帯状疱疹(ヘルペス)
帯状疱疹でお悩みの方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 体の片側に沿って帯状の赤い発疹や水ぶくれが出ている
- 発疹が出る前から、その部分がチクチク・ピリピリと痛む
- 痛みが強く、触れられるのも辛い状態が続いている
- 発疹が治った後も、長期間にわたって痛みが残っている
- 疲れやストレスが溜まった時期に発症した
- 帯状疱疹の痛みで眠れない夜が続いている
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって引き起こされる皮膚疾患です。子どもの頃に水ぼうそう(水痘)にかかった方の体内に潜伏していたウイルスが、免疫力の低下をきっかけに再び活動を始めることで発症します。
この記事では、帯状疱疹の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、痛みの緩和や後遺症予防のための対策について詳しく説明します。当院の鍼灸・整体がどのように帯状疱疹の症状を和らげるのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。
西洋医学的視点での帯状疱疹の原因とメカニズム
帯状疱疹とは
西洋医学では、帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus:VZV)の再活性化によって引き起こされる神経痛を伴う皮膚の炎症性疾患」と定義されています。このウイルスは子どもの頃にかかる水ぼうそう(水痘)の原因となるウイルスと同じものです。
主な原因
- 免疫力の低下:加齢、過度のストレス、疲労、睡眠不足などにより免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化しやすくなります。
- 特定の疾患:がん、HIV感染症、自己免疫疾患などの基礎疾患がある場合、帯状疱疹のリスクが高まります。
- 免疫抑制剤の使用:臓器移植後の拒絶反応予防や自己免疫疾患の治療で免疫抑制剤を使用している場合、発症リスクが上昇します。
- 放射線治療や化学療法:がん治療のための放射線治療や化学療法も免疫機能を一時的に低下させ、帯状疱疹を引き起こすことがあります。
- 外傷やケガ:皮膚や神経への外傷が、その部位での帯状疱疹の発症を誘発することがあります。
帯状疱疹が発生するメカニズム
帯状疱疹は以下のようなメカニズムで発症します:
- 水ぼうそうに感染した際、ウイルスは神経細胞に潜伏します。通常、健康な免疫系がウイルスの活動を抑制しています。
- 免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化し、神経細胞内で増殖を始めます。
- ウイルスは神経の経路に沿って移動し、神経終末に到達して周囲の皮膚細胞に感染します。
- これにより、神経支配領域に一致した片側の皮膚に、赤い発疹や水疱が帯状に現れます。
- 感染した神経は炎症を起こし、激しい痛みやしびれなどの神経症状を引き起こします。この痛みは皮膚症状が治った後も長期間続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。
帯状疱疹の主な症状と経過
- 前駆症状(発疹前):皮膚に発疹が現れる数日前から、その部位にチクチク・ピリピリとした痛み、かゆみ、灼熱感、しびれなどが現れます。この段階で発熱、倦怠感、頭痛などの全身症状を伴うこともあります。
- 急性期(発疹期):痛みを感じていた部位に赤い発疹が現れ、その後すぐに小さな水疱(水ぶくれ)が集まって帯状に広がります。通常は体の片側のみに現れ、胸部や腹部、顔面などが好発部位です。この水疱は1〜2週間で膿疱となり、やがてかさぶたになって治癒します。
- 回復期:皮膚症状は通常2〜4週間で治癒しますが、痛みはさらに長く続くことがあります。
- 帯状疱疹後神経痛(PHN):発症から3ヶ月以上経過しても続く慢性的な痛みを帯状疱疹後神経痛と呼びます。特に高齢者や急性期の痛みが強かった方に発生しやすく、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
西洋医学的な治療では、抗ウイルス薬の早期投与が基本となります。発症から72時間以内に治療を開始することで、急性期の症状緩和と帯状疱疹後神経痛の予防効果が期待できます。また、痛みのコントロールには鎮痛剤や神経障害性疼痛治療薬が用いられます。
東洋医学的視点での帯状疱疹の原因とメカニズム
東洋医学での帯状疱疹の捉え方
