橋本病
橋本病でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 疲れやすく、日常生活でも常に倦怠感を感じる
- 寒がりで、手足が冷えやすい
- 体重が増加しやすく、痩せにくい体質になった
- 髪の毛が抜けやすく、爪が割れやすくなった
- むくみや便秘が続いている
- 集中力が低下し、記憶力も悪くなった気がする
橋本病(慢性甲状腺炎)は甲状腺の機能が低下する自己免疫疾患で、様々な体の不調を引き起こします。日本では推定患者数が成人女性の約8%、男性の約1-2%と言われており、特に40代以降の女性に多く見られます。
この記事では、橋本病の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、症状を改善するための方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように橋本病の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学的視点での橋本病の原因とメカニズム
橋本病とは
西洋医学では、橋本病(橋本甲状腺炎、慢性甲状腺炎)は「自己免疫反応によって甲状腺組織が破壊され、徐々に甲状腺機能低下症を引き起こす自己免疫性疾患」と定義されています。1912年に日本人医師の橋本策により初めて報告されたことから、この名前が付けられました。
主な原因
- 自己免疫反応:抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)や抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)などの自己抗体が甲状腺組織を攻撃します。
- 遺伝的素因:HLA(ヒト白血球抗原)の特定のタイプや家族歴が発症リスクを高めます。両親や兄弟に自己免疫性甲状腺疾患がある場合、リスクが上昇します。
- 女性ホルモンの影響:女性に多い病気であることから、エストロゲンなどの女性ホルモンとの関連が示唆されています。特に妊娠後や閉経期に発症・悪化することがあります。
- 環境要因:ヨード摂取量の過剰、ウイルス感染、放射線被曝、特定の薬剤(リチウム、インターフェロンなど)、喫煙などが引き金となることがあります。
- ストレス:長期的な精神的・肉体的ストレスは免疫システムの異常を引き起こし、発症や悪化のきっかけとなる可能性があります。
橋本病が発生するメカニズム
橋本病は以下のようなメカニズムで発生します:
- 何らかの要因(遺伝的素因+環境要因)により、免疫システムが甲状腺組織を「異物」と誤認識します。
- TPO抗体やTg抗体などの自己抗体が産生され、甲状腺の細胞を攻撃します。
- 免疫細胞(特にT細胞やマクロファージ)が甲状腺に浸潤し、慢性的な炎症を引き起こします。
- 長期間にわたる炎症により、甲状腺組織が徐々に破壊され、線維化(瘢痕化)が進行します。
- 甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモン(T3・T4)の産生量が減少します。
- 甲状腺ホルモンの低下を補うため、脳下垂体からTSH(甲状腺刺激ホルモン)の分泌が増加しますが、甲状腺の機能不全により十分な甲状腺ホルモンを産生できなくなります。
主な症状
橋本病の症状は、甲状腺機能の状態によって異なります。初期では甲状腺機能が正常なことも多く、症状がほとんど現れないこともあります。病状が進行すると、甲状腺機能低下症の症状が現れます:
- 全身症状:疲労感、倦怠感、寒がり、体重増加(食欲減少にもかかわらず)
- 皮膚・体毛の症状:乾燥肌、皮膚の荒れ、爪の割れやすさ、脱毛、眉毛の外側が薄くなる
- 消化器症状:便秘、消化不良、腹部膨満感
- 循環器症状:徐脈(脈拍が遅くなる)、血圧上昇(特に拡張期血圧)、高コレステロール血症
- 精神・神経症状:記憶力低下、集中力低下、抑うつ気分、無気力、反応の遅さ
- 筋肉・関節症状:筋肉痛、関節痛、筋肉のこわばり、筋力低下
- 生殖器症状:月経過多、月経不順、不妊、性欲低下
- その他:嗄声(声のかすれ)、耳鳴り、むくみ(特に顔や手足)、貧血
- 甲状腺の腫大:首の前面の甲状腺部分が腫れる(びまん性甲状腺腫)ことがあります。ただし、進行した橋本病では甲状腺が萎縮することもあります。
橋本病の初期段階や経過中に、一時的に甲状腺機能亢進症(ハシトキシコーシス)の症状が現れることもあります。これは炎症によって破壊された甲状腺細胞から甲状腺ホルモンが漏れ出すことによるものです。
西洋医学的なアプローチでは、甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン製剤)が主な治療法となります。甲状腺機能低下の程度に応じて薬の量を調整し、定期的に血液検査を行いながら症状をコントロールします。ただし、根本的な自己免疫反応を止める治療法は現在のところ確立されていません。
