梨状筋症候群(お尻の痛み)
梨状筋症候群でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- お尻の奥に痛みやしびれがあり、座っていると悪化する
- 太ももの後ろからふくらはぎにかけて痛みやしびれが走る
- 長時間座った後に立ち上がると、激しい痛みがある
- 歩くと片方のお尻や足に痛みが出て、長く歩けない
- 足を内側に回すと痛みが強くなる
- 坐骨神経痛と言われたが、治療しても改善しない
梨状筋症候群は、お尻の深部にある「梨状筋」という筋肉が過緊張や炎症を起こし、その近くを通る坐骨神経を圧迫することで生じる症状です。一般的な坐骨神経痛と症状が似ているため、見逃されることも多い疾患です。
この記事では、梨状筋症候群の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように梨状筋症候群の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学の視点から見た梨状筋症候群の原因とメカニズム
梨状筋症候群とは
西洋医学では、梨状筋症候群は「梨状筋による坐骨神経の絞扼(こうやく)・圧迫によって生じる神経障害」と定義されています。梨状筋は骨盤の中から大腿骨(太ももの骨)の大転子という部分に付着する筋肉で、股関節の外旋(外側に回す動き)を担っています。
通常、坐骨神経は梨状筋の下を通過しますが、約15%の人では坐骨神経が梨状筋を貫通したり、梨状筋が二分化して間を通ったりする解剖学的変異があると言われています。このような場合、梨状筋が緊張すると坐骨神経が圧迫されやすくなります。
主な原因
- 過度の使用や外傷:長距離のランニングやサイクリング、激しいスポーツなどで梨状筋に過度の負担がかかることが原因になります。
- 長時間の座位:デスクワークや長時間のドライブなど、同じ姿勢で長時間座ることで梨状筋が圧迫され、緊張が高まります。
- お尻への直接的な圧迫:財布を後ろポケットに入れる習慣や、硬い椅子に長時間座ることも原因となります。
- 解剖学的変異:前述したように、坐骨神経と梨状筋の位置関係に変異がある場合、症状が出やすくなります。
- 骨盤・股関節の機能不全:骨盤の歪みや股関節の可動域制限により、梨状筋に過度の負担がかかることがあります。
- 他の腰痛疾患:腰椎椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などがあると、代償的に梨状筋が緊張することがあります。
梨状筋症候群が発生するメカニズム
梨状筋症候群は以下のようなメカニズムで発生します:
- 長時間の座位や過度の運動などにより、梨状筋が過緊張または炎症を起こします。
- 緊張した梨状筋は硬くなり、近接または貫通する坐骨神経を圧迫します。
- 坐骨神経が圧迫されると、神経の支配領域である臀部から太ももの後面、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが生じます。
- 特に股関節を内旋(内側に回す)したり、長時間座ったりすると梨状筋の緊張が高まり、症状が悪化します。
- 梨状筋の緊張が続くと、周囲の筋肉(大臀筋や中臀筋など)も代償的に緊張し、症状を複雑化・慢性化させることがあります。
主な症状
- 臀部の深部痛:お尻の奥に鈍い痛みや圧痛があり、座ると悪化します。
- 坐骨神経痛様症状:臀部から太ももの後面、ふくらはぎ、時に足先まで放散する痛みやしびれがあります。
- 長時間座位後の痛み:長く座った後に立ち上がる際、特に痛みが強くなります。
- 歩行時の痛み:歩くと症状が悪化し、長距離歩行が困難になることがあります。
- 特定の動作での悪化:股関節を内旋したり、脚を組んだりすると痛みが増します。
- 夜間痛:横になると痛みが出たり増強したりして、睡眠を妨げることがあります。
西洋医学的な治療アプローチとしては、消炎鎮痛薬、物理療法、ストレッチング、筋力トレーニングなどが用いられます。重症例では局所麻酔薬やステロイド薬の局所注射が行われることもありますが、根本解決には姿勢改善や生活習慣の見直しが重要とされています。
東洋医学の視点から見た梨状筋症候群の原因とメカニズム
東洋医学での梨状筋症候群の捉え方
東洋医学では、梨状筋症候群を「臀部痺証(でんぶひしょう)」や「下肢痺証(かしひしょう)」などと表現します。「痺」とは、痛みやしびれを伴う運動障害を指します。東洋医学の観点では、これらの症状は主に「気血の滞り」や「経絡の閉塞」によって引き起こされると考えます。
関連する経絡
梨状筋症候群に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 足の太陽膀胱経(あしのたいようぼうこうけい):背中から臀部、太ももの後面、足先まで通る経絡で、梨状筋症候群の痛みの経路とよく一致します。
- 足の少陽胆経(あしのしょうようたんけい):側頭部から体側、臀部外側、脚の外側を通る経絡で、臀部の痛みや外側の痺れに関連します。