東洋医学では、帯状疱疹を「蛇串瘡(じゃくしそう)」「纏腰火丹(てんようかたん)」などと呼び、「熱毒(ねつどく)」や「湿熱(しつねつ)」が経絡に沿って流れる気血を阻害することで発症すると考えられています。体内に蓄積された熱や毒素が皮膚表面に現れた状態と捉えられます。
関連する経絡
帯状疱疹に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:
- 足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい):背中から足にかけて走る経絡で、帯状疱疹が背部に現れる場合に関連します。
- 足の少陽胆経(しょうようたんけい):側胸部から頭部、足にかけて走る経絡で、胸部や側腹部の帯状疱疹に関連します。
- 手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい):腕から胸部、首、顔にかけて走る経絡で、上半身の帯状疱疹に関連します。
- 足の厥陰肝経(けついんかんけい):足から下腹部、胸部にかけて走る経絡で、下半身から胸部の帯状疱疹に関連します。
- 督脈(とくみゃく):背骨に沿って頭頂まで走る重要な経絡で、背部や頭部の帯状疱疹に関連します。
東洋医学の「証」による分類
東洋医学では、帯状疱疹を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:
1. 肝胆湿熱(かんたんしつねつ)
特徴:肝臓と胆のうに湿熱が蓄積した状態です。
症状:発疹が赤く、水疱が多い。痛みが強く、灼熱感を伴う。イライラ、口の苦味、食欲不振などを伴うことがある。
改善方法:肝胆の熱を冷まし、湿を取り除く清熱利湿の治療が効果的です。
2. 脾胃湿熱(ひいしつねつ)
特徴:脾臓と胃に湿熱が蓄積した状態です。
症状:発疹が赤黄色で水っぽい。腹部や胸部に現れやすい。食欲不振、胃もたれ、下痢などの消化器症状を伴うことがある。
改善方法:脾胃の機能を高め、湿熱を取り除く健脾利湿清熱の治療が効果的です。
3. 風熱血燥(ふうねつけつそう)
特徴:風と熱が血を乾燥させた状態です。
症状:発疹が乾燥気味で、かゆみが強い。皮膚が乾燥しており、便秘や口の渇きを伴うことがある。
改善方法:風熱を取り除き、血を潤す祛風清熱養血の治療が効果的です。
4. 気滞血瘀(きたいけつお)
特徴:気の流れが滞り、血の循環が悪くなった状態です。
症状:痛みが刺すような鋭い痛みで、発疹が紫がかっている。帯状疱疹後神経痛を起こしやすい。
改善方法:気の流れを促進し、血の循環を改善する行気活血の治療が効果的です。
5. 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
特徴:肝臓と腎臓の陰が不足した状態です。
症状:慢性的な帯状疱疹後神経痛。夜間に痛みが強まる。目の乾き、めまい、腰膝の弱さなどを伴う。高齢者に多い。
改善方法:肝腎の陰を補う滋陰の治療が効果的です。
五臓六腑との関連性
東洋医学では、帯状疱疹は主に以下の臓腑の機能と関連しています:
- 肝(かん):肝は血を蔵し、気の流れをスムーズにする役割があります。ストレスや感情の乱れにより肝の機能が低下すると、気滞や熱が生じ、帯状疱疹の発症リスクが高まります。
- 胆(たん):肝と表裏関係にある胆は、決断力や勇気に関わる臓腑です。肝の熱が胆に移行すると、胆経に沿った帯状疱疹が現れやすくなります。
- 脾(ひ):脾は水湿を運化する役割があり、機能が低下すると体内に湿が溜まりやすくなります。この湿が熱と結合すると「湿熱」となり、帯状疱疹の一因となります。
- 腎(じん):腎は先天の精を蔵し、免疫力の基礎となります。腎の機能低下(特に加齢による)は、免疫力の低下につながり、帯状疱疹のリスクを高めます。
- 肺(はい):肺は皮膚と関連が深く、肺の機能障害は皮膚の防御機能低下につながります。また、悲しみや憂いなどの感情は肺の気を損ない、免疫力低下の一因となります。
季節と環境の影響
東洋医学では、季節や環境の変化も帯状疱疹の発症や症状に影響すると考えます:
- 春:春は肝の季節で、肝の気が上昇しやすい時期です。ストレスや感情の乱れが影響して肝火が上炎しやすく、肝経や胆経に沿った帯状疱疹が発症しやすい時期と言えます。
- 夏:暑さと湿気が重なる時期は、湿熱が生じやすく、脾胃湿熱タイプの帯状疱疹が増える傾向があります。
- 季節の変わり目:気候の急激な変化は体の抵抗力を弱め、帯状疱疹の発症リスクを高めることがあります。
- 過度の冷房や暖房:人工的な環境で長時間過ごすことで、体の気血のバランスが崩れ、免疫力低下の原因となることがあります。
