多汗症

 

多汗症でお悩みの方へ

こんなお悩みはありませんか?

  • 人前に出ると緊張で手のひらから大量に汗が出てしまう
  • 暑くもないのに脇の下からの汗がシャツを濡らしてしまう
  • 足の裏の汗で靴の中がべたべたして不快
  • 汗の量が多すぎて人と握手するのが恥ずかしい
  • 顔からの汗が止まらず、メイクが崩れてしまう
  • 汗のせいで人間関係や仕事に支障が出ている

多汗症は、体温調節に必要な量を超えた過剰な汗が分泌される状態を指します。全身に起こる場合もありますが、手のひら、足の裏、脇の下、顔面など、特定の部位に症状が現れることが多いのが特徴です。多汗症は単なる「汗かき」とは異なり、日常生活や社会生活に支障をきたす疾患として認識されています。

この記事では、多汗症の原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説し、根本的な改善方法についてご紹介します。当院の鍼灸・整体がどのように多汗症の症状を緩和するのか、また自宅でできるセルフケアの方法についても詳しくお伝えしていきます。

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西洋医学的視点での多汗症の原因とメカニズム

多汗症とは

西洋医学では、多汗症は「体温調節に必要な量を超えた過剰な発汗が生じる疾患」と定義されています。通常、汗は体温調節のために分泌されますが、多汗症の場合は気温や運動とは無関係に、過剰な汗が分泌されます。

多汗症は大きく分けて原発性(特発性)と続発性の2種類に分類されます。

  • 原発性多汗症:明確な原因が特定できない多汗症で、全体の約80%を占めます。遺伝的要因が関与していると考えられています。
  • 続発性多汗症:甲状腺機能亢進症、糖尿病、神経系の障害、薬剤の副作用など、他の疾患や要因によって引き起こされる多汗症です。

主な原因

  • 自律神経系の過剰反応:交感神経が過剰に刺激されることで、汗腺の活動が必要以上に活発になります。
  • 遺伝的要因:原発性多汗症の約30〜50%は家族内発症が見られ、常染色体優性遺伝の可能性が示唆されています。
  • 精神的ストレス:不安やストレスにより交感神経が刺激され、発汗が増加することがあります。
  • ホルモンバランスの乱れ:甲状腺機能亢進症、閉経、思春期などホルモンの変化が多汗症を引き起こすことがあります。
  • 基礎疾患:糖尿病、感染症、がん、神経系疾患などが続発性多汗症の原因となることがあります。
  • 薬剤の影響:抗うつ薬、ホルモン剤、解熱鎮痛剤など一部の薬剤の副作用として多汗症が現れることがあります。

多汗症が発生するメカニズム

多汗症は以下のようなメカニズムで発生します:

  1. 人間の皮膚には200〜400万個のエクリン汗腺が存在し、主に手のひら、足の裏、脇の下、額などに多く分布しています。
  2. 通常、これらの汗腺は脳の視床下部にある体温調節中枢からの指令により、体温が上昇したときに汗を分泌して体温を下げる役割を果たします。
  3. 多汗症の場合、交感神経系(自律神経の一部)が過剰に反応し、体温調節に必要のない状況でも汗腺を刺激して発汗を促します。
  4. 特に手掌多汗症(手のひらの多汗症)と足底多汗症(足の裏の多汗症)は、精神的ストレスや緊張によって悪化しやすい特徴があります。
  5. 腋窩多汗症(脇の下の多汗症)は、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方が関与し、思春期以降に顕著になることが多いです。

多汗症の主な症状と分類

多汗症は発症部位によって以下のように分類されます:

  • 局所性多汗症:特定の部位に過剰な発汗が見られる状態
    • 手掌多汗症(手のひら)
    • 足底多汗症(足の裏)
    • 腋窩多汗症(脇の下)
    • 頭部・顔面多汗症
    • 鼠径部多汗症(股関節の周辺)
  • 全身性多汗症:体全体から過剰な発汗が見られる状態で、基礎疾患による続発性多汗症が多いです。

