パーキンソン病
パーキンソン病でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
パーキンソン病は、脳内のドーパミン神経細胞の減少により運動機能に障害が現れる進行性の神経変性疾患です。手足の震え、動作の鈍化、筋肉のこわばりなどの運動症状に加え、便秘や睡眠障害などの非運動症状も現れることが特徴です。
この記事では、パーキンソン病の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、症状の緩和に向けた改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのようにパーキンソン病の症状を和らげるのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学の視点からパーキンソン病の原因とメカニズム
パーキンソン病とは
西洋医学では、パーキンソン病は「脳の黒質という部位にあるドーパミン神経細胞の変性・脱落により、運動機能に障害が現れる進行性の神経変性疾患」と定義されています。1817年にイギリスの医師ジェームス・パーキンソンによって初めて医学的に記載されたことから、この名前がついています。
主な原因
- ドーパミン神経細胞の減少:脳の黒質にあるドーパミン神経細胞が変性・脱落することで、ドーパミンの産生が低下します。ドーパミンは運動の調節に重要な役割を果たす神経伝達物質です。
- レビー小体の形成:神経細胞内にα-シヌクレインというタンパク質が異常に蓄積し、レビー小体という封入体を形成することが病態の中心とされています。
- 遺伝的要因:家族性パーキンソン病では、SNCA、LRRK2、Parkin、PINK1、DJ-1などの遺伝子変異が関与することが知られています。
- 環境要因:農薬や除草剤、重金属への曝露、頭部外傷、ウイルス感染などが発症リスクを高める可能性があります。
- 加齢:最も重要な危険因子で、60歳以降に発症することが多く、年齢とともに発症率が上昇します。
- 酸化ストレス:活性酸素による神経細胞の障害が病態の進行に関与すると考えられています。
パーキンソン病が発生するメカニズム
パーキンソン病は以下のようなメカニズムで発生します:
- 黒質のドーパミン神経細胞において、α-シヌクレインタンパク質が異常に蓄積し、レビー小体が形成されます。
- レビー小体の蓄積により神経細胞の機能が低下し、最終的に細胞死に至ります。
- ドーパミン神経細胞の減少により、線条体(尾状核と被殻)へのドーパミン供給が不足します。
- 線条体でのドーパミン不足により、運動の調節を担う大脳基底核回路のバランスが崩れます。
- その結果、振戦(震え)、筋強剛(筋肉のこわばり)、無動・寡動(動作の鈍化)、姿勢反射障害(バランス障害)などの運動症状が現れます。
- 病気の進行とともに、自律神経症状、精神症状、認知機能障害などの非運動症状も現れるようになります。
主な症状
パーキンソン病の症状は運動症状と非運動症状に分けられます:
運動症状
- 振戦(震え):安静時に手足が震える症状で、特に初期に現れやすいです。
- 筋強剛:筋肉が硬くなり、関節を動かすときに抵抗を感じる症状です。
- 無動・寡動:動作の開始が困難になり、動きが全体的に鈍くなります。
- 姿勢反射障害:バランスを保つことが困難になり、転倒しやすくなります。
- 歩行障害:小股歩行、すくみ足、前傾姿勢での歩行などが見られます。
非運動症状
- 自律神経症状:便秘、起立性低血圧、排尿障害、発汗異常などが現れます。
- 睡眠障害:不眠、REM睡眠行動障害、日中の過度の眠気などが生じます。
- 精神症状:うつ症状、不安、無関心、幻覚などが現れることがあります。
- 認知機能障害:注意力や実行機能の低下、認知症を発症することもあります。
- その他:嗅覚障害、味覚障害、疼痛、疲労感なども見られます。
西洋医学的な治療では、ドーパミン補充療法(L-DOPA)、ドーパミン受容体刺激薬、MAO-B阻害薬などの薬物療法が中心となります。また、理学療法、作業療法、言語聴覚療法などのリハビリテーションも重要な治療の一部とされています。
東洋医学の視点からパーキンソン病の原因とメカニズム
東洋医学でのパーキンソン病の捉え方
東洋医学では、パーキンソン病を「振顫(しんせん)」「痙病(けいびょう)」「顫証(せんしょう)」などと表現し、「肝腎の精血不足」「気血両虚」「痰湿阻絡」などにより起こる状態と捉えます。特に肝は筋や腱を主り、腎は骨髄を主るため、肝腎の機能低下が運動機能の障害につながると考えられています。
関連する経絡
パーキンソン病に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 足厥陰肝経(あしけついんかんけい):筋や腱の動きを調節し、運動機能に関わる重要な経絡です。
- 足少陰腎経(あししょういんじんけい):骨髄や精神機能を支配し、運動や認知機能に関わります。
- 手少陰心経(てしょういんしんけい):精神活動を司り、認知機能や情動に関連します。
- 足太陰脾経(あしたいいんひけい):気血を生成し、筋肉の栄養に関わります。
- 督脈(とくみゃく):脳髄や脊髄の機能を調節し、神経系統の活動に関連します。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、パーキンソン病を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