- 食生活の乱れ:辛い食べ物や油っこい食事の過剰摂取は体内に熱を生み、帯状疱疹の発症リスクを高める可能性があります。
東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。
西洋医学と東洋医学の比較
比較項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
病名・呼称 | 帯状疱疹(Herpes Zoster) | 蛇串瘡(じゃくしそう)、纏腰火丹(てんようかたん) |
原因の捉え方 | 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化、免疫力の低下 | 熱毒や湿熱の蓄積、気血のバランスの乱れ、五臓(特に肝腎)の機能低下 |
診断方法 | 臨床症状の観察、ウイルス検査(PCR法、抗体検査など) | 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断 |
治療アプローチ | 抗ウイルス薬、鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬、ステロイド薬 | 鍼灸治療、漢方薬、体質や証に合わせた食事指導 |
治療の焦点 | ウイルスの増殖抑制、症状(特に痛み)の緩和、合併症予防 | 体質改善、気血のバランス調整、熱毒や湿熱の排出 |
痛みへの対応 | 薬物療法(NSAIDs、オピオイド、プレガバリンなど)、神経ブロック | 経絡の流れを改善する鍼灸、痛みの性質による証に合わせた治療 |
帯状疱疹後神経痛 | 神経の炎症や損傷による慢性痛症候群、薬物療法や神経ブロックで対処 | 気滞血瘀や肝腎陰虚による症状、気血の流れを改善し根本体質を調整 |
予防方法 | 帯状疱疹ワクチン接種、免疫力維持のための生活習慣改善 | 体質改善、養生法、気血のバランスを整える生活習慣 |
西洋医学と東洋医学はそれぞれ異なる視点から帯状疱疹にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。特に、西洋医学的な抗ウイルス治療と並行して、東洋医学的なアプローチで痛みの緩和や体質改善を行うことで、より効果的な治療が可能になります。
帯状疱疹を放置するリスク
帯状疱疹は「時間が経てば自然に治る」と思われがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な合併症や後遺症のリスクが高まります。
身体的リスク
- 帯状疱疹後神経痛(PHN):最も一般的な合併症で、皮膚症状が治癒した後も神経の痛みが3ヶ月以上続く状態です。特に60歳以上の方や急性期の痛みが強かった方はリスクが高まります。この痛みは日常生活の質を大きく低下させ、睡眠障害やうつ症状につながることもあります。
- 皮膚感染症:水疱が破れた部分から細菌感染を起こし、蜂窩織炎などの二次感染につながるリスクがあります。
- 瘢痕(はんこん)形成:治癒後も皮膚に色素沈着や瘢痕が残ることがあります。
- 運動障害:特定の神経が損傷を受けると、筋力低下や運動障害が生じることがあります。
- 感覚異常:痛みだけでなく、しびれやチクチク感、触れると痛いなどの感覚異常が長期間続くことがあります。
特定部位での合併症
- 顔面神経麻痺:顔面に発症した帯状疱疹(耳帯状疱疹)では、顔面神経が影響を受け、顔の片側が麻痺することがあります。
- 目の合併症:目の周囲に発症した場合(眼部帯状疱疹)、角膜炎や虹彩炎などを引き起こし、最悪の場合は視力低下や失明につながることがあります。
- 耳の障害:耳に発症した場合、めまいや難聴、耳鳴りなどを引き起こすことがあります(ラムゼイハント症候群)。
- 内臓の問題:稀ですが、免疫力が著しく低下している場合、ウイルスが内臓に広がり、肺炎や肝炎などを引き起こすことがあります。
精神的・社会的リスク
- 慢性的な痛みによる精神的ストレス:長期間続く痛みは、不安やうつ、イライラなどの精神的症状を引き起こすことがあります。
- 睡眠障害:痛みにより十分な睡眠がとれなくなると、日中の活動にも支障をきたします。
- 社会的孤立:痛みや外見の変化により外出を控えるようになると、社会的孤立を招くことがあります。
- 生活の質の低下:日常的な活動や趣味の制限、仕事への影響など、全体的な生活の質が低下することがあります。
早期対処の重要性
帯状疱疹は、早期に適切な対処を行うことで合併症のリスクを大幅に減らすことができます。早期対処には以下のようなメリットがあります:
- 抗ウイルス薬の早期投与(発症から72時間以内が理想的)により、急性期の症状を軽減し、帯状疱疹後神経痛のリスクを減らせます
