手根管症候群

 

手根管症候群でお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 手や指(特に親指、人差し指、中指)がしびれる、痛む
  • 夜中に手のしびれで目が覚めることがある
  • 物をつかんだり握ったりする力が弱くなった
  • 細かい作業が以前より難しくなった(ボタン留め、文字を書くなど)
  • 手首を曲げると症状が悪化する
  • ものを落としやすくなった

手根管症候群は、手首の「手根管」と呼ばれる狭い通路で正中神経が圧迫されることで起こる症状です。パソコン作業や手を多く使う仕事、妊娠中の方など様々な原因で発症し、放置すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

この記事では、手根管症候群の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように手根管症候群の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。

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西洋医学の視点から見た手根管症候群の原因とメカニズム

手根管症候群とは

手根管症候群は、手首の手根管(手首の骨と靭帯で形成される通路)内で正中神経が圧迫されることにより起こる神経障害です。正中神経は、親指、人差し指、中指、薬指の一部の感覚と、親指の付け根の筋肉の運動を支配している神経で、これが圧迫されると様々な症状が現れます。

主な原因

  • 反復動作による炎症:キーボードタイピング、スマートフォン操作、工具の使用など、手首を繰り返し使う動作により腱や腱鞘に炎症が起こり、手根管が狭くなります。
  • 手首の姿勢:手首を極端に曲げた姿勢や伸ばした姿勢を長時間続けることで、正中神経への圧迫が増加します。
  • ホルモンバランスの変化:妊娠中や更年期の女性は体内の水分貯留により手根管内の圧力が上昇し、症状が現れやすくなります。
  • 外傷や骨折:手首の骨折や脱臼など、手首の構造に影響を与える怪我が原因となることがあります。
  • 全身疾患:糖尿病、甲状腺機能障害、関節リウマチなどの疾患は手根管症候群のリスクを高めます。
  • 解剖学的要因:手根管の先天的な狭さや、手首の骨の変形などが原因となることもあります。

手根管症候群が発生するメカニズム

手根管症候群は以下のようなメカニズムで発生します:

  1. 何らかの原因(反復動作、姿勢、ホルモンバランスなど)により、手根管内の腱や腱鞘に炎症や腫れが生じます。
  2. 腫れた組織が手根管内の限られた空間を占め、正中神経を圧迫し始めます。
  3. 神経の圧迫により、血流が阻害され、機能障害が起こります。
  4. 初期段階では一時的なしびれや痛みが現れ、圧迫が続くと症状が慢性化し、神経の恒久的な損傷につながる可能性があります。
  5. 重症になると、親指の筋肉(母指球筋)の萎縮が起こり、手の機能が著しく低下します。

主な症状

  • しびれや痛み:親指、人差し指、中指、および薬指の親指側半分にしびれや痛みが現れます。特に夜間や朝方に症状が悪化することが多いです。
  • 握力の低下:物をつかむ力が弱くなり、物を落としやすくなります。
  • 手の不器用さ:細かい作業が困難になり、ボタンを留めたり、文字を書いたりすることが難しくなります。
  • 感覚の鈍り:指先の感覚が鈍くなり、温度や触感の判別が難しくなることがあります。
  • 放散痛:痛みが手首から前腕、肘、さらには肩にまで広がることがあります。
  • 母指球筋の萎縮:重症の場合、親指の付け根の筋肉(母指球筋)が痩せて平らになることがあります。

西洋医学的なアプローチでは、初期段階ではブレースの装着や抗炎症薬の使用、生活習慣の改善などの保存療法が行われます。症状が重度の場合や保存療法で改善しない場合は、手術療法が検討されることもあります。

東洋医学の視点から見た手根管症候群の原因とメカニズム

東洋医学での手根管症候群の捉え方

東洋医学では、手根管症候群を「気血の滞り」や「経絡の不調」により起こる状態と捉えます。特に手の部分を流れる経絡(けいらく)の流れが滞ることで、痛みやしびれなどの症状が現れると考えられています。

関連する経絡

手根管症候群に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい):人差し指から肩へと流れる経絡で、手首周辺の痛みやしびれに関連します。
  • 手の太陰肺経(たいいんはいけい):親指から肺へと流れる経絡で、上肢内側の感覚や痛みに関わります。
  • 手の厥陰心包経(けついんしんほうけい):中指から胸へと流れる経絡で、手のしびれや痛みに関連します。
  • 手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい):薬指から頭へと流れる経絡で、手首や腕の痛みに関わります。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、手根管症候群を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 気滞血瘀(きたいけつお)