西洋医学的なアプローチでは、多汗症の治療には薬物療法(塩化アルミニウム含有制汗剤、抗コリン薬など)、ボツリヌス毒素注射、イオントフォレーシス(微弱電流療法)、交感神経切除術などが用いられます。ただし、これらの治療法にはそれぞれ副作用や代償性発汗(治療部位以外での発汗増加)などのリスクもあります。

東洋医学的視点での多汗症の原因とメカニズム

東洋医学での多汗症の捉え方

東洋医学では、多汗症を「自汗」または「盗汗」と呼び、気・血・津液(体液)のバランスの崩れによって生じる状態と捉えます。汗は体内の津液の一種であり、その分泌は主に「衛気(えき)」の働きによって調節されると考えられています。衛気とは体表を守る防御機能を持つ気のことで、その機能が乱れると汗の分泌にも異常が生じます。

関連する経絡

多汗症に特に関連する経絡には以下のようなものがあります:

  • 肺経(はいけい):皮膚の気孔の開閉を司り、汗の分泌に関わります。肺の機能低下は自汗(自然に生じる汗)の原因となります。
  • 心経(しんけい):心は血を統括し、精神活動を司ります。心の熱が過剰になると、特に上半身の多汗を引き起こします。
  • 脾経(ひけい):脾は水湿の運化を担当します。脾の機能低下は水湿の停滞を招き、じっとりとした冷たい汗の原因となります。
  • 腎経(じんけい):腎は水の代謝を司ります。腎陰の不足は内熱を生じ、盗汗(睡眠中の発汗)の原因となります。
  • 三焦経(さんしょうけい):体内の水分代謝全体を調節し、気の通路としても機能します。三焦の失調は全身の多汗症に関連します。

東洋医学の「証」による分類

東洋医学では、多汗症を以下のような「証」(体質や症状のパターン)に分類します:

1. 気虚(ききょ)

特徴:気が不足し、衛気の固摂作用が弱まった状態です。
症状:少し動いただけで全身に汗をかく、疲れやすい、息切れがする、声が弱い、顔色が青白い。
改善方法:気を補う補気固表の治療が効果的です。

2. 陰虚内熱(いんきょないねつ)

特徴:体内の陰液が不足し、相対的に内熱が生じた状態です。
症状:寝ている間に汗をかく(盗汗)、のぼせ、ほてり、口渇、微熱、手足のほてり、不眠。
改善方法:陰を補い熱を取り除く滋陰清熱の治療が効果的です。

3. 心火亢盛(しんかこうせい)

特徴:心の熱が過剰な状態です。
症状:胸部や顔面、手のひらに多汗、精神的ストレスで悪化、顔面紅潮、口渇、不安、動悸、不眠。
改善方法:心火を鎮める清心降火の治療が効果的です。

4. 脾虚湿盛(ひきょしっせい)

特徴:脾の機能が低下し、水湿が体内に停滞した状態です。
症状:じっとりとした冷たい汗、特に下半身に多い、むくみ、倦怠感、食欲不振、下痢しやすい。
改善方法:脾を補い湿を除く健脾利湿の治療が効果的です。

5. 腎陽虚(じんようきょ)

特徴:腎の陽気が不足し、体を温める力が弱まった状態です。
症状:冷えを伴う多汗、下半身の冷え、腰や膝の冷えや痛み、疲れやすい、頻尿。
改善方法:腎陽を温める温腎固表の治療が効果的です。

五臓六腑との関連性

東洋医学では、多汗症は主に以下の臓腑の機能と関連しています:

  • 肺(はい):皮膚の気孔の開閉を司り、衛気の巡行を調節します。肺の機能低下は自汗(活動時の過剰発汗)に関連します。
  • 心(しん):血を統括し、精神活動を司ります。心の熱が過剰になると、特に上半身や手掌の多汗を引き起こします。
  • 脾(ひ):水湿の運化を担当します。脾の機能低下は水湿の停滞を招き、じっとりとした冷たい汗の原因となります。
  • 腎(じん):水の代謝を司ります。腎陰の不足は内熱を生じ、盗汗(睡眠中の発汗)の原因となります。腎陽の不足は下半身の冷えを伴う多汗に関連します。
  • 三焦(さんしょう):上・中・下焦に分かれ、体内の水分代謝全体を調節します。三焦の失調は全身の水分バランスに影響し、多汗症を引き起こすことがあります。