- 足の陽明胃経(あしのようめいいけい):前面を通る経絡ですが、下肢の運動機能に関わり、筋力低下などの症状に関連します。
- 督脈(とくみゃく):背骨に沿って走る重要な経絡で、全身の陽経をつかさどり、下半身の機能に影響を与えます。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、梨状筋症候群を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 寒湿痺阻(かんしつひそ)
特徴:寒さと湿気が経絡に停滞した状態です。
症状:重だるい痛み、冷えると悪化、湿度の高い日に症状が増す、温めると楽になる。
改善方法:温経散寒(おんけいさんかん)、祛湿(きょしつ)の治療法が効果的です。
2. 気滞血瘀(きたいけつお)
特徴:気の流れが滞り、血液の循環が悪くなった状態です。
症状:刺すような痛みや灼熱感、夜間や疲労時に悪化、強い圧痛点がある。
改善方法:行気活血(こうきかっけつ)、通絡止痛(つうらくしつう)の治療法が有効です。
3. 肝腎虚弱(かんじんきょじゃく)
特徴:肝と腎の機能が低下した状態で、多くの慢性例に見られます。
症状:慢性的な痛み、疲れやすい、腰や膝の弱さを伴う、ストレスで悪化。
改善方法:補肝腎(ほかんじん)、強筋骨(きょうきんこつ)の治療法が効果的です。
4. 湿熱痺阻(しつねつひそ)
特徴:湿気と熱が経絡に停滞した状態です。
症状:灼熱感のある痛み、赤みや熱感を伴う、湿度の高い暑い日に悪化、冷やすと一時的に楽になる。
改善方法:清熱利湿(せいねつりしつ)の治療法が適しています。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、梨状筋症候群は以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):「肝は筋を主る」とされ、筋肉の柔軟性や円滑な動きをつかさどります。肝の機能低下は筋肉の緊張や痙攣を引き起こします。
- 腎(じん):「腎は骨を主る」とされ、骨や関節、腰、下肢の機能に深く関わります。腎の虚弱は筋力低下や慢性痛の原因となります。
- 脾(ひ):「脾は肌肉を主る」とされ、筋肉の栄養を担当します。脾の機能低下は筋肉の弱化や疲労感を招きます。
- 胆(たん):胆経は臀部外側を通り、股関節の動きに関わります。胆の機能不全は側面部の痛みや動きの制限と関連します。
- 膀胱(ぼうこう):膀胱経は背部から臀部、下肢後面を通り、梨状筋症候群の症状と密接に関連します。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化も梨状筋症候群の症状に影響すると考えます:
- 冬:寒さは筋肉を収縮させ、気血の流れを滞らせるため、寒湿痺阻タイプの症状が悪化しやすくなります。
- 梅雨や多湿期:湿気は体内に侵入して「湿邪」となり、重だるい痛みや痺れを引き起こします。
- 季節の変わり目:気候の急激な変化は気血のバランスを崩し、痛みが出やすくなります。
- 冷房の効いた環境:夏場の冷房は、体に「寒邪」をもたらし、筋肉の収縮や痛みを引き起こすことがあります。
- ストレスの多い環境:東洋医学では精神的ストレスは「肝気鬱結」を引き起こし、筋肉の緊張につながると考えます。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | 梨状筋症候群(ピリフォルミス症候群) | 臀部痺証(でんぶひしょう)、下肢痺証(かしひしょう) |
原因の捉え方 | 梨状筋の過緊張・炎症による坐骨神経の圧迫 | 気血の滞り、経絡の閉塞、寒湿や瘀血による痺証 |
診断方法 | 理学的検査(FAIR test、Pace’s sign)、MRI、神経伝導検査 | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断 |
治療アプローチ | 消炎鎮痛薬、物理療法、ストレッチング、筋力トレーニング、注射療法 | 鍼灸治療、漢方薬、推拿(すいな)、体質に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 梨状筋の緊張緩和、炎症の抑制、坐骨神経の圧迫解除 | 気血の流れの改善、経絡の通りを回復、体全体のバランスを整える |
個人差の考慮 | 解剖学的変異、生活習慣、姿勢の違いを考慮 | 体質や証に基づいた個別的な治療法を選択 |
予防方法 | 適切なストレッチング、エルゴノミクスの改善、筋力バランスの維持 | 気血の流れを良くする養生法、体質に合わせた食養生、自己ツボ押し |
慢性化のメカニズム | 筋肉の繊維化、神経の慢性的圧迫、周囲組織の代償性変化 | 気滞血瘀の長期化、経絡の長期的閉塞、腎肝の虚弱化 |
西洋医学と東洋医学はそれぞれ異なる視点から梨状筋症候群にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。
梨状筋症候群を放置するリスク
梨状筋症候群は「単なる腰痛や坐骨神経痛」と誤解されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。