特徴:気と血の流れが停滞している状態です。
症状:手首や手のしびれや痛みが強く、特に夜間に悪化する。指の動きが制限され、刺すような痛みがある。
原因:反復動作やストレス、過労などにより気血の流れが滞っています。
改善方法:気血の流れを促進する活血化瘀の治療が効果的です。

2. 湿痰阻絡(しつたんそらく)

特徴:体内に湿や痰が蓄積し、経絡の流れを妨げている状態です。
症状:手首の腫れや重だるさ、しびれ感が持続的にある。湿度の高い日に症状が悪化する。
原因:湿気の多い環境での生活や、脾の機能低下により体内に水分が滞留しています。
改善方法:湿や痰を取り除く祛湿化痰の治療が効果的です。

3. 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)

特徴:肝臓と腎臓の陰が不足した状態です。
症状:夜間のしびれや痛みが強く、安静にしていても症状がある。疲れやすく、めまいや耳鳴りを伴うことがある。
原因:加齢や慢性的な疲労、ストレスにより肝腎の陰が消耗しています。
改善方法:肝腎の陰を補う滋陰の治療が効果的です。

4. 気血両虚(きけつりょうきょ)

特徴:気と血の両方が不足した状態です。
症状:軽度のしびれや痛み、手の疲れやすさ、顔色が悪く、息切れしやすい。
原因:栄養不足、過労、出血、長期の病後などにより気血が不足しています。
改善方法:気血を補う補気養血の治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、手根管症候群は以下の臓腑の機能と関連しています:

  • 肝(かん):肝は筋(筋肉や腱)を支配し、血を蓄える役割があります。肝の機能低下は筋肉や腱の緊張、血行不良を引き起こし、手根管症候群の一因となります。
  • 脾(ひ):脾は水湿の代謝を担当しており、脾の機能低下は体内の水分代謝の乱れを引き起こし、手首周辺の腫れや浮腫の原因となります。
  • 腎(じん):腎は骨を司り、髄(神経や脳)を生成する役割があります。腎の陰虚は神経機能の低下を招き、しびれや感覚異常の原因となります。
  • 心包(しんぽう):心包経は手の中指を通り、手首の前面を走行します。心包の機能低下は手の痛みやしびれに関連します。

東洋医学から見た発症要因

東洋医学では、手根管症候群の発症に以下のような要因が関わると考えます:

  • 過労・過使用:同じ動作の繰り返しや過度の労働により、経絡の流れが滞り、気血の巡りが悪くなります。
  • 寒湿の侵入:寒さや湿気にさらされることで、経絡の流れが阻害されます。特に冷たい水に手をさらす作業をする人に多く見られます。
  • 情志(感情)の失調:過度のストレスや怒りは肝の気の流れを滞らせ、手の症状を悪化させることがあります。
  • 飲食不節:不規則な食生活や偏った食事は脾胃の機能を低下させ、水湿の代謝障害を引き起こします。
  • 先天的・体質的要因:生まれつき気血が不足している体質の人は、手根管症候群を発症しやすい傾向があります。

東洋医学では、このように体質や生活環境、情志の状態などを総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
原因の捉え方 手根管内の正中神経の物理的圧迫(炎症、浮腫など) 気血の滞り、経絡の流れの阻害、五臓(特に肝・脾・腎)の機能低下
診断方法 神経伝導検査、ティネル徴候、ファーレン徴候などの理学的検査、MRIなどの画像検査 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診
治療アプローチ 手首のサポーター固定、抗炎症薬、ステロイド注射、重症例では手術 鍼灸治療、漢方薬、体質改善、生活指導
治療の焦点 局所的な神経圧迫の解消、炎症の軽減 全身的な気血のバランス調整、臓腑機能の改善
副作用の考慮 薬物療法で胃腸障害や肝機能障害の可能性、手術で合併症のリスク 体質に合った鍼灸や漢方を用いることで副作用のリスクは比較的低い
個人差の考慮 症状の重症度に応じた標準的な治療 体質や証に基づいた個別的な治療
再発予防 人間工学的な作業環境の改善、手首の負担を減らす 体質改善、生活習慣の見直し、気血のバランスを保つ
保険適用 診断や治療の多くが保険適用 自費診療が基本(一部の漢方薬は保険適用)

西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なるアプローチで手根管症候群に対処しますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