- 適切な痛みのコントロールにより、急性期の苦痛を軽減できます
- 皮膚感染などの二次的な合併症を予防できます
- 特に目や耳の近くに発症した場合、早期治療で深刻な合併症を防げます
- 東洋医学的なアプローチを早期に取り入れることで、体の抵抗力を高め、回復を促進できます
痛みや発疹が現れたら、「様子を見よう」と放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。特に50歳以上の方や免疫力が低下している方は、帯状疱疹の症状が現れたら速やかに対処することが重要です。
当院の帯状疱疹施術方法
当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで帯状疱疹の痛み緩和と後遺症予防を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、早期回復と帯状疱疹後神経痛の予防をサポートします。
施術の特徴
- 手足のツボを使った鍼灸治療:発疹部を直接刺激せず、手足の遠隔ツボを使うことで痛みなく効果的な施術を行います。
- 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
- 痛みの緩和と免疫力向上:神経の痛みを和らげながら、同時に体全体の免疫力を高める施術を行います。
- 体質改善:帯状疱疹の根本原因となる体質を改善し、再発予防と後遺症リスクの軽減を図ります。
- 西洋医学的治療との併用:皮膚科などでの抗ウイルス薬治療と並行して施術を受けることで、相乗効果が期待できます。
施術の流れ
- 問診:症状の詳細や発症時期、現在の痛みの程度、生活習慣、既往歴などを詳しくお聞きします。
- 東洋医学的診断:脈診・舌診・望診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
- 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに鍼をし、必要に応じてお灸を行います。発疹部から離れた手足のツボを中心に施術します。
- 整体:必要に応じて、身体のバランスを整える優しい整体施術を行います。
- アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。
帯状疱疹に効果的なツボ
当院では以下のようなツボを用いて、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:
手足のツボ(遠隔治療)
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、全身の痛みの緩和や免疫力向上に効果的です。
- 外関(がいかん):手首から指3本分上の腕の外側にあるツボで、熱を冷まし、痛みを和らげる効果があります。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボで、免疫力を高め、全身の気を補う効果があります。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、気血を調整し、体の抵抗力を高める効果があります。
これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。帯状疱疹では発疹部を直接刺激することを避け、遠隔治療を中心に行うことで安全で効果的な施術を提供しています。
帯状疱疹の進行段階に応じた施術
- 急性期(発疹出現期):熱を冷まし、痛みを緩和する清熱解毒の施術を中心に行います。この時期は抗ウイルス薬の服用と並行して施術を受けることで、症状の早期改善が期待できます。
- 回復期(かさぶた形成期):気血の流れを改善し、残存する痛みの緩和と帯状疱疹後神経痛の予防を目指します。
- 帯状疱疹後神経痛の段階:神経の回復を促進し、慢性痛を緩和するアプローチを行います。体質改善に重点を置き、長期的な痛みの軽減を目指します。
当院の施術は、痛みの緩和だけでなく、根本的な体質改善と免疫力向上を通じて、帯状疱疹からの早期回復と後遺症予防をサポートします。医療機関での治療と並行して当院の施術を受けることで、より効果的な回復が期待できます。
帯状疱疹に関するよくある質問(FAQ)
帯状疱疹は再発する可能性があります。一般的に再発率は約5%程度と言われていますが、免疫力が低下している方や高齢の方は再発リスクが高まります。
