掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 手のひらや足の裏に小さな水疱や膿疱ができる
- 水疱が破れた後にかさぶたとなり、その後皮がむける
- 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返している
- 手のひらや足の裏の痛みやかゆみで日常生活に支障がある
- 病院で治療を受けても完治せず、症状が長引いている
- 季節の変わり目や精神的ストレスで症状が悪化する
掌蹠膿疱症は、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に無菌性の小さな水疱や膿疱が繰り返し現れる慢性的な皮膚疾患です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、完治が難しいとされています。また、指や爪の変形、関節炎などを伴うこともあります。
この記事では、掌蹠膿疱症の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように掌蹠膿疱症の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学の視点から見た掌蹠膿疱症の原因とメカニズム
掌蹠膿疱症とは
西洋医学では、掌蹠膿疱症は「手のひらと足の裏に無菌性の小さな水疱や膿疱が繰り返し現れる慢性炎症性皮膚疾患」と定義されています。1970年代に初めて独立した疾患として認識され、現在では自己免疫疾患の一種と考えられています。
主な原因
- 免疫系の異常:掌蹠膿疱症は自己免疫疾患の一種と考えられ、免疫系が過剰に反応することで炎症が起こります。
- 金属アレルギー:歯科金属(特に銀歯に含まれる水銀やパラジウム)などの金属アレルギーが関連していることがあります。
- 扁桃腺の慢性炎症:扁桃腺の慢性炎症や感染が引き金となることがあり、扁桃腺摘出後に症状が改善するケースも報告されています。
- 遺伝的要因:家族内発症も見られることから、遺伝的な素因も関与していると考えられています。
- 環境因子:喫煙は掌蹠膿疱症の発症リスクを高め、症状を悪化させることが知られています。
- 精神的ストレス:ストレスが症状の悪化を引き起こすことがあります。
掌蹠膿疱症が発生するメカニズム
掌蹠膿疱症は以下のようなメカニズムで発生すると考えられています:
- 何らかの刺激(感染、金属アレルギー、薬剤など)が引き金となり、免疫系が過剰に反応します。
- 好中球(白血球の一種)が皮膚の表皮に異常に集まり、小さな膿疱を形成します。
- これらの膿疱は数日間で乾燥してかさぶたとなり、やがて皮がむけます。
- 新しい膿疱が次々と現れ、慢性的な炎症状態が続きます。
- 長期間の炎症により、皮膚が赤くなったり厚くなったりし、皮膚の角質層の過形成が起こります。
- 一部の患者さんでは、指や爪の変形、関節炎(特に胸肋関節炎)を伴うこともあります(SAPHO症候群)。
主な症状
- 水疱・膿疱:手のひらや足の裏に1~5mm程度の小さな水疱や膿疱が多発します。
- 皮むけ・落屑:膿疱が乾燥した後、皮膚がむけ落ちます。
- 発赤・肥厚:慢性的な炎症により、皮膚が赤くなったり厚くなったりします。
- 痛み・かゆみ:膿疱や炎症により、痛みやかゆみを感じることがあります。
- 亀裂・ひび割れ:皮膚の肥厚に伴い、亀裂やひび割れが生じることがあります。
- 爪の変形:爪の変色、肥厚、変形などが起こることがあります。
- 関節症状:一部の患者さんでは、前胸部や脊椎などの関節炎を伴うことがあります。
西洋医学的なアプローチでは、症状の軽減を目的としたステロイド外用薬や免疫抑制剤、生物学的製剤などによる薬物療法、紫外線療法、原因となっている要因(金属アレルギーなど)の除去が行われますが、完全な治療法はまだ確立されていません。長期的な管理と症状のコントロールが治療の中心となります。
東洋医学の視点から見た掌蹠膿疱症の原因とメカニズム
東洋医学での掌蹠膿疱症の捉え方
東洋医学では、掌蹠膿疱症を「風熱」「湿熱」「血熱」「気滞」「腎虚」などの病態が複合的に関与する疾患と捉えます。特に体内の「熱」や「毒」が手足末端に蓄積することで発症すると考えられています。また、「肺」「肝」「脾」「腎」などの臓腑の機能不全も関与すると考えられています。
関連する経絡