手根管症候群を放置するリスク

手根管症候群は「単なる手のしびれ」と軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。

身体的リスク

  • 神経の永久的な損傷:長期間の圧迫により、正中神経が不可逆的な損傷を受け、完全に回復しなくなるリスクがあります。
  • 母指球筋の萎縮:正中神経は親指の付け根の筋肉(母指球筋)を支配しています。長期間の神経障害により、この筋肉が萎縮し、手の力や機能が著しく低下します。
  • 感覚の永久的な喪失:神経障害が進行すると、指先の感覚が鈍くなったり、完全に失われたりする可能性があります。
  • 慢性的な痛み:治療が遅れると、痛みが慢性化し、日常的に痛みを抱えることになります。
  • 関連する痛みの広がり:手首の問題が長期化すると、代償動作により肘や肩、首などにも痛みが広がることがあります。

日常生活への影響

  • 仕事への支障:キーボード操作、手作業、工具の使用など、多くの職業において作業効率の低下や休職を余儀なくされることがあります。
  • 日常動作の制限:ボタンの留め外し、文字を書く、食事の準備、お風呂でのボディーソープやシャンプーの使用など、基本的な日常動作が困難になります。
  • 睡眠障害:夜間の痛みやしびれにより睡眠が中断され、慢性的な睡眠不足や疲労感につながります。
  • 趣味活動の制限:楽器演奏、編み物、ガーデニング、スポーツなど、手を使う趣味を楽しめなくなります。

精神的・社会的影響

  • 自己肯定感の低下:基本的な動作ができないことによる無力感や依存感が生じることがあります。
  • 慢性的なストレス:継続的な痛みや機能障害による精神的ストレスが蓄積します。
  • 社会的孤立:活動制限により社交の機会が減り、孤立感を感じることがあります。
  • 経済的影響:仕事の能率低下や休職による収入減少、治療費の負担などが生じます。

早期対処の重要性

手根管症候群は、早期に適切な対処を行うことで多くの場合改善が期待できます。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 神経の永久的な損傷を防ぐことができる
  • 保存的治療(手術以外の方法)で改善する可能性が高まる
  • 回復期間が短縮される
  • 日常生活や仕事への影響を最小限に抑えられる
  • 慢性的な痛みや機能障害の発生を防げる

手や指のしびれや痛み、握力の低下などの症状を感じたら、「単なる疲れ」と放置せず、早めに専門家に相談することをおすすめします。当院では、手根管症候群の早期発見・早期治療を重視しています。

当院の手根管症候群施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで手根管症候群の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、正中神経の圧迫を緩和すると同時に、体全体のバランスを整えていきます。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療:手首の症状が強い部分から離れたツボを使うことで、負担の少ない施術を実現します。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 整体:緊張した前腕の筋肉や筋膜を緩める技術を用いて、手首や手の血流や神経の通りを改善します。
  • 経絡調整:手の経絡(特に肺経、大腸経、心包経)の流れを整え、気血の巡りを改善します。
  • 生活・姿勢指導:日常生活での手首の使い方や作業環境について、個別にアドバイスを行います。

施術の流れ

  1. 問診:症状の詳細や生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 整体施術:前腕や手首、肩の筋肉バランスを整える施術を行います。
  4. 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

手根管症候群に効果的なツボ

当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、手の痛みやしびれに効果があります。
  • 内関(ないかん):手首から3本指分上の腕の内側にあるツボで、手首の症状や心包経の調整に効果的です。
  • 外関(がいかん):内関と反対側の腕の外側にあるツボで、手の痛みを緩和します。
  • 列缺(れっけつ):手首の少し上、親指側の腕にあるツボで、肺経の流れを調整し、手のしびれに効果があります。
  • 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、全身の気を補い、疲労回復に効果があります。
  • 三陰交(さんいんこう):足首の内側にあるツボで、肝・脾・腎の機能を調整し、体全体のバランスを整えます。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。

手根管症候群に関するよくある質問(FAQ)

Q: 手根管症候群は完全に治りますか?

手根管症候群の改善度合いは、症状の程度や期間、原因、年齢などによって個人差があります。早期に適切な治療を受けた場合、多くの方は症状が大幅に軽減または完全に回復します。

軽度から中等度の症状であれば、保存的治療(鍼灸治療、手首のブレース、生活習慣の改善など)で改善することが多いです。重度の症状や長期間放置された場合、完全な回復が難しいケースもありますが、それでも適切な治療により症状の軽減と機能の改善が期待できます。

当院では、一人ひとりの症状や体質に合わせたアプローチで、最大限の改善を目指しています。また、再発予防のためのアドバイスも行っています。

Q: 手根管症候群の改善には何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 軽度の症状:週1回の頻度で3〜5回程度
  • 中程度の症状:週1〜2回の頻度で5〜10回程度
  • 重度の症状:週2回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていく

初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。また、症状が改善した後も、再発予防のために定期的なメンテナンス(月1回程度)を受けることをおすすめしています。

Q: どのような職業の人が手根管症候群になりやすいですか?