再発予防には、日常的な免疫力の維持が重要です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理などの生活習慣の改善に加え、50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンの接種も検討されるとよいでしょう。
当院では、体質改善を通じた免疫力向上と再発予防のためのアドバイスも行っています。帯状疱疹の経験がある方は、再発リスクを減らすための施術や生活指導についてご相談ください。
施術の回数は症状の程度や体質、発症からの期間によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:
- 急性期(発症から2週間程度):週2〜3回の頻度で、痛みと炎症の緩和を目指します
- 回復期(2週間〜1ヶ月):週1〜2回の頻度で、残存する痛みの緩和と神経の回復を促進します
- 帯状疱疹後神経痛の段階:週1回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていきます
初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。早期に施術を開始するほど効果が出やすく、必要な通院回数も少なくなる傾向があります。
帯状疱疹中は以下のような点に注意して生活することをおすすめします:
- 感染予防:水疱内のウイルスは感染性があります。特に妊婦さんや免疫力の低下している方、水ぼうそうにかかったことがない方(特に新生児)との接触は避けましょう。
- 患部のケア:患部は清潔に保ち、優しく洗いましょう。かさぶた期までは入浴よりもシャワーが望ましいです。刺激の強い石鹸の使用は避けてください。
- 安静と休息:十分な休息をとり、過労やストレスを避けましょう。症状が重い場合は、仕事や家事を一時的に減らすことも検討してください。
- 適切な食事:免疫力を高める食事(ビタミンACE、亜鉛を含む食品)を心がけ、刺激物や加工食品を控えましょう。
- 服薬管理:医師から処方された抗ウイルス薬や痛み止めは指示通りに服用しましょう。
当院では、帯状疱疹の症状に応じた生活上の注意点や食事のアドバイスも行っています。症状や体調に合わせた具体的なアドバイスが必要な場合は、施術時にご相談ください。
帯状疱疹後神経痛(PHN)の持続期間は個人差が大きく、数ヶ月から数年続くケースもあります。特に高齢の方や急性期の痛みが強かった方は長引く傾向があります。
鍼灸治療は帯状疱疹後神経痛の緩和に効果が期待できます。複数の臨床研究でも、鍼治療による慢性的な神経痛の緩和効果が報告されています。当院の施術では、以下のようなアプローチで神経痛の改善を目指します:
- 神経の修復を促進するツボへの施術
- 血液循環を改善し、損傷部位の回復を助ける施術
- 痛みの伝達を抑制するツボへのアプローチ
- 体全体の気血のバランスを整え、自然治癒力を高める施術
効果には個人差がありますが、多くの方が施術後に痛みの軽減を実感されています。長期間続いている神経痛の場合は、継続的な施術で徐々に改善を目指していきます。
施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:
- 施術当日は過度な運動や入浴(特に長時間の熱いお風呂やサウナ)を控えましょう
- 十分な水分を摂取し、体内の循環を促進させましょう
- アルコールの摂取は控えめにし、刺激物の多い食事も避けましょう
- 可能であれば、施術後はゆっくり休息を取りましょう
- 指導された自宅でのセルフケアを継続的に行いましょう
また、施術後に症状の変化や気になることがあれば、次回の施術時にお知らせください。施術内容の調整に役立ちます。帯状疱疹の症状が急激に悪化したり、発熱などの全身症状が強まったりした場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。
帯状疱疹改善のための自宅でのセルフケア
帯状疱疹の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と回復促進につながります。
患部のケア
- 清潔に保つ:患部は優しく洗い、清潔に保ちましょう。強くこすらず、水疱を潰さないように注意してください。
- 冷却:痛みや炎症が強い場合は、冷たいタオルで軽く冷やすと症状が和らぐことがあります。直接氷を当てるのは避け、10〜15分程度の冷却を1日数回行いましょう。
- ゆったりした衣服:患部に服が擦れると痛みが増すことがあるため、ゆったりとした綿素材の衣服を選ぶと良いでしょう。
- 保護:必要に応じて、清潔なガーゼなどで患部を保護しましょう。ただし、蒸れないよう注意が必要です。
食事と栄養