季節と環境の影響

東洋医学では、季節や環境の変化も多汗症の症状に影響すると考えます:

  • :暑さに伴い、心火が亢進しやすい季節です。心火亢盛タイプの多汗症は夏に悪化しやすい傾向があります。
  • 梅雨と湿度の高い時期:湿度が高くなると、脾虚湿盛タイプの方は症状が悪化しやすくなります。
  • :寒さにより表面の毛穴が閉じやすくなりますが、腎陽虚の方は冷えを伴う多汗が見られることがあります。
  • 季節の変わり目:気候の変化に体がついていけず、衛気の調節が乱れることで、気虚による多汗が現れやすくなります。
  • ストレスの多い環境:精神的ストレスは心火を亢進させ、多汗症の症状を悪化させる可能性があります。

東洋医学では、このように体質や環境、季節などの要因を総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた治療方針を立てていきます。多汗症の根本的な原因に対処することで、持続的な改善を目指します。

西洋医学と東洋医学の比較

比較項目 西洋医学 東洋医学
病名・呼称 多汗症(原発性多汗症、続発性多汗症) 自汗(活動時の過剰発汗)、盗汗(睡眠中の発汗)
原因の捉え方 交感神経系の過剰反応、遺伝的要因、ホルモンバランスの乱れ、基礎疾患など 気虚、陰虚内熱、心火亢盛、脾虚湿盛、腎陽虚など、気・血・津液のバランスの乱れ
診断方法 問診、発汗量の測定(ヨウ素デンプン反応、重量測定法など)、基礎疾患の検査 四診(望診・聞診・問診・切診)による証の判断、脈診、舌診
治療アプローチ 制汗剤、抗コリン薬、ボツリヌス毒素注射、イオントフォレーシス、交感神経切除術 鍼灸治療、漢方薬、体質や証に合わせた食事指導と生活習慣の改善
治療の焦点 症状(過剰発汗)の直接的な抑制、基礎疾患がある場合はその治療 体質改善、気・血・津液のバランス調整、自然治癒力の向上
副作用・リスク 皮膚刺激、口渇、便秘、視力障害(抗コリン薬)、代償性発汗(交感神経切除術) 体質に合った治療を行えば副作用のリスクは比較的低い
継続性と効果 対症療法が多く、治療中止後に症状が再発することがある(手術を除く) 根本的な体質改善を目指すため、効果の発現には時間がかかる場合がある
全身への影響 局所治療が中心で、全身への影響は考慮されない場合がある 全身のバランスを整える視点で治療するため、他の症状も同時に改善することがある

西洋医学と東洋医学は、それぞれ異なる視点から多汗症にアプローチしますが、どちらも長所があります。当院では両方の知見を活かしながら、お一人おひとりに最適な治療を提供しています。

多汗症を放置するリスク

多汗症は「単なる汗かき」として軽視されがちですが、適切な対処をしないまま放置すると、様々な身体的・心理的問題を引き起こす可能性があります。

身体的リスク

  • 皮膚トラブル:過剰な発汗により、皮膚が常に湿った状態になると、細菌やカビが繁殖しやすくなり、水虫や皮膚感染症のリスクが高まります。
  • 体温調節機能の低下:過剰な発汗が続くと、体温調節機能がさらに乱れ、症状が悪化する悪循環に陥ることがあります。
  • 脱水症状:大量の発汗により、体内の水分やミネラルが失われ、脱水症状や電解質バランスの乱れを引き起こす可能性があります。
  • かぶれや湿疹:特に脇の下や股間などの湿潤部位では、汗による刺激でかぶれや湿疹を起こしやすくなります。
  • 冷え症の悪化:汗をかきすぎると体が冷えやすくなり、特に手足の冷えが悪化することがあります。
  • 基礎疾患の見逃し:続発性多汗症の場合、その原因となる基礎疾患(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)を見逃すリスクがあります。