身体的リスク
- 症状の慢性化・難治化:初期に適切な対処をしないと、筋肉の繊維化が進み、治療に時間がかかるようになります。
- 神経障害の進行:坐骨神経の長期的な圧迫により、感覚異常や筋力低下などの神経症状が悪化することがあります。
- 歩行障害:痛みや筋力低下により歩行パターンが変化し、股関節や膝関節、足関節に二次的な問題が生じることがあります。
- 骨盤・脊柱のアライメント異常:代償動作により骨盤の歪みや脊柱のアライメント異常が引き起こされ、他の部位の痛みの原因となることがあります。
- ADL(日常生活動作)の制限:座る、立ち上がる、歩く、階段の昇り降りなど、基本的な動作が困難になることがあります。
- 運動機能の低下:痛みを避けるために活動量が減少し、全体的な体力や筋力の低下を招くことがあります。
精神的リスク
- 慢性痛によるストレス:長期間続く痛みは精神的ストレスを増加させ、不安や抑うつ症状を引き起こすことがあります。
- 活動制限によるフラストレーション:好きなスポーツや趣味ができないことによるフラストレーションが蓄積します。
- 睡眠障害:痛みにより質の良い睡眠が取れないことで、日中の疲労感や集中力低下につながります。
- 自己肯定感の低下:痛みによる生活の質の低下から、自信や自己評価が下がることがあります。
- 社会的孤立:外出や社会活動の制限により、孤立感を感じることがあります。
早期対処の重要性
梨状筋症候群は、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 筋肉の緊張が慢性化・繊維化する前に改善できる
- 神経への圧迫が長期化する前に解放できる
- 治療期間の短縮や治療効果の向上が期待できる
- 二次的な問題(姿勢異常、代償性の筋緊張など)の発生を防げる
- 生活の質の急激な低下を防ぐことができる
お尻や太ももの後面に痛みやしびれがある場合、特に座った姿勢で悪化したり、足を内側に回すと痛みが増す場合は、梨状筋症候群の可能性があります。「単なる腰痛」と自己判断せず、専門家に相談することをおすすめします。
当院の梨状筋症候群施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで梨状筋症候群の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、痛みの緩和だけでなく再発防止までをサポートします。
施術の特徴
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療:痛みの強い臀部に直接施術せずとも効果を発揮する遠隔治療法を用います。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 整体:緊張した筋肉を緩める技術を用いて、筋肉のバランスを整えます。
- 骨盤矯正:骨盤のアライメントを整え、梨状筋にかかる負担を軽減します。
- 姿勢・生活習慣指導:症状を引き起こす姿勢や習慣について、具体的な改善アドバイスを行います。
施術の流れ
- 問診:症状の詳細や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 西洋医学的検査:梨状筋症候群に特徴的な理学的検査を行い、症状の原因を確認します。
- 整体施術:骨盤や股関節周囲の筋バランスを整える施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
梨状筋症候群に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 環跳(かんちょう):腰から臀部の痛みを和らげる重要なツボです。
- 崑崙(こんろん):足の外くるぶしの後ろにあるツボで、坐骨神経痛の緩和に効果的です。
- 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にあるツボで、下肢の痛みやしびれに効果があります。
- 委中(いちゅう):膝窩(ひかか、膝の裏側)の中央にあるツボで、坐骨神経痛に特に効果的です。
- 後溪(こうけい):手の甲側、小指の付け根にあるツボで、全身の気の流れを調整します。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。また、遠隔治療と局所治療を組み合わせることで、より効果的な治療を実現しています。
梨状筋症候群に関するよくある質問(FAQ)
梨状筋症候群と坐骨神経痛は症状が似ているため、しばしば混同されますが、明確な違いがあります。坐骨神経痛は症状を表す言葉で、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など様々な原因によって引き起こされます。一方、梨状筋症候群は、特に梨状筋という特定の筋肉が坐骨神経を圧迫することで生じる疾患です。
主な違いとして、梨状筋症候群の場合:
- 臀部深部に痛みの起点がある
- 足を内側に回転させると痛みが強くなる(梨状筋ストレッチテスト陽性)