- 免疫力を高める食品:ビタミンACEを豊富に含む食品(色とりどりの野菜や果物)、亜鉛を含む食品(牡蠣、レバー、ナッツ類)、タンパク質(魚、鶏肉、豆腐)などを積極的に摂りましょう。
- 控えたい食品:刺激物(辛い食べ物、アルコール、カフェイン)、精製糖、加工食品などは控えめにしましょう。これらは体内の炎症を助長する可能性があります。
- 水分摂取:十分な水分を摂取して、体内の毒素排出と循環を促進しましょう。
- 体質に合わせた食事:東洋医学の「証」に基づいた食事調整も効果的です。例えば、熱証の方は冷やす性質の食材(きゅうり、すいか)を取り入れるなど、体質に合わせた食事を心がけましょう。
ストレス管理と休息
- 十分な睡眠:質の良い睡眠は免疫力を高め、回復を促進します。7〜8時間の睡眠を心がけましょう。
- ストレス軽減法:深呼吸、瞑想、軽いヨガなど、自分に合ったリラクゼーション法を取り入れましょう。ストレスは免疫力を低下させる大きな要因です。
- 適度な休息:特に急性期は、体力を温存するために無理をせず、十分な休息を取りましょう。
- 気分転換:痛みや不安で気持ちが沈みがちになる場合は、好きな音楽を聴いたり、軽い読書をしたりして気分転換を図りましょう。
痛みへの対処法
- 処方薬の服用:医師から処方された痛み止めは指示通りに服用しましょう。
- 姿勢の工夫:痛みがある部位に圧力がかからないよう、姿勢や寝る位置を工夫しましょう。
- 気分をそらす:好きな音楽を聴いたり、軽い会話や読書など、痛みから気をそらす活動を取り入れましょう。
- 温熱または冷却:症状に応じて、温める、または冷やすことで痛みが和らぐことがあります。ただし、急性期(水疱のある時期)は冷却が基本です。
ツボ押し
自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボです。全身の痛みの緩和に効果があります。
- 足三里(あしさんり):膝の下外側にあるツボです。免疫力を高め、疲労回復に効果があります。
- 内関(ないかん):手首の内側から指3本分上にあるツボです。心と体のリラックスを促し、痛みの緩和に役立ちます。
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。全身の気血のバランスを整え、免疫力を高めます。
これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、帯状疱疹からの回復を促進することができます。ただし、症状が重い場合や不安がある場合は、無理せず医療機関や当院にご相談ください。
帯状疱疹のまとめと施術のご案内
帯状疱疹の要約
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって引き起こされる疾患です。免疫力の低下をきっかけに、体内に潜伏していたウイルスが活動を始め、神経に沿った帯状の発疹と強い痛みを特徴とします。
西洋医学ではウイルスの増殖抑制と症状緩和に焦点を当て、東洋医学では体内の熱毒や湿熱の排出、気血のバランス調整を重視します。どちらのアプローチも長所があり、当院ではこれらを組み合わせた総合的な施術を提供しています。
帯状疱疹は早期に適切な対処を行うことで、症状の緩和と後遺症(特に帯状疱疹後神経痛)のリスク軽減が可能です。抗ウイルス薬による治療と並行して当院の施術を受けることで、痛みの緩和と早期回復をサポートします。
当院のアプローチの特徴
当院では、帯状疱疹に対して以下のようなアプローチを行っています:
- 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
- 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
- 手足のツボを使った痛みの少ない鍼灸治療
- 痛みの緩和と免疫力向上の両面からのアプローチ
- 帯状疱疹後神経痛の予防と緩和に焦点を当てた施術
多くの患者様から「痛みが和らいだ」「回復が早まった」「神経痛の症状が軽減した」といったお声をいただいております。帯状疱疹でお悩みの方は、早期の対処が重要ですので、ぜひお早めにご相談ください。
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帯状疱疹の痛みは辛いものですが、適切なケアと施術で必ず改善に向かいます。当院では、あなたの帯状疱疹の痛み緩和と早期回復をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)
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