掌蹠膿疱症に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 手の太陰肺経(たいいんはいけい):肺は皮膚や毛を支配し、体の表面の防御機能に関わる経絡です。
- 手の厥陰心包経(けついんしんぽうけい):手のひら(掌)を通る経絡で、掌の異常に関連します。
- 足の厥陰肝経(けついんかんけい):肝は血を蔵し、血の循環を調節する働きがあり、皮膚の状態にも影響します。
- 足の太陰脾経(たいいんひけい):脾は水湿の代謝を担当し、湿の病態に関わります。
- 足の少陰腎経(しょういんじんけい):腎は水の代謝を担当し、体内の水分バランスに関わります。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、掌蹠膿疱症を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 風熱証(ふうねつしょう)
特徴:外部からの風熱の邪が皮膚に侵入した状態です。
症状:初期の掌蹠膿疱症で、発疹の出現が急で、かゆみを伴い、症状の変化が早い。のどの痛み、微熱、倦怠感などを伴うことがあります。
改善方法:風熱を取り除き、清熱解毒する治療が効果的です。
2. 湿熱証(しつねつしょう)
特徴:体内に湿と熱が蓄積した状態です。
症状:膿疱が多く、皮膚が赤くなり、熱感やじくじくした感じがある。舌に黄色い苔がつき、脈が滑数。消化不良、便秘または下痢などの消化器症状を伴うことがあります。
改善方法:清熱利湿(熱を冷まし、湿を取り除く)の治療が効果的です。
3. 血熱証(けつねつしょう)
特徴:血の中に熱が蓄積した状態です。
症状:発疹が赤く、出血しやすい。のぼせやほてり、イライラ、不眠、口渇などを伴うことがあります。舌が赤く、脈が細数。
改善方法:清熱涼血(熱を冷まし、血を冷やす)の治療が効果的です。
4. 気滞血瘀証(きたいけつおしょう)
特徴:気の流れが滞り、血の循環が悪くなった状態です。
症状:慢性的な掌蹠膿疱症で、皮膚が暗赤色や紫色を帯び、痛みを伴うことがある。ストレスや情緒不安定で症状が悪化し、胸脇部の張りや月経不順(女性の場合)などを伴うことがあります。
改善方法:疏肝解鬱活血化瘀(肝の気の流れを改善し、血行を促進する)の治療が効果的です。
5. 腎陰虚証(じんいんきょしょう)
特徴:腎の陰が不足し、相対的に陽が亢進した状態です。
症状:長期間持続する掌蹠膿疱症で、皮膚が乾燥し、かさかさしている。夜間のほてりや寝汗、腰や膝の痛み、疲れやすさなどを伴うことがあります。
改善方法:滋陰降火(陰を補い、火を鎮める)の治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、掌蹠膿疱症は主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肺(はい):肺は皮膚や毛を支配し、体の表面の防御機能を担います。肺の機能が低下すると、皮膚の防御機能が弱まり、外邪の侵入を許すことがあります。
- 肝(かん):肝は血を蔵し、気の流れを調節します。肝の機能不全は気の滞りや血の循環不良を引き起こし、皮膚の状態に影響します。また、ストレスなどの情緒的要因は肝に影響を与えます。
- 脾(ひ):脾は水湿の代謝を担当し、消化吸収に関わります。脾の機能低下は湿の停滞を招き、皮膚疾患の原因となることがあります。
- 腎(じん):腎は水の代謝を担当し、体内の水分バランスに関わります。また、先天の精気を蔵し、成長や老化に関与します。腎の機能低下は慢性的な皮膚疾患につながることがあります。
- 胃腸(いちょう):消化器系の不調は「湿熱」の原因となり、皮膚疾患に影響することがあります。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化も掌蹠膿疱症の症状に影響すると考えます:
- 春:肝の気が上昇する季節で、気滞血瘀証の方は症状が悪化しやすい時期です。
- 夏:暑さと湿度が高く、湿熱証の症状が悪化しやすい季節です。
- 秋:乾燥する時期で、風熱証や血熱証の方は注意が必要です。
- 冬:寒さにより血液循環が悪くなり、腎陰虚証の方は症状が悪化しやすくなります。
- 湿度の高い環境:湿度が高い環境は湿熱証の症状を悪化させることがあります。
- ストレスの多い環境:ストレスは肝の気の流れに影響し、気滞血瘀証の方の症状を悪化させることがあります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | 掌蹠膿疱症(Palmoplantar Pustulosis) | 手足膿疱瘡(しゅそくのうほうそう) |