特徴:肝と腎の陰液が不足し、虚熱が生じた状態です。
症状:手足の震え、筋肉のこわばり、めまい、耳鳴り、腰膝酸軟(腰や膝の痛みやだるさ)、不眠、イライラ、のぼせ。
改善方法:肝腎の陰を補う滋陰補腎の治療が効果的です。
2. 気血両虚(きけつりょうきょ)
特徴:気と血の両方が不足し、全身の機能が低下した状態です。
症状:動作の鈍化、疲れやすい、息切れ、顔色が悪い、食欲不振、声が小さい、筋力低下。
改善方法:気血を補う補気養血の治療が効果的です。
3. 痰湿阻絡(たんしつそらく)
特徴:体内の水分代謝が悪く、痰湿が経絡の流れを阻害している状態です。
症状:動作が重く鈍い、体が重だるい、痰が多い、胸の圧迫感、むくみ、肥満傾向。
改善方法:痰湿を取り除く化痰通絡の治療が効果的です。
4. 肝風内動(かんふうないどう)
特徴:肝の陰血不足により肝風が内部で動き回っている状態です。
症状:手足の震え、筋肉の痙攣、頭痛、めまい、イライラ、怒りっぽい、顔面の痙攣。
改善方法:肝を養い風を鎮める養血息風の治療が効果的です。
5. 脾腎陽虚(ひじんようきょ)
特徴:脾と腎の陽気が不足し、体を温める力が弱まった状態です。
症状:冷え(特に手足)、動作緩慢、消化不良、下痢しやすい、むくみ、疲労感、筋力低下。
改善方法:脾腎の陽気を補う温補脾腎の治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、パーキンソン病は主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):筋や腱を主り、運動機能を調節します。肝の機能低下は筋肉のこわばりや震えの原因となります。
- 腎(じん):骨髄を主り、脳の機能を支えます。腎精の不足は運動機能や認知機能の低下につながります。
- 脾(ひ):気血の生成を担い、筋肉に栄養を供給します。脾の機能低下は筋力低下や疲労の原因となります。
- 心(しん):精神活動を司り、認知機能や情動に関わります。心の機能不全は認知症状や精神症状を引き起こします。
- 肺(はい):気を全身に巡らせ、声や呼吸に関わります。肺の機能低下は声の小ささや呼吸機能の問題につながります。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化もパーキンソン病の症状に影響すると考えます:
- 春:肝の気が上昇する季節で、肝風内動による震えや筋肉の痙攣が悪化しやすい時期です。
- 冬:腎の季節で、腎陽虚の症状(冷え、動作緩慢など)が強くなりやすい時期です。
- 湿度の高い時期:痰湿阻絡のタイプの方は、症状が悪化しやすくなります。
- ストレスの多い環境:精神的緊張は肝気鬱結を引き起こし、症状を悪化させることがあります。
- 過労や睡眠不足:気血両虚を引き起こし、運動症状や非運動症状を悪化させます。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。パーキンソン病は進行性の疾患ですが、鍼灸治療により症状の緩和や進行の抑制を図ることが期待できます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
原因の捉え方 | ドーパミン神経細胞の変性・脱落、レビー小体の形成 | 肝腎陰虚、気血両虚、痰湿阻絡などの体質的不調 |
診断方法 | 臨床症状、DaTスキャン、MRI、薬物反応性試験 | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 薬物療法(L-DOPA、ドーパミン受容体刺激薬)、リハビリテーション | 鍼灸治療、漢方薬、体質改善、養生指導 |
治療の焦点 | 症状の緩和、ドーパミン補充、運動機能の維持 | 体質改善、気血の調和、自然治癒力の向上 |
副作用の考慮 | 薬物による副作用(ジスキネジア、幻覚、消化器症状など) | 体質に合った治療により副作用のリスクは低い |
個人差の考慮 | 症状の程度や進行状況に応じた標準的な治療 | 体質や証に基づいた個別的な治療 |
進行抑制の考え方 | 薬物療法と運動療法による症状管理 | 体質改善により病気の進行を緩やかにする |
非運動症状への対応 | 症状別の対症療法(便秘薬、睡眠薬、抗うつ薬など) | 根本的な体質改善により複数の症状を同時に改善 |
西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチでパーキンソン病に対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。特に、西洋医学的な治療と併用することで、より良い効果を期待できる場合が多くあります。
パーキンソン病を放置するリスク
パーキンソン病は進行性の疾患で、適切な対処をしないまま放置すると、運動症状や非運動症状が徐々に悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
身体的リスク
- 運動機能の著しい低下:振戦、筋強剛、無動が進行し、日常的な動作(歩行、食事、着替えなど)が困難になります。
- 転倒・骨折のリスク増加:姿勢反射障害により転倒しやすくなり、骨折や頭部外傷のリスクが高まります。
