て、片膝を胸に向かって引き寄せます。手で膝を軽く押さえ、股関節が伸びるのを感じます。反対側も同様に行います。
  • 腸腰筋のストレッチ:片膝を床につけ、もう一方の足を前に出して腰を軽く前に押し出します。股関節前面の伸びを感じながら20〜30秒キープします。
  • 臀筋のトレーニング:仰向けに寝て、膝を曲げた状態で臀部を持ち上げます。お尻の筋肉を意識して5秒間キープし、ゆっくりと下ろします。
  • 腹筋トレーニング:仰向けに寝て、膝を曲げた状態で腹筋に力を入れて上体をわずかに持ち上げます。インナーマッスルを意識して行うことが重要です。

日常生活での工夫

  • 正しい姿勢を保つ:座るときは股関節が膝よりも高くなるように調整し、猫背にならないよう注意しましょう。立っているときは重心を均等に両足にかけます。
  • 適切な靴の選択:クッション性が良く、足にフィットする靴を選びましょう。必要に応じてインソールを使用するのも効果的です。
  • 長時間の同じ姿勢を避ける:30分に1回程度は姿勢を変えるか、軽く動くようにしましょう。特に同じ姿勢で座り続けることは股関節に負担をかけます。
  • 負担の少ない動作を心がける:しゃがむときは膝を開いて股関節に負担がかからないようにします。重いものを持ち上げるときは膝を使い、腰に負担をかけないようにしましょう。
  • 入浴時の工夫:温かいお風呂に浸かることで筋肉がリラックスします。入浴後に軽いストレッチを行うと、より効果的です。

温熱・冷却療法

  • 温熱療法:慢性的な痛みや朝のこわばりには温めることが効果的です。蒸しタオルやカイロ、入浴などで股関節周辺を温めましょう。血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれます。
  • 冷却療法:急性期の炎症や運動後の痛みには冷やすことが効果的です。氷嚢やアイスパックを薄手のタオルで包み、10〜15分間当てます。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。
  • 交互浴:温めたタオルと冷やしたタオルを交互に当てることで、血行促進と炎症抑制の両方の効果が期待できます。温:3分、冷:1分の割合で3〜5セット行います。

食事と栄養

  • 抗炎症作用のある食品:オメガ3脂肪酸を含む青魚(サバ、サーモンなど)、ウコン(ターメリック)、生姜、緑黄色野菜などを積極的に摂りましょう。
  • 関節の健康をサポートする栄養素:コラーゲン(魚の皮、鶏の軟骨など)、グルコサミン・コンドロイチン(エビ・カニの殻など)、ビタミンC・E(柑橘類、ナッツ類)を含む食品がおすすめです。
  • 適正体重の維持:過剰な体重は股関節に負担をかけるため、バランスの良い食事と適度な運動で健康的な体重を維持しましょう。
  • 水分補給:十分な水分摂取は関節液の潤滑を保ち、老廃物の排出を促します。特に白湯やハーブティーがおすすめです。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 環跳(かんちょう):股関節の外側にあるくぼみに位置するツボです。横向きに寝た状態で押すと効果的です。
  • 足三里(あしさんり):膝のお皿の外側下方約4cmのところにあるツボです。下肢の痛みに効果があります。
  • 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側のくぼみにあるツボです。股関節外側の痛みを和らげます。
  • 太渓(たいけい):足首の内側のくぼみにあるツボです。腎の機能を高め、骨や関節の問題に効果があります。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、股関節の痛みを緩和することができます。無理のない範囲で継続することが大切です。何か不明な点や心配なことがあれば、遠慮なく当院にご相談ください。

股関節の痛み(変形性股関節症)のまとめと施術のご案内

股関節の痛み(変形性股関節症)の要約

股関節の痛み、特に変形性股関節症は、関節軟骨の摩耗や変性によって引き起こされる慢性的な症状です。西洋医学では主に加齢や過度の使用、先天的要因などが原因とされ、東洋医学では風寒湿などの邪気の侵入や気血の滞り、肝腎の虚弱などが原因と考えられています。