原因の捉え方 | 自己免疫疾患、金属アレルギー、扁桃腺の慢性炎症、遺伝的要因、喫煙などの環境因子 | 風熱、湿熱、血熱、気滞血瘀、腎陰虚などの体内バランスの乱れ |
診断方法 | 視診、皮膚生検、パッチテスト(金属アレルギーの検査)、血液検査など | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、舌診、脈診 |
治療アプローチ | ステロイド外用薬、ビタミンD3軟膏、免疫抑制剤、生物学的製剤、紫外線療法、扁桃腺摘出術、原因となる金属の除去など | 鍼灸治療、漢方薬、食養生、体質改善、ライフスタイルの調整 |
治療の焦点 | 炎症の抑制、症状の緩和、再発の予防 | 体質改善、気血水のバランス調整、内臓機能の調整 |
副作用の考慮 | ステロイド外用薬の長期使用による皮膚萎縮、免疫抑制剤や生物学的製剤による感染リスクの増加など | 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い |
個人差の考慮 | 症状の重症度や原因に基づいた標準的な治療 | 証(体質や症状のパターン)に基づいた個別的な治療 |
生活習慣の重視 | 禁煙、アレルゲンの回避などの指導 | 食養生、精神的ストレスの管理、体質に合わせた生活習慣の調整 |
西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なる視点から掌蹠膿疱症にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。
掌蹠膿疱症を放置するリスク
掌蹠膿疱症は「単なる皮膚の病気」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。
身体的リスク
- 症状の悪化・拡大:治療せずに放置すると、症状が悪化したり、範囲が広がったりする可能性があります。
- 二次感染:皮膚の防御機能が低下し、細菌やウイルス、真菌などによる二次感染を起こすリスクが高まります。
- 爪の変形・脱落:爪近くの皮膚に炎症が起こると、爪の変形や脱落を引き起こすことがあります。
- 関節炎の発症:掌蹠膿疱症に関連して、前胸部や脊椎の関節炎(SAPHO症候群)を発症するリスクがあります。
- 皮膚の瘢痕化:慢性的な炎症により、皮膚に瘢痕(傷跡)が残ることがあります。
- 他の自己免疫疾患の発症:一つの自己免疫疾患を放置すると、他の自己免疫疾患を発症するリスクが高まることがあります。
精神的・社会的リスク
- 日常生活への支障:手や足に痛みやかゆみがあると、日常生活の様々な活動(料理、掃除、仕事など)に支障をきたす可能性があります。
- 外見的な問題:手足の見える部分に症状があると、他人の目を気にしたり、自己意識が低下したりすることがあります。
- 睡眠障害:かゆみや痛みにより、十分な睡眠が取れなくなることがあります。
- ストレスの増加:症状の悪化と改善を繰り返すことで、精神的ストレスが増加することがあります。
- 社会的孤立:症状や見た目を気にして、人との交流を避けることで、社会的に孤立する可能性があります。
- 仕事への影響:手作業が多い職業では、仕事のパフォーマンスが低下したり、休職を余儀なくされたりすることがあります。
早期対処の重要性
掌蹠膿疱症は、早期に適切な対処を行うことで症状を緩和し、合併症のリスクを減らすことができます。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 症状の悪化を防ぎ、炎症の範囲を最小限に抑えられる
- 関節炎などの合併症の発症リスクを減らせる
- 日常生活への影響を最小限に抑えられる
- 治療効果が現れやすく、寛解状態に早く導ける可能性がある
- 精神的・社会的問題を未然に防ぐことができる
掌蹠膿疱症の症状が現れたら、「様子を見よう」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。当院では、症状の早期改善と再発予防のための総合的なアプローチを行っています。
当院の掌蹠膿疱症施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで掌蹠膿疱症の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、身体のバランスを整えていきます。