東洋医学的視点での橋本病の原因とメカニズム
東洋医学での橋本病の捉え方
東洋医学では、橋本病は「癭瘤(えいりゅう)」「頸瘿(けいえい)」などと呼ばれ、主に「脾腎陽虚」(脾臓と腎臓の陽の不足)や「痰湿凝結」(体内の水分代謝の停滞による痰や湿の蓄積)によって引き起こされると考えられています。
関連する経絡
橋本病に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 任脈(にんみゃく):体の前面を通る重要な経絡で、甲状腺の位置に通じています。陰の気を司り、全身の陰経と繋がっています。
- 足の太陰脾経(たいいんひけい):脾臓と関連し、気血の生成や水分代謝に重要な役割を果たします。
- 足の少陰腎経(しょういんじんけい):腎臓と関連し、先天の精を蓄え、体を温め、成長・発育を司ります。
- 手の少陰心経(しょういんしんけい):心と関連し、血脈を統括し、精神活動を司ります。
- 足の少陽胆経(しょうようたんけい):頭部から頸部、体側を通る経絡で、甲状腺周辺の調整に関わります。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、橋本病を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 脾腎陽虚(ひじんようきょ)
特徴:脾臓と腎臓の陽気が不足した状態です。
症状:倦怠感、寒がり、手足の冷え、顔色が淡白、むくみ、腰や膝の冷えと痛み、食欲不振、便が緩い。
改善方法:脾腎の陽を温める温補脾腎の治療が効果的です。
2. 痰湿凝結(たんしつぎょうけつ)
特徴:体内の水分代謝の異常により痰や湿が蓄積し凝結した状態です。
症状:頸部のしこり、むくみ、重だるさ、頭がぼんやりする、胸の詰まり感、痰が多い。
改善方法:痰湿を解消する化痰散結の治療が効果的です。
3. 気血両虚(きけつりょうきょ)
特徴:気と血の両方が不足した状態です。
症状:疲労感、息切れ、無気力、顔色が悪い、めまい、動悸、不眠、記憶力低下。
改善方法:気と血を補う補気養血の治療が効果的です。
4. 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
特徴:肝臓と腎臓の陰液が不足した状態です。
症状:めまい、耳鳴り、腰膝酸軟(腰や膝の疲れやだるさ)、のぼせ、手足の熱感、不眠、イライラ、目の乾燥。
改善方法:肝腎の陰を補う滋陰の治療が効果的です。
5. 心脾両虚(しんぴりょうきょ)
特徴:心と脾の機能が低下した状態です。
症状:不安、動悸、不眠、健忘、食欲不振、倦怠感、顔色が悪い。
改善方法:心と脾を補う補心健脾の治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、橋本病は主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 脾(ひ):消化・吸収を担当し、気血の生成に関わります。脾の機能低下は水湿の停滞を招き、痰湿の形成につながります。また、気血生成の減少は全身の倦怠感や意欲低下の原因となります。
- 腎(じん):先天の精を蓄え、成長・発育・生殖を司り、体を温める働きがあります。腎陽の不足は寒がりや倦怠感、むくみなどの症状を引き起こします。
- 肝(かん):気の巡りを調節し、血を貯蔵する役割があります。肝の機能不全は気の滞りを招き、情緒不安定やホルモンバランスの乱れにつながります。
- 心(しん):血脈を統括し、精神活動を司ります。心の機能低下は不安や不眠、記憶力低下などの精神症状を引き起こします。
- 肺(はい):呼吸を司り、水道の通調に関わります。肺の機能不全は気の巡りが悪くなり、水分代謝の異常を招きます。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化も橋本病の症状に影響すると考えます:
- 冬:寒さにより陽気が弱まりやすく、脾腎陽虚の症状(寒がり、倦怠感など)が悪化しやすい季節です。
- 梅雨や湿度の高い時期:湿気が多い環境は痰湿を助長し、むくみや重だるさが悪化しやすくなります。
- 長期的なストレス環境:精神的緊張が続くと肝の機能が低下し、気の滞りを招きます。
- 不規則な生活習慣:過労、睡眠不足、不規則な食事などは脾の機能を低下させ、気血両虚を招きやすくなります。
- 冷たい食べ物や飲み物の過剰摂取:体内の陽気を弱め、脾腎陽虚を悪化させる可能性があります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | 橋本病、慢性甲状腺炎、橋本甲状腺炎 | 癭瘤(えいりゅう)、頸瘿(けいえい) |