心理的・社会的リスク

  • 社会不安の増加:過剰な発汗への恐れから、人前に出ることや社交的な場面を避けるようになり、社会不安障害に発展する可能性があります。
  • 自己肯定感の低下:多汗症による外見上の問題(濡れたシャツ、汗染みなど)が、自尊心や自己肯定感の低下につながることがあります。
  • 対人関係の悪化:握手を避ける、近づかれることを恐れるなどの行動が、対人関係に支障をきたす可能性があります。
  • 仕事や学業への影響:書類が汗で濡れる、パソコンのキーボードが操作しづらいなど、仕事や学業のパフォーマンスに影響することがあります。
  • うつや不安障害のリスク:多汗症による社会的孤立や恥ずかしさが長期間続くと、うつ症状や不安障害を引き起こすリスクが高まります。
  • 日常生活の制限:服装や活動の選択が制限され、生活の質が全体的に低下することがあります。

早期対処の重要性

多汗症は、早期に適切な対処を行うことで改善の可能性が高まります。早期対処には以下のようなメリットがあります:

  • 症状が慢性化・悪化する前に改善できる
  • 心理的な不安や自己肯定感の低下を防ぐことができる
  • 続発性多汗症の場合、基礎疾患の早期発見・治療につながる
  • 社会生活や対人関係への影響を最小限に抑えられる
  • 自律神経機能の早期改善により、体質そのものが変わりやすくなる

多汗症の症状でお悩みの場合は、「単なる体質」と諦めずに専門家に相談することをおすすめします。当院では、多汗症の根本的な原因に対処し、身体的・心理的な負担を軽減するお手伝いをいたします。

当院の多汗症施術方法

当院では、東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた独自のアプローチで多汗症の根本改善を目指します。一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を行い、自律神経のバランスを整えていきます。

施術の特徴

  • 手足のツボを使った鍼灸治療:直接汗の出ている部位ではなく、関連する経絡上のツボを使うことで、自律神経のバランスを優しく調整します。
  • 東洋医学的診断に基づくアプローチ:脈診や舌診などの東洋医学的診断を行い、あなたの「証」を見極めた施術を行います。
  • 自律神経調整:多汗症の多くは自律神経の乱れから生じるため、自律神経を整える施術を重視します。
  • 体質改善アプローチ:一時的な発汗抑制ではなく、体質そのものを改善することで、持続的な効果を目指します。
  • ライフスタイルアドバイス:食事や生活習慣、ストレス管理法など、日常生活での改善ポイントをアドバイスします。

施術の流れ

  1. 問診:多汗症の症状や生活習慣、ストレス状況、既往歴などを詳しくお聞きします。
  2. 東洋医学的診断:脈診・舌診・腹診などを通じて、あなたの体質や「証」を判断します。
  3. 整体:自律神経の調整を促す優しい整体施術を行います。
  4. 鍼灸治療:あなたの体質や症状に合わせたツボに優しく鍼をし、必要に応じてお灸を行います。
  5. アフターケア:施術後の注意点や、自宅でできるケア方法についてアドバイスします。

多汗症に効果的なツボ

当院では、手足のツボを中心に、お一人おひとりの症状に合わせた治療を行います:

手足のツボ(遠隔治療)

  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボで、全身の気の流れを調整し、発汗のコントロールに効果があります。
  • 内関(ないかん):手首の内側から指3本分腕を上がったところにあるツボで、自律神経のバランスを整え、精神的緊張からくる発汗を抑えます。
  • 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボで、腎の機能を高め、陰虚による盗汗を改善します。
  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボで、脾・肝・腎の3つの陰経が交わる重要なポイントです。脾虚や気虚による多汗に効果的です。
  • 湧泉(ゆうせん):足の裏の指を曲げたときにできるくぼみにあるツボで、腎陰を補い、盗汗や熱感を伴う多汗を改善します。