施術の特徴
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療:患部から離れた部位のツボを使用することで、身体に負担をかけず、全身のバランスを整える施術を行います。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 体質改善:単に症状を抑えるだけでなく、根本的な体質改善を目指した施術を行います。
- ライフスタイルの調整:食事や生活習慣のアドバイスを通じて、体内環境の改善をサポートします。
- ストレス管理:自律神経のバランスを整え、ストレスに強い体づくりをサポートします。
施術の流れ
- 問診:症状や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。掌蹠膿疱症の発症時期、悪化・改善のきっかけ、これまでの治療歴などもお伺いします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 整体:必要に応じて、自律神経のバランスを整える優しい整体施術を行います。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。特に手足のツボを中心に全身のバランスを整えていきます。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
掌蹠膿疱症に効果的なツボ
当院では例えば以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根のくぼみにあるツボで、免疫力の向上や熱を冷ます効果があります。
- 曲池(きょくち):肘を曲げたときにできる外側のくぼみにあるツボで、皮膚疾患全般に効果があります。
- 血海(けっかい):膝の上内側のふくらみの上部にあるツボで、血の巡りを改善する効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、体内の水分バランスを整える効果があります。
- 太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の付け根のくぼみにあるツボで、肝の機能を高め、気の流れを改善します。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。当院では、患部に直接刺激を与えるよりも、遠隔治療による全身のバランス調整を重視しています。
掌蹠膿疱症に関するよくある質問(FAQ)
症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 軽度の症状:週1回の頻度で2〜3ヶ月程度
- 中程度の症状:週1〜2回の頻度で3〜4ヶ月程度
- 重度の症状:週2回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていく
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。掌蹠膿疱症は慢性疾患であり、急激な改善は難しいことが多いですが、継続的な施術により徐々に症状の緩和と再発の頻度・程度の軽減が期待できます。症状が安定した後も、定期的なメンテナンス(月1回程度)を受けることで、再発予防につながります。
掌蹠膿疱症は慢性的な再発性疾患であり、西洋医学的には「完治」が難しいとされることが多いです。しかし、東洋医学的なアプローチにより、体質改善や免疫機能の調整を行うことで、症状の大幅な緩和や寛解状態(症状がほとんど出ない状態)に導くことが可能です。
実際に、当院で継続的に施術を受けられた方の中には、長期間症状が出ないケースや、出ても非常に軽度で日常生活に支障がないレベルに改善されたケースがあります。重要なのは、施術だけでなく、生活習慣の改善や食事の見直し、ストレス管理なども含めた総合的なアプローチを続けることです。
ただし、体質や症状の程度、原因によって個人差があるため、一人ひとりの状況に合わせた現実的な目標を設定し、徐々に改善を目指していくことが大切です。
はい、掌蹠膿疱症と食事には関連があると考えられています。東洋医学では、特に以下のような食品が症状に影響を与える可能性があります:
- 体を熱くする食品:辛い食品(唐辛子、山椒など)、揚げ物、アルコール、チョコレート、肉類(特に羊肉や鶏肉)などは血熱証や湿熱証の方の症状を悪化させることがあります。