- 長時間の座位で痛みが増強する
- 腰痛よりも臀部痛が主症状
- 臀部の圧痛点がはっきりしている
正確な診断を受けることで、的確な治療を受けることができます。当院では、詳細な問診と検査により、症状の原因を見極め、適切な施術を提供しています。
症状の程度や期間、体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 急性期・症状が強い場合:週2回の頻度で2~3週間
- 症状が緩和してきた場合:週1回の頻度で1~2ヶ月
- 慢性化している場合:初めは週1~2回で、徐々に間隔を空けていく(2~3ヶ月程度)
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。多くの場合、3~5回の施術で症状の改善を実感されるようになり、その後は徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。
また、症状が改善した後も、再発防止のために月1回程度のメンテナンス施術をおすすめしています。梨状筋症候群は、不良姿勢や生活習慣と深く関連しているため、施術と並行して生活習慣の改善も重要です。
デスクワークは梨状筋症候群のリスク要因の一つです。予防のために以下のポイントを心がけましょう:
- 定期的な休憩と姿勢変換:1時間に1回は立ち上がり、軽くストレッチをしましょう。
- 正しい座り方:両足を床にしっかりつけ、骨盤が前傾しないよう、背筋を伸ばして座りましょう。
- クッションの活用:臀部への圧力を分散させるクッションを使用すると効果的です。
- 財布は後ろポケットに入れない:座ったときに臀部が不均等に圧迫されるため避けましょう。
- 梨状筋ストレッチ:1日に数回、梨状筋を伸ばすストレッチを行いましょう。例えば、仰向けに寝て、片膝を曲げて反対側に倒すストレッチが効果的です。
- 姿勢チェック:意識的に骨盤の位置を確認し、前後の傾きや左右の歪みがないように気をつけましょう。
- 適度な運動:ウォーキングやスイミングなど、全身を使う有酸素運動で臀部の血流を促進させましょう。
当院では、個々の職場環境や体型に合わせた具体的な予防法をアドバイスしています。また、定期的なメンテナンス施術により、症状が出る前に筋肉の緊張を緩和することも効果的です。
基本的に適度な運動は梨状筋症候群の改善に役立ちますが、症状の程度や種類によって注意すべきポイントがあります。
おすすめの運動:
- ウォーキング(無理のないペースで)
- 水泳(特に背泳ぎやクロール)
- エリプティカルマシン
- ヨガ(過度な股関節のストレッチを避けるもの)
- 軽いサイクリング(座位の調整に注意)
控えた方がよい運動:
- ランニング(特に長距離や坂道)
- スクワットやランジなどの深い股関節屈曲を伴う運動
- 長時間の自転車エクササイズ
- 腰を回転させる激しいスポーツ(ゴルフのスイングなど)
- 股関節を極端に内旋させるポーズ
運動を始める前には必ず適切なウォームアップを行い、痛みが出た場合はすぐに中止してください。症状の程度に合わせた適切な運動処方については、施術時に個別にアドバイスさせていただきます。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は激しい運動や長時間の座位を避ける
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させる
- 臀部の保温を心がける(特に冷えに弱い方)
- 指導されたストレッチやエクササイズを継続的に行う
- 座るときは両足を床にしっかりつけ、骨盤の位置に注意する
- 長時間同じ姿勢を続けないよう、こまめに姿勢を変える
まれに施術後、一時的に症状が強くなることがあります。これは「好転反応」と呼ばれるもので、体が調整されていく過程で起こる現象です。通常は24~48時間以内に収まりますが、気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。
梨状筋症候群改善のための自宅でのセルフケア
梨状筋症候群の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。
効果的なストレッチング
- 梨状筋ストレッチ(仰向け):仰向けに寝て、痛みのある側の膝を曲げ、反対側に倒します。このとき、両肩は床につけたままにします。15~30秒キープし、2~3回繰り返します。
- 梨状筋ストレッチ(座位):椅子に座り、痛みのある側のくるぶしを反対側の膝の上に乗せます(4の字)。上体を前に倒すと、お尻に伸びを感じます。15~30秒キープし、2~3回繰り返します。
- 膝抱えストレッチ:仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せます。15~30秒キープし、2~3回繰り返します。
- 腰回しエクササイズ:四つん這いになり、腰を大きく円を描くように回します。時計回りと反時計回りを各5~10回行います。
正しい姿勢の保持