これらのツボはあくまで一例で、実際の施術では、お一人おひとりの体質や証、症状の程度に合わせて最適なツボを選択し、施術を行います。

期待できる効果

  • 発汗量の減少:過剰な発汗が徐々に減少し、正常な範囲に近づきます。
  • 自律神経の安定:緊張やストレスによる発汗が抑えられ、精神的な落ち着きが得られます。
  • 体質の改善:根本的な体質改善により、持続的な効果が期待できます。
  • 生活の質の向上:多汗症による社会的な不安や恥ずかしさが軽減し、QOLが向上します。
  • 関連症状の改善:不眠、疲労感、冷え症などの関連症状も同時に改善することがあります。

当院の施術は、副作用のリスクが低く、体に優しいアプローチで多汗症の改善を目指します。ただし、体質改善には個人差があり、効果の現れ方や改善までの期間には個人差があることをご理解ください。

多汗症に関するよくある質問(FAQ)

Q: 多汗症の治療は何回くらい通えばいいですか?

症状の程度や体質によって個人差がありますが、一般的には以下のような目安があります:

  • 軽度の症状:週1回の頻度で1〜2ヶ月程度
  • 中程度の症状:週1〜2回の頻度で2〜3ヶ月程度
  • 重度の症状:週2回から始めて、症状の改善に合わせて徐々に間隔を空けていく

初回の施術の前に、あなたの状態に合わせた通院計画をご提案いたします。症状の改善に合わせて、徐々に通院間隔を広げていくことが一般的です。東洋医学では体質改善を目指すため、即効性ではなく持続的な効果を重視しています。

Q: 鍼灸治療で多汗症はどのくらい改善しますか?

鍼灸治療による多汗症の改善度合いには個人差がありますが、多くの方が3〜5回の施術で発汗量の減少を実感されています。

症状の重さや継続期間、体質などによって改善の速度は異なりますが、一般的には以下のような傾向が見られます:

  • 精神的ストレスによる発汗(緊張時の手掌多汗症など)は比較的早く反応が現れやすい
  • 体質的な要因が強い場合(陰虚や気虚による多汗など)は、徐々に改善していく傾向がある
  • 症状が長期間続いている場合は、改善までにより時間がかかることがある

当院での施術と併せて、生活習慣の改善やセルフケアも実践していただくことで、より効果的な改善が期待できます。完全に発汗が止まることを目指すのではなく、日常生活に支障がない程度まで改善することを目標としています。

Q: 多汗症は季節によって症状が変わりますか?

はい、多汗症は季節によって症状の出方が変化することがあります。一般的には以下のような傾向が見られます:

  • 夏季:気温の上昇により体温調節のための発汗が増えるため、多汗症の症状が悪化しやすい季節です。特に全身性の多汗症や心火亢盛タイプの方は注意が必要です。
  • 梅雨時:湿度が高いため汗が蒸発しにくく、皮膚の表面に汗が残りやすくなります。脾虚湿盛タイプの方は症状が悪化しやすい傾向があります。
  • 冬季:気温が低下すると一般的には発汗は減少しますが、厚着や暖房による急激な温度変化で発汗が増えることもあります。また、腎陽虚タイプの方は冷えを伴う発汗が見られることがあります。
  • 季節の変わり目:自律神経が乱れやすい時期で、気虚タイプの方は体の適応が追いつかず、多汗症状が悪化することがあります。

当院では、季節に合わせた施術とアドバイスを行い、年間を通じて症状をコントロールできるようサポートいたします。特に症状が悪化しやすい季節の前に予防的な施術を受けることで、より効果的に症状をコントロールできることがあります。

Q: 多汗症と体質改善のための食事アドバイスはありますか?