- アレルギー反応を起こす食品:小麦、乳製品、卵、ナッツ類など、個人によってアレルギー反応を起こす食品が症状を悪化させることがあります。
- 精製糖や加工食品:糖分の過剰摂取や食品添加物は炎症を促進し、免疫バランスを崩す可能性があります。
一方、以下のような食品は症状の改善に役立つ可能性があります:
- 抗炎症作用のある食品:緑黄色野菜、ベリー類、オメガ3脂肪酸を含む食品(亜麻仁油、えごま油、青魚など)
- 体を冷やす食品:きゅうり、冬瓜、緑豆、レタスなど(特に血熱証の方に有効)
- 利水作用のある食品:とうもろこしのひげ茶、赤小豆、ハトムギなど(特に湿熱証の方に有効)
当院では、患者さんの体質や証に合わせた個別の食事アドバイスを行っています。ただし、食事制限だけで症状を完全にコントロールすることは難しく、総合的な治療アプローチの一部として考えることが重要です。
はい、掌蹠膿疱症と扁桃腺(へんとうせん)には関連があることが知られています。西洋医学では、「扁桃病巣感染説」という考え方があり、扁桃腺の慢性炎症や感染が掌蹠膿疱症の発症や悪化のきっかけになることがあるとされています。
実際に、扁桃腺摘出術(扁摘)を受けた掌蹠膿疱症患者の約60〜70%で症状の改善が見られたという報告もあります。特に、以下のような方は扁桃腺との関連が強い可能性があります:
- のどの痛みや発熱と掌蹠膿疱症の症状悪化が一致することが多い
- 過去に扁桃腺炎を繰り返している
- 扁桃腺が常に腫れている、または石のようなものができやすい
東洋医学では、扁桃腺の問題も含めた全身のバランスの乱れとして捉え、特に「風熱」や「湿熱」が体内に蓄積することで掌蹠膿疱症が発症すると考えます。当院では、扁桃腺の状態も含めた総合的な診断を行い、体全体のバランスを整える施術を提供しています。
扁桃腺摘出術を検討されている場合は、耳鼻咽喉科医との連携も大切です。鍼灸治療と西洋医学的アプローチを併用することで、より効果的な治療が期待できる場合もあります。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 水分摂取:十分な水分を摂り、体内の老廃物の排出を促しましょう。
- 入浴:施術当日の長時間の入浴や熱い湯での入浴は避け、ぬるめのシャワーや半身浴がおすすめです。
- 食事:施術後は消化の良いものを摂り、辛いもの、アルコール、刺激物は控えめにしましょう。
- 休息:可能であれば施術後は無理をせず、適度な休息を取りましょう。
- 患部のケア:患部は清潔に保ち、過度な刺激(こすり過ぎ、熱い湯につける、強い洗剤を使うなど)は避けましょう。
また、施術後に「好転反応」として、一時的に症状が強くなったり、だるさや眠気を感じたりすることがあります。これは体が治癒に向かうプロセスの一部で、通常2〜3日で収まります。気になる場合は院長にご相談ください。
掌蹠膿疱症改善のための自宅でのセルフケア
掌蹠膿疱症の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。
スキンケア
- 優しい洗浄:刺激の少ない石鹸を使い、ぬるま湯で優しく洗いましょう。強くこすらないようにしてください。
- 保湿:無香料・無着色の保湿剤を使用し、皮膚の乾燥を防ぎましょう。特に入浴後は皮膚が湿っている間に保湿することが効果的です。
- 刺激の回避:手袋の着用(家事や仕事中)、化学物質や刺激物との接触を避けるなど、皮膚への刺激を最小限に抑えましょう。
- 温度・湿度の管理:極端な温度や湿度は症状を悪化させることがあります。適切な温度・湿度を保ち、特に汗をかいたらすぐに拭くようにしましょう。
食事の見直し
- 抗炎症食品の摂取:オメガ3脂肪酸(亜麻仁油、えごま油、青魚など)、抗酸化物質を含む食品(ベリー類、緑黄色野菜など)を積極的に摂りましょう。
- 刺激物の制限:辛い食品、アルコール、カフェイン、喫煙などは症状を悪化させることがあるため、控えめにしましょう。
- 精製糖と加工食品の制限:精製された糖分や加工食品は炎症を促進する可能性があるため、控えめにしましょう。
- 体質に合わせた食事:東洋医学的な体質(証)に合わせた食事を心がけましょう。例えば、血熱証の方は体を冷やす食品(きゅうり、冬瓜など)が、湿熱証の方は利水作用のある食品(とうもろこしのひげ茶、赤小豆など)が有効です。
ストレス管理
- リラクゼーション法:深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法を取り入れ、ストレスを軽減しましょう。