原因の捉え方 | 自己免疫反応による甲状腺組織の破壊、遺伝的素因、環境要因 | 脾腎陽虚、痰湿凝結、気血両虚など五臓のバランス異常 |
診断方法 | 血液検査(TSH、FT3、FT4、抗TPO抗体、抗Tg抗体)、甲状腺エコー、必要に応じて穿刺吸引細胞診 | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診 |
治療アプローチ | 甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン製剤) | 鍼灸治療、漢方薬、体質や証に合わせた養生法 |
治療の焦点 | 不足している甲状腺ホルモンを補い、正常値に調整する | 体全体の陰陽バランスを整え、五臓の機能を調和させる |
治療期間 | 多くの場合、生涯にわたる甲状腺ホルモン補充が必要 | 体質改善を目指し、症状によって期間は異なるが、継続的なケアが有効 |
副作用の考慮 | ホルモン補充量の過不足による甲状腺機能亢進症状や機能低下症状 | 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い |
個人差の考慮 | 甲状腺ホルモン値に基づいた標準的な治療 | 体質や証に基づいた個別的な治療 |
治療の視点 | 病気(橋本病)と症状(甲状腺機能低下症)に対する対処 | 患者の全体的な状態(心身のバランス)を改善する |
西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチで橋本病に対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。西洋医学による診断・治療は必須ですが、東洋医学的アプローチを併用することで、症状の緩和や生活の質の向上、薬の調整に伴う症状の変化への対応などが期待できます。
橋本病を放置するリスク
橋本病は進行が緩やかであることから「様子を見れば良い」と考えられがちですが、適切な治療を受けないと様々な合併症を引き起こす可能性があります。特に甲状腺機能低下症が進行した場合のリスクは見過ごせません。
身体的リスク
- 心血管系への影響:甲状腺機能低下症は高コレステロール血症を引き起こし、動脈硬化や心臓疾患のリスクを高めます。また、心筋の収縮力低下、徐脈、高血圧などを引き起こすこともあります。
- 粘液水腫性昏睡:重度の甲状腺機能低下症が長期間続くと、体温低下、意識障害、低ナトリウム血症などを特徴とする命に関わる緊急事態に陥ることがあります。特に高齢者や感染症、手術、寒冷曝露などのストレスが加わった場合に発症リスクが高まります。
- 貧血:甲状腺機能低下は鉄の吸収障害や、赤血球の産生減少を招き、貧血のリスクを高めます。これにより、倦怠感や息切れがさらに悪化することがあります。
- 不妊や妊娠合併症:甲状腺機能低下は排卵障害や月経不順を引き起こし、不妊の原因となることがあります。また、妊娠中の甲状腺機能低下は、流産、早産、胎児発育不全、児の知能発達への影響などのリスクを高めます。
- 筋肉・骨への影響:長期間の甲状腺機能低下は筋力低下、筋肉痛、関節痛、骨密度低下などを引き起こす可能性があります。
- 消化器症状の悪化:慢性的な便秘は腸閉塞のリスクを高め、消化機能の低下は栄養吸収の問題につながる可能性があります。
- 甲状腺腫の増大:適切な治療を受けないと、甲状腺腫が大きくなり、呼吸や嚥下に影響を与える可能性があります。
- 他の自己免疫疾患の発症リスク:橋本病がある場合、1型糖尿病、関節リウマチ、セリアック病、アジソン病、全身性エリテマトーデスなど他の自己免疫疾患を発症するリスクが高まります。
精神的・社会的リスク
- うつ症状や不安障害:甲状腺機能低下は、脳内の神経伝達物質のバランスに影響を与え、抑うつ気分、不安、無気力などの精神症状を引き起こすことがあります。
- 認知機能への影響:記憶力低下、集中力低下、思考の遅さなどが現れ、日常生活や仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。
- 生活の質の低下:慢性的な疲労感、筋力低下、むくみなどの身体症状により、日常活動が制限され、生活の質が低下することがあります。
- 社会的孤立:疲労感や気分の落ち込みにより、社会活動への参加が減少し、孤立感を感じることがあります。
- 職業的影響:集中力低下や体力の減少により、仕事のパフォーマンスが低下し、キャリアに影響を及ぼす可能性があります。
早期対処の重要性
橋本病は、早期に適切な対処を行うことで、合併症のリスクを減らし、生活の質を維持することができます。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 甲状腺機能低下症の症状を早期に改善できる