はい、多汗症の体質改善には食事も重要な要素です。体質に合わせた食事のアドバイスをいくつか紹介します:

  • 気虚タイプ:気を補う食材(山芋、ニンジン、大豆製品、鶏肉など)を積極的に摂り、冷たい食べ物や生野菜の摂りすぎは控えましょう。
  • 陰虚内熱タイプ:熱を冷ます食材(きゅうり、冬瓜、白きくらげ、梨など)を取り入れ、辛い食べ物やアルコール、コーヒーなどの刺激物は控えましょう。
  • 心火亢盛タイプ:心を落ち着かせる食材(蓮の実、蓮根、セロリ、小豆など)がおすすめです。刺激物や油っこい食べ物は避けましょう。
  • 脾虚湿盛タイプ:脾を補い湿を除く食材(大根、とうもろこし、はと麦、山芋など)を摂り、甘いものや冷たい飲食物、乳製品の摂りすぎは控えましょう。
  • 腎陽虚タイプ:体を温める食材(羊肉、くるみ、生姜、ネギなど)を取り入れ、体を冷やす食材(スイカ、バナナ、カニなど)は控えめにしましょう。

また、体質に関わらず、以下のことに注意すると多汗症の改善に役立ちます:

  • 水分はこまめに摂る(特に夏場)が、一度に大量に飲むことは避ける
  • 辛い食べ物、刺激物(カフェイン、アルコールなど)は控えめにする
  • 食事は規則正しく、腹八分目を心がける
  • 発汗を促進するビタミンB群を含む食品(全粒穀物、豆類など)はバランスよく摂る

当院では、初回のカウンセリングであなたの体質を見極め、より詳細な食事アドバイスをご提案いたします。

Q: 施術後に気をつけることはありますか?

施術後は以下の点にご注意いただくと、効果を最大限に引き出すことができます:

  • 施術当日の激しい運動や長時間の入浴(サウナなど)は避ける
  • アルコールの過剰摂取を控える
  • 十分な休息をとり、早めの就寝を心がける
  • 水分を十分に摂る(特に白湯がおすすめです)
  • 刺激物(辛い食べ物、カフェインなど)は控えめにする
  • ストレスを溜めないよう、リラックスする時間を持つ

また、稀に施術後に「好転反応」として、一時的に症状が強くなったり、だるさを感じたりすることがあります。これは体が治癒に向かうプロセスの一つで、通常2〜3日で収まります。気になる場合は院長にご連絡ください。

多汗症改善のための自宅でのセルフケア

多汗症の改善には、施術と併せて日常生活での取り組みも重要です。以下のセルフケア方法を継続的に行うことで、症状の緩和と体質改善につながります。

生活習慣の改善

  • 規則正しい生活リズム:一定の時間に起床・就寝することで、自律神経のバランスを整えましょう。
  • 適度な運動:ウォーキング、ヨガ、太極拳などの穏やかな運動は、自律神経のバランスを整え、過剰な発汗を抑える効果があります。ただし、激しい運動は一時的に発汗を増やすので注意が必要です。
  • 温度管理:急激な温度変化は発汗を促進するため、季節の変わり目や冷暖房の使用には注意しましょう。重ね着をして調節できるようにすると良いでしょう。
  • 服装の工夫:通気性の良い綿や麻の素材を選び、脇パッドや吸汗速乾の下着を活用しましょう。
  • ストレス管理:瞑想、深呼吸、趣味の時間など、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

食事の注意点

  • 刺激物を控える:辛い食べ物、アルコール、カフェインなどの刺激物は、発汗を促進するため控えめにしましょう。
  • 体を冷やす食材:特に陰虚内熱タイプの方は、きゅうり、冬瓜、白きくらげ、梨などの涼性食材を積極的に摂りましょう。
  • 消化に良い食事:脾胃の負担を減らすため、消化に良い食事を心がけ、食べ過ぎを避けましょう。
  • 水分摂取の工夫:水分は一度に大量ではなく、こまめに少量ずつ摂りましょう。特に白湯がおすすめです。
  • ミネラルの補給:汗で失われるミネラル(特にマグネシウム、カリウム)を含む食品(ナッツ類、緑黄色野菜、バナナなど)を意識的に摂りましょう。

自律神経を整えるリラクゼーション法

  • 腹式呼吸:1日3回、5分程度行いましょう。息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませます。ゆっくりと深く呼吸することで、副交感神経が優位になります。
  • 漸進的筋弛緩法:全身の筋肉を部位ごとに意識的に緊張させ、その後リラックスさせる方法です。寝る前に行うと効果的です。
  • 瞑想:静かな場所で背筋を伸ばして座り、呼吸に集中します。1日10分程度から始めて、徐々に時間を延ばしていきましょう。
  • 自律訓練法:「手足が温かい」「心臓がゆったり打っている」などと自己暗示をかけながらリラックスする方法です。