- 適度な運動:ウォーキングや軽い水泳など、適度な有酸素運動は心身のストレス解消につながります。
- 十分な睡眠:質の良い睡眠は免疫機能の調整やストレス軽減に重要です。規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
- 趣味の時間:好きなことや趣味に取り組む時間を定期的に持つことで、精神的な余裕が生まれます。
環境調整
- アレルゲンの回避:金属アレルギーが関与している場合は、原因となる金属(歯科金属を含む)との接触を避けましょう。
- 室内環境の整備:適切な温度・湿度を保ち、ハウスダストやカビを減らすなど、居住環境を整えましょう。
- 化学物質の削減:強い洗剤や化学物質を含む製品の使用を減らし、自然素材の製品を選ぶようにしましょう。
- 禁煙:喫煙は掌蹠膿疱症の発症リスクを高め、症状を悪化させることが知られています。禁煙することで症状の改善が期待できます。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根のくぼみにあるツボです。免疫力を高め、熱を冷ます効果があります。
- 曲池(きょくち):肘を曲げたときにできる外側のくぼみにあるツボです。皮膚疾患全般に効果があります。
- 血海(けっかい):膝の上内側のふくらみの上部にあるツボです。血の巡りを改善する効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。体内の水分バランスを整える効果があります。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、掌蹠膿疱症の症状を和らげることができます。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。日々の小さな積み重ねが大きな変化につながります。
掌蹠膿疱症のまとめと施術のご案内
掌蹠膿疱症の要約
掌蹠膿疱症は、手のひらと足の裏に小さな水疱や膿疱が繰り返し現れる慢性炎症性の皮膚疾患です。西洋医学では自己免疫疾患の一種と考えられ、金属アレルギー、扁桃腺の慢性炎症、遺伝的要因、環境因子などが原因として挙げられています。東洋医学では、風熱、湿熱、血熱、気滞血瘀、腎陰虚などの体内のバランスの乱れが原因とされています。
掌蹠膿疱症は完治が難しく、症状の緩和と再発予防が治療の中心となります。放置すると症状の悪化だけでなく、爪の変形や関節炎などの合併症を引き起こすリスクがあるため、早期からの適切な対処が重要です。
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的なアプローチで、掌蹠膿疱症の根本改善を目指します。手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療、体質改善、ライフスタイルの調整などを通じて、症状の緩和と再発防止をサポートします。
当院のアプローチの特徴
当院では、掌蹠膿疱症に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や証に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療
- 食事や生活習慣のアドバイスを通じた体内環境の改善
- ストレス管理と自律神経バランスの調整
- 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術
多くの患者様から「症状の出現頻度が減った」「膿疱の数が減少した」「痛みやかゆみが軽減した」「日常生活が快適になった」などのお声をいただいております。掌蹠膿疱症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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日曜・祝日 休み
掌蹠膿疱症は辛い症状ですが、適切なケアで必ず改善できます。当院では、あなたの掌蹠膿疱症の根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)
(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。
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