症状は徐々に進行し、歩き始めの痛みや長時間の歩行後の痛み、階段の上り下りの困難、股関節の可動域制限などが現れます。放置すると症状が悪化し、歩行障害や日常生活の制限、他の関節への二次的な影響など、様々な問題が生じる可能性があります。

しかし、適切な治療と日常生活での工夫により、症状の改善や進行の抑制が期待できます。鍼灸治療は痛みの緩和や血行促進、炎症の軽減などの効果があり、多くの患者様に喜ばれています。

当院のアプローチの特徴

当院では、股関節の痛みに対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 手足のツボを使った効果的な鍼灸治療
  • 筋膜リリースや経絡調整による筋肉の緊張緩和と気血の流れの改善
  • 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発予防を目指した施術
  • 日常生活での動作指導やセルフケア方法のアドバイス

多くの患者様から「歩きやすくなった」「階段の上り下りが楽になった」「痛みが軽減した」といったお声をいただいております。股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。

【住所】

567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)

【お電話】

072-622ー0134

【受付時間】

月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

股関節の痛みは辛い症状ですが、適切なケアで改善が期待できます。当院では、あなたの股関節の痛みの根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 

恥骨の痛みでお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 妊娠中や産後に恥骨部分に痛みが出るようになった
  • 歩くときや階段の昇降時に恥骨が痛む
  • 起き上がりや寝返りをするときに恥骨周辺が痛む
  • 足を大きく開いたり、片足立ちをすると恥骨が痛む
  • スポーツ中や運動後に恥骨周辺に痛みを感じる
  • 恥骨から太ももの内側にかけて痛みやしびれがある

恥骨の痛みは、恥骨結合部やその周辺の筋肉、靭帯に炎症や負担がかかることで発生する症状です。特に妊娠中や産後の女性に多く見られますが、スポーツ選手や日常生活での姿勢の問題により男性にも起こることがあります。

この記事では、恥骨の痛みの原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように恥骨の痛みを緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。

西洋医学の視点から恥骨の痛みの原因とメカニズム

恥骨の痛みとは

西洋医学では、恥骨の痛みは「恥骨結合部の機能不全や炎症によって引き起こされる痛み」と定義されています。恥骨結合は左右の恥骨をつなぐ軟骨性の関節で、通常は非常に動きの少ない関節ですが、妊娠中のホルモンの影響や外傷により不安定になることがあります。

主な原因

  • 妊娠・出産関連:妊娠中に分泌されるリラキシンなどのホルモンにより靭帯が緩み、恥骨結合部が不安定になります。また、胎児の成長により骨盤への負荷が増加します。
  • スポーツ外傷:サッカー、ランニング、体操など、恥骨周辺に強い負荷がかかるスポーツで発生することがあります。
  • 筋肉の不均衡:腹筋、背筋、骨盤底筋群のバランスが崩れることで、恥骨結合部に過度な負担がかかります。
  • 姿勢の問題:骨盤の前傾や後傾、左右の歪みにより恥骨部分への負荷が増加します。
  • 外傷:転倒や交通事故などによる骨盤周辺への直接的な外力により損傷することがあります。
  • 感染症:稀に恥骨結合部の感染症(恥骨結合炎)により痛みが生じることがあります。

恥骨の痛みが発生するメカニズム

恥骨の痛みは以下のようなメカニズムで発生します:

  1. 妊娠中のホルモンの影響や外力により、恥骨結合部の軟骨や靭帯に炎症や微細損傷が生じます
  2. 恥骨結合部の不安定性により、周辺の筋肉(腹直筋、内転筋群、骨盤底筋)が過度に緊張します
  3. 筋肉の緊張により血流が悪化し、痛みを感じる侵害受容器が刺激されます
  4. 疼痛により動作を避けるようになると、さらに筋力低下や関節の可動域制限が生じ、症状が悪化する悪循環に陥ります
  5. 慢性化すると、中枢神経系での痛みの処理が変化し、軽微な刺激でも強い痛みを感じるようになることがあります