- 座位姿勢:両足を床にしっかりつけ、骨盤が前後に傾かないよう注意します。必要に応じて腰用クッションを使用しましょう。
- 立位姿勢:体重を左右均等にかけ、骨盤が傾かないようにします。長時間立つ場合は、時々足を組み替えたり、片足を少し高い台に乗せたりして姿勢を変えましょう。
- 歩行姿勢:大きく踏み出さず、小刻みな歩幅から始め、徐々に正常な歩行に戻していきます。
- 就寝姿勢:横向きで寝る場合は、両膝の間に小さな枕やクッションを挟むと骨盤のねじれを防ぎます。
筋力強化エクササイズ
- ブリッジ:仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げます。この姿勢を5~10秒キープし、10回程度繰り返します。大臀筋を強化するのに効果的です。
- クラムシェル:横向きに寝て、膝を曲げ、上側の膝だけを開きます。この動作を10~15回×2セット行います。中臀筋を強化します。
- ヒップエクステンション:四つん這いになり、片足をまっすぐ後ろに伸ばします。この姿勢を5秒キープし、10回×2セット行います。
- バランストレーニング:片足立ちを30秒間キープします。慣れてきたら目を閉じて行うとより効果的です。
日常生活での注意点
- 長時間の座位を避ける:1時間に1回は立ち上がり、軽く歩いたりストレッチしたりしましょう。
- ウォレットニューロパチーを防ぐ:財布を後ろポケットに入れる習慣は避けましょう。
- 適切な椅子選び:長時間座る椅子は、骨盤をサポートし、坐骨結節にかかる圧を分散させるものを選びましょう。
- 足を組む習慣を避ける:骨盤のバランスが崩れ、梨状筋に負担がかかります。
- 適度な運動:ウォーキングや水泳など、過度な負担をかけない運動を取り入れましょう。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 委中(いちゅう):膝の裏側の中央にあるツボです。坐骨神経痛の緩和に効果があります。
- 崑崙(こんろん):外くるぶしの後ろにあるくぼみのツボです。下肢の痛みやしびれに効果があります。
- 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側、すねの骨の下にあるツボです。下肢の痛みや筋肉の緊張に効果があります。
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根の間にあるツボです。全身の痛みの緩和に効果があります。
温熱療法と冷却療法
- 急性期(強い痛みがある場合):20分程度のアイシングを1日数回行い、炎症を抑えます。
- 慢性期:入浴や蒸しタオルで臀部を温め、血行を促進します。
- 交代浴:温冷交互法として、温めた後に冷やすことで、血行促進と炎症抑制の両方の効果が期待できます。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、梨状筋症候群の症状を和らげることができます。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。
梨状筋症候群のまとめと施術のご案内
梨状筋症候群の要約
梨状筋症候群は、お尻の深部にある「梨状筋」という筋肉が緊張・炎症を起こし、近くを通る坐骨神経を圧迫することで生じる疾患です。臀部の痛みやしびれ、太ももの後面からふくらはぎにかけての痛みを特徴とし、座位で悪化することが多いです。
長時間の座位、不良姿勢、過度の運動などが原因となり、放置すると慢性化して日常生活に大きな支障をきたすことがあります。西洋医学では筋肉の緊張と神経圧迫に着目し、東洋医学では気血の滞りや経絡の障害として捉えます。
治療では、梨状筋の緊張緩和、坐骨神経の圧迫解除、骨盤アライメントの調整などが重要です。同時に、姿勢改善や適切なストレッチ、生活習慣の見直しなど、日常的なセルフケアも欠かせません。
当院のアプローチの特徴
当院では、梨状筋症候群に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療と、体質に合わせた施術
- 骨盤のアライメントを整える整体
- 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術
多くの患者様から「長年の痛みが軽減した」「座っていても痛みがなくなった」「歩行が楽になった」「再発しなくなった」といったお声をいただいております。梨状筋症候群でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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梨状筋症候群は適切な治療とセルフケアで必ず改善できます。当院では、あなたの梨状筋症候群の根本改善をサポートし、痛みのない快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
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