ツボ押し

自分でできるツボ押しも効果的です。以下のツボを親指や人差し指で3〜5秒間押し、緩めるを10回程度繰り返しましょう:

  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わるあたりにあるツボです。全身の気の流れを調整し、発汗のコントロールに効果があります。
  • 内関(ないかん):手首の内側から指3本分腕を上がったところにあるツボです。自律神経のバランスを整え、緊張からくる発汗を抑えます。
  • 太渓(たいけい):足の内くるぶしの後ろのくぼみにあるツボです。腎の機能を高め、盗汗を改善します。
  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。脾・肝・腎の機能を整え、多汗症の改善に効果的です。

スキンケアと清潔の保持

  • こまめな清拭:汗をかいたら、清潔なタオルでやさしく拭き取りましょう。汗をためておくと雑菌が繁殖しやすくなります。
  • 肌に優しい石鹸:刺激の少ない弱酸性の石鹸を使い、汗腺を詰まらせないようにしましょう。
  • 保湿ケア:多汗症でも皮膚の乾燥は起こります。特に洗顔や入浴後は、適切な保湿剤で肌を守りましょう。
  • 衣類の管理:衣類は通気性の良い素材を選び、こまめに着替えましょう。靴も通気性の良いものを選び、履き替えることが大切です。

これらのセルフケアを日常生活に取り入れることで、施術の効果を高め、多汗症の症状を和らげることができます。無理なく続けられる方法から始めて、徐々に習慣化していきましょう。

多汗症のまとめと施術のご案内

多汗症の要約

多汗症は、体温調節に必要な量を超えた過剰な汗が分泌される状態で、手のひら、足の裏、脇の下、顔面など特定の部位に症状が現れることが多いです。西洋医学では交感神経の過剰反応や遺伝的要因が主な原因とされ、東洋医学では気・血・津液のバランスの乱れによって生じると考えられています。

多汗症は単なる「汗かき」ではなく、皮膚トラブルや社会不安、自己肯定感の低下など、様々な身体的・心理的問題を引き起こす可能性がある疾患です。早期に適切な対処を行うことで、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。

治療法としては、西洋医学では薬物療法やボツリヌス毒素注射などがありますが、副作用のリスクも伴います。一方、東洋医学では鍼灸治療や漢方薬、生活習慣の改善などを通じて、体質そのものを改善するアプローチを取ります。当院では両方の知見を活かした総合的な施術で、多汗症の根本改善を目指しています。

当院のアプローチの特徴

当院では、多汗症に対して以下のようなアプローチを行っています:

  • 東洋医学と西洋医学の知見を組み合わせた総合的な施術
  • 一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療計画
  • 手足のツボを使った鍼灸治療と、体質に合わせた施術
  • 自律神経のバランスを整える施術で根本的な体質改善を目指す
  • 食事や生活習慣に関する具体的なアドバイスで日常生活からサポート

多くの患者様から「汗の量が減った」「人前での緊張感が和らいだ」「生活の質が向上した」といったお声をいただいております。多汗症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

多汗症の症状でお悩みの方は、ぜひ当院までご連絡ください。初回のカウンセリングで丁寧にお話を伺い、最適な施術プランをご提案いたします。

【住所】

567-0818
大阪府茨木市本町1-16本町8番館1階
(阪急茨木市駅から徒歩5分)

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072-622ー0134

【受付時間】

月・火・木・金 10:00~13:30 16:00~19:30
水・土    10:00~13:30
日曜・祝日  休み

多汗症は心身ともに辛い症状ですが、適切なケアで必ず改善できます。当院では、あなたの多汗症の根本改善をサポートし、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

施術料 5500円(税込)
初診料 1100円(税込)

(前回の施術から2ヶ月以上空いた場合は1100円を頂いております)
※クレジットカード、QRコード払い等、各種キャッシュレス決済に対応しております。

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