- 嚥下障害:喉の筋肉の機能低下により、飲み込みが困難になり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
- 便秘の悪化:腸管運動の低下により重度の便秘が生じ、腸閉塞のリスクもあります。
- 起立性低血圧:自律神経機能の低下により、立ち上がった際に血圧が下がり、失神や転倒の原因となります。
- 呼吸機能の低下:胸郭の硬さや呼吸筋の機能低下により、呼吸困難が生じることがあります。
- 体重減少・栄養不良:嚥下困難や食欲不振により、栄養状態が悪化し、感染症への抵抗力が低下します。
精神的・認知的リスク
- うつ病の発症・悪化:病気の進行や日常生活の制限により、うつ症状が現れやすくなります。
- 認知症の発症:病気の進行とともに、認知機能の低下や認知症を発症するリスクが高まります。
- 幻覚・妄想:病気の進行や薬物の副作用により、視覚的幻覚や妄想が現れることがあります。
- 不安障害:将来への不安や日常生活への支障から、不安症状が強くなることがあります。
- 睡眠障害の悪化:不眠や昼夜逆転が進行し、生活リズムの乱れが加速します。
- 無関心・意欲低下:活動量の減少や社会的孤立により、無関心や意欲の低下が進行します。
社会的リスク
- 社会参加の困難:運動症状の進行により、仕事や趣味活動への参加が困難になります。
- 家族への負担増加:日常生活での介助が必要となり、家族の身体的・精神的負担が増加します。
- 医療費の増大:合併症の治療や介護サービスの利用により、医療・介護費用が増大します。
- 社会的孤立:外出困難や症状への恥ずかしさから、社会的なつながりが減少します。
早期対処の重要性
パーキンソン病は進行性の疾患ですが、早期に適切な対処を行うことで症状の進行を遅らせ、生活の質を維持することができます。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 症状の進行を遅らせることができる
- 日常生活の質を長期間にわたって維持できる
- 合併症の発症リスクを減らせる
- 社会参加や趣味活動を継続できる期間が延びる
- 家族の負担を軽減できる
- 精神的な安定を保ちやすくなる
手足の震えや動作の鈍化など、パーキンソン病の初期症状が現れたら、「年齢のせい」と諦めずに、専門家に相談することをおすすめします。当院では、西洋医学的治療と併用しながら、鍼灸治療による症状の緩和と生活の質の向上をサポートしています。
当院のパーキンソン病施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチでパーキンソン病の症状緩和を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、運動機能の改善と生活の質の向上をサポートします。
施術の特徴
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療:震えのある手足にも配慮し、安全で効果的な施術を行います。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 神経系の調整:神経系の機能を整える施術により、運動症状や非運動症状の改善を促します。
- 筋肉の緊張緩和:筋強剛の緩和を目的とした整体施術を行います。
- 全身のバランス調整:姿勢反射障害の改善や転倒予防を目的とした施術を行います。
- 自律神経の調整:便秘や睡眠障害などの非運動症状の改善を図ります。
施術の流れ
- 問診:パーキンソン病の症状や現在の治療状況、生活習慣などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:筋肉の緊張を和らげ、関節の可動域を改善する優しい整体施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
パーキンソン病に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の間にあるツボで、肝の機能を調整し、筋肉の震えを鎮めます。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろにあるツボで、腎の機能を高め、精神を安定させます。
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の間にあるツボで、全身の気の流れを調整します。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、脾・肝・腎の機能を調整します。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、胃腸機能を改善し、全身の気を補います。
- 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にあるツボで、筋肉の緊張を和らげます。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。パーキンソン病の方でも安全に受けられるよう、身体に負担の少ない施術を心がけています。
期待できる効果
- 振戦(震え)の軽減:肝の機能を調整することで、手足の震えの軽減が期待できます。
- 筋強剛の改善:筋肉の緊張を和らげ、関節の可動域を改善します。
- 動作の改善:気血の流れを良くすることで、動作の開始や継続が行いやすくなります。