主な症状

  • 恥骨部の痛み:恥骨結合部を中心とした局所的な痛みで、触ると痛みが増すことがあります。
  • 放散痛:恥骨から太ももの内側、下腹部、腰部への痛みの放散が見られることがあります。
  • 歩行時痛:歩く際、特に足を前に出すときや階段昇降時に痛みが強くなります。
  • 起立・座位での痛み:立ち上がりや座るときに痛みが生じることがあります。
  • 寝返り時の痛み:夜間の寝返りや起き上がり時に強い痛みを感じることがあります。
  • 筋力低下:痛みにより活動量が減少し、骨盤周辺の筋力が低下することがあります。

西洋医学的なアプローチでは、安静、物理療法、運動療法、場合によっては薬物療法が用いられますが、根本的な改善には筋力強化と姿勢改善が重要とされています。

東洋医学の視点から恥骨の痛みの原因とメカニズム

東洋医学での恥骨の痛みの捉え方

東洋医学では、恥骨の痛みを「気血の滞り」や「経絡の不調」により起こる状態と捉えます。恥骨周辺は生殖器に関わる重要な部位であり、腎や肝の機能と密接に関連すると考えられています。特に妊娠・出産期は腎の精気が大きく消耗するため、この時期の恥骨の痛みは腎虚との関連が深いとされています。

関連する経絡

恥骨の痛みに特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 任脈(にんみゃく):身体の前面中央を通る経絡で、恥骨から生殖器、下腹部の機能に関わります。
  • 足の厥陰肝経(けついんかんけい):恥骨周辺を通り、生殖器機能や筋腱の働きに関連します。
  • 足の少陰腎経(しょういんじんけい):腎の機能を担う経絡で、骨や髄、生殖機能に関わります。
  • 足の太陰脾経(たいいんひけい):下腹部から恥骨周辺を通り、筋肉の働きや水分代謝に関連します。
  • 衝脈(しょうみゃく):下腹部の奇経八脈の一つで、生殖機能や血の巡りに関わります。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、恥骨の痛みを以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 腎虚(じんきょ)

特徴:妊娠・出産、加齢、過労により腎の精気が不足した状態です。
症状:恥骨周辺の鈍い痛み、腰痛、足腰のだるさ、頻尿、むくみ、疲れやすい、冷え症。
改善方法:腎を補う食材(黒ゴマ、クルミ、山芋など)や補腎の漢方薬、温める鍼灸治療が効果的です。

2. 肝鬱気滞(かんうつきたい)

特徴:ストレスや感情の抑制により肝の気の流れが滞った状態です。
症状:恥骨周辺の刺すような痛み、痛みの場所が移動する、イライラ、ため息、生理不順、胸の張り。
改善方法:肝の気の流れを改善する食材(柑橘類、香味野菜など)や疏肝解鬱の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。

3. 血瘀(けつお)

特徴:血液の循環が悪くなり、血の滞りが生じた状態です。
症状:恥骨周辺の固定した刺すような痛み、夜間に痛みが増す、皮膚の色が暗い、生理時の血塊。
改善方法:血の流れを改善する食材(山査子、紅花茶など)や活血化瘀の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。

4. 寒湿(かんしつ)

特徴:冷えと湿気が体内に侵入し、気血の流れを妨げている状態です。
症状:恥骨周辺の重だるい痛み、冷えると痛みが悪化、むくみ、下痢しやすい、関節の重い感じ。
改善方法:体を温め湿気を取り除く食材(生姜、シナモン、ハトムギなど)や温経散寒の漢方薬、温灸治療が効果的です。

5. 脾虚(ひきょ)

特徴:消化機能の低下により気血の生成が不足した状態です。
症状:恥骨周辺の鈍い痛み、疲れやすい、食欲不振、下痢しやすい、顔色が悪い、手足のむくみ。
改善方法:脾胃を補う食材(山芋、カボチャ、小豆など)や補気健脾の漢方薬、鍼灸治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、恥骨の痛みは主に以下の臓腑の機能と関連しています:

  • 腎(じん):生殖機能や骨・髄を支配し、恥骨周辺の骨格や筋肉の健康に重要な役割を果たします。
  • 肝(かん):筋腱を支配し、気の流れを調整します。肝の機能低下は筋肉の緊張や痛みを引き起こします。
  • 脾(ひ):筋肉を支配し、水分代謝に関わります。脾の機能低下は筋力低下やむくみを引き起こします。
  • 心(しん):血液循環を支配し、恥骨周辺の血流に影響します。