- 心血管系合併症などの深刻な健康リスクを減らせる
- 甲状腺ホルモン補充療法の最適な量を早期に見つけられる
- 精神症状や認知機能への悪影響を最小限に抑えられる
- 生活の質の低下を防ぎ、日常生活や仕事への影響を軽減できる
橋本病の症状に気づいたら、「様子を見よう」とせず、早めに内分泌内科や甲状腺専門医に相談することが大切です。また、すでに西洋医学的な治療を受けている方も、症状の緩和や体質改善のために、東洋医学的なアプローチを併用することで、より総合的な健康管理が可能になります。
当院の橋本病施術方法
当院では、橋本病に対して東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで症状の緩和と体質改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、心身のバランスを整えていきます。
【重要なお知らせ】
橋本病は医師による診断と治療が必要な疾患です。当院の鍼灸・整体は、西洋医学的治療の補完として、症状の緩和や体質改善を目的としています。必ず医師の診断を受け、処方された甲状腺ホルモン剤を正しく服用しながら、当院の施術を併用していただくことをお勧めします。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:痛みが少なく、初めての方でも安心して受けられる優しい施術です。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 体を温める施術:多くの橋本病患者様に見られる「脾腎陽虚」に対して、体を温め、代謝を活性化させる施術を行います。
- 水分代謝の改善:むくみやだるさの原因となる「痰湿」を解消するアプローチを取り入れます。
- 自律神経調整:自律神経のバランスを整え、免疫系の過剰反応を緩和します。
施術の流れ
- 問診:症状や生活習慣、既往歴、服用中の薬などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体施術:必要に応じて、自律神経の調整を促す優しい整体施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
橋本病に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、脾胃の機能を高め、全身の気を補う効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、肝・脾・腎の3つの経絡が交わる重要なツボです。水分代謝を改善する効果があります。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎の機能を高め、元気を回復させる効果があります。
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、気の流れを改善し、免疫機能を調整する効果があります。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。
期待できる効果
- 疲労感・倦怠感の軽減:気血の流れを改善し、エネルギーレベルを高めます。
- 冷えの改善:体を温め、末梢循環を促進します。
- むくみの軽減:水分代謝を促進し、むくみや重だるさを改善します。
- 便秘の緩和:腸の機能を活性化し、便通を改善します。
- 精神状態の安定:自律神経のバランスを整え、不安や抑うつ感を軽減します。
- ホルモンバランスの調整:内分泌系の機能を整え、甲状腺ホルモン補充療法の効果を高めます。
- 免疫機能の調整:過剰な自己免疫反応を緩和し、炎症を抑制します。
東洋医学的なアプローチは、西洋医学的な治療と併用することで、より総合的な健康管理が可能になります。当院の施術は、医師による治療の効果を高め、生活の質を向上させることを目的としています。
橋本病に関するよくある質問(FAQ)
はい、鍼灸治療は甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン製剤)などの西洋医学的な治療と併用することができます。むしろ、相乗効果が期待できる場合が多いです。
鍼灸治療は、薬物療法では改善しにくい症状(疲労感、冷え、むくみなど)の緩和や、体質改善に役立つことがあります。また、ホルモン剤の吸収や効果を高める作用も期待できます。
ただし、必ず主治医に鍼灸治療を受けていることをお伝えください。また、初回カウンセリング時に、服用中のお薬について詳しくお聞かせいただくことで、より適切な施術プランをご提案できます。
症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 症状が強い時期:週1〜2回の頻度で1〜2ヶ月程度