- バランス機能の向上:全身のバランスを整えることで、転倒リスクの軽減が期待できます。
- 便秘の改善:自律神経の調整により、消化機能の改善が期待できます。
- 睡眠の質の向上:心身のリラックス効果により、睡眠の質の改善が期待できます。
- 精神状態の安定:気持ちの安定や不安の軽減が期待できます。
パーキンソン病は進行性の疾患ですが、適切な鍼灸治療により症状の進行を遅らせ、生活の質を向上させることが期待できます。当院では、医師の治療と併用しながら、患者様のQOL向上をサポートいたします。
パーキンソン病に関するよくある質問(FAQ)
A: パーキンソン病は進行性の疾患のため、継続的な治療が重要です。症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 初期段階:週1〜2回の頻度で3〜6ヶ月継続
- 中期段階:週1〜2回の頻度で継続的に治療
- 進行期:体調に合わせて頻度を調整し、定期的な治療を継続
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた治療計画をご提案いたします。症状の改善度や進行状況に応じて、治療頻度や内容を調整していきます。長期的な視点での継続治療により、症状の進行抑制と生活の質の維持を目指します。
A: はい、薬物治療と鍼灸治療は併用することができます。むしろ、両方を組み合わせることで、より良い効果が期待できる場合が多くあります。
薬物治療(L-DOPAやドーパミン受容体刺激薬など)は症状の直接的な改善に効果的ですが、副作用のリスクもあります。一方、鍼灸治療は体の自然な調整機能を高め、症状の緩和とともに薬物の副作用軽減にも役立つことがあります。
当院の鍼灸治療は薬物治療の効果を高めたり、少ない薬物量でも効果を維持できるようサポートする役割も果たします。ただし、現在服用中の薬物については、初回カウンセリング時に詳しくお伝えください。また、薬物の調整については必ず主治医と相談してください。
A: パーキンソン病は進行性の疾患であり、現在の医学では完全に進行を止めることは困難とされています。しかし、適切な治療と生活習慣の改善により、進行を遅らせることは可能です。
鍼灸治療では以下のような効果が期待できます:
- 症状の進行を遅らせる
- 日常生活の質を維持・向上させる
- 薬物の副作用を軽減する
- 非運動症状(便秘、睡眠障害など)を改善する
- 精神的な安定を保つ
東洋医学的には、体質改善により自然治癒力を高め、病気の進行を緩やかにすることを目指します。早期から継続的な治療を行うことで、より良い効果が期待できます。
A: はい、震えがある方でも安全に鍼灸治療を受けていただけます。当院では、パーキンソン病の症状に配慮した施術を行っています。
震えがある場合の配慮事項:
- 震えの程度に合わせて、施術時の体位を調整します
- 手足のツボを中心とした治療で、震えを和らげる効果を狙います
- 身体に負担の少ない優しい施術を心がけます
- 施術中に震えが強くなった場合は、適切に対応いたします
- 付き添いの方がいらっしゃる場合は、一緒に入室していただけます
実際に、震えの症状がある患者様の多くが、鍼灸治療により症状の軽減を実感されています。ご不安な点がございましたら、お気軽に院長にご相談ください。
A: 施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は激しい運動を避け、ゆっくりと過ごしましょう
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
- 規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠をとりましょう
- 指導された自宅でのセルフケアを継続的に行いましょう
- 薬の服用時間や量は、主治医の指示通りに継続してください
- 転倒防止のため、歩行時は十分注意しましょう
また、稀に施術後に一時的な症状の変化(だるさや眠気など)を感じることがありますが、これは体が調整されていく過程で起こる「好転反応」の一種で、通常は24〜48時間以内に収まります。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。
パーキンソン病改善のための自宅でのセルフケア
パーキンソン病の症状緩和には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の進行抑制と生活の質の向上につながります。
適度な運動習慣
- ウォーキング:1日20〜30分程度の散歩は、バランス機能の維持と筋力の保持に効果的です。転倒に注意し、可能であれば付き添いの方と一緒に行いましょう。
- ストレッチ:関節の可動域を保つため、朝晩のストレッチを習慣にしましょう。特に首、肩、腰のストレッチが重要です。
- 大きな動作の練習:意識的に大きな動作を心がけることで、無動症状の改善に役立ちます。腕を大きく振って歩く、大きく口を開けて発声するなどが効果的です。
- バランス訓練:椅子に座った状態で足踏みをする、片足立ち(支えがある状態で)などの簡単なバランス訓練を行いましょう。
食生活の改善
- バランスの良い食事:抗酸化作用のある食品(緑黄色野菜、果物、魚など)を積極的に摂取し、脳の健康を保ちましょう。