手根管症候群は、特定の動作の繰り返しや手首への圧力がかかる職業の方に多く見られます。特にリスクが高い職業には以下のようなものがあります:

  • デスクワーク従事者:長時間のキーボード操作やマウス使用で手首に負担がかかります
  • 製造業・工場労働者:組み立てラインでの反復作業や振動ツールの使用は大きなリスク要因です
  • 美容師・理容師:ハサミやドライヤーを長時間使用することで手首に負担がかかります
  • 楽器演奏家:特にピアニストやギタリストなど、手首や指を多用する楽器奏者
  • 料理人:包丁を使った切る動作や、鍋や食材を持ち上げる動作が繰り返されます
  • 建設作業員:振動ツールの使用や力仕事が手首に負担をかけます
  • 歯科医師・歯科衛生士:精密な作業を長時間行うことで手首に負担がかかります

これらの職業に就いている方は、定期的な休憩、適切なエルゴノミクス(人間工学に基づいた作業環境の調整)、ストレッチなどの予防策を積極的に取り入れることが重要です。当院では職業に合わせた具体的な予防法や対策についてもアドバイスしています。

Q: 妊娠中の手根管症候群は出産後に改善しますか?

妊娠中に発症する手根管症候群は、ホルモンの変化や体内の水分貯留が原因で起こることが多いです。そのため、多くの場合、出産後3〜6ヶ月程度で自然に症状が軽減していきます。

ただし、妊娠中でも症状がひどい場合は、赤ちゃんにも影響しない安全な方法で対処することが大切です。当院では妊娠中の方でも安心して受けられる優しい施術を提供しています。手足のツボを使った鍼灸治療や、優しい手技療法は、薬を使わずに症状を緩和するのに効果的です。

また、出産後に症状が続く場合は、育児による手首への負担(赤ちゃんを抱く、授乳姿勢など)が関係している可能性もあります。そのような場合は、抱き方のアドバイスや施術を組み合わせて対応していきます。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日は手首に負担のかかる作業(長時間のパソコン作業、重い物を持つなど)を避けましょう
  • 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
  • 手首を極端に曲げたり伸ばしたりする姿勢を避けましょう
  • 必要に応じて手首のブレースを使用しましょう(特に夜間)
  • 指導されたストレッチや自宅でのケアを継続的に行いましょう

また、施術後に症状が一時的に変化することがあります。これは体が調整されていく過程で起こる「好転反応」の一種で、通常は24〜48時間以内に収まります。気になる症状がある場合は、遠慮なく院長にご相談ください。

手根管症候群改善のための自宅でのセルフケア

手根管症候群の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と再発防止につながります。

日常生活での注意点

  • 手首の姿勢に注意:手首を極端に曲げたり伸ばしたりする姿勢を避け、できるだけ自然な状態を保ちましょう。特にパソコン作業時は、手首が床と平行になるようにキーボードの高さを調整することが重要です。
  • 適度な休憩:同じ動作を長時間続けないよう、1時間に5〜10分程度の休憩を取り、手首を休ませましょう。
  • 道具の選び方:人間工学に基づいた道具(エルゴノミクスマウス、握りやすいペンなど)を選び、手首への負担を減らしましょう。
  • スマートフォンの使用制限:長時間の親指でのスクロールや操作は避け、必要に応じて両手で持つ、音声入力を活用するなどの工夫をしましょう。
  • 夜間のブレース:症状がある方は、就寝時に手首のブレースを装着することで、睡眠中の手首の過度な曲げ伸ばしを防ぎ、神経の圧迫を軽減できます。

ストレッチと運動

以下のストレッチを1日3回、各ストレッチ5回ずつ行うことをおすすめします:

  • 手首のストレッチ
    1. 片方の手で反対の手の指を軽く後ろに引き、手首を伸ばします(手の甲を自分の方に向ける)
    2. 15〜30秒間その姿勢を保ちます
    3. 次に反対方向に手のひらを自分の方に向けて同様に行います
    4. 反対の手も同様に行います
  • 神経グライディング
    1. 腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けます
    2. 手首を手の甲側に曲げます(手のひらを前に向ける)
    3. そのまま指をまっすぐ伸ばします
    4. 親指を外側に広げます
    5. 首を反対側にゆっくり傾けます
    6. 5〜10秒間保ち、ゆっくりと元の姿勢に戻します
  • 前腕のストレッチ
    1. 腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けます
    2. 反対の手で指を下に向かって引っ張ります
    3. 15〜30秒間保ちます
    4. 今度は手のひらを下に向け、指を上に向かって引っ張ります
    5. 15〜30秒間保ちます

手首の筋力強化

症状が落ち着いてきたら、以下の筋力強化エクササイズを行いましょう:

  • 握力ボールエクササイズ:柔らかい握力ボールやスポンジを使って、軽く握る→緩めるを10〜15回×3セット行います。
  • 手首の屈伸運動:軽い重り(500gくらい)を持って、手首を上下に動かす運動を10回×3セット行います。
  • 指の開閉運動:指を広げたり閉じたりする動作を繰り返し、手の筋肉のバランスを整えます。

温冷療法

  • 冷却:痛みや炎症がある場合、アイスパックなどで手首を10〜15分間冷やします(タオルなどで包んで、直接肌に当てないようにしましょう)。
  • 温め:痛みが落ち着いてきたら、温めることで血流を改善し、回復を促進します。蒸しタオルやお風呂での温めが効果的です。
  • 交互浴:症状が慢性化している場合は、冷水と温水に交互に手首をつける方法も効果的です(各30秒〜1分、3〜5回繰り返します)。

食事と水分摂取

  • 抗炎症作用のある食品:オメガ3脂肪酸を含む食品(青魚、亜麻仁油、クルミなど)や、抗酸化物質を多く含む食品(ベリー類、緑黄色野菜など)を積極的に摂りましょう。
  • 塩分制限:過剰な塩分摂取は水分貯留を促し、手首の腫れを悪化させる可能性があります。塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
  • 水分摂取:十分な水分を摂ることで、体内の循環を促進し、老廃物の排出を助けます。
  • ビタミンB6:ビタミンB6は神経の健康に重要な栄養素です。バナナ、鶏肉、マグロ、ニンニク、ピスタチオなどに多く含まれています。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 合谷(ごうこく):親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボです。手の痛みやしびれに効果があります。
  • 内関(ないかん):手首から3本指分上の腕の内側にあるツボです。手首の症状に効果があります。
  • 列缺(れっけつ):手首から親指側に3本指分上がったところにあるツボです。腕や手のしびれに効果があります。
  • 外関(がいかん):内関と反対側の腕の外側にあるツボです。手首や腕の痛みに効果があります。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、手根管症候群の症状改善と再発防止につながります。無理なく続けられるものから始めて、徐々に習慣化していきましょう。

手根管症候群のまとめと施術のご案内

手根管症候群の要約

手根管症候群は、手首の手根管内で正中神経が圧迫されることにより、親指、人差し指、中指、薬指の一部にしびれや痛みが生じる疾患です。パソコン作業や手を多く使う仕事、妊娠中のホルモンバランスの変化などが主な原因となります。

西洋医学では神経の物理的圧迫に着目し、東洋医学では気血の滞りや経絡の不調と捉えてアプローチします。適切な治療を早期に受けることで、多くの場合症状は改善しますが、放置すると神経の恒久的な損傷や筋萎縮など深刻な問題を引き起こす可能性があります。

治療だけでなく、日常生活での手首の姿勢や使い方の改善、適切なストレッチや運動、職場環境の調整なども重要です。当院では、施術と生活指導の両面からサポートし、根本的な改善と再発防止を目指しています。

当院のアプローチの特徴

当院では、手根管症候群に対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 手足のツボを使った身体に負担の少ない鍼灸治療
  • 原因となる生活習慣や作業環境に関する具体的なアドバイス
  • 症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善と再発防止を目指した施術

多くの患者様から「しびれや痛みが軽減した」「夜間に目が覚めなくなった」「握力が戻ってきた」「細かい作業ができるようになった」といったお声をいただいております。手根管症候群でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

手根管症候群の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。

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大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
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月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

手根管症候群は早期に適切な対処を行うことで改善しやすい症状です。しびれや痛みなどでお悩みの方は、症状が重症化する前にぜひご相談ください。当院では、あなたの手根管症候群の根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)

(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。

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