- 症状が落ち着いてきた時期:2週間に1回の頻度で2〜3ヶ月程度
- 安定期・メンテナンス期:月1回の頻度で継続
初回のカウンセリングの前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。
橋本病は自己免疫疾患であり、根本的な体質改善には一定の期間が必要です。短期間で症状が緩和されても、再発予防のために定期的なメンテナンスをお勧めします。
鍼灸治療の主な目的は、橋本病に伴う症状の緩和と体質改善にあります。甲状腺ホルモン値そのものを正常化させる効果は限定的ですが、以下のような作用が期待できます:
- 免疫系の調整による自己抗体の活性抑制
- 甲状腺の血流改善
- 内分泌系全体のバランス調整
- 薬剤の吸収や効果を高める可能性
ただし、甲状腺機能低下症が明らかな場合は、医師から処方される甲状腺ホルモン剤の服用が必要です。鍼灸治療は西洋医学的な治療と併用することで、より良い結果が期待できます。
鍼灸治療は特に以下のような橋本病の症状に効果を発揮することが多いです:
- 疲労感・倦怠感
- 冷え症(特に手足の冷え)
- むくみや重だるさ
- 便秘
- 不安やうつ症状
- 集中力・記憶力の低下
- 筋肉痛や関節痛
個人差があり、体質や症状の程度によって改善のスピードや効果は異なります。また、鍼灸治療は症状の緩和だけでなく、体質改善や再発予防も目指しています。長期的な視点での改善を目指すことが大切です。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日の激しい運動や長時間の入浴(サウナなど)は避ける
- アルコールの過剰摂取を控える
- 十分な水分を摂る
- 冷たい飲食物を控え、体を冷やさないよう注意する
- 可能であれば施術後は休息をとる
- 規則正しい生活リズムを心がける
また、稀に施術後に「好転反応」として、一時的にだるさを感じたり、症状が変化したりすることがあります。これは体が調整されていく過程で起こる現象で、通常2〜3日で収まります。気になる場合は院長にご連絡ください。
橋本病改善のための自宅でのセルフケア
橋本病の改善には、医師による治療と当院の施術に加えて、日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と体質改善につながります。
食事療法
- 体を温める食材:生姜、シナモン、黒胡椒、ねぎ、にんにく、羊肉などの温性食材を積極的に取り入れましょう。
- 良質なタンパク質:魚、鶏肉、豆腐、卵などのタンパク質は、甲状腺ホルモンの構成成分となり、代謝を促進します。
- ヨードの適度な摂取:ヨードは甲状腺ホルモンの原料ですが、過剰または不足は症状を悪化させる可能性があります。海藻類は控えめに、医師の指導に従いましょう。
- セレンを含む食品:ブラジルナッツ、まぐろ、卵、ひまわりの種などのセレン含有食品は、甲状腺の機能をサポートします。
- 抗酸化物質が豊富な食品:ブルーベリー、ほうれん草、にんじん、トマトなどの抗酸化物質は免疫系の調整に役立ちます。
- グルテンの制限:橋本病とセリアック病(グルテン過敏症)の関連性が指摘されています。症状がある場合は、小麦製品の摂取を控えてみましょう。
- 消化に優しい食事:温かいスープや煮込み料理など、消化に負担をかけない調理法を選びましょう。
- 控えたい食品:生の冷たい食べ物、乳製品の過剰摂取、精製糖、加工食品、アルコールは体を冷やしたり、炎症を引き起こしたりする可能性があるため、控えめにしましょう。
適切な運動
- 軽度から中程度の有酸素運動:ウォーキング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、全身の血行を促進し、代謝を活性化させます。ただし、疲労感が強い場合は無理をせず、体調に合わせて行いましょう。
- ヨガや太極拳:リラックス効果があり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。特に、体を温めるポーズや呼吸法が有効です。
- 筋力トレーニング:軽いウェイトでの筋力トレーニングは、筋肉量の維持や代謝向上に役立ちます。週2〜3回、無理のない範囲で行いましょう。
- 運動の時間帯:体が温まりやすい午後から夕方にかけての運動がおすすめです。朝の冷え込む時間帯の運動は体に負担をかける可能性があります。
- 運動の注意点:過度な運動は避け、疲労感が続く場合は休息を取りましょう。運動後は十分な水分補給と温かい食事を心がけましょう。
ストレス管理と睡眠
- 十分な睡眠:7〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。寝具や寝室の環境を整え、就寝前の電子機器の使用を控えることも重要です。