- 食物繊維の摂取:便秘改善のため、野菜、果物、豆類などの食物繊維を多く含む食品を摂りましょう。
- 十分な水分摂取:脱水を防ぎ、便秘改善のために、こまめに水分を摂取しましょう。
- 少食・腹八分目:消化に負担をかけないよう、少食を心がけ、腹八分目で食事を終えるようにしましょう。
- 控えたい食品:お肉や揚げ物、甘い物、アルコールは控えめにし、体に負担をかけない食事を心がけましょう。
姿勢の意識
- 正しい座り方:背筋を伸ばし、椅子の奥深く座るよう心がけましょう。足は床にしっかりつけ、膝と股関節が90度になるように調整します。
- 歩行時の姿勢:前かがみになりがちですが、意識的に胸を張り、目線を上げて歩くよう心がけましょう。
- 立ち上がりの工夫:椅子から立ち上がる際は、足を引いて前かがみになり、勢いをつけて立ち上がりましょう。
- 寝返りの練習:ベッドで寝返りの練習を行い、夜間の動きをスムーズにしましょう。
音楽療法・発声練習
- 歌を歌う:大きな声で歌うことで、呼吸機能の維持と発声機能の改善に役立ちます。
- 発声練習:「あ・い・う・え・お」などの発声練習を1日数回行い、言語機能の維持に努めましょう。
- 音楽に合わせた運動:リズムに合わせて体を動かすことで、動作の改善と気分の向上が期待できます。
- 楽器演奏:可能であれば、指先を使う楽器演奏により、手指の機能維持に役立てましょう。
ストレス管理と睡眠の改善
- 規則正しい生活リズム:毎日同じ時間に起床・就寝し、生体リズムを整えましょう。
- リラクゼーション:深呼吸や瞑想、音楽鑑賞などでリラックスする時間を設けましょう。
- 社会参加:可能な範囲で社会活動や趣味活動に参加し、精神的な健康を保ちましょう。
- 睡眠環境の整備:寝室は静かで暗く、適切な温度に保ち、良質な睡眠を促進しましょう。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の間にあるツボです。肝の機能を調整し、震えの軽減に効果があります。
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の間にあるツボです。全身の気の流れを良くし、緊張を和らげます。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。胃腸の働きを良くし、全身の気を補います。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。全身のバランスを整える効果があります。
安全対策
- 転倒予防:手すりの設置、滑り止めマットの使用、段差の解消など、住環境を整えましょう。
- 歩行補助具の活用:必要に応じて、杖や歩行器などの補助具を使用し、安全な移動を心がけましょう。
- 緊急時の対策:緊急連絡先を身につけ、何かあった時にすぐに連絡が取れるようにしておきましょう。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、パーキンソン病の症状緩和と生活の質の向上につながります。無理をせず、できる範囲から始めて、徐々に習慣化していきましょう。
パーキンソン病のまとめと施術のご案内
パーキンソン病の要約
パーキンソン病は、脳内のドーパミン神経細胞の減少により運動機能に障害が現れる進行性の神経変性疾患です。西洋医学ではレビー小体の形成とドーパミン不足が主な原因とされ、東洋医学では肝腎陰虚や気血両虚などの体質的不調と捉えられています。
症状は振戦(震え)、筋強剛、無動・寡動、姿勢反射障害などの運動症状に加え、便秘、睡眠障害、精神症状などの非運動症状も現れます。これらは日常生活に大きな影響を与え、放置すると症状が進行し、生活の質が著しく低下する可能性があります。
パーキンソン病の改善には、適切な薬物治療に加えて、鍼灸治療による症状の緩和、適度な運動、食事の改善、ストレス管理などの包括的なアプローチが重要です。早期から継続的なケアを行うことで、症状の進行を遅らせ、生活の質を維持することが期待できます。
当院のアプローチの特徴
当院では、パーキンソン病に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療
- 運動症状と非運動症状の両方に対応した施術
- 薬物治療との併用による相乗効果を目指した施術
- 症状の進行抑制と生活の質の向上を目指した継続的なケア
多くの患者様から「震えが軽減した」「動作が楽になった」「便秘が改善した」「睡眠の質が向上した」「精神的に安定した」といったお声をいただいております。パーキンソン病でお悩みの方、そのご家族の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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パーキンソン病は進行性の疾患ですが、適切なケアにより症状の緩和と生活の質の向上は可能です。当院では、患者様とそのご家族が前向きに病気と向き合えるよう、全力でサポートいたします。一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
施術料 6600円(税込)
初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
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