季節と環境の影響

東洋医学では、季節や環境の変化も恥骨の痛みに影響すると考えます:

  • :寒さにより腎の機能が低下しやすく、恥骨周辺の痛みが悪化しやすい季節です。
  • 梅雨時期:湿気により脾の機能が低下し、むくみや重だるい痛みが増すことがあります。
  • :肝の気が上昇する時期で、ストレスによる肝鬱気滞の症状が悪化しやすくなります。
  • 冷房の効いた環境:長時間の冷えにより寒湿が体内に侵入し、痛みが増すことがあります。

東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
原因の捉え方 恥骨結合部の機能不全、ホルモンの影響、筋肉の不均衡、外傷 気血の滞り、腎や肝の機能低下、経絡の不調
診断方法 X線検査、MRI、CT、理学的検査、触診 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診
治療アプローチ 安静、物理療法、運動療法、薬物療法、場合によっては手術 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質や証に合わせた養生法
治療の焦点 炎症の抑制、筋力強化、構造的安定性の回復 気血の流れの改善、腎肝の機能強化、体全体のバランス調整
妊娠期への対応 薬物療法に制限があり、主に物理療法や運動療法が中心 妊娠期に安全な鍼灸治療や食養生で対応可能
予防の考え方 筋力強化、姿勢改善、適切な体重管理 体質に合わせた養生法、腎肝の機能強化、未病の段階からの対応
再発予防 継続的な運動療法、生活習慣の改善 体質改善による根本的な再発予防、季節に合わせた養生

西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチで恥骨の痛みに対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

恥骨の痛みを放置するリスク

恥骨の痛みは「一時的なもの」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。

身体的リスク

  • 慢性疼痛への移行:急性の痛みが慢性化し、日常的に痛みを感じる状態になるリスクがあります。
  • 歩行障害:痛みにより正常な歩行が困難になり、跛行(びっこ)や歩行速度の低下が生じます。
  • 筋力低下:痛みを避けるために活動量が減ると、骨盤周辺の筋力が著しく低下します。
  • 姿勢の悪化:痛みをかばう姿勢を続けることで、骨盤の歪みや脊柱の変形が進行する可能性があります。
  • 他部位への影響:恥骨の痛みをかばうことで、腰痛、股関節痛、膝痛などの二次的な症状が出現することがあります。
  • 関節拘縮:長期間の痛みにより股関節や仙腸関節の可動域が制限される可能性があります。
  • 妊娠・出産への影響:女性の場合、将来の妊娠・出産時に症状が悪化するリスクがあります。

精神的・社会的リスク

  • 生活の質の低下:痛みにより日常生活動作が制限され、生活の質が大幅に低下します。
  • 睡眠障害:寝返りや起き上がり時の痛みにより、良質な睡眠がとれなくなります。
  • 不安とストレス:「いつまで痛みが続くのか」という不安や、活動制限によるストレスが増加します。
  • 社会活動への影響:仕事や家事、育児への影響により、社会的役割を果たすことが困難になることがあります。
  • 自己効力感の低下:「何をしても良くならない」という無力感から、自己肯定感が低下することがあります。
  • 人間関係への影響:痛みによるイライラや活動制限により、家族や友人との関係に支障をきたすことがあります。

早期対処の重要性

恥骨の痛みは、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 炎症が慢性化する前に改善できる
  • 筋力低下や関節拘縮を予防できる
  • 代償的な姿勢変化による二次的症状を予防できる
  • 日常生活への影響を最小限に抑えられる
  • 治療期間を短縮できる可能性がある
  • 将来の妊娠・出産時のリスクを軽減できる

恥骨周辺の痛みや違和感を感じたら、「そのうち良くなる」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。

当院の恥骨の痛み施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで恥骨の痛みの根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、痛みの軽減と機能回復を促進します。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った鍼灸治療:身体に負担の少ない施術で、初めての方でも安心して受けられます。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 妊娠期にも安全な施術:妊娠中の恥骨の痛みにも対応できる安全な鍼灸治療を提供します。
  • 骨盤調整:骨盤の歪みや不安定性を改善する優しい整体施術を行います。
  • 全身調整:恥骨の痛みの原因となる全身のバランスを整え、根本的な改善を目指します。