- リラクゼーション法:深呼吸、瞑想、ヨガ、マインドフルネスなどのリラクゼーション法を取り入れ、ストレスを軽減しましょう。
- 趣味や楽しみの時間:好きな活動や趣味に定期的に取り組むことで、心の健康を維持しましょう。
- 社会的つながり:家族や友人との良好な関係を維持し、孤立を避けましょう。必要に応じて、サポートグループへの参加も検討してください。
- 時間管理:日常の活動に優先順位をつけ、無理のないスケジュールを立てましょう。疲労感がある場合は、小休止を取ることも大切です。
環境調整
- 体を冷やさない工夫:首や腰、足元を中心に保温することが大切です。季節に合わせた衣服選びや、室温管理に注意しましょう。
- 湿度管理:乾燥しすぎると粘膜が弱くなり、免疫機能に影響します。適切な湿度(40〜60%)を保ちましょう。
- 有害物質の回避:喫煙、過度の飲酒、環境汚染物質への曝露を避けましょう。これらは自己免疫反応を悪化させる可能性があります。
- 入浴習慣:ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆっくりと浸かることで、血行促進やリラックス効果が期待できます。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。全身の気を補い、消化機能を高める効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。水分代謝を改善し、むくみを取る効果があります。
- 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボです。腎の機能を高め、疲労回復に効果があります。
- 関元(かんげん):おへそから指3本分下にあるツボです。元気の源を補い、免疫力を高める効果があります。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、橋本病の症状の緩和と体質改善につながります。ただし、セルフケアはあくまで医師による治療の補完として行い、薬の服用を勝手に中止したり、医師の指示に反したりしないようにしましょう。体調の変化があった場合は、必ず主治医に相談してください。
橋本病のまとめと施術のご案内
橋本病の要約
橋本病(慢性甲状腺炎)は、自己免疫反応によって甲状腺組織が徐々に破壊され、甲状腺機能低下症を引き起こす疾患です。疲労感、冷え、むくみ、体重増加、便秘、記憶力低下など様々な症状が現れます。
西洋医学では、甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン製剤)による治療が主流です。一方、東洋医学では、「脾腎陽虚」「痰湿凝結」などの状態として捉え、体全体の陰陽バランスや気血の流れを整えるアプローチを行います。
橋本病は放置すると、心血管系疾患、粘液水腫性昏睡、不妊、認知機能低下など様々な合併症を引き起こす可能性があるため、適切な管理と治療が重要です。
当院のアプローチの特徴
当院では、橋本病に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った鍼灸治療と、体質に合わせた施術
- 体を温め、水分代謝を改善するアプローチ
- 自律神経の調整と免疫バランスの改善
- 日常生活でのセルフケア方法の指導
当院の施術は、医師による西洋医学的治療と併用していただくことで、より高い効果を発揮します。症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善を目指し、生活の質の向上をサポートします。多くの患者様から「疲れにくくなった」「冷えが改善した」「むくみが軽減した」「便秘が改善した」などのお声をいただいております。
【重要なお知らせ】
橋本病の治療には、必ず内分泌内科や甲状腺専門医による定期的な診察と検査が必要です。当院の施術は西洋医学的治療を補完するものであり、代替するものではありません。医師の治療と並行して当院の施術を受けていただくことをお勧めします。
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橋本病の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。
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橋本病は適切な管理と治療で症状をコントロールし、健やかな日常生活を取り戻すことができます。当院では、あなたの橋本病の症状緩和と体質改善をサポートし、生活の質の向上のお手伝いをいたします。
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