施術の流れ

  1. 問診:恥骨の痛みの症状や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 整体施術:必要に応じて、骨盤や全身のバランスを整える優しい整体施術を行います。
  4. 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

恥骨の痛みに効果的なツボ

当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、婦人科系の症状全般に効果があります。
  • 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎の機能を高め、骨盤周辺の痛みを改善します。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、全身の気の流れを調整します。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。

恥骨の痛みに関するよくある質問(FAQ)

Q: 恥骨の痛みの改善には何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や期間、体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 急性期(発症から1ヶ月以内):週2回の頻度で1〜2ヶ月
  • 慢性期(発症から3ヶ月以上):週1〜2回の頻度で2〜3ヶ月
  • 妊娠中の症状:週1回の頻度で症状の改善まで継続

初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。継続的な施術により、根本的な体質改善を目指します。

Q: 妊娠中でも施術を受けることができますか?

はい、妊娠中でも安全に施術を受けることができます。当院では、妊娠期の恥骨の痛みに対して以下のような安全な施術を行っています:

  • 妊娠期に禁忌とされるツボを避けた安全な鍼灸治療
  • うつ伏せにならない、側臥位での優しい施術
  • お腹に負担をかけない骨盤調整
  • 妊娠期の体質変化に合わせた個別的なアプローチ

妊娠中の恥骨の痛みは、胎児の成長とともに悪化することが多いため、早期の対処が重要です。施術前には必ず現在の妊娠週数や体調についてお聞きし、最も安全で効果的な施術を提供いたします。

Q: 恥骨の痛みと腰痛は関係がありますか?

はい、恥骨の痛みと腰痛には密接な関係があります。以下のような関連性があります:

  • 骨盤帯痛症候群:恥骨の痛みは骨盤帯痛症候群の一部として、腰痛や仙腸関節痛と同時に現れることがあります
  • 代償的な動作:恥骨の痛みをかばうような歩き方や姿勢により、腰部に負担がかかり腰痛が発生します
  • 筋肉の連鎖:恥骨周辺の筋肉と腰部の筋肉は機能的に関連しており、一方の問題が他方に影響します
  • 骨盤の不安定性:恥骨結合部の不安定性は、腰椎や仙腸関節にも影響を与えます

当院では、恥骨の痛みと腰痛を関連する症状として捉え、骨盤全体のバランスを整える施術を行います。単独の症状を治療するのではなく、全身のバランスを考慮した根本的な改善を目指します。

Q: 恥骨の痛みがある時に避けるべき動作はありますか?

恥骨の痛みがある時は、以下のような動作を避けることで症状の悪化を防ぐことができます:

  • 片足立ちになる動作:階段昇降、ズボンの着脱、靴下の着脱など
  • 足を大きく開く動作:跨ぐ、あぐらをかく、足を組むなど
  • 重いものを持ち上げる動作:腹圧がかかり恥骨への負担が増します
  • 急激な方向転換:スポーツや歩行時の急な方向転換
  • 長時間の同一姿勢:長時間の立位や座位

これらの動作を行う際は、両足に均等に体重をかける、手すりを使用する、膝を曲げて物を持ち上げるなどの工夫をしましょう。当院では、日常生活での注意点について詳しくアドバイスいたします。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日は激しい運動や長時間の歩行を避ける
  • 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させる
  • 恥骨周辺を冷やさないよう注意し、必要に応じて温める
  • 指導された姿勢や動作の注意点を守る
  • 十分な睡眠と休息を取る

また、稀に施術後に一時的に症状が変化することがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる好転反応の一種です。通常は24〜48時間以内に収まりますが、気になる症状がある場合は院長にご相談ください。

恥骨の痛み改善のための自宅でのセルフケア

恥骨の痛みの改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。

姿勢の意識

  • 立位姿勢:両足に均等に体重をかけ、骨盤を正しい位置に保ちます。反り腰や猫背にならないよう注意しましょう。
  • 座位姿勢:深く腰掛け、背もたれを利用して腰椎の自然なカーブを保ちます。足は床にしっかりとつけましょう。
  • 歩行姿勢:小幅で歩き、急激な方向転換を避けます。階段は一段ずつゆっくりと昇降しましょう。
  • 寝る姿勢:横向きで寝る際は膝の間にクッションを挟み、仰向けの場合は膝の下にクッションを置くと楽になります。

簡単ストレッチ

  • 骨盤傾斜運動:仰向けに寝て膝を立て、腰を床に押し付けるように骨盤を後傾させます。5秒間キープを10回繰り返します。
  • 内転筋ストレッチ:座った状態で足裏を合わせ、膝を軽く床に近づけます。無理をせず、痛みの出ない範囲で行いましょう。
  • 股関節屈筋ストレッチ:片膝を床につき、もう一方の足を前に出してゆっくりと体重をかけます。左右30秒ずつ行います。
  • 膝抱えストレッチ:仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せます。30秒間キープし、左右交互に行います。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。婦人科系の症状全般に効果があります。
  • 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボです。腎の機能を高め、骨盤周辺の痛みを和らげます。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根にあるツボです。全身の気の流れを良くし、痛みの緩和に効果があります。

温熱療法

  • 湯船にゆっくり浸かる:38〜40度のぬるめのお湯に15〜20分浸かることで、骨盤周辺の血流を改善します。
  • 湯たんぽ・カイロの使用:腰やお腹に湯たんぽやカイロを当てて温めることで、筋肉の緊張を和らげます。
  • 足湯:足首まで温かいお湯に浸けることで、下半身の血行を促進します。
  • 蒸しタオル:温かい蒸しタオルを恥骨周辺(直接ではなく下着の上から)に当てて温めます。

生活習慣の改善

  • 食事の改善:抗炎症作用のある食材(青魚、緑黄色野菜、ナッツ類など)を積極的に摂り、糖質や揚げ物、甘い物は控えめにしましょう。
  • 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を促進し、老廃物の排出を促します。
  • 規則正しい睡眠:7〜8時間の質の良い睡眠を心がけ、体の回復を促進します。
  • ストレス管理:深呼吸、瞑想、軽い運動などでストレスを軽減し、筋肉の緊張を和らげます。
  • 適度な運動:水中ウォーキングやヨガなど、関節に負担の少ない運動を無理のない範囲で行います。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、恥骨の痛みの改善と再発防止につながります。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。

恥骨の痛みのまとめと施術のご案内

恥骨の痛みの要約

恥骨の痛みは、恥骨結合部やその周辺の筋肉、靭帯に炎症や負担がかかることで発生する症状です。特に妊娠中や産後の女性に多く見られますが、スポーツ選手や日常的な姿勢の問題により男性にも起こることがあります。

西洋医学では恥骨結合部の機能不全や筋肉の不均衡に着目し、東洋医学では気血の滞りや腎肝の機能低下と捉えて治療にあたります。どちらのアプローチも長所があり、当院ではこれらを組み合わせた総合的な治療を提供しています。

恥骨の痛みは早期に適切な対処を行うことで、多くの場合改善が期待できます。しかし、治療だけでなく、日常生活での姿勢改善、適切な動作方法、セルフケアなども重要です。当院では、施術と生活指導の両面からサポートし、根本的な改善と再発防止を目指しています。

当院のアプローチの特徴

当院では、恥骨の痛みに対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 妊娠期にも安全な手足のツボを使った鍼灸治療
  • 骨盤の調整と全身のバランスを整える優しい整体
  • 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術

多くの患者様から「恥骨の痛みが軽減した」「歩くのが楽になった」「寝返りが痛くなくなった」「妊娠中も安心して治療を受けられた」といったお声をいただいております。恥骨の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

恥骨の痛みの症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。

【住所】

567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)

【お電話】

072-622ー0134

【受付時間】

月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

恥骨の痛みは適切なケアで必ず改善できます。当院では、あなたの恥骨の痛みの根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 6600円(税込)
初診料 1100円(税込